1月23日(月曜日)。
今日の予定は、津軽鉄道のストーブ列車に乗ることだ。
津軽鉄道は、津軽五所川原から、津軽中里まで走る全長20キロの路線である。
そして、冬季の間、1日3往復で、だるまストーブを乗せた、ストーブ列車を運行しているのだ。
テレビ番組などでも紹介されているので、観光列車なのかと思っていたが、昭和5年から運行されている昔から土地の人に愛された列車だそうだ。
このストーブを乗せた列車は、1日に3往復しかしていないので、八戸から五所川原まで行って、ストーブ列車に乗って、また青森まで帰ってくるとなると、自然と、乗る列車が決まってしまう。
凡の場合は、11時50分に、津軽五所川原を出発して、津軽中里で折り返して、また、津軽五所川原まで戻ってくる列車に乗ろうと思う。
それだと、津軽五所川原に、14時22分に戻って来れる。
となると、本八戸発は、06時13分の始発に乗ろうかと思う。
もっと後の列車でも間に合うのだけれど、青森駅にキャリーケースを預けたいのと、出来れば朝食も食べておきたいし、何より、靴底がペタンコな靴を履いてきたので、雪で滑らないように、靴に装着する滑らないベルトみたいなのを買いたいなと思って、1時間ぐらいの余裕をみて時間を決めた。
ということで、朝早く起きて、本八戸から青森に移動。
ここで、JR奥羽本線の時間まで1時間ぐらいあるので、まずは、滑って転んじゃて、怪我をしても困るので、脚に装着する滑らないベルトのようなものを買おう。
と、コンビニなどで聞いても売ってないという。
観光案内所が開いたので、聞いてみたけれども、靴屋ぐらいだろうかというが、まだ、朝が早いので、靴屋も開いていない。
結構歩き回って、かなり年配のお姉さんがやっている小さな靴屋さんで聞いたら、やっぱり売ってなくて、メイン通りの靴やなら売ってるんじゃないかと、親切にも教えてもらったが、行ってみると、さっき店の前まで来て閉まっていたお店だった。
札幌の空港などで売っているので、たぶん、青森でも駅とかで売っているだろうと考えていたが、甘かったようだ。
さあ、どうすると思ったが、考えてみれば、この1時間ぐらい、このペッタンコのツルツルの靴で歩いていたのだから、大丈夫なのではないだろうかと思いだしてきた。
というか、売ってないので、どうしようもない。
諦めて、駅前のビルにある市役所なのか、市役所の出張所なのかで、トイレを借りようとビルに入ったら、普通の床で、すべって転んでしまった。
雪より、水にぬれた床の方が、スリップしやすいんですよね。
さて、朝食をと思ったが、靴の滑り止め探しで、1時間の余裕の内、ほとんどを使ってしまったので、パンを買ってJRに戻る。
JR青森駅から、奥羽本線で、川部駅まで行って、そこで五能線に乗り替えて、五所川原駅まで、移動した。
津軽鉄道の駅は、JRの駅舎の隣にある。
というか、改札口は違うのだけれど、ホームに入ると、跨線橋で繋がっている。
津軽鉄道の駅舎に行くと、それはもう、こじんまりとした駅舎で、どうにも可愛い駅である。
まずは、終点の津軽中里駅まで、きっぷを購入。
ストーブ列車に乗るには、別に、ストーブ列車券が必要だ。
ここで、45分ぐらいの時間があるので、売店で売られている物を見たり、外に出て雪の風景を楽しんだり。
そのうちに、人も集まってくる。
窓口で、ストーブ列車と告げる皆の声が聞こえてくる。
乗れるんだろうかと心配になるが、人数を数えてみて、これなら座れるなと思う。
というか、ここで、改札口に並んでおく方がよいのかどうか、迷うような、どうでもいいような。
折角のストーブ列車なので、出来ればストーブの近くがいいなとは思う。
でも、のんびりとした旅を楽しむのに、そんなに、ガツガツと欲を出しては、みっともないというか、のんびり旅が、のんびりでなくなっちゃう。
そんな感じで時間を過ごしていたら、改札の時間が来た。
自然に改札を通って、ホームに行ったら、結局、列車に乗る順番が2番目だったので、普通に乗り込んでも、ストーブの斜め前の席に座れた。
というか、みんな、そんなに必死になってストーブの近くに座ろうとは思ってもいない感じで、席にしたって、余裕で空席があった。
凡が、席を決めた時も、ストーブに1番近い両脇の席は、まだ空いていたぐらいだ。
凡は、ストーブの近くは熱いかもと思って、斜めの席にしたのだ。
列車は、ストーブ列車が、2両あって、その先に、走れメロス号という気動車が2両連結されていた。
ネットの写真などを見ると、ストーブ列車には、ディーゼル機関車が連結されているようだが、凡の乗った時は、機関車はなくて、走れメロス号の気動車を動力として走ることになっていた。
