平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(360)青春18きっぷ。尾道ラーメンとみゆきさんの影を求めて呉の旅(2)

尾道ラーメンを食べる。
それが、今回の旅の目的だ。
駅前には、観光客がちらほらと見えるぐらいで、シーズンオフの平日らしい穏やかな空気がリラックスさせてくれる。
さて、尾道ではラーメンを食べる時間しか考えていない。
目的の朱華園さんに直行する。
これまで2度振られているのである。
でも、今回は出発前にインターネットで定休日を調べてあるので、間違いがない。
ついに憧れのラーメンを食べることが出来るのである。
それにしても、問題は何を食べるかだ。
尾道ラーメン(お店のメニューでは、中華そば)は、これは絶対に注文する。
他にワンタンや焼き餃子、焼きそばなどもあるという。
しかしである。
凡は美味しいもの、食べたいものは、先に食べるのが正解だと思っている。
西洋料理のコースには以前から疑問を投げかけてきた。
始めに前菜、スープ、サラダなどがメインの料理の前に必要であろうか。
もしステーキのコースが食べたくてお店に入ったなら、真っ先に熱々のステーキを豪快に食べたい。
その方が絶対に美味しいに決まっている。
前菜なんてものは、食事が終わって、まだお酒が飲みたいときに、お酒のツマミとして食べればいい。
という論法でいくと、尾道ラーメンを食べたいのだから、注文した料理の中の尾道ラーメンを真っ先に食べたいのである。
だから、もしワンタンや焼きそばも一緒に注文をして、ワンタンや焼きそばが先に来た場合どうしますか。
尾道ラーメンを、まっさきに食べることが出来なくなってしまう。
尾道ラーメンが運ばれてくるまで、その料理に箸をつけずに待つことになる訳で、少しずつ冷めていくワンタンや焼きそばを、恨めしく眺めながらラーメンを待つことになってしまう。
それだけは、避けなければならない。
ということは、注文はラーメンのみとするのが正解だろう。
とはいうものの、折角の尾道ラーメンだ。
そうそう何度も尾道まで食べに来ることはできないだろう。
それならば、ラーメンに徹して。
尾道ラーメンを2杯頼もう。
1杯目は純粋に朱華園さんの中華そばを、美味しく頂こう。
そして、2杯目はいつか分らない次に訪れる日までの食べ溜めの為に頂こう。
さすがに2杯食べたら満足するだろう。
これこそ尾道まで来た甲斐があったというものである。
さて、次の角を曲がったら目的の朱華園さんだ。
少し早足でお店に向かった。
お店の前に待っているお客はいない。
良かった。
すぐに食べることができそうだ。
絶句。
どうしてこうなるんだろうね。
お店の前に来たら、シャッターが閉まっている。

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シャッターにも、はっきりと木曜定休日と書いてあるではないですか。
凡が訪ねた9日は、月曜日だから定休日じゃない。
でも、シャッターは、大阪からきた凡をまたもや拒否するようにピシャリと閉まっている。
どうして、凡はこうなるの。
あまりにも凡である。
ふと横の窓を見ると、爽やかなブルーの張り紙がしてあって、9月5日から12日まで夏季休業と書かれていた。

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爽やかだ。
爽やかな色の張り紙に、爽やかに夏季休業をお知らせしていた。
なのだけれど、凡のこころもちは爽やかの反対の反対の反対だ。
あまりのショックに、子供の頃に流行った、反対の反対なんて使いまわしで書いてしまうぐらいなのである。

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さて、どうしたものかと店の前で、立っているとガイドブックを持った女子大生だろうか、やっぱり定休日という張り紙を見て、「じゃ、次のお店に行こう。」と言って立ち去って行った。
あなたたち、ポジティブなのね。
というか、思い入れもないのかもね。
仕方がない。
では凡は凡の嗅覚で、美味しいお店を探しましょう。
そう思って商店街を歩いていると、天井から垂れ幕が下がっている。
広島はレモンの生産量日本一だったんですね。

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そんな知識を得たあとに、レモンケーキの美味しそうなお店を見つけた。
「金萬堂」さん。

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大正五年創業のお店で、レモンを使ったお菓子もいろいろあるようです。
広島がレモンの生産量日本一という垂れ幕を見た後なので、そのレモンケーキが食べたくなった。
旅の途中で食べようと思ったので、1個だけでも売ってくれるかと尋ねると、いいという。
レモンの形をしたケーキは、ホワイトチョコでコーティングされていて、中のケーキはレモン色だった。

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会計をした後に、「このあたりに美味しいラーメンのお店は知りませんか。」と訊いてみる。
すると、お店の娘さんなのか、店員さんなのか、若い女の人が帰って来て、「あ、それなら朱(しゅう)さん。」と即答した。
朱さんとは、今行って休業していた朱華園さんのことだ。
朱華園さんは、今行ったら閉まっていたというと、「それだったら、つたふじさんがいいわ。」と教えてくれた。
そして、道順なども親切に教えてくれて、レモンケーキ1個買っただけなのに、本当にありがとう。
これは、地元の人のオススメなのだから、間違いなく美味しいラーメンであって、間違いなく尾道ラーメンなのであります。
これで朱華園さんは、またも食運なく食べることが出来なかったけれども、地元の人オススメのラーメンを食べられるんだという期待感を胸に抱きながら教えられた道を海の方に向かってあるきだした。
それにしても、またもや朱華園さんに振られたことを思い出したら、情けなくもあり、あまりのくじ運の悪さに笑えてきた。

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