平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
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散散歩歩。(1423)瀬戸の潮風に吹かれて。(3)

旅(国内)

10月16日(月曜日)。

ミニボンと、シースピカで瀬戸内海をクルーズして、そして、ホテルにチェックインをした。

さて、美味しい夕食でも食べに行こうかなと思う。

いつもなら、どこのお店に行こうかと悩むところでありますが。

今日のお店は、出発する前から、決めていたのだ。

昨年、広島に行った時に、ミニボンと、行くところが無くて、偶然に見つけて、メキシコ料理のお店に入ったことがある。

ビルの4階で、見た目入りにくいお店なのだけれど、思い切って入ったら、なかなか、美味しい料理を食べさせるお店だったのだ。

スタッフのお兄ちゃんは、入れ墨を入れてて、ミニボンは、入れ墨を入れた人が嫌いなのにもかかわらず、何故か、ミニボンが気に入ったようで、また、行きたいというのだ。

勿論、凡も、行きたいと思うお店だ。

兎に角、料理が美味しいし、メキシコ料理なんて、滅多に行かないしね。

なので、ホテルから10分ほど歩いて、お店に行った。

Graffity(グラフィティ)さん。袋町というところにあります。

ドアを開けると、満席状態だ。

でも、カウンターならと、席を用意してくれた。

そういえば、こんな兄ちゃんだったなと懐かしく思い出しながら、メニューを検討。

スタッフは、前にいた兄ちゃん2人に、女の子がひとり、そして、若い兄ちゃんが、2人いた。

そのうちの、若い兄ちゃんのひとりは、今日だけの助っ人らしい。

カウンターの後ろのテーブル席は、団体さんのようだ。

周りを見ると、まだ、料理のサーブされていない人も多い。

「これは、なかなかな時間が掛かりそうな感じだから、ある程度、食べたら、次の店に行こう。」とミニボンと話していた。

このお店は、お気に入りなのだけれど、こんな混んでいる時に、あまり注文するとスタッフも大変だろうなと思ったからだ。

でも、取り敢えず、ビールを注文。

料理は、エローテというトウモロコシを茹でて、マヨネーズのようなソースを塗ったもの。

これが、ミニボンの1番のお気に入りだ。

そして、マグロとアボカドのポキ。

これは、お酒にぴったり。

ポップコーンシュリンプ。

もっと注文したかったが、なんせ、満席で、カウンターの兄ちゃんが、メチャ、忙しそうだったので、様子見で、とりあえず、それだけ注文した。

すると、お姉さんが、混んでいるので、出来上がった物から、サーブしてもいいですかと聞いてきた。

こういう一言が、安心するんだよね。

勿論、オッケーだ。

カウンターの向こうは、キッチンでお兄ちゃんが、一所懸命に料理を作っている。

サブの若い兄ちゃんもカウンター前や、奥で作業をしている。

目の前に、お兄ちゃんがいるので、その様子を見ていると、料理を作っているのは、この兄ちゃん、ほぼひとり。サブの男の子もいるが、肝心なところは、目の前の兄ちゃんがやる。

それを見ていると、なかなかの手際の良さだ。

凡も、以前の日本茶の会社にいた時、喫茶店のようなところで、お客さんに日本茶を淹れるという仕事をしたことがあるが、これだけの待ちの人数がいる中で、こうも、手際よく作業を出来るものじゃない。

