平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。
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散散歩歩。(124)神都麦酒とモー太郎寿司。そして伊勢志摩旅行の終わり。

帰路の近鉄特急に乗るべく宇治山田駅まで戻ると、中途半端な時間が残った。
これからどこかへ行く時間もないが、ベンチで座っているのは持て余す。
でも、近鉄の「まわりゃんせ」は、帰路の特急の予約を1回変更できる。
1本早い特急に変更してもらい、駅のお土産売り場で、ビールと弁当を買った。
ロマンスシートに腰を掛けると、すぐに走り出した車内で、ビールのプルトップを開ける。
「神都麦酒」300円と「熊野古道麦酒」300円。

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最近地ビールが流行っていますよね。
どこでも少し有名な観光地に行くと、その土地の名前を絡ませたり、その土地の名産を原料の一部に使ったビールを見かける。
昔は地酒だった。
国民宿舎などの普通の旅館やホテルで、その土地の普通のお酒が入った十草柄の美濃焼の普通の徳利を2本程度、端に少しばかり打ち傷のある御膳の上にころがすのは、凡のような小市民の旅の愉しみの1つである。
ここは吟醸酒であってはいけません。
あの吟醸酒という飲み物は、確かに美味しいとは思うのですが、果たして普通に飲むには少しばかり工夫がいるように思う。
どうやって飲めばいいのだろう。
凡は未だ吟醸酒に合う料理を知らない。
そして、地ビール。
各地にある地ビールは確かに美味しい。
特にこだわって作っているのだから、そうだろう。
その多くはドイツやチェコ、ベルギーなどヨーロッパの製法を取り入れての本格的な味を謳っている。
飲んでみると、美味いには美味いのだけれど、それだけなのです。
旅行に来て美味しいビールを頂いて、ああ、良かったなという事なのであります。
ところが、この近鉄特急のロマンスシートで開けた神都麦酒は違った。
喉に流し込んだ瞬間、爽やかな香りが鼻に抜ける。
その感動は、初めてサントリーのプレミアムモルツを飲んだ時に似ていた。
他のビールとはハッキリと違うのであります。
「神都麦酒」は、麦芽、ホップ、米を原料としていて、米は伊勢の古代米を使用している。
軽い香りが特徴だ。
「熊野古道麦酒」は、小麦麦芽、ホップ、米を原料としていて、米は古代黒米を使用している。
香りもいいし、神都麦酒に比べてコクがあるように感じた。
地ビールで、自宅に帰ってからでも、取り寄せて飲みたいなと思ったのは、始めてだ。
とはいうものの、350mlで300円は、ちょっとなあ。
せめて500ml300円だったらなあ。
そして、駅弁。
売店に残っていた弁当から選択したのは「モー太郎寿司」900円。
電車とモー太郎と呼ばれる牛の駅員の絵が楽しい。
牛肉のしぐれ煮を巻きずしにしてあり、ビールを飲んだ後に食べるのには持って来いの弁当だ。
この弁当を作っている新竹商店さんは、創業明治28年という歴史のあるお弁当屋さんで、このモー太郎寿司以外にも沢山の種類の弁当を作っておられるようだ。
箱の裏のあら竹の駅弁の紹介を見ると、「元祖特撰牛肉弁当」というものがあるようで、これは一度食べてみたいものですね。
「本居宣長弁当」というのは、どんなんだろう。
そんな弁当のラインナップを一つひとつ見ていると、この弁当にはオマケがついていることを発見。
箱の正面右下に「モー太郎シールおまけ付き」と得意げに書かれている。
このシールは数種類のモー太郎のデザインがあるようで、「みんな集めよう!」と、これまた得意げに謳われている。
得意げなのだけれど、その文字が何故か悲しい。
この悲しさは、もう終わりに近づいた旅の寂しさに似ている。
どことなく悲しいのであります。
それにしても、このシールを集めている人はいるのだろうか。
伊勢に何度も来る人でなきゃ、貯められない。
何度も来る人でも、シールに興味がなくちゃ捨てられてしまう。
でも、あら竹さんにとっては、集めてほしいシールなのであります。
恋しい人にやっと出会えて、走って行って近寄ると、彼女は男に興味がなかった。
そんな、空振りの存在。
でも、このシールを作るにあたっては、あら竹さんも企画会議をやったはずです。
「どうかな、みんなモー太郎シールというのを弁当におまけで付けたらどうかな。」(社長)
「それはいいアイデアですね。うちの息子もゴレンジャーのシールを集めてましたよ。」(社員)
「そうか、そうか、じゃシールを付けよう。みんな喜ぶぞ。」
「さすがですね、社長。」
なんて会話が、きっとあったのだろう。
この会社の社員は皆、サービス精神のある優しい人なんだろうな。
そんな優しさを感じながら、伊勢茶を飲みながら、モー太郎寿司を食べた。
「美味いぞ、モー。」
近鉄特急から、通勤で乗っている京阪電車に乗り換えて、短かった1泊2日の伊勢志摩旅行が終わった。
明日から、また普通の日常だ。
自宅のホットカーペットの上に座って、そして胸のポケットに入れていたモー太郎シールを取り出す。
「さあ、このシールどうしたものかな。」
小さな声で呟いた。

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昨年の11月に行った伊勢志摩旅行。
もう年が変わって2月になりました。
長い期間ダラダラと書きましたブログにお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

コメント

  1. oriver より:

    凡蔵さんの旅行記を読んでいると、満腹になるほど楽しみ方ってあるんだな~って思います。
    シールはね~冷蔵庫に貼ってください(笑)
    ビールは苦い・・・子どもみたいでしょ(笑)
    美味しいビールは私でも美味しいと思うかな?
    (^^ゞ

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、oriverさん。
    シールは冷蔵庫ですか、ミニボンに怒られそうだなあ。
    そういえば、子供のころ母親の桐ダンスにシールを何枚も貼り付けて怒られたなあ。
    伊勢志摩のビールは香りが良かったから、きっとoriverさんも気に入ると思いますよ。
    でも、これはビール好きのコメントですが。

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