平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1421)瀬戸の潮風に吹かれて。(1)

旅(国内)

みゆきさんの来年のコンサート「歌会」のファンクラブの先行販売の抽選も終わりまして、凡は、なみふく、でじなみで、東京の2日、みゆきさんに会えることとなった。

というか、正確には、会えるじゃなくて、遠くからお姿を拝見するとなるのではありますが、ここは、会えると表現しておきたい気持ちなのではあります。

んでもって、後は、興行元や、一般の応募で、さらに日数を増やしたいなと、そんな夢を抱いておりますが、取り敢えずは、ひと段落。

この夏は、青春18きっぷで、旅に出かけてきた凡でありますが、今月は、ミニボンと出かけようと、実は、先月から、凡とミニボンの休みが合うように調節してきたのであります。

んでもって、まずは、休めることになったので、どこかへ出かけようと思う。

ということで、どこに行くか、迷ったのですが、以前から、これはミニボンが喜ぶのではないかと思うプランを持っていたのです。

「ミニボンは、船に乗らせておけば、機嫌が良い。」

長年、ミニボンと旅行をしてきた凡の経験上、断言できる。

なので、今回、考えた瀬戸内海をクルーズするという計画は、絶対に、ミニボンが喜ぶと思うのです。

それをミニボンに言うと、行きたいと言う事で、プランは決まった。

そのクルーズというのは、広島の三原というところから、SEA SPICAという高速船で、瀬戸内海の海に浮かぶ島を見ながら広島に向けて走るというものだ。

途中に、凡の乗る西行きの航路は、大久野島と、大崎下島に立ち寄る。

ひとり6500円と、高めの値段設定だが、5時間半のクルーズなので、値打ちがあるとも言える。

シースピカの航路図

ということで、当日。

10月16日(月曜日)。

自宅を出発して、JR京橋駅で、予め発券していたきっぷに入鋏。

今回は、JRのお得なきっぷ「こだま指定席きっぷ」を使った。

前日までに、2名以上でという条件があるが、こだましか停まらない駅に移動するなら、お得に行けるきっぷだ。

1人あたり、片道6570円。

京橋駅から大阪駅まで移動して、そこから、新幹線に乗るために、新大阪に移動する。

「あ、ちょうど、電車が出るとこだよ。」と、急いで、ホームに停まっていた電車に乗り込んだ。

でも、ドアは閉まらない。

しばらくすると、車内アナウンスが流れる。

どこかの橋に、車がぶつかったとか、そんな内容で、しばらく、運転を見合わせるという。

あらら、なんというタイミング。

凡の買っている新幹線のきっぷは、指定した列車しか乗れない変更不可のきっぷだ。

とはいうものの、この場合、JRの列車が動かないせいなのだから、ひょっとしたら、新幹線の列車の変更も出来るのかもしれない。

10分ぐらい車内で待っている間に、何人も列車を下りて行く人がいて、時間とともに、その人数が増えていく。

そんな状況であっても、凡は、落ち着いたものだ。

なんせ、新大阪で、1時間の余裕を見ていたからだ。

新大阪で、駅弁を買ったり、トイレに行ったりする時間を考えての事だ。

トイレに1時間って、どんだけ、トイレ長いねんと、ツッコミが入りそうですが、混んでる場合もあるものね。

なので、たとえ、30分遅れたって、十分に間に合うのである。