待っている人が多いと、焦ってしまって、却って、時間が掛かったりね。

大したもんだなと見ていたら、最初に、ポキがサーブされた。

このあたりで、折角だから、メキシコのビールでも飲もうと思う。

若い兄ちゃんに、メキシコのビールのオススメと注文したら、前に来た時にいた別の兄ちゃんが、濃い目がいいか、軽い目がいいかと聞いたので、濃いめでお願いした。

見たことのないビールだが、IPAの香りのよいビールだ。

すると、さっきの兄ちゃんが、どうでした?と聞いてきた。

そして、凡のことを覚えていると言ったのだ。

まあ、リップサービスとしても、こういうのも嬉しいですね。

そして、料理は、ポップコーンシュリンプと、エローテが登場。

エローテ
ポップコーンシュリンプ

このエローテなのだが、注文して、少ししたら、目の前のキッチンで、フライパンでトウモロコシを茹でだした。

ちゃんと、生のとうもろこしを茹でるところから作ってるのね。

その他の料理も、言い方は変だけど、真面目に作っている。

そして、今度は、アメリカのオススメのビールを注文。

このあたりで、ちょっとお店も落ち着いてきたようなので、ブリトーという料理を注文。

タコスの具の多いバージョンみたいな料理だ。

いくつも具の種類があるが、牛肉入りのカリフォルニアというのを頼んだ気がする。

んでもって、メキシコと言えば、やっぱりテキーラじゃないか。

なので、お兄ちゃんに、これまた、お薦めのテキーラをお願いした。

なんちゃらのレポサドというのを頂く。

香りも良くて、美味しいけれど、量が少ないからね、すぐに飲んじゃった。

なので、生ビールにテキーラを沈めたサブマリーナという飲み物を頂く。

生ビールに、テキーラが沈めてある。
ブリトー

ブリトーは、ボリュームもあって、なかなか、美味しかったです。

お店の人気メニューでもあるようだ。

最初の予定では、もう1軒、別のお店にハシゴしようと考えていたのですが、もう、ミニボンがお腹いっぱいだという。

なので、このお店で終わろうと思う。

となると、もう1杯だけ飲みたい。

また、別のなんちゃらのアネホというテキーラを頂いた。

それと、バナナフライというのがあったので、デザートとして頂く。

これが思ったよりボリュームがあった。

さて、これで広島の夜は、お開きとしましょう。

お会計をしたら、11550円だった。

この内の、半分近くが、ひょっとしたら飲み代かもね。

広島に来て、メキシコ料理のお店に行くというのは、また、面白いなと思う。

広島に来た時に、というか、どこか旅行に出かけた時に、今回も行こうかなと思えるお店があるのは、いいものですね。

このお店は、なんせ、美味しいものね。

まだ、食べていない料理もあるから、きっと、また来ると思う。

ということで、店を出たら、折角だからと繁華街をぐるっと歩いてから、ホテルに戻る。

ラウンジと呼ばれるフリースペース

広島東急REIホテルには、ラウンジと呼ばれるところがあって、朝は朝食会場になるのだけれど、昼と夜は、普通に開放されていて、コーヒーなどがセルフで飲めるようになっている。

なので、部屋に戻る前に、ちょっと雰囲気でも見てみようと、ラウンジに行ってみた。

すると、20人ぐらいの男女が集まって、楽しそうに雑談をしているのだ。

夕食で、お酒を飲んで、少し気分がアップした感じで、話をしている。

その年齢が、70才とか、75才とか、そのぐらいの男女なのだ。

話を、それとなく聞いていると、どうも、中学校か、高校の同窓会のようである。

それにしても、この年になって、これだけの男女の人数が集まるなんて、広島県人は、元気なのだろうか。

「なんとかちゃん、好きやったんやろ。どうやったんや。」

みたいな、そんな感じの会話も聞こえて来た。

おお、いいぞ。

いくつになっても、やっぱり、男と女の関係は、恋愛で繋がっているのだ。

それにしても、一体、何年前の話だ。

ひょっとして、5、60年前の話じゃないか。

メンバーは、男性が多いが、それでも、4割ぐらいは、女性の参加だ。

或いは、こんな会話をしながらも、今目の前にいる75才の顔の中に、当時の、17才とかの顔を、脳内で重ね合わせているのだろうか。

たぶんだけれど、このメンバーの中に、当時、思いをはせていた意中の人がいて、もう年だからと、恋愛なんて関係ないよみたいな素振りをしながらも、ちょっと意識しあっていたりしてね。

いいぞ、いいぞ。

「ほんまかいな。フミエちゃん、まだ、独身やったんかいな。わしもな、早うに嫁さん亡くしてな、ひとりやねん。そや、今度、一緒に餃子食べに行けへんか。いやなに、王将の餃子の無料券もってんねん。っていうか、フミエちゃんには、もっと豪華な料理食べさせてあげたいけどな、正直な話、わしも年金暮らしやさかい、お金ないねん。王将ぐらいが精いっぱいなんや。そらあれやで、餃子だけちゃうで。酢豚とかも注文するで、そらそうや、マドンナのフミエちゃんの為やんか。どや。わしと付きおうてくれへんか。な、な、な。ええやろ。どや。」

とまあ、こんな会話が、この後、あったかなかったか。

気になるところではあります。

えー、広島弁を知らないので、会話の部分は、大阪弁で代用させてもらいました。

それと、広島のお店知らないので、そこは、餃子の王将でね。

とはいうものの、昔話に花を咲かせるのも良いけれど、今、燃えるような恋をしていて欲しいな。

過去じゃなくて、現在。

「お前、本当に、28才の子と付きおうてるんか。それ、騙されてるで。絶対。」

「そうよ。あんたの年齢を考えってみなさいよ。」

「ぐふふ。お前ら、羨ましいんやろ。あんな、わしのこと、『シゲちゃん、愛してるー。』ってな、『シゲちゃん、おらんと、うち淋しいー。』ちゅうてな、毎日、言うてくれるねん。そやからな、わしら、相思相愛ちゅうわけやねん。」

「そやから、それ騙されてるちゅうねん。」

「そんなことあるかい。こんど、マリコちゃん、わしに抱かれるちゅうてくれてるんやで。そのぐらい愛し合ってるんや。これマジちゅうやつやな。わしも、その愛の証明に、明日、家、売りに行くねん。」

「家、売りに行くって、あんた、正気か。」

「至って、正気やで。愛してる人に、家、売って、そのお金あげるのって、これ、愛を証明する1番の方法やろ。マリコちゃんに言うたら、『シゲちゃん、うち、うれしいー。』って。わしら、幸せやねん。」

