4月22日(木曜日)。
「松山・広島割引きっぷ」というお得な切符を使って、呉に来ておりまして、ホテルにチェックインもして、温泉にも入って、これから晩御飯を食べにでも出かけようかということなのであります。
呉の街は、以前にも来たことがあって、その時は、屋台で飲み過ぎて、ひどい二日酔いになったことを覚えている。
観光案内所のお姉さんに聞いたら、呉は、コロナ対策の時短営業などはしていないとのことなので、まあ、ゆっくりお店を探しましょう。
ぶらぶらと、商店街や、一応、繁華街的な場所を歩いてみたが、人手が少ない。
まだ、屋台は出ていなかった。
グルグルと、歩き回っていると、そう言えば、以前に来た時も、入ろうかと迷った店と思われる居酒屋が、角になったところにあった。
開いた入口から中を覗くと、なかなかのベッピンさんが、切り盛りをしている。
そう言えば、前回も、そのベッピンさんを見て入ろうかと迷ったけれども、常連が幅を利かせているお店のようだったので、止めた記憶が蘇ってきた。
今回も、どうしようかと迷ったが、ガラの悪そうなというか、あまり品の良くない常連に見えたので、また止めた。
さて、どうしようかと思ったが、ネットで調べた焼き鳥屋があったので、入ってみることにしよう。
しかし、最近は、ネットで調べて入る癖が出てきて、これは反省すべきところだ。
あくまでも、旅の楽しさは、行き当たりばったりにある。
飲むお店も、自分の嗅覚で探すべきなんだよね。
でもまあ、ネットの評判も良さそうだし、入口の見た目もしっかりした感じなので、戸を開けて1歩中に入る。
とある呉の焼き鳥屋さん。
すると、凡を見て、10秒ほど無言。
いらっしゃいの言葉もなく、凡を不審な人を見るような感じて見ている。
そして、ようやくカウンターに促される。
そのカウンターには、客はいなくて、上りになった座敷に1組客がいるようだが、凡の位置からは見えなかった。
まずは、ビールを注文。
そして、皮を味噌で煮込んだ串と、やきとりをタレ、皮を塩で注文。
皮を味噌で煮込んだものは名物らしく、柔らかくて、まあまあというところか。
しかし、焼き鳥がイケナイ。
硬くて、それでいて、油気もないのである。
油気がないといっても胸肉でもなく、モモだと思うのだけれど、ひょっとしたらヒネドリなのだろうかとも思うが、それにしても、噛んでいて旨味も出てこないのである。
それ以上に、硬かったのが皮で、普通、皮と言うとパリパリと焼かれて、何とも言えない油気がある。
でも、今食べている皮は、やたら分厚くて、しかも噛み切れないぐらいに硬い。
そんでもって、そんな料理に輪をかけて、店の大将の機嫌が悪い。
不愛想なこと極まりないのである。
いや、料理人は、別に客に媚びへつらえという訳じゃない。
黙々と作業をしている姿は、見ていて美味しいものを作ってくれているという期待が膨らむものである。
しかし、黙々と作業をするというのと、ムスッとして、客を無視するというのは違うのだ。
「なんか、わたし悪いことした?なんか怒ってるの?」
と聞きたくなるような感じなのである。
しかも、大将は、マスクをしていない。
凡は、感染予防にマスクを絶対にしなきゃいけないという考えは持っていない。
どちらかというと、マスクは外した方が、精神的にも良いし、外しても感染率には関係しないと思っている。
どう考えたって、今のマスクをしなければ非国民だと言わんばかりの同調圧力は、異常だよ。
とはいうものの、凡は、いつも外出するときは、マスクをしている。
何故かと言うと、その方が、みんなが安心するし、問題なく過ごせるからである。
ただ、この店の大将がマスクをしていないというのは、また凡の理屈とは違う。
お店に来るお客さんは、色んな人がいるよね。
コロナが不安な人もいるだろうし、マスクがないと不安だという人もいるだろう。
客商売なんだったら、たとえ、マスクは不要だという持論を持っていたとしても、マスクをするべきだろう。
ウエルカムという気持ちでね。
それをしないのは、客に来てもらわなくても結構ですと言っているようなものだ。