とはいうものの、事故なので、状況確認に1時間ぐらいかかるということもあるだろう。

その場合でも、大阪、新大阪間なら、他に移動する方法はある。

15分ぐらいしたら、振り替え輸送のアナウンスがあったので、列車を下りて、地下鉄に向かった。

改札口で、既に、きっぷに入鋏している旨を相談したら、新大阪駅で言えば大丈夫とのことで、改札口を出た。

地下鉄は、ほぼ、フリーパスの状態で、新大阪に移動。

新大阪の駅で、きっぷを見せて、改札口を通過した。

出発に、ちょっと、バタバタしたが、結果的には、ラッキーだったのかもしれない。

新大阪駅に着いたら、まずは、トイレだ。

んでもって、駅弁を買った。

汽車弁当と迷って、結局、定番の水了軒の八角弁当にした。

09時32分発。こだま11時32分。

車両は、レイルスターなので、シートも2-2の配列で、非常に快適だ。

車内は、8割9割の乗車率で、驚いたことに、9割方が外国人だ。

しかも、アジア系じゃない外国人。

或いは、外国人向けの格安きっぷで、JAPAN RAIL PASSというのがあって、全国のJRに乗ることが出来るのだけれど、それを使っての旅行かもしれないな。

ただ、山陽新幹線は、のぞみに乗ることが出来ない。

なので、このこだまに乗っているのだろう。

そんな新幹線を満喫しまして、11時32分に、三原駅に到着。

お目当てのクルーズの受付は、13時からなので、まだ時間がある。

ここで、お昼ご飯をしておこうと思う。

三原の名物はというと、たこ料理だ。

いくつかのタコ料理を食べさせるお店があって、観光案内所で聞いたお店も見つけることが出来たのだけれど、たこ料理のお店は、セット料理がメインのようで、ひとり3000円とか、そこそこの値段だ。

それに、店頭の写真を見ると、そういうセットには、たこの釜めしがセットになっているようで、ひょっとしたら、そこに椎茸などのキノコが使われている可能性もある。

ミニボンは、極端なきのこ嫌いなのです。

なので、たこ料理は、やめた。

となると、三原と言う場所には、そう飲食店は多くない。

ぶらぶらと歩いていると、見た目は、ふつうの食堂という感じのお店があった。

その店先に立て看板があって、メニューの写真と、値段が書いてある。

普通の食堂にしては、気になる看板だ。

カツ丼やオムライスも気になるが、昭和のラーメンという謳い文句が気になるじゃない。

「創業1953年 歴史に裏打ちされた『昭和の味』特製スープ!」

これは旨そうだ。

ということで、店に入る。

「神田屋食堂」さん。

入った瞬間、想像と違うと感じた。

後で、ミニボンに聞いたが、一瞬、尻込みをしたそうだ。

写真を見ると、そうは思わないが、生活感が滲み出ているのだ。

いや、お店自体は、ちゃんとした普通のお店だと思う。

ただ、お店に入った時の雰囲気が、そう感じさせたのである。

というのも、奥のテーブルには、7、80才ぐらいのおばちゃんの客がいて、料理をアテにチューハイを飲んでいる。

それで、お店のママと座って、うだうだと世間話をしていたのだ。

時分時なのに、他に誰もいない。

そのおばちゃんの客の飲んでいる姿が、尻込みをさせる生活感を感じさせたのだろう。

とはいうものの、凡は、カウンターの上に貼ってあるメニューから、或いは、昔からの懐かしい味を提供してくれるお店なのかもしれないという期待から、入口のテーブルに座った。

