平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(228)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさん。3

凡はみゆきさんが大好きだ。
とはいうものの、それは大スターとファンという関係を望んでいるわけではない。
みゆきさんとのロマンスを夢見ているのであります。
ロマンス。
素敵な言葉だ。
その言葉を聞くだけで、胸が高鳴る。
とはいうものの、みゆきさんも凡も、もう結構なお年頃でありまして、これは急がなきゃという訳であります。
いくら好きだとは言っても、おじいさんとおばあさんになってからのロマンスなんて、切なすぎる。
「ふがふが。みゆきしゃん。口吸わせてくれへんかの。ふがふが。」
この口吸うとは、「キッス」のことである。
勿論、キッスという言葉は、おじいさんになっても覚えているのだろうけれど、自分がおじいさんだと自覚をすると、こんな言葉を使ってしまう。
おじいさんという言葉を自分に当てはめたときに、自分でおじいさんを演じることになるのです。
人を、ある言葉で括ってしまうことは、その人を固定化してしまうことになる。
世間から、おじいさんという言葉をなくしてしまえば、おじいさんなんて存在しなくなる。つまり単なる人であって、その方が潔い気もする。
とはいうものの、凡は愚でかつ凡なのでありますから、きっとおじいさんになったら、おじいさんという言葉によって、おじいさんになってしまうんだろうな。
寂しいな。
そして、みゆきさんとの会話であります。
「ふがふが。みゆきしゃん。口吸わせてちょー。」
「何言ってんの。おじいさんにもなって、キスなんて。」
「ふがふが。ええやんか。ばぶばぶー。」
赤ちゃん帰りもしているかもしれないな。
そんでもって、「ぶちゅー。」とね。
「ふがふが。ばぶばぶ。みゆきしゃーん。口吸わせてーな。」
「何言ってんの。今、無理矢理ぶちゅーって、やったやないの。」
「え?わしゃ、知らんで。まだ、口も吸わせてもろてないし、ご飯も食べてない。」
なんてことになる道理でありまして、時間がたつと言うことは、かくも悲しいものであります。
こんなのは、ロマンスじゃない。
胸の高鳴りも、「救心」が必要な、高鳴りだ。
なので、急がなきゃという訳でございます。
とはいうものの、凡には既にミニボンという愛妻がいる。
なので本妻という地位は、みゆきさんに贈ることはできない。
ここは、決まっているのです。
なので、可哀想なんだけれど、みゆきさんには、二号さんという立場で我慢してもらわなきゃいけない。
ごめんね、みゆきさん。
でも、愛は惜しみなく贈るからね。
それにしても、スターのみゆきさんに、二号さんは、あまりにも可哀想だ。
そこで思いついたのが、スーパー二号さんというものであります。
二号さんではなく、スーパー二号さん。
何だか、空をとべそうだね。
ごめんね、みゆきさん。
こんな名前で我慢してね。
それにしても、スーパー二号さんには、やっっぱり生活費とか渡さなきゃいけないですよね。
いくらスーパーがついていたって、いくらみゆきさんがお金持ちでも、やっぱりね。
でも、凡にはお金というものがない。
なので、二号さんになっても働き続けてもらわなきゃいけない。
だって、本妻のミニボンだってパートに行って貰っているんだし。
何て、情けないんだろう。
何て、甲斐性なしなんだろう。
みゆきさんを迎える夢が、いっぺんにしぼんじゃった。
「ふー。」
ため息をついたら、もう1人の凡が、小沢昭一さんの「金金節」の♪金だ、金金、金金金だ♪のこの部分だけグルグルと頭を回りだした。
(因みに、この金金節は、ものすごく長いので歌詞は覚えられません。)

コメント

  1. 散散歩歩。(264)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(33)

    宮島につくと、可愛い鹿が出迎えてくれる。

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