平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(608)凡凡列車(8)

凡凡列車の3日目。
函館駅、13時33分着。
お昼ご飯でも食べよう。
木古内の道の駅で貰った「どんぶり横丁市場」と書かれたパンフレットがある。
そこには19軒のお店のオススメ丼の紹介と店主の写真が載っていた。
どうも観光客丸出しなのだけれど、函館で海鮮丼と行こう。
他にお店を探すのも時間が遅い。
さて、どの店にするか。
見本の丼の写真と値段と店主の値段を、それぞれ見比べる。
するとある店の写真に目が留まった。
美人である。
店主の写真が美人なのである。
ただ、これは好みの問題もあるだろう。
ただの美人じゃない。
何か目元の辺りに苦労をしてきたものが見える。
少しばかりの不幸せを感じるのだ。
どうだろう、男性の中には元気いっぱいの美人よりも、どこか陰の感じるというか、苦労してきた過去を感じる美人が好きな人も多いのではないだろうか。
凡はどちらかというと両方だ。
そうくるかと凡自身でツッコミを入れる。
美人なら総て好きである。
ただ、それは一旦置いておこう。
ただ、見本の丼の写真を見ると、気になる店がもう1軒あった。
そのおみせは、値段も手ごろで見本の丼の写真映りも良い。
さて、どちらの店にすべきなのだろうか。
美人の店か、手ごろな価格の美味しい店か。
美人の店は1950円だ。
手ごろで美味しい方は1500円である。
こっちは横丁記念丼という名前で特別感もある。
難問である。
しかし、ここは素直に美人の店にすべきだろう。
なんたって美人だ。
それに、美人が作る海鮮丼も美味しいにちがいない。
白くて細い指でそっと丼にウニを盛り付ける。
きっと小指は少し立てているよ。
持って来てくれる時も少しはにかんだ感じの笑顔になる。
決まった。
凡は、どんぶり横丁市場に入ってお店を探す。
時間も朝市の横にあるだけに2時前というのは遅めなのだろうか3分の1はお店が閉まっている。
さて美人の店だ。
念のために中を覗くと、小太りのおっちゃんが厨房にいた。
果たして写真の美人が店主ではなかったのか。
店内には女性のスタッフが2名いた。
いや、オカシイ。
何かがオカシイ。
美人がいないのである。
いや、こう書いてしまうと、その2人に失礼だ。
これは好みの問題だと断る必要があるだろう。
でも、中にいる人は、写真よりふっくらとしているし、髪も乱れているし、、、。
ちらっと見ただけなのであるが、陰がある少し不幸な女性どころか、どちらかというと威勢の良いお姉さんのようなのだ。
確か金髪だったような。
冷静な時の凡なら確認のために入るだろう。
どのみち海鮮丼を食べるんだから。
でも、その時は写真の期待が大きかったのか、頭が真っ白の状態でフラフラと歩いて、手ごろで美味しいお店に入ってしまった。
そのお店は櫻桂(おうけい)さん。
横丁記念丼を注文。

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どちらかというと人見知りの店主だろうか。
あまり愛想の良い感じではなく、料理を運んだらテレビを見ていた。
そして、丼は写真で想像したよりも器が小さめか。
味は美味しかったし、量も時間を考えると、これぐらいの方が良い。
会計の時に、店主に美人のお店を覗いたけれど写真の美人はいなかったと言ったら、普段はいると言っていた。
外に出てから、もう一度美人の店を覗いたけれども写真の人はいなかったと思う。
まさか、化粧の技なのか。
それなら、化粧が怖い。
とはいうものの、冷静に見るなら、店にいた2人も可愛いい感じではあったと書き添えておかなきゃね。
さて、まだチェックインには時間があるので、凡が函館に行ったら訪ねてみたいと思っていたところに行ってみよう。
市電に乗ってすぐのところにあった。
北島三郎記念館。
記念館はエクセルヒューマンがやっているホテルの一部にある。
市電の通りから入ったら逆で、海側がフロントになっていて、そこでチケットを買う。
1540円。
荷物を預かってもらって、勝手に見て回るのかと思ったら、凡1人なのだけれど、ホテルのスタッフが案内をして一緒に回ってくれるという。
20歳代の女性だ。
可愛い。
こんな女の子が凡1人のために一緒に回ってくれるのである。
来てよかった。
やや顔が緩む。
さて、入口に北島三郎さんの大きな写真があった。
写真を撮るかと聞かれたので撮ってもらう。
記念館の内容は、北島三郎さんの歴史を振り返るヒストリーゾーンと、大きな祭りのセットでロボットサブちゃんが歌うシアターゾーンの大まかに分けて2つある。
まずは、ヒストリーゾーンでは、サブちゃんが乗っていた汽車の中を再現したり、青函連絡船を再現したり、何とも写真を撮りたくなるセットが続く。
そして、最後のシアターゾーンは、これはもう迫力もあるし、楽しい。

