平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(361)青春18きっぷ。尾道ラーメンとみゆきさんの影を求めて呉の旅(3)

金萬堂のお姉さんに教えて貰った「つたふじ」さんへ、足は急ぐ。
何しろ、今回は珍しく目的のある旅。
その1つは、今から行く尾道ラーメン。
そしてもう1つは、呉という土地に行くこと。
教えて貰った場所に来ると、すぐに目的のお店が分った。
それらしい小さなお店から、ずらっと行列が出来ているのですから。
一旦、その行列の1番最後に並ぶ。

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後から知ったことだけれど、つたふじさんは、先の朱華園さんと人気を2分する有名店だそうです。
待つべきか。
折角の尾道ラーメンなんだから。
とはいうものの、電車の時間が迫っている。
凡の前に並んでいた若いカップルに訊いてみた。
「行列は、進んでますか。」
というと、カップルは「10分ほど前から並んでるけど、まったく動かないです。」と言う。
なんでも、このカップルも朱華園さんから流れてきたそうで、そんな人も沢山いるようです。
そんな話をしている間にも、凡の後ろに人が並ぶ。
尾道から呉に行くには、結構時間も掛かるのでありまして、呉で明るいうちに少しでも街を歩こうと思ったら、2時30分の電車に乗らなきゃいけません。
なので、ここ尾道でも残り時間を気にしながらラーメンを食べなきゃいけないのであります。
これはダメだ。
絶対に電車の時間に間に合わない。
仕方なく、列を離れた。
どうにもここでもまた凡でありました。
それから駅に向かってラーメン屋を探しながら歩くのですが、ここはいいかなと思うと、大概お客が待っている。
探しながら歩いていると尾道駅についた。
仕方がないついでに駅のラーメン屋さんで、尾道ラーメンを食べて呉れにいこう。
駅そばならぬ駅ラーメン。
中に入るとお客は2、3人で、空いている。

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出てきたラーメンは、醤油の味が濃く、凡好みだけれど、魚の旨味のまったくしない。
背油も申し訳程度でコクが出るほどではなく、麺は平麺だけれど、やや硬めだ。
駅にあれば、ちょっと食べるにはいい。
凡の嫌いな味ではない。
でも、わざわざ地方から食べにくるラーメンじゃない。
1杯のラーメンを食べ終わる頃、あることに気が付いた。
以前に朱華園さんを訪ねてやってきて、定休日で振られたときに、仕方なく違う店でラーメンを食べた。
その店じゃなかったか。
少しずつ思い出して来て、確信した。
凡は、以前に尾道に朱華園さんのラーメンを食べに来て、定休日で振られて、仕方なく尾道駅のラーメン屋さんで、ラーメンを食べた。
そして、今もまた同じことをしている。
どうも凡の嗅覚も記憶も鈍ってきたものであります。
そのお店の近くに別のラーメン屋さんがあって、こっちにすれば良かったかと思った。
しかし何ですね、前回のブログで西洋料理の凡的食べる順番を力説したのでありますが、尾道でのラーメンでは、まったく凡の力説とはかけ離れたものになってしまった。
尾道に来た理由とは、朱華園さんでラーメンを食べることだった。
つまりはコース料理に例えるなら、朱華園さんのラーメンがメイン料理と言える。
なのに今、朱華園さんは夏季休業で食べることができなかった。
そして、地元の人に訊いたピンチヒッターも長蛇の列。
真っ白いテーブルクロスの掛かった大阪市内の高級ホテル。
クリーニングしたての制服を着た、髪の毛を小さく後ろでまとめた目のくりっとしたウエイトレスさんが、恭しく料理を運んでくれる。
「前菜でございます。」
「ありがとう。」
「スープでございます。」
「ありがとう。」
「デザートでございます。」
「あれ?」
「前菜でございます。」
「?」
「スープでございます。」
「???」
「デザートでございます。」
「すいません。メイン料理のステーキは来ないの。」
くりっとした目を更に丸くして、驚いたような表情になった。
でも、すぐに悪戯っぽい笑顔になって、わざとなのか更に恭しく答えた。
「申し訳ございません。ステーキは、夏季休業しております。」
「じゃ、魚料理でいいから、持って来て。」
「申し訳ございません。ただ今、魚料理は1時間待ちでございます。」
なんてことになったわけでありまして、お目当てのラーメンの食べられない尾道は、メイン料理のこないコース料理のようであります。
切ない。
とはいうものの、きっと呉では良いことが待っているだろう。
呉ではメイン料理はあるのだろうか。
そして、目のくりっとしたウエイトレスさんはいるのだろうか。
時間が来たので電車に乗って、三原で呉線に乗り換える。
呉駅に着いたのは、4時35分だった。

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(尾道駅)

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(尾道の海は、いつ行っても旅情をかきたててくれる。)

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