「あかん、あかん。それ、絶対に詐欺や。騙されてる。お前、警察に相談した方がええで。」

「そうよ。あたし、警察に、一緒に行ったげるわ。」

「そうやな。そう思うわな。普通わな。ふたりとも、おおきにな。でも、わしは、止めへんで。この愛に生きるんや。」

「騙されてるって、疑った事ないの。」

「、、、、、解ってるわいな。そやけど、解ってるけど、わしの愛は止められへんねん。たとえ、騙されて、金とられて、逃げられても、マリコちゃんに、愛を伝えたいんや。、、、、なあ。やっぱり、わし、捨てられると思うか。」

「間違いないな。」

「当たり前やん。」

「かまへん。わし、捨てられて、家も金も盗られて、その辺で、野垂れ死にするかもしれへんけど。愛を証明したいんや。、、、そやけど、、、、、わし、身体丈夫やさかい、野垂れ死にできるやろか。わしの愛って、重いか。」

「そんなん、知らんわ。」

「まあ、好きにしといて。そや、まあ、来年まだ、生きとったら、同窓会で話聞かせて。」

「ちょ、ちょっと、待って。まだ、愛の話したいねん。

(聞いていたふたり)「、、、、知らんがな。ほな、さいなら。」

なんてね。

年老いても、今の愛に生きて欲しいな。

そして、例え、年をとっても、愛と夢を追いかける素晴らしさを、今の若い人に教えてあげて欲しい。

そうだ、みゆきさんは、今でも、恋をしているのだろうか。

誰か、好きな人がいるのだろうか。

考えると、嫉妬心で、気が狂いそうになるじゃない。

「うちな、うち、今度、家売って、それ凡ちゃんに上げようと思うねん。うちの愛の証明として、凡ちゃんに上げたいねん。そしたら、凡ちゃん、うちを抱いてくれるんやて。うし、幸せや。」なんてね。

神様の悪戯で、そんことになりはしないものだろうか。

っていうか、みゆきさんは、自分の事を「うち」なんて言わないわな。

ここでもまた、北海道弁知らないので、大阪弁になってしまいました。

でも、想像だけど、みゆきさんの大阪弁も可愛だろうな。

まあ、とりあえずは、みゆきさんの恋は、考えないことにしよう。

話は、東急REIホテルのラウンジだ。

今回は、同窓会の人たちが集まっていたので、賑やかだったが、普段は、静かなフロアに違いない。

気分転換で、このフロアで、書き物をしたりするのも良いかもしれない。

コーヒーも、カップだけじゃなくて、ちゃんと、ソーサーも置いてあるので、その辺が、気に入りました。

さて、部屋に戻って、凡だけ、最後の締めに、おにぎりと、プロテインを頂く。

プロテインの粉を持って行けなかったので、コンビニのやつ。

最近、朝昼晩と、プロテインを飲んで、ビタミンミネラルをサプリで摂っておる凡であります。

痩せるために飲んでいた、糖尿の薬のメトホルミンは、5ヶ月飲んでみたけれども、最近、止めた。

エネルギーを作るという点で、どうなのかなという疑問があったのと、何より、アルコールと相性が悪いので。

と、本文とは関係ないですけれど、忘備録として、書いておこう。

ということで、広島の夜も終わって、ベッドで、ゴロリと横になったが、なかなか、熟睡は出来なかった。

コメント

  1. yukemuri より:

    地方の旅先に行きたいお店がある、これって凄く旅の達人みたいで良いですよね
    しかも広島なら普通はお好み焼きってところを、なんとメキシコ料理とくればまさに旅の達人ですよ
    お店に人も凡蔵さんの事を覚えていてくれたのは本当だと思いますよ
    これも嬉しいんですよね
    ポキも美味しそうですが、エローテが特に気になりますよ
    ネーミングがグッときますもんね(笑)
    ブリトーのタレは辛いんですかね?
    テキーラときっと合うんでしょうね
    それにしてもテキーラをグッと飲み干しちゃうなんて凄いですね
    デザートのバナナフライは食べた事無いので、一度食べてみたいですよ
    それからホテルで談笑していた方々は、同窓会だったんですかね?
    高齢になってこのように昔の友達と会って話をできるなんて、とても幸せな事ですよね
    羨ましいですよね

  2. tairabonzou tairabonzou より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    旅に出ると、また行きたいなと思うお店に出会うことがありますが、実際は、また再訪ということに繋がることは少ない気がします。
    むしろ、yukemuriさんの方が、その点、義理堅いというか、何度も訪れている場所や、お店もあるんじゃないでしょうか。
    それって、楽しいことですよね。
    今回は、ミニボンも行きたいと言う事で、実現しましたよ。
    でも、美味しかったので、行って良かったです。
    エローテは、「ーテ」が無ければね、もっと、素敵な料理になったのかもですね。
    ブリトーのタレは、チリソースでした。
    写真で見るより、かなりボリュームがありましたよ。
    生地で具を巻いて、最後は、フライパンで焼いてました。
    ホテルの談笑していた集団は、たぶん、同級生だったんじゃないかと推測してます。
    それにしても、その年齢になって、これだけの人数が集まるって、それだけで、素晴らしいなと感じましたよ。
    やっぱり、田舎というと失礼かもですが、人のつながりを大切にしているのかもしれないですね。
    それに、集まれるということは、健康っていうことでもあるでしょうし。

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