平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(607)凡凡列車(7)

凡凡列車の3日目。
ピンクの部屋で起きると、何となく恋のチャンスを予感した。
果たして予感と言うものは当たるのか。
ピンクと言えば、林屋ペーさんとパー子さん。
いつもピンクのお揃いの衣装。
素敵ですね。
何かピンクには人を幸せにするパワーがあるのかもしれません。
パー子さんの笑い声を聞くと、どうも凡は気が楽になるんですよね。
朝食を食べに2階に行く。
楽天のアプリの内容を見ると、朝食が自慢だと書いてあった。
エレベーターを降りると、すぐに会場で、中央部分に楕円の料理のテーブルがあった。
肉団子や目玉焼きなどが目に入る。
取り分ける小鉢を十分に用意してくれているので、おかずを少しずつ取り分けるのに便利だ。
鯵の三五八漬けというものもあって、これは郷土料理かと思うけれど、何かご飯には合わないように思ったのだけれど、食べ方が違ったのかな。
そんなものがあるのに、焼き魚がないのは、ご飯を食べるのに、ちょっと寂しい。

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ただ、いろいろ考えてやろうとしているなということは伝わってくる。
楽しんでもらおうという気持ちが、いっぱいある。
3800円の値段を考えると、ボリュームもあり、味も美味しく、大満足の朝食であることは間違いがない。
朝ごはんでパワーもつけてチェックアウトする。

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(朝のホテル)

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(青森駅に行く途中。こんな建物を見ると真ん中に目を書きたくなっちゃいますね。)

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(道路のオブジェも遮光器土偶。青森は縄文押しですね。)
今日は、青森から函館まで移動をする。
そして函館で少し観光できればと思う。
8時05分、青森駅発。
8時43分、蟹田駅着。
ここで、どうしようかと考えていた。
この線で移動する場合、蟹田駅と木古内駅の間は青函トンネルを通過する都合で、青春18きっぷでも特急電車の自由席に乗ることが出来る。
そこで、青森駅から蟹田駅まで普通で移動して、蟹田駅から木古内駅までは特急で移動して、更に木古内駅から函館駅まで普通電車で移動するということになるのだけれど、本数が少ないのと乗り継ぎのタイミングが合わないために、蟹田駅か木古内駅のどちらかで結構な時間を待たなきゃいけない。
さて、どっちの駅で待つか。
そう考えながら青森を出る。
そして蟹田駅に着くと、10人ぐらいだろうか、凡と一緒に降りた人たち。
そして、ホームの写真などを撮っている。
たぶん青春18きっぷで移動しているのだろう。
みんなはどうするのかなと見ていると、次の電車に乗るために列を作った。
凡もそうしよう。
見たところ蟹田駅には何もなさそうだ。
8時51分、蟹田駅発。
9時46分、木古内駅着。
この区間は、特急白鳥93号である。

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自由席も少しは空いていて凡もサラリーマンの横に座ることが出来た。
この区間に特急は青函トンネルを通過する。
凡は青函トンネルを通過するのは初めてである。
北海道へは15年ぐらい前の飛行機か、ずいぶんと昔の学生時代には青函連絡船で渡った。
その2回だけだ。
なので少しばかり嬉しい。
それに、何よりこれが初めてなのだけれど、在来線を使っての青函トンネルはこれが最後となるのであります。
何故なら3月の26日に北海道の函館まで新幹線が走ることになって、この青函トンネルは、それ以降は新幹線か貨物しか通らないようになる。
馬鹿げた話である。
1日に数本でいいから在来線の列車を走らせてくれないものだろうか。
電圧などの問題点は今の技術なら克服できるはずだ。
それにだ。
百歩譲って青函トンネルは新幹線だけだということを受け入れよう。
でも、新幹線を走らせることで、また第3セクターの区間が増えることだけは止めてほしい。
昔の北海道の路線図と今の路線図を比べたら、今の路線はスカスカだ。
今回もこの新幹線開通の影響で25日限りで廃止される駅が8つある。
確かに乗客数は少ないだろうけれど、たとえ1人でも乗る人がいるのなら、これは続けて欲しいのです。
それが豊かで文化的な国である証拠だと思う。
無駄でも存在させる余裕。
国鉄がJRに変わった1番の罪がここにあると思う。
さて、折角の青函トンネルだ。
凡は入る瞬間を待っていた。
するとトンネルに入る。
やっぱり長いですね。
凡が感慨に耽っているとトンネルを出た。
いや、違ったのか。
青函トンネルではなかった。
また、トンネルだ。
いや、これも違う。
そんなことがあって、今度は本当に青函トンネルに入った。
車掌さんが検札に来たのでトンネルを走る時間を聞いたら約30分だという。
やっぱりスゴイ。
車内のドアの上にある電光掲示板に「まもなく青函トンネルから出ます」と表示された。
入るときも表示されていたのだろうか。
それでも子供のような気持ちでトンネルを楽しんで、外へ抜けたら銀世界が広がった。
そして、木古内駅に着いた。
ここで下車して次の普通電車を待つ。
待ち時間、2時間と42分。
長いですね。
凡と一緒に蟹田駅から乗車した人たちもここで降りる。
この木古内駅は北海道新幹線が停車する駅だということで、今はすごく盛り上がっていた。

