平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(167)別府の不老泉で、ゆっくり、ゆっくりとね。

別府の商店街は、まだ午前中とあってか、人通りも少なくて、開いているお店も少なかった。

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朝から、杉乃井ホテルのみどり湯、別府の駅前高等温泉と2か所のお湯に浸かった。
折角だから、あと1カ所温泉めぐりをしてみよう。
「不老泉」(源泉かけ流しの市営温泉)

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1階が温泉で、2階が公民館となっている不老泉は、見た目は温泉と分らない建物で、歴史を感じるコンクリートの色合いが、なかなか別府らしくていい。
ここは、皇太子時代の昭和天皇もお召しになられたというから、温泉の質もきっと素晴らしいに違いない。
100円の入湯料を払って入ると、気の枠が組まれた脱衣所があり、昨日から入ってきた市内の温泉よりも広い。
コインロッカーもあり、旅行のついでに入ることも出来る。

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(ここは凡一人だったので、自由に撮影できた。)
さて、服を脱いで、温泉に向かう階段を下りようとしたら、下から80才をかなり超えたおじいさんが上がってきて、凡に何処から来たのかと声を掛けた。
「大阪から来ました。」と答えると。
「そうか。お兄さんは、よっぽど普段の行いが良いんやろな。」というのです。
何でそんなことを言うのかと聞くと、普段は平日でも何人かお客さんがいるそうです。
お休みの日などは、10人以上入っていることも多いそうです。
なのですが、今日は、おじいさんが湯からでると凡1人。
なので、この不老泉を1人で楽しむことができるからだと言うのです。
そして、おじいさんは脱衣所に向かう時に言った。
「ゆっくり、ゆっくりして行きなさい。」
それを聞いて「はっ。」とした。
何も予定がない旅なのに、焦っているのが表情に出ていたのかもしれない。
別府という温泉地にゆっくりリフレッシュしに来ている筈なのに、小走りに先を急いでいる。
そんな凡を見て、おじいさんは声を掛けてくれたのだろう。
「ありがとう。」
おじいさんにお礼を言って、半分地下になっている浴場へ下りた。
不老泉に、浸かるとお湯の温度が結構熱い。
それが却って溜まったストレスを発散してくれる。
熱いお湯に首まで浸かって、息を凝らしていると、そのレトロな作りも作用して、昔の別府にタイムスリップしたような感覚になる。
これが1人だからそういう気分になったのだと思う。
凡って、よっぽど普段の行いが良いんですね。
時間的には早かったかもしれないが、ゆっくりとお湯に浸かって外へ出た。
ミニボンが、すでにお湯から出ていたので、牛乳を飲んで一服する。
これが幸せな時間というものだろう。

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さて、もうお昼近くになったので、JRの駅まで戻って、大分駅まで行ってみることにしよう。
別府駅で時刻表を見ると、次の電車はソニックという特急だ。
在来線にも乗りたかったが、待つのもミニボンが怒り出しそうで、ソニックにした。
別府の駅は、高架ではあるけれど、ホームに上がると、どこか昔の国鉄の雰囲気も残していて、待っているあいだも嬉しい。
ホームに設置された洗面所。

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長旅を終えた乗客が、或いは夜行列車で着いたのかもしれない、或いは九州の旅の途中で降り立ったのかもしれない、その時に旅の疲れを少しでもとるために、身だしなみを整えるために使ってきただろう洗面所。
凡はこんな風景が大好きだ。
どこの駅も高架になって、商業施設と合体して、鉄道という2本の鉄の線が全国に繋がっているという実感の持
てなくなったことが寂しく感じる。
大分までは、10分ぐらいのJRの鉄道の旅。
車窓の景色を楽しむまでもなく、大分駅に到着した。
とはいうものの、このソニックなのですが、乗ったことがある人は、どう思っただろうか。
どこかヨーロッパの特急を感じさせるゴツゴツとした外見はいい。
でも、内装は、どうも凡好みじゃない。

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(内装は、ウィキペディアのHPより拝借)
変わったものが好きなB型なのですが、どうもしっくりとこないのであります。
乗っていても旅情を感じない。
とはいうものの、確かに機能的で斬新だといえる作りではある。
このソニックのお蔭で、地元の人のJRの利用率が上がったというし、地元の人には貢献しているそうだから、それでいいのでありますが、そこを一生の内に数度しか訪れないよそ者に批判される道理はないというものであります。
そんなことを考えるところが、脳みそがカチカチに固まっている証拠でもあります。
「もっと柔らかくなれ!」
拳骨で頭をゴツンとやったが、痛いだけだった。

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(別府の駅名の横の温泉マークも嬉しい。)

コメント

  1. とっちゃん より:

    自分も最近旅に出ると、急いでいないようで急いでしまっていることが多々あります
    のんびりしに来たはずなのに、つい貪欲に見て周ろうとしたり、ブログのネタ的な物を気が付いたら追っかけていたり・・・
    やっぱり旅はのんびりと時間を忘れる事もたまには必要かもしれませんよね~
    そう、今年行った秋田の温泉三昧の旅なんかものんびりできたなぁ~
    あ~、自分も温泉に行きたくなってきちゃったです・・・

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