平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
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散散歩歩。(230)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさん。5

「あんた、一体どうしたん?」
ときたのであります。
凡が最近「みゆきさん、みゆきさん。」と言っているので、凡に一体何があったのだというのであります。
そう言われても、ただ単に、そして突然にみゆきさんに惚れただけのことでありまして、理由はないのでございます。
まあ、そう思うミニボンの気持ちも解らない訳ではないのではあります。
8月後半から、みゆきさんのファンクラブ「なみふく」に入会するし、東京のコンサートの予約をするし、歌旅や夜会のDVDを注文するし、「片想い」や「もっぷでやんす」などの中古本を注文するし、1日中「みゆきさん。」を連呼しているのでありますものですから。
先日は、ひょっとして、みゆきさんは見せ掛けのデコイで、みゆきさんファンと不倫しているのではないかという疑惑まで持っていたようです。
煉瓦造りの東京駅の改札口。
「遅かったね。」
「うん、新幹線が5分遅れたんだよ。」
「嫌だ、嫌々。5分でも怜子には、1日待ったぐらい長かったよ。」
「大阪じゃ、ゆっくり会えないからね。でも、今日は東京で1泊するし、もう誰にも邪魔されないよ。」
「うん。中島みゆきさんのファンになって、東京へ来る理由が出来て良かったね。」
「うん。そうだね。中島みゆき、様様だね。」
「凡ちゃん。」
「怜子。」
「凡ちゃん。」
「怜子。」
「もう、待てない。抱きついちゃお。」
「駄目だよ。人が見てるよ。」
「いいじゃない。東京だから、知っている人いないよ。コチョコチョ。」
「やめろよ。くすぐったいよ。」
「やーだ。コチョコチョ。」
「くすぐったいって。」
「好きよ。コチョコチョ。」
「だから、やめろって。」
「いやいや。コチョコチョ。」
ってね。どうにもコチョコチョの好きな怜子ではありあます。
なんてことをしているのではないかと、ミニボンは疑っていたようでありますが、東京に恋人なんて、いつできるというのだろうか。
まさか、雑誌のペンパル募集で知り合ったとか。
東京のコンサートも、神戸のコンサートはミニボンの桑田佳祐さんのコンサートと日にちが重なったから、そして、大阪のコンサートは来年なので、それまで待てなかったから東京にしただけのことでありまして、他意はないのであります。
まあ、そんな疑惑も最近は晴れたようでして、東京のコンサートの終わった後に、ゼロではない数パーセントの確率の、偶然中島みゆきさんと出会って、ゼロではない数パーセントの確率の、何ぞ事があった時の為に、東京行きの際の服や下着を考えていてくれているようです。
ありがとう、ミニボン。
何ぞ事があることを願って、待っててね。みゆきさん。

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