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駅の前に、道の駅があって、観光案内があったり、レストランがあったり、お土産屋さんがあったりと見て回って楽しい。
とはいうものの、2時間と42分だ。
たっぷり時間があるので、海岸の方に歩いて行ってみることにした。
歩いてすぐの海岸に近づくと鳥居が見える。
海岸の鳥居まで来ると静かな海が広がっていて、何かの撮影をしているようだ。

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ここ木古内には、毎年1月に寒中みそぎ祭りというのをやっているようで、そのことについてレポートしているようです。
鳥居の近くにいたスタッフに聞いたら北海道のテレビ局とのこと、大阪から来て今日は函館に行く話や青春18きっぷで木古内に寄った話などをしたら、海に向かって左に突き出した山が見えるのだけれど、それが函館だと教えてくれた。
さすが北海道のテレビ局は違う。
これが大阪なら、テレビの取材をしていて、それを見に行ったなら、警備の人がやってきて両手を広げて近づけないようにするはずだ。
それでスマホで写真を撮ろうとするなどしたときにゃ、撮らないでくださいと怖い顔で怒られるはずだ。
でも、ここ北海道ではスマホで写真を撮っても何もいわない。
というか、海を撮っていると思ったのか、或いは、無視なのか。
ゆったりとした撮影なのであります。
寒中みそぎ祭りというのは、木古内にある佐女川神社のご神体を、凡の今いる鳥居の辺りの海で清めるというものらしいのですが、その由来は鳥居のところに書いてあったのですが、長くなるので割愛。
撮影が終わって出演者が砂浜から戻ってきた。
祭りのことを説明する人が2人とカメラと音声さん、それからテレビ局のアナウンサーなのかレポーター。
そのレポーターさんが可愛いではないか。
凡の方に向かって歩いてくる。
そして、凡も関係者だと思ったのか、ほんの少し微妙な笑みで、微妙な角度で頭を下げた。
地方のテレビ局のアナウンサーなのかもしれないけれど、何とも芸能人的な色気があった。
ドキリ。
北海道の知らないテレビ局の知らないアナウンサーでもこんなにドキリとするのだから、もしみゆきさんが、少し微妙な笑みで、微妙な角度で頭を下げながら凡に向かってやってきたなら、、、、息が止まって死んじゃうね。
そんなテレビ撮影も終わったので、道の駅まで戻った。
でも、時間がある。
道の駅の入口に小さなパン屋があった。
時間もあるので買って食べたら美味かった。
「コッペン道士」さん。プチパン3種で210円。

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それと売店で「はこだて和牛コロッケ」250円も食べる。
これは、微妙。
そんなことをしたり、今夜のホテルを予約したり、明日からの予定を考えたり、テーブルと椅子があるので、そんなことをした。
そして、やっと出発の時間。
12時28分、木古内発。
木古内を出ると、函館線は弧を描くように海岸に沿って走る。
しばらく走ると、さっきまでいた木古内の山々が見えてくる。
たぶん木古内の山だ。
そして、中盤に差し掛かると今度はテレビ局の方に教えていただいた函館の山々が見えた。
旅情に浸りながら車窓を楽しむ。
ただ、車内のヒーターが異常に暑い。
13時33分、函館着。
♪ はーるばる来たぜ、函館~ ♪
そう、函館に来たら、行きたいところがあったんだ。

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コメント

  1. ゆけむり より:

    在来線最後の青函トンネル通過ですと、なんだか感慨深いものがありますね
    自分は前年ながら青函トンネルは通過した事がありません
    いよいよ函館上陸ですね!
    やっぱり北海道と言うと、なんとなく気分は高揚するのではないでしょうか?
    北海道って、なんだか特別な気がするんですよね~

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    そうなんですよ、私も出発前にはそんなことまで考えていなかったのですが、ここに来て在来線はなくなることを知りました。
    でも、最後に通過出来て良かったです。
    そうそう、北海道はテンション上がりますよね。
    北の国と言う感じ。
    でも、同じ北の国でも東北ともちょっと違う。
    本州と離れているからでしょうか、ゆけむりさんが言うように特別感あります。
    昔、北海道に行ったときに、北海道の人から、確か「内地の人ですか?」(たぶんこんな表現だったと思います。)と聞かれましたよ。
    本州は、北から南までひとくくり。
    北海道は、また別という感じでした。

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