因みに、ストーブ列車は、客車なので、動力は付いていない。
ストーブは、1両に2台設置されていて、既に、火が入っている。
車両は、昔からの車両なのか、木の床が懐かしくて、テンションも上がる。
待っている人が、全員乗り込んでも、まだまだ、席に余裕があって、係り員が、もう1両の方も案内していたぐらいだ。
みんなが座ったなと思った頃、凡のボックス席の前に、中国から来た女の子が2人座った。
少しばかり、嬉しいじゃないか。
さて、いよいよ出発である。
列車が走り始めると、車内販売が回ってくる。
ここで、お酒とスルメを購入。
スルメをだるまストーブで炙って、それでもって、お酒を飲むのが、このストーブ列車の楽しみなのである。
列車には、2名の女性のスタッフが乗っていて、順番に、みんなのスルメを、だるまストーブで炙ってくれる。
この手際が、スゴイのでありまして、何しろ、この津軽鉄道は、津軽五所川原から津軽中里まで乗っても45分ぐらいなので、その時間で、みんなのスルメを炙らなきゃいけないので、あらかじめビニール袋の封を開けて待っている客からスルメを受け取って、それを、ストーブに押し付けて焼いて、んでもって、それを割いて、また、さっきのビニール袋に入れてくれる。
これを、みんなの分、やらなきゃいけないのである。
しかも、客と喋りながらね。
凡の分も、スルメを炙ってもらった。
目の前の中国の女の子は、スルメを買ってなかったので、焼けたのを、1本ずつ、女の子に渡した。
いやなに、別に、何かの目的をもって渡したんじゃない。
だから、これがきっかけとなって、話がはずみ、「じゃ、これから一緒に回りましょうか。」なんて、展開を期待して渡したんじゃないのである。
「あ、そうなんだ。じゃ、凡のホテルと同じじゃない。晩御飯、一緒に食べに行こうよ。」
なんて流れなんて、1ミリも考えてはいないのであります。
ただ、日本に来られた客人のために、日本を知ってもらおうという親切心、おもてなしの気持ち、ウエルカムジャパンなのであります。
素敵だね、凡の優しさ。
うん、素敵だ。
炙って貰ったスルメは、思いのほか硬く、口にくわえたものの、噛むことも出来ない。
それぐらい硬い。
スルメといえば、駅のキオスクで買う、おつまみの柔らかい割きイカしか食べてないので、こんな昔ながらのスルメは、何十年ぶりだろうか。
そういえば、スルメは、こうだったとな思いながら、噛み切れないスルメを口の中でしがむ。
前を見ると、中国の女の子が、ただスルメの端っこを口にくわえたまま、タラリとスルメを口から垂らして固まって、お互いに、どうしたものかと顔を見合わせている。
ちょっと、可愛いショットである。
もし、これが、みゆきさんなら、もっと、可愛いかもしれないなと、その時に思った。
みゆきさんが、スルメを口にくわえて、「あれ、スルメ硬い。」みたいな表情で、きょとんと眼を見開いている。
「噛み切れない。」みゆきさんが、言う。
「じゃ、手伝ってあげるよ。」と、凡は、みゆきさんがくわえたスルメの反対の端っこを口にくわえる。
んでもって、お互いに端っこから食べていって、最後はスルメが無くなって、「チュッ。」ってね、キスをする計画である。
ほら、宴会でポッキーを、女の子と端っこをくわえて食べていって、最後はね、チュッってゲームあるでしょ。
あれのスルメパターンだ。
とはいうものの、凡は、未だかつて1度も、あのポッキーゲームをやったことがない。
どんな気持ちなんだろうね。
いや、もう想像しただけで興奮しちゃうじゃない。
最終的には、チュッってなる訳だから、そこは、イヤラシイことになってはいけないだろうから、ポッキーをくわえる前に、お互いに向き合って、「どうぞ、よろしくお願いします。」なんて、お辞儀をするのだろうか。
いや、ゲームだから、もっと気楽な感じに違いない。
とはいうものの、チュッを、そんな気楽な感じでやっていいものなのだろうか。
やっていいものなら、それは天国じゃないか。
気楽にチュッが出来るなんて、、、、。
と、ここで冷静に考えると、この凡と一緒にポッキーゲームをしてくれる女の子なんていないことに気が付く。
みんなで飲んでいて、そうだ、ポッキーゲームをしようよと誰かが言いだすよね。
じゃ、この凡とやろうとなったときに、会場の女の子全員に無視をされる。
こんな悲しいことが、この世にあるだろうか。
みんな、そこいらで、気軽に相手を見つけて、ポッキーゲームをしているんだ。
そんな中で、凡だけ、ただ、ひとり指につまんで、ポリポリと食べる。
バカヤロー!
