平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(585)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(227)

2月9日の中島みゆきさんのコンサート一会。
会場に入ると今日もまた、カメラが設置されている。
そして、凡の席に向かう。
14列の中央ゾーンの通路横。
今回の一会でも、一番良い席である。
そしてステージが始まって、みゆきさんが左奥からゆっくりと中央の一段高くなったステージに歩いてくる。
思わず、全身の力が抜ける。
いや、全身が固まるのか。
何か力が抜けて癒されるようでもあり、緊張のあまり固まってしまうようでもあり。
そして思った。
みゆきさんが、立体で見える。
特に振り付けなどで動くときは、みゆきさんが、人間のみゆきさんとして、そこにいることを実感できるのであります。
始めての感覚。
そして、みゆきさんの表情が肉眼でも何となく判るのである。
口や目が動くのが判る。
なので双眼鏡を持っているのですが、使うのが勿体ないような気がする距離なのであります。
とはいうものの、凡はみゆきさんを見たいわけで、ついつい双眼鏡で覗いてしまうのではあります。
今回18列の右の端っこだったかな、その時も前だったのですが、14列とは全く違うのです。
やっぱり正面の力だろうか。
東京国際フォーラムは広い。
なので、2階なんかになると、「確かに同じ空間にいるようだ。」というぐらいの感じにしか見えない。
確かに人間だと推測できるけれども、ただポツリと遠い果てに何かがいるよう。
それが、1階になると、「向こうの方で、誰かが歌っているなあ。双眼鏡で見たら、やっぱりみゆきさんだ。」という感じになる。
とはいうものの、肉眼では勿論に表情は判らない。
そして、1階の真ん中あたりは、「みゆきさんが、あっちにいる。」なんて感じだ。
でも、やっぱり肉眼では表情までは、よく判らない。
それが、14列になると「そこにみゆきさんがいる。」という感じになる。
そして、肉眼でも表情の変化を少しは見ることが出来る。
これを双眼鏡で見たら、もうすぐそこに見えるのです。
そして、真ん中より後ろだったら、たとえ双眼鏡を使っても、衣装の細かいところは判らない。
みゆきさんがライカM4を歌っている途中で虹色のスカートに変わるときがある。
今回、14列から双眼鏡で見て、あれはあんな柄というか色だったんだと気が付いたのであります。
14列とはそんな距離だ。
なので、これが5列や、もっと前になったら、どんな風に見えるかということを想像したら、何ともどうにかして前の席に行きたいと思うようになってしまった。
きっと「ここに、みゆきさんがいる。」っていう感覚なのだろうか。
凡の欲ってキリがないのね。
それにしても、今回の9日の一会は、今までの中で一番良かったと思う。
特に表情が、いつもより美しい。
そこで、何回も書いてしまった「旅人の歌」の時に、スタンドマイクの前を離れて、その左右に立って、口だけを動かして歌の声をマイクに入れずに、振り付けを踊っている時の美しさである。
凡はあの行為に、みゆきさんの何らかの意思が込められているように思う。
でなきゃ、わざわざ歌の途中でマイクから離れない。
そこで凡はあることに気が付いた。
凡の左となりの男性である。
年は凡より少し下だろう。
その人も座ったら双眼鏡を取り出した。
そして、ステージが始まって、凡がこのシーンのみゆきさんが見たいなと双眼鏡を目に当てた時に、それと同じタイミングで隣の男性も双眼鏡を目に当てるのである。
凡が見たいと思ったのは、さっきの旅人の歌のマイクから離れるときや、ライカM4の振り付けの時など、他の曲でももちろん双眼鏡で覗くんだけれども、どうもノリのいい曲の時に双眼鏡で見たくなる。
何故かというと、そんなときのみゆきさんは、笑顔でキラキラ輝いている。
凡は歌よりもみゆきさんの顔や姿が見たいのかもしれない。
ということは、隣の男性もみゆきさんの顔や姿を見たいと思っているのかもしれない。
その可能性は大だ。
一体に、みゆきさんのファンはみゆきさんのどこに惹かれているのだろうか。
女性の方は、歌そのものや、歌を作るときの感性や考え方なのかもしれない。
或いは、みゆきさんの生き方だとか。
でも、男性の方はどうなんだろう。
勿論、歌が好きだという人は多いだろう。
何しろ、みゆきさんの歌は凡が聴いたってウットリするもの。
なのだけれど、凡もそうであるように、そして隣の男性がたぶんそうであるように、みゆきさんの外見に惹かれている人も多いんじゃないだろうかと推測するのであります。
つまりは、みゆきさんという女性に恋をしている。
そういえば、70歳を超えたであろう白髪の男性がグッズ売り場で1万円以上の買い物をしていた。
恋してなきゃ、そんなことはしないだろう。
そんなことから推測するに、おそらく男性の半数以上、ひょっとしたら8割がた、みゆきさんの外見のファンじゃないかと思う
そう思ったときに、凡は旅人の歌のなどでスタンドマイクの前から離れて踊る意味が分かったような気がした。
つまりは、みゆきさんはアイドルなんだ。
若い男の子が、AKB48に恋するように、この会場の男性はみゆきさんに恋している。
そう考えたら、隣の男性の双眼鏡も、グッズを買う年配の人も、そして、そんな男性の期待に応えるべくスタンドマイクの横に立って素敵な姿を見せてくれるみゆきさんの行動も納得がいくのである。
そして何より凡の気持ちがスッキリしたのであります。
それにしても、みゆきさんは
可愛いですね。
そして白いワンピースで歌う時に思ったのは、みゆきさんって華奢なんだなということだ。
肋骨から胸にかけての、そのラインの佇まいと言ったら、東洋の爽やかな山里に咲く蝋梅のようである。
そうだ、今回の一会で気がついたことは、今まで何度もスポットライトが強すぎて、却ってみゆきさんが見えにくいと書いた。
特に1階の中央から後ろはそうだ。
でも、今回14列に座って見ると、これがちょうど良い光の量なんだ。
ただ、そのスポットライトの角度のせいか、シースルーが、あまりシースルーでなかったのが残念ではある。
そんでもって、今回は音も良かった。
今までは、特に1階の中央ぐらいは音が大き過ぎて、高音はビリビリと割れる感じがしていた。
これは、その時々によってもう違うのかもしれないが、とにかく9日の音は良かったです。
そんな感じで、9日の一会は、いつもより順調に、そしてみゆきさんも、いつもより素敵に、完璧に進行していたのであります。
そして、いよいよラストの凡の大好きな曲「ジョークにしないか」に入った時だった、アカペラから伴奏が入るあたりで、みゆきさんの歌うタイミングがズレた。
歌詞を覚えない凡でもハッキリと分かるぐらいだ。
今日はビデオカメラの入っている重要な日だ。
しかも、昨日より今日の方が調子が良かったように凡は思った。
それなのに、ああ、それなのに。
みゆきさんは、間違っちゃった。
凡なんて、むしろみゆきさんが間違った方が可愛いなあ、なんて思ってしまう。
でも、みゆきさんは、シマッタって思っただろうね。
そんなみゆきさんの気持ちを考えると、何とも可哀想で、出来ることなら優しい言葉を掛けてあげたかったな。
みゆきさん、大丈夫だったかな。
最後に、どうも、間違っちゃったみゆきさんの気持ちを考えると切なくなってしまう
それに、凡だって今日でもう当分の間みゆきさんを見れないって思うと、寂しくて寂しくて。
でも、最後の最後に、出待ちをして帰ろう。
何か切ないなあ。

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