平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(356)日光と東京ツアー(13)

羽田空港で吉例に従って、駅弁ならぬ空弁を買わなきゃいけません。
今日、家に帰ってから、最後の旅の余韻を楽しもうという算段である。
空港の売店には、美味しそうな弁当やお土産物が並んでいた。
ただ見ているだけでも楽しいですよね。
さて、以前から食べてみたいなと思っていた弁当があって、ただ値段がちょっと高いものだから、買えずにいた弁当を買ってみよう。
叙々苑の焼肉弁当。
ただ、やっぱり凡はせっかくの東京なのに貧乏人の意気地なしでありまして、2種類ある内の安い方を買ってしまった。
そして、崎陽軒の焼売弁当。
それから、名前はよく聞くのだけれど行ったことが無い銀座コージーコーナーのシュークリーム。

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帰路の飛行機はB777で、往路と同じ最後尾に近い2席並びを取っていた。
ジェット機の力任せで飛んでいる動きを感じながら最後の旅を味わう。
また、今度はゆっくりと日光へ行ってみるのもいいかもしれない。
思ったより自然があって、見どころだってまだまだある。
さてさて、家に帰って弁当を食べてみようではありませんか。
まずは、これも名前はよく聞く叙々苑の名前の付いた弁当。
ただ安い方。
正確に言うなら、値段はそれでも結構なものだけれど、叙々苑という名前からすれば高い方が相応しい味と質なんだろうけれど、気持ちが折れてしまって、それでも食べてみたいから買った2種類ある弁当の安い方。
蓋を開けると中のプラスチックの蓋と箸袋を後ろに立てるという図が乗っているところが空弁らしい。

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開けてみて、少しがっかりした。

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弁当一面に焼肉が乗っかっているのかと思ったら、弁当の面積の3分の1以上のスペースにキムチやナムル、何故かお豆さんの甘いのが、盛り付けられているのだ。
かろうじて焼肉の方が面積が広いので、焼肉弁当と言えるけれど、もう少しキムチが多かったら、これはキムチ弁当となるところである。
しかも、このご飯の量で、これだけのキムチやナムルは必要ない。
焼肉弁当なのだから、最初に焼肉をタレのしみたご飯と一緒に口に放り込みたい。
その最初の1口が最高に美味しいはずだ。
だけど、それをするとキムチが残る。
といって、キムチを先に食べるのも、夏の暑い時に首から流れる汗を拭きながら、ビールを飲む前にお茶漬けを食べるようなものだ。
順番が違う。
美味しいものは最初に食べなきゃいけません。
とはいうものの、これが叙々苑流なのかもしれないと思った。
叙々苑に毎週通っているなんて有名人に言わせたら、「叙々苑はキムチが美味しいんじゃない。キムチだけでもいいぐらいよ。」なんてことなのかもしれない。
もっと通になると、「叙々苑はね、このタレが美味しいんじゃない。だからね、この焼肉を取っちゃってワンちゃんにでもあげてね、このタレの浸み込んだご飯だけ食べるのが通なのよ。」なんてことかもしれない。
更にさらに通になると、「叙々苑はね、お店で食べるのが美味しいのよ。だから私は空港でいつも焼肉弁当を買うんだけれど、一度も食べたことがないのよね。」
なんのことやら。
何しろ凡は行ったことがないわけで、本場の叙々苑を知らないので、この弁当の焼肉とキムチの比率は、凡的にはアンバランスとしか言えないのでございます。
そして、崎陽軒の焼売弁当。

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焼売については、置いておこう。
凡的には、やっぱり焼売は温かい方が美味しいような気がする。
それよりもだ。
それよりも、この弁当を食べた時に、どこかのローカル線の硬い座席に座ってじりじりと照りつける太陽を窓から出した肘に感じながら、弁当を食べている凡がいた。
これだ、これが弁当のご飯だ。
この弁当のやや硬いご飯は、凡の好みではない。
凡は柔らかく炊いたご飯が好きだ。
ただ、この弁当のご飯を口に入れた瞬間、駅弁を食べている実感が喜びとして湧きあがって来たのです。
白ご飯に浸み込んだ、木の香り。
昔の駅弁は、木のヘギに入っていた。
なので、食べるころには、そのヘギの香りがほんのりと白ご飯に移っているのである。
この香りのついたご飯が、凡は大好きなのであります。
昔から地方へ旅行へ行った時は、このヘギの蓋を開けて、蓋についているご飯粒を箸で1粒1粒食べるのが楽しかった。
最近の駅弁の容器は、プラスチックの中の容器が紙の外箱に入っているというパターンが多い。
だから、このヘギの香りのする白ご飯を食べることはない。
でも、崎陽軒の焼売弁当の容器は、側面は木の印刷がされた紙のような素材だけれど、底と蓋が木のヘギなので、その香りが移って実に美味しい。
これで、もう少しご飯が柔らかかったらなあ。
そして、どうか日本の駅弁がすべてプラスチックと紙になりませんようにと祈りたい。
最後の最後に、また旅行に出かけたような気分を味わうことが出来た。
こんどは、山陰かどこかの地方に出かけて、木の香りのする駅弁を食べてみたくなった。
ディーゼルエンジンのオイルの匂いを嗅ぎながらね。

コメント

  1. ゆけむり より:

    焼売弁当×
    シウマイ弁当○
    浜っ子御用達です

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    なるほど、今、写真で確認したら、「シウマイ」って書いてありましたよ。
    それも、「シューマイ」でもないんですね。
    さすが、浜っ子のこだわりですね。
    それにしても、今回買ったシウマイ御弁当(写真では、「御」がついてたので)には、陶器でできた醤油入れが付いてなくて、プラスチックの醤油入れだったです。
    陶器のが入っている種類が、他にあるのかな。

  3. ゆけむり より:

    陶器の醤油入れが入っている弁当って、現在もあるのかなぁ?
    陶器の醤油入れは「ひょうちゃん」と言って、書いてある図柄も色々な種類があるようで、収集家もいるようですよ
    https://www.kiyoken.com/hyo/
    あっ、たしかに御がついていますね(笑)

  4. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    以前買ったシウマイには、ついていたんです。
    捨てられずに、しばらく取ってありました。
    でも、シウマイだけのやつなのか、シウマイ御弁当なのか、
    他にも種類があるのか、それは不明なんです。
    今度、横浜へ行ったら探してみようなか。

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