ポッキーゲームなんて、無くなってしまえー!
そんでもって、若い男女で集まる飲み会なんて、無くなってしまえー!
軽い気持ちで、ポッキーゲームの事を書き始めたけれど、最後は、やっぱり悲しい話になってしまったよ。
兎に角ね、モテない男の苦しみを増長させるゲームは、法律で禁止すべきだろうな。
モテない男という話で思い出すのは、バレンタインデーだ。
かなり前に、ブログに書いた記憶もあるが、バレンタインデーの季節になると思いだす。
ちょうど、昨日が、バレンタインだったしね。
凡の家の近くに、道路を渡るのに、地下道を通るところがあるんだ。
結構、長い地下道なんだけれど、ちょうどバレンタインデーの日に、仕事から帰る時に、その地下道を歩いていた。
すると、地下道の奥の方から、「バレンタインデーって何やねん。意味わからへんわーっ!!!」って言う若い男の叫び声が聞こえて来た。
絶叫したっていうか、こころの声を吐き出したようでもあった。
誰だと思って、地下道の曲がり角から来た男の子を見たら、バイト先から帰るところのオタク風の冴えない男の子だった。
バイト先で何があったか、何となく想像出来る気がした。
凡も、学生時代に、女の子が友達にチョコを渡しているのを見たことがあって、ああ、凡は、誰にも好かれてないんだなと、知りたくもない事実を知らされて、どうしようもない寂しさを感じたことが、、、、それ、毎年の事だったのね。
なので、バレンタインデーは、1年の内で、1番嫌いな日だった。
なので、地下道の青年には、同情したよ。
「青年。そんな周りの女なんかに執着する必要はないんだよ。お前にはね、もっと素敵な女性が現れるはずだ。サラサラロングヘアーのさ、白いニットのワンピースで、ボン、キュッ、ボーン、片えくぼで、笑うとマリア様の様に癒される、そんな女子が待っているはずだ。ただ、まだ出会えてないだけだ。じっと、耐えて待て。もう、すぐだ。すぐにお前の天下が来るぞ。」そう、声には出さなかったが、凡は、青年に目で語り掛けた。
ただ、何故か、凡の頬には涙が流れていたのだが、理由が分からない。
そして、話は、みゆきさんと凡のスルメのポッキーゲームだ。
と、またそこに戻るんだね。
凡は、みゆきさんが、硬いスルメを口にくわえて、噛み切れずに、ただ、口からスルメをくわえているのを見て、もう片方の端を口にくわえた。
所謂、ポッキーゲームのスルメ版である。
でも、スルメの硬さは半端ない。
終点の津軽中里駅についても、まだ1センチも食べることができていない。
「ねえ、どうする。」みゆきさんが言うだろう。
「全然、嚙めないね。このまま、外まで出ようよ。」
どうしても、最後のチュッがしたい凡は、スルメを口から話すことは出来ない。
凡とみゆきさんは、スルメを離さないように、向き合ったまま、カニ歩きで、ホームに降り立つ。
「ねえ、もうあたし顎が限界。スルメ食べるのやめたい。」
これは、困った。
でも、みゆきさんが言うなら、仕方がない。
「じゃ、もうやめよう。」そう言って、お互いにスルメを口から離す。
そして、凡は、そのスルメのみゆきさんが噛んでいた端っこをウットリと見てから、大事にビニール袋にしまってポケットに入れた。
って、変態かーい!