というか、来てほしくないのか。
これは、普段のプライベートな時間の大将の事を言っているのじゃなくて、店にいる時は、マスクをするべきという意味だ。
既に、目の前のビールは、空になっている。
もう1杯飲みたいが、気分的に飲みたくない。
最初に注文した3皿と、生ビール1杯で店を出た。
皮は、ほぼ1皿残した。
滞在時間15分。
お会計をしたら、1700円ぐらいだったか。
店を出て、外の空気を吸ったら、何か晴れやかな気持ちになった。
よく、あの1杯でお店を出たね。
すぐに決断をした凡自身を、ちょっと褒めてやりたくなった。
さて、これからが本番だ。
と、歩き出して、これは中々美味しいものを食べさせるのじゃないかなと思う店を見つけて、いざ、中に入ろうかと思ったら、先の緊急事態宣言の出た県から来た人は、入らないでと言う貼り紙がしてあるじゃない。
先の、と書いてあるところからみると、今の状態じゃなくて、先に、詰まり昨年の時期に、そういう宣言が出た地域の人は、今も入らないでという意味だろう。
歓迎されていないなら、入る道理もない。
さて、そこからが決まらない。
この店はどうかなとか思うけれども、何かちょっと気になるところがあって、次を探して歩き回っていると、1時間ぐらい経っていた。
まさしく、難民。
そうしていると、寿司が食べたいと言う事に気が付いた。
ふと、路地を見ると寿司屋がある。
店の前には、セットの詰め合わせの料金表が出してあった。
良心的なお店だろう。
背伸びをして、格子戸のガラスの透けているところから中を見ると、かなりの年配の主人がヒマそうにしている。
客は誰もいない。
しかし、気になる店であるというか、気になるおじいちゃんなので、入ろうと思ったのだけれど、足が止まった。
先のお店の貼り紙を思い出したのだ。
このお店じゃないのだけれど、先のお店の貼り紙を思い出したのだ。
凡がお店に入るとする。
すると、「どこから来なすった。」みたいな話がでるだろう。
そこで、「大阪です。」なんて答えたら、ひょっとしたら、嫌がられるかもしれないと思ったのだ。
おじいちゃんを不安にさせたくなかった。
なので、入るのを止めた。
でも、後になって、入った方が良かったかと、ちょっと後悔もしたのではある。
そして、ぶらぶら歩いていると、回転ずしがあった。
「まわるお寿司の国 マリンポリス 笹兵衛」さん。
そういえば、マリンポリスという名前のすし屋を、今まで何度か見ては、素通りしていた。
中国エリアで展開されているチェーン店だ。
回転ずしだけと、始めてのお店だし、中国地方の展開のチェーン店だし、入ってみよう。
店内の客は、若い女性の2人組がいるだけ。
お寿司は、回ってなくて、その都度、注文をするようになっていた。
2皿ほど注文して、次を考えていたら、カウンターの中のスタッフが入れかわった。
前髪をパッツンと切り揃えた20代の女の子だ。
女性は、体温が高いから寿司を握っても旨くないとか何とか言う人がいるけれども、ナンセンスだよね。
男性でも体温高い人はいるわけだしさ。
どう考えたって、オッチャンが握るより、女の子が握った方が美味しいに決まっている。
可愛い女の子の握った寿司は、これまた格別に、鼻の下が伸びちゃう食べ物に違いない。
というか、握ったというよりも、ネタを乗せたという言い方の方が正確だけれども、それでも、やっぱり嬉しいじゃない。
しかしさ、想像してみると、普通の女の子でも、嬉しい訳だから、もし、みゆきさんが、お寿司を握ったら、これはもう最高の食べ物になるだろうね。
「ねえ、みーさん。(みゆきさんのことだ)次は、マグロを握ってもらおうかな。」
「はいよ。マグロね。」いなせに鉢巻をしたみゆきさんが、威勢よく答える。
白くて美しい指で、マグロを、にぎにぎ。
「はい、マグロ。」
でも、凡は、そんな、にぎにぎじゃ、満足できないのだ。
「いやだ。もっと、もっと、みーさんに、にぎにぎして欲しいなあ。」
なんて、お願するね。
「もう、仕方ないわね。はい、にぎにぎ。」