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(高校時代に乗っていたダルマストーブの列車。こういうセットが楽しい。)

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(これは最後のシアターゾーン。これは北島三郎記念館のHPから拝借)
そんなことより、というか記念館の展示は、これはこれですごく楽しいし、これ単独で見ても良く出来ている。
ただ、この記念館で1番気になるのは、一緒に回ってくれる女の子である。
サブちゃんの歴史を、あたかも女優のように、或いは講談士のように、或いは、バスガイドのように、迫真のトークで説明してくれる。
これを聞きにくるだけでも値打ちがあるかもしれない。
セリフも完璧だ。
ただ、こんな説明をされたら、その女の子に話を聞いてみたくなるのが普通だろう。
話をするのは熱心に説明をしえいるので途中では無理でも、ほめ言葉の1つぐらい言いたくなる。
でも、女の子は、そんな凡の気持ちを知ってか知らずにか、話しかけられることをハッキリと拒否した表情と態度なのです。
「私に話しかけるべきではない。」というような雰囲気。
どこかの独裁国家の洗脳されたアナウンサーの顔を思い浮かべてしまった。
それでも、楽しくみてまわる。
最後のエスカレーターで、女の子に、「上手いね。スゴク良かった。だいぶん練習したでしょう。」と言うと。
「はい。練習しました。」とやっと20歳らしい笑顔を見せてくれた。
やっぱり可愛いやん。
1階にはサブちゃんショップがあって、サブちゃんのグッズを売っている。
赤いバラの刺繍が入って「Kitajima」のロゴのついたバッグと、「これが聴きたい!北島三郎ベスト」というCDを買う。
でも、ロゴは「Kitajima」でなくて、「Sabu」か「サブちゃん」にして欲しかったな。

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(このデザインなら普通のトートバッグとして使える)
それにしても、あの女の子のトークはすごかったなあ。
人を寄せ付けない迫力があったが、でも、それは仕事を熱心にするがゆえの話かけられ拒否だったのだろう。
預けた荷物を受け取って、最後にホテルを出るときも、凡が遠くにいくまでホテルの玄関で見送ってくれた。
すごく礼儀正しいスタッフとホテルだなと思った。

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(記念館の最後のフロア)
北島三郎記念館を出たら、また市電の通り側に回って、すぐ近くにある函館市文学館へ行ってみる。

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銀行だったビルなので雰囲気がある。
無料のロッカーに荷物を預ける。
石川啄木さんの資料が多いようで、日記なども展示されていて、見ると面白かった。
その他の北海道に関係する作家の資料なども展示されている。
その字を見ると、気が付いたことがある。
作家の字は、みんな細くて小さい。
そこに作家の神経の集中を見ることが出来るのかもしれない。
凡の字と言えば、乱筆で支離滅裂で、自分で書いた字が読めないぐらいグチャグチャだ。
北海道の作家に見習わなくっちゃ。
さて、チェックインの時間も来たので、ホテルに向かおう。
市電の松風町まで移動。
今日のホテルは、HOTEL PROMOTE(ホテル・プロモート函館)さんだ。
4時前ぐらいだったかな、チェックインをした。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    凡蔵さん、美人おかみがいなくて残念でしたね
    でも愛想の無いご主人のお店で食べた海鮮丼、北海道の海の幸が勢ぞろいしたドンブリで、これはこれで良かったのではないでしょうか?
    威勢の良い金髪を見て食べるよりも、ちょっと寂れた北の町の哀愁が漂う感じの店の方が、北海道一人旅には合っている気がします!
    函館朝市内に駅ニ市場ってのがあります
    https://www.asaichi.ne.jp/ekini/
    ここにイカの釣り堀があるんです
    釣ったイカをすぐ刺身で食べられるんです
    チャンスがあったら是非!
    https://yukemuri-manpuku.at.webry.info/201406_article_23_html

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    函館に来たら、1度は海鮮丼みたいなものを食べてみなくちゃね。
    ご飯の量が少なかったので、良かったです。
    ゆけむりさんの2014年に行かれたイカ釣りも、楽しそうですね。
    イカ釣りの値段が安いのはビックリです。
    もっと下調べしていれば、気が付いて行ってたかもしれません。
    惜しいことをしましたよ。
    函館へ来たら、北の街という感じがしますよね。

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