と、こんな意味のない話を、ダラダラと書いてしまったのも、ひとえに、みゆきさんロスのせいでありまして、どうか、みゆきさん、みなさん、お許しくださいませ。
んでもって、凡のブログに、しばしば、このポッキーゲームが登場するのでありますが、それもまた、まだ1度もやったことのないポッキーゲームへの憧れ故のことでありまして、またまた、お許しくださいましね。
ということで、ストーブ列車の目の前の座席の中国から来た女の子である。
と、そこから脱線しちゃったのよね。
凡から、スルメをもらって、暫く、口にくわえていたが、やがて、食べるのをやめて、ストーブから遠いところにある座席に移っていった。
あら、残念。
見ていると、向こうの方で、お互いに写メを撮りっこしていた。
どうも、今日もまた、晩御飯は、ひとりで食べることになりそうである。
ということで、スルメを食べながら、日本酒をいただいて、そんなことをしている間に、津軽中里駅に着。
ここで、折り返しの列車まで、1時間弱あるので、お昼ご飯でも食べようかと思う。
ストーブ列車の中で、津軽中里駅の周辺のお店の地図をもらったが、改札口で聞いたら駅舎の中にも食べるところがあるということで、そこで昼食を頂くことにした。
後で、BS放送の旅番組の麺鉄の旅を見たら、後半の八戸と久慈駅では、モデルの市川紗椰さんが担当していたのですが、その番組の前半は、六角精児さんが担当されていて、この津軽中里駅の駅の食堂で麺を食べていた。
でも、その時は、それに気が付かず、食堂を訪れた。
チャンコ食堂ささん。
食堂は、ガランとした駅の中の一角にあって、2、3人の先客がいる。
ラーメン類は、売り切れだというので、ヒレカツカレーを頂くことにした。
手作りのカレーは、優しい味付けで、津軽中里という駅舎で食べるには、もうピッタリの、何とも美味しい一品でありました。
さて、今度は、さっきの反対で、津軽中里駅から、津軽五所川原駅までのストーブ列車の旅である。
今度は、だるまストーブの近くではなく、1番離れた車両の端っこに席を取った。
だるまストーブは、往路で満喫させていただいたのでね。
車内販売が来たので、ビールを注文して、さっきのスルメで、また一杯。
今度は、車窓の景色も楽しんで、津軽五所川原駅まで戻ってきて、ストーブ列車の旅は終わった。
津軽鉄道は、経営もしんどいらしいのですが、何とか存続させて欲しいものであります。
さて、JRの五所川原から、往路の逆を行って、青森駅まで戻ってきた。
今日の宿は、ちょっと贅沢に、ホテルJALシティ青森だ。
前にも1度泊まったことある。
素泊まりで、税込み、6570円
青森に着いたら、雪が降っていた。
今回のブログは、グダグダだったにもかかわらず、最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
コメント
凡蔵さんグダグダではありませんよ
今回の内容は特に良かったですよ
ストーブ列車の哀愁や皆から愛されている様子が良く分かりました
自分も乗りたくなってしまいましたよ
それからトップ画像も素晴らしいですね
カレンダーの写真に掲載されても良いぐらいですよ(応募してみては?)
スルメ硬かったんですね(笑)
炙りが甘かったのかな?
それでも日本酒とスルメでストーブ列車を楽しむなんて、実に旅情あふれる素晴らしい時間を楽しめた事でしょうね
前に座った中国人女性たちは、なんとなくイマイチ愛想が無かったのかな?
あっ、イギリストーストですね、甘めのミルク的なジャムが塗ってあるパンですよね?
いや~、良いなぁこんな旅、メチャクチャ憧れますよ
やっぱり冬の北国は情緒があって素敵ですね
行きたいなぁ・・・
ストーブ列車に、まさか、私が乗るとは思いもよりませんでした。
テレビでは、よく見るんですけどね。
でも、時間を見たら、日帰りで行けそうだったので。
しかも、雪が積もっている中のストーブ列車は、雰囲気最高でしたよ。
お客が少なかったのもあるのかもしれませんが、みんな、のんびりと楽しんでいるようで、車内の雰囲気も良かったです。
それも、スルメを炙ってくれる女性のスタッフのお喋りが楽しかったからかもしれません。
前に座った中国の女の子は、発展もせず、振られてしまいましたね。
そんでもって、イギリストーストは、美味しいですよね。
やっぱり、東北は、冬が雰囲気ありますよね。