なんて、みゆきさんは、さらにマグロのお寿司を、にぎにぎしてくれるわけだ。
「だめだめ、もっと、にぎにぎーっ。ばぶー。」
と、おねだりする凡は、赤ちゃん言葉になって、みゆきさんに甘えてしまうだろう。
「はい、じゃ、もうスペシャルにぎにぎーっ。」なんてね。
そんなマグロのお寿司は、最高だろうな。
しかしね。
みゆきさんを美しいと思う男性は、山ほどいる訳で。
そんな凡とみゆきさんの会話を見たら、きっと凡のマネをするに違いない訳で。
隣のオッチャンも、みゆきさんにおねだりするだろう。
「みゆきさん。僕のイカちゃんも、スペシャルにぎにぎお願―い。ばぶー。」なんてね。
向こうの方でも、「みゆきさーん。僕も、ウニの軍艦を、、、あ、軍艦は、にぎにぎ出来ないから、やっぱりウニは食べない。だから、エビちゃんを、スペシャルにぎにぎお願い。ばぶー。」なんてね。
どうも、世の男性は、みゆきさんに甘える時は、赤ちゃん言葉になるようである。
そして、スペシャルが好きなようであります。
すると、それを聞いた、大将が奥で、「はいよ。ビール追加、ばぶー。」なんてね。
大将まで、赤ちゃん言葉になって、どうするの。
しかし、そんなノリの良い大将は、きっと良い人に違いないだろう。
マリンポリスのお寿司、美味しかったです。
少しだけ、摘まんでお会計をしようと思っていたが、ちょっとだけ、予定より多めに注文してしまった。
結局、このお店が、1番お会計が高くついたかな。
たぶん、3000円ちょっと。
さて、まだもう1軒行きたいじゃない。
これがメインだという訳でもないお店に、2軒入ってしまった。
まあ、お寿司は、楽しかったけれどね。
とはいうものの、そこからまた、難民となる。
結構、歩き回ったかな。
ちょっと疲れて来たので、そろそろ決めなくちゃ。
歩き回って、屋台の方に行ってみるも、3軒出てたかな。
お好みの屋台も美味しそうだったけれど、そうだ、駅前にもお店があったなと、ホテルの近くまで引き返すことにした。
ただ、駅近くに行ってみると、既に閉店している店が多い。
ここはどうかなと思った鉄板焼きのお店の前を通ったら、凡を無言でジロリと見た。
客も、凡を無言でジロリと見た。
入って欲しくないのかと思って止めた。
後は、ラーメン屋か、まさかのジョイフルのファミレスか。
と思っていると、駅の建物の端にあるお好み焼きメニューもあり、居酒屋メニューもありというお店があった。
「徳兵衛」さん。
徳川チェーンとあるので、チェーン店みたいだが、そういえば、広島で美味しく頂いたお店も同じ系列のお店じゃなかったかなと思いだす。
それなら、美味しかったので入ってみよう。
店内には、カウンターもあり、4人掛けの鉄板付きのテーブルもあり。
凡は、カウンターに座るつもりだったけれど、テーブルに案内された。
メニューを見ると、ちょい飲みセットというのがある。
生ビールと、料理を2品選んで、1210円。
凡は、トマトのスライスと、プリプリ海老のしそ塩焼きを注文。
ビールが、確か600円ぐらいだったので、これはお得なメニューと言えるだろう。
それとお好み焼きを1枚注文した。
ちょい飲みセットは、エビの塩味が薄かったが、値段はもう、申し分なし。
そして、お好み焼きは、そばはソースで炒めてないようだったが、広島風の美味しいお好み焼きで、ボリュームも十分。
コテが小さいのが、面白いなと思っていたら、斜め向かいのテーブルの女の子が、そのコテに付いたソースを舐めていたが、最後には、そのコテをパクリと口にくわえた。
いやいや、いくらコテが小さいからと言って、口にくわえるのは、、、とはいうものの、そんな無防備な仕草は、なんともまた可愛いものではある。
ということで、最後のお店は、美味しくて、かつボリュームもあって良かった。
最後に、ガリガリ君チューハイを飲んだが、少しお腹が冷えてしまったか。
会計をしたら、2700円ぐらいだった。
ごちそうさまでした。
コンビニで水を買ってホテルに帰った。
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