平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(357)かき氷のみぞれは、何の味?

凡の住んでいるのは門真市なのだけれど、夏の暑い日に、わざわざ2駅離れた守口市で電車を降りて歩いて帰ることがある。
汗で背中にべったりと張り付くシャツ。
アスファルトの地面からは焼けた熱が上がってくる。
車道を走る車の排気ガスにうんざりしながら歩いていると、影の無い道を歩いていることに気が付く。
もう、暑さで思考能力が無くなっているようだ。
そこまでして、守口市で電車を降りる理由。
かき氷。
守口市の駅と門真市の駅を直線で結んだところの商店街に、冷しコーヒーやかき氷を売っているお店がある。
ここのコーヒーは、昔からの味で、コップに柄杓ですくっていれてくれる。
カロリーのことなんか考えていない甘い甘いそして冷たいコーヒーを飲むと子供の頃を思い出す。
そんなお店で、夏はかき氷を提供しているのであります。
本当なら、かき氷は、ガタガタと作りの悪いテーブルで、ガラスの器に入れたものを、安物のスプーンで食べるのが雰囲気だ。
でも、ここは店内で食べるスペースは無く、店頭の床几に座って食べる。
そして、プラスチックのカップに入れてくれて、ストローのようなスプーンで食べるのです。
このあたりは凡の趣味と違うのだけれど、ちょっと頼んで、ちょっと食べるには、その点は諦めなきゃいけないだろう。
それに、昔ながらの削り器で作ってくれるので、氷がふわふわで美味しい。
注文するのは、いつも「みぞれ」だ。
口の中に入れるとふわっと溶けて、優しい甘さだけが残る。
わざわざ暑い思いをして寄っただけのことはあるなと、いつも思う。
今年の夏は暑かったものね。
そんな訳で、家でもかき氷が食べたいなと思い、かき氷機を買いました。
子供の頃は、カップで氷を作って削るかき氷機が家にあって、夏は家族で楽しんだのを思い出す。
今回買ったのは、家の冷蔵庫に普通にある製氷機で作るブロックの氷を削るタイプです。
心配していたのは、削れる氷の細かさだ。
喫茶店にあるフラッペのようなジャリジャリの氷じゃだめだ。
やっぱり、かき氷はふわっとした氷でなきゃいけない。
その点、家のブロックの氷じゃ、想像ではふわふわにはならない。
とはいうものの、評判も悪くないし、簡単なので、アイスロボという家庭の製氷機で作る氷で出来るかき氷機を買った。

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やってみると、お店のかき氷とまではいかないけれど、簡単に作れる割には美味しいかき氷が出来た。
嬉しくて、朝からかき氷を食べる日々。
勿論、シロップはみぞれだ。

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しかし、このみぞれというかき氷。
甘いだけの味なのだけれど、ただ甘いだけじゃない。
ほんの少し何かの味というか、香りというかを感じるのである。
みぞれのシロップのレシピを探しても、砂糖を水で煮て作ると書いてあるものもあるし、いくつかの砂糖を混ぜて作るレシピもある。
水あめなどを加えるという人もいる。
凡は今まで、みぞれは、お店か市販のシロップしか知らない。
なので、それに関して言うと、ただ砂糖を煮ただけじゃないと思う。
少なくとも凡が好きなみぞれは、それじゃない。
何かの味と、何かの香りが、甘いシロップについている。
今回、かき氷を作るのに市販のシロップを買った。
そして裏面を見ると、いろんな添加物に加えて、「香料」と「調味料」という記載があるのである。

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やっぱり、何かの香りと味を付けているのだ。
そしてそれについて、いくら調べても解らないのです。
だれか、この香料と調味料が、どんなものなのか知っている人はいないだろうか。
だれか、このメーカーに勤めている人の知り合いはいないだろうか。
でなきゃ、いつまでもみぞれを食べる時に悩んでしまう。
みぞれを食べない人には、そんなんどうでもええやんというところだろうけれど、凡は気になって仕方がない。
この夏も、みぞれを口に入れては、その甘味を舌の上にころがし、口から鼻に空気を抜いては、「何の味だ。何の香りだ。」と、毎日のように考え続けた。
でも、解らない。
そして、これからも首を傾げ続けるだろう。
「何の味だ。」
「何の香りだ。」
ひょっとしたら、具体的に表せない香りなのかもしれないけれど、その味と香りのイメージの元となった何かがある筈だ。」
そして、また首を傾げつづけるだろう。
「何のイメージの味だ。」
「何のイメージの香りだ。」
気になって仕方がないのである。

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