凡は、昭和のラーメン。

そして、ミニボンは、みそラーメンを注文。

感想は、可も無く、不可も無く。

ミニボンのみそラーメンも、ちょっと食べてみたが、凡のラーメンと感想は同じだ。

味が、優しいのである。

言い換えれば、最近の濃い味のラーメンを食べている凡にとっては、スープが薄く感じる。

スープを飲んでいて、不味くは無いけれども、ああ、もう少し濃いめだったらなあと、思いながら食べるという感じ。

とはいうものの、これが三原の昭和の味なのかもしれません。

それに、ちゃんとしたお店というか、ちゃんとしたマスターなのだろうと思えるところは、みそラーメンと昭和のラーメンの麺が違う事だ。

みそラーメンは、凡は、麺については詳しくないが、札幌ラーメンの店で見られる西山製麺風のぷりぷりとした縮れ麺だ。

それに対して、昭和のラーメンは、細いストレート麺だった。

昭和のラーメンは、凡の好みと違って、硬めに湯がかれていた。

なので、その辺も、考えておられるのだろう。

ということで、このお店の評価は、店の奥で飲んで、ぐだぐだ喋っている女性がいなければ、また、違った評価になっていたかもしれない。

とはいうものの、かのチューハイで、うだうだの女性も、年齢からして、他にすることもないのだろう。

このお店は、お昼に、ちょこっと1杯飲みながら、お店の人と世間話をする。

或いは、今日の1日の中で、唯一、楽しいなと思える時間なのかもしれない。

なので、そんな楽しみを、通りすがりの旅行者が、奪う権利は、全く以って無い訳でありまして、明日からも、この風景が続いて欲しいなとも思う。

凡とミニボンのどっちが先に死ぬかわからないが、どっちかが、先に逝って、ひとりになるだろう。

そんな時に、周りに知っている人もいなくて、友達もいなくて、となると、こういうお店は必要になってくるのかもしれないね。

朝起きてさ、歯を磨いて、「さて。」と口に出していったものの、別にすることも無いから、テレビでも点けて、そうこうするうちにお昼。

身体も、あっちこっち痛くて、仕事も出来なくて、年金暮らし。

お金が無いから、趣味の集まりなんて行けないし。

夕方になったら、スーパーに出かけて、600円ぐらいのお弁当を買って、家で、ひとりで食べる。

んでもって、夜も更けたら、寝るしかない。

天井の電灯のスイッチを切ったら、心細いぐらいの暗さに、毎回、びっくりして。

ああ、今日も1日、終わっちゃったね。

なんて、独り言を呟いて、目を閉じる。

もし、凡が先に死んで、ミニボンが、そんな暮らしをしていると想像したら、切なさに胸が締め付けられるよ。

そんな生活をするぐらいなら、近くのお店で、ビール1本に、おかずを1つ。

1000円ちょっとで、少し世間話をして帰る。

そっちの方が、健康的かもしれない。

店には、迷惑かもしれないけれど。

話は、ズレて行っちゃうけれど、世の中に沢山、介護施設があるけれども、お昼に、みんなで集まって、ちょっとビールを飲みながら、世間話をするという介護施設があっても良いかもしれない。

以前、テレビで、みんなが集まってマージャンをするという介護施設が紹介されて、世間から批判を浴びるということがあったけれども、老後を元気で、いきいきと生きるという目的を考えたら、凡は、大いに結構なことだと思う。

世間の批判なんて、無視すればいい。

今の介護施設なんて、みんなで、幼稚園のお遊戯みたいなゲームをしたり、そんなことをしているけれど、そんなことをするよりも、マージャンをしたり、お酒を飲んだりする方が、よっぽど、効果があるんじゃないかと思う。

というか、第一、あのお遊戯みたいなゲームは、本当に、施設を利用している人にとって、健康や、老化防止の効果があるのだろうか。

凡は、どっちにしたって、恥ずかしくて、あんなことは出来ないよ。

たとえ、施設に入ったとしても、あれは、絶対に拒否しよう。

とはいうものの、そこの介護施設の職員が、ミニスカートの若い女の子でさ、「凡おじいちゃん、あたしと、ゲームしましょ。」なんて、甘い声で言われたら、それは、勿論、お遊戯しちゃいますよ。

「しちゃう、しちゃう。凡は、ツイスターゲームがいいな。」なんてね。

まあ、若い女の子が、ツイスターゲームを知っているかどうかは、知りませんがね。

と、年をとっても、エロな凡であることは、変わりないようではあります。

とはいうものの、介護施設に入るにも、お金が必要だろうから、入りたくても入れないのかもしれないね。

ということで、何の話でしたっけ。

そうそう、三原の食堂「神田屋食堂」さんで、ラーメンを食べたと言う話でした。

クルーズ船の乗り場の三原港に行くと、まだ、受付の13時にはなってなかったが、スタッフの女性がいらっしゃって、凡の座席のチケット代わりのコピーを呉れた。

いよいよ、この旅の目的であるクルーズである。

船は、シースピカという、新しい船で、ちょっぴり豪華な見た目であります。

船が入港するのを、しばらく待った。

奥に見えるのが、到着して清掃中のシースピカ。

コメント

  1. yukemuri より:

    今度は瀬戸内クルーズ旅ですか?
    良いですね~
    自分も船が大好きで、旅先で観光船があると必ず乗ります
    ミニボンさんと気が合うかも(笑)
    そうそう、コンサート2つチケットゲットできたようで良かったですね
    かなり熾烈なチケット争奪戦のようですね
    昭和のラーメンも美味しそうです、なんとなくラーショのラーメンに似ている気がしますよ
    シースピカっていう双胴船なのなか?
    続きを楽しみにしています

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    クルーズも、4時間半かけて瀬戸内海を走るので、満足感ありましたよ。
    船は、そうです、双胴船です。
    まだ、新しいのか、船内もキレイだったので、良かったですよ。
    ランチのラーメンは、ごく普通のラーメンでした。
    そうそう、1度、ラーショのラーメンを食べてみたいです。
    というか、東京や横浜は、美味しいお店が多いので、あれも行きたい、これも行きたいと、行きたいところが多すぎるんですよね。
    1週間ぐらい滞在出来たら、色々、廻れるのになあと思うことがありますよ。
    来年は、コンサートのチケットを、とりあえずは、ゲットしたので、その日のランチを、今から、どうしようかと考えておりますよ。

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