仕事帰りの京阪電車の準急に乗り込むと、既に長いシートに座れるスペースは無い。
ドアの近くの吊り革につかまって発車を待っていると、斜め前に座っている60歳ぐらいのご婦人が薄い小冊子を読んでいるのが目に入った。
A5ぐらいの大きさで厚さ5ミリに満たないぐらいの冊子は、市販されているものではないような、どこかの団体が作って配布しているような体裁のものだ。
こんな場合、何が書いてあるのか気になるのは凡だけだろうか。
ちらっちらっと見えるその文字を見ようとするのだけれど、斜め向かいなので一瞬しか見えない。
それでも気になって見ようとするのだから、よほどの覗き趣味なのでありましょうか。
悲しきPeeping Bon
そんな小冊子に大きく書かれた題が一瞬見えた。
「キャー、見えた見えた。凡ってエッチー。」
見えた文字は「生きる意味を考えて、、、、。」
あとは分らない。
でも、想像するに「生きる意味を考えることは大切だ。」というような内容ではないだろうか。
素晴らしい。
人間ただ生きるだけじゃなく、どう生きていくかという事が大切なんだ。
そんな風に考える目の前のご婦人は、きっと優しくて正直なひとなんだろうなと思った。
そんな人は凡は好きです。
でも、同時に「そんな本は、今すぐ破ってゴミ箱に捨ててしまえ。」って言いたくなった。
人間に生きる意味なんてないんです。
ただ生きていればそれでいい。
生きる意味という言葉について触れた本には、「人の為になるような行動をしましょう」とか、「良い行いをしましょう」というような事を書いたものがある。
しかし、これは人間が生きていく上で、その方が円滑にいきますよという工夫でしかないと思う。
純粋な意味での「生きる意味」じゃない。
しかも、人の為になるようなと言っても、1つの行動が、ある人にとって為になるんだけど、ある人にとっては害になるというのがこの世の中なのであります。
それが複雑に絡まってるから余計に厄介だ。
良い行いかどうかも、その人の価値観によって違ってくる。
その前に、そもそも生きることに意味があるのかということについて、考えなくちゃいけなのでありまして、そんなものがあるとしたら、ただ生きているだけで、生きる意味を達成しているのではないかと思うのであります。
それに生きる意味なんて理屈を考えようなんてするのは人間だけなのであります。
他の生き物は、ただ生きている。
牛に生きる意味を聞いたって、「モー。」答えられる筈はないのであります。
もし人間の言葉が喋れる牛さんがいたら聞いてみたいな。
「僕はねえ、一所懸命餌を食べてねえ、人間に食べてもらうの。それが生きる意味なんだって神様が言ってたよ。」
悲しすぎる生きる意味。神様の意地悪ぅー。
とはいうものの、よく考えてみると人間にも生きる意味があるのかもしれない。
人間の根源的なもの。
「欲」
人間として生まれてきたからには、その根源を見つめなきゃ。
つまり、「欲を追及すること。」
これこそが人間の生きる意味じゃないかなって思う。
欲がなければこの世に存在することができないのでありまして、つまりは、生きていけないのであります。
欲を持つ存在として生まれて来たのに、欲を捨てましょうなんていうのは、人間としての存在自体を否定する行為だ。
欲を捨てろっていうお坊さんなんかもいるようですが、一生かかっても出来ないことをアドバイスしちゃダメだ。
そうだ、欲を追求しよう。
そうして、生きている意味を満喫しよう。
とはいうものの、世界中の人が欲を満喫したら、どうなるのだろう。
少々住みにくい世界になるのかもしれないな。
そんなことを考えながら、帰宅した。
風呂に入って、テーブルに着くとミニボンが鳥の唐揚げを用意してくれている。
さて、凡はこれから食欲という欲を満喫しよう。
そして、生きる意味を満喫しようではないか。
冷えたビールを流し込んで、から揚げを1つ摘まみ上げて呟いた。
「君は生きる意味を達成したのですか。」
「コケコッコー。無意味なことは聞かないでくれ。」
唐揚げが吐き捨てるように叫んだ。
コメント
凡蔵。さん、かっこいいぞ~!
すっごくいい話を聞きましたぁ。
なんかね、気持ちがすっとしましたよ。
うん、目の前の唐揚げを味わって、それでいい(*^^)v
凡蔵さんって、時々哲学的な投げかけをしますよね!
生きる意味ですか?でもあらためて考えると難しいですが、そもそもなぜ生まれてきたのでしょうかね?
人生では楽しい事もたくさんありますが、人はいつかは肉親と別れる究極の寂しさを味わう時が必ずきますが、そんな寂しさを味わうのになぜ生まれてくるのか?
な~んて変な事を考えたりもします・・・
あ~凡蔵さん、あんまり難しい投げかけしないで下さいよ~
眠れなくなっちゃいますよ~
ありがとう、oriverさん。
わーい。
かっこいいぞー。かっこいいー。
女の人にかっこいいなんて言われると、飛び上がって喜んじゃいますよ。
でも、あんまり喜んじゃうと、これまたかっこ悪くなっちゃうな。
ありがとう、とっちゃん。
生まれることにも意味があるのでしょうか。
ただ単に生まれて来たじゃだめかな。
でも、せっかく生まれて来たんだから、両親や家族を大切にしなくちゃ、意味がない気もします。
この生を楽しみながら、みんなで生きていくって大切だなあとも思います。
ところで、とっちゃんさんはまたまた東北への旅行を計画しているようですね、楽しい旅であることを祈っております。