3月19日(金曜日)。
モーゼの墓に行こうと金沢に泊まった凡であります。
ホテルをチェックアウトして、キャリーを引きずって、駅まで向かう。
ふと、歩いている隣を見ると、同じようにキャリーを引いている若い女の子がいた。
凡と歩調が同じなので、ずっと横を歩いている。
見ると、髪がクシャクシャだ。
寝起きなのかと思う。
いや、しかし。
彼女もまた、ホテルに泊まっていたはずだ、或いは、自宅から旅行に出かけるところなのかもしれないが、兎に角、朝起きて、ホテルならシャワーもするだろうし、自宅でも顔を洗うはずだ。
こんな寝起きの頭クシャクシャで歩いているのは、可笑しくないかい。
いや、他人の事だから、別に、それはそれで凡は構わないのだけれど、よく、そんな髪で出て来たねと思う。
凡だって、そこまでクシャクシャなら、一応は、水道の水でも頭に振りかけて、手櫛でもって、寝ぐせを直すね。
とはいうものの、悪い子ではない。
そう思う。
ただ、見た目に無頓着なだけだ。
しかし、世の中に、ずっと見ていたい寝ぐせもある。
みゆきさんの寝ぐせだ。
まだ、見たことは無いが、きっと可愛いに違いない。
「寝ずごじちゃった。凡ちゃん、あづいコーヒー淹れて。」なんて、口に歯ブラシ差したままで、凡に言う。
ピンクのパジャマが可愛い。
凡は、インスタントコーヒーを2杯淹れて、テーブルに置くね。
んでもって、みゆきさんと一緒に飲む。
みゆきさんは、両手でもって、ズズっと啜るだろう。
「ねえ、頭、このままで仕事行っていいと思う?」なんて、クシャクシャの髪を、ポリポリ掻きながら、みゆきさんが、凡に言うよ。
「いいけど。でも、その髪で行くと、みゆきさんのファンが、もっと増えちゃうよ。だって、みゆきさんの寝ぐせのついたクシャクシャの髪、可愛いからさ。」なんて凡が言う訳よ。
「あははは。本気で、この髪で行っちゃおうかな。」なんて言うみゆきさんを、凡は、可愛いなと思いながら見ている。
そんなモーニングは、素敵だろうな。
そんなみゆきさんのクシャクシャは、可愛いけれども、隣を歩く女の子は、、、まあ、この子も、可愛いか。
駅前の喫茶店で、モーニングでもと思ったが、店が無いので、駅の吉野家で、朝ごはん。
七尾線、0812時発の電車に乗り込む。
0856時、宝達駅に着。
(列車の連結部分の微妙な曲線が楽しい。)
ここからは、歩くしかないだろう。
道はそれほど複雑じゃない。
25分ほど歩いたら、「伝説の森 モーゼパーク」の看板が見えた。
モーゼパークは、公園として整備されているので、季節の良い時は、家族連れでも楽しめるかもしれない。
正式には、河原三ッ子塚古墳群という名称で、竹内文書に、ここがモーゼの墓だと書かれているので、今は、地域も、モーゼ推しみたいになっている。
ただ、発掘調査をしたことがあるらしいのですが、人骨は出てこなかったとか。
(公園の入口部分)
まずは、入口のポケットガーデンという場所から、歩いて山を登って行く。
そして、ロマンの小路を抜けると、ミステリーヤードという場所に出て、そこに墳墓が3つ並んでいる。
そのうちの、真ん中の2号墓が、モーゼの墓だ。
(墓の手前の説明版)
(モーゼの墓があった)
(間違いなくモーゼとかいてある。でも、これだけ立派な公園にしたら、手作り感満載)
(墓の下のお供え物)
小さな墳墓を登ると、そこに、モーゼ大聖主の霊位と書かれた木の柱というか棒が立っている。
霊位なんて、如何にも、仏教の卒塔婆っぽい感じだけれど、モーゼなんだよね。
柱の下には、お供え物やシーサーのような置物。
そして、「世界人類が平和でありますように」の立て札と、何故か「ありがとうございます」の立て札があった。
世界人類の方は解るけど、ありがとうございますの立て札は、どういう人が立てたのだろうか。
このあとも、あちこちに貼ってありました。
気になるなあ。
誰が、どんな目的で貼ったものなのか、それが知りたい。
モーゼの墓は、ちょっと高台みたいなところにあるので、そこから街も見下ろせる。
一応、モーゼの墓にお参りをした。
んでもって、UFOが来ていないかと、空を見上げる。
んでもって、周りに誰もいないか見渡して、「ベントラ、ベントラ、、、、。」なんて、UFOを呼ぶ呪文を、小さな声で言ってみたりしたが、やっぱりUFOは、来なかったね。
というか、そんな周囲を気にしなくても、この山にいる間、誰一人とも会わなかったです。
帰りに安息の広場というところまで行って、そのまま引き返す。
その時だ、どこからか音楽が聞こえて来た。
どうも、凡の胸のポケットあたりからだ。
♪♪ 負けんもんね、負けんもんね ♪♪
みゆきさんの曲だ。
しかし、一体、何故。
凡は、アイフォンを胸のポケットに入れていた。
でも、アイフォンの中に入った音楽を再生しようと思ったら、アイフォンのスイッチをオンにしなきゃいけない。
スイッチをオンにしようと思ったら、暗証番号を押すか、指紋認証をしなきゃいけない訳で、それをしないで、勝手にオンになって、音楽が演奏されることはない。
どういうこと?
或いは、ポケットの中で、偶然の偶然で、凡のポケットのどこかがアイフォンの画面に当たっていて、暗証番号を押したのか。
ものすごい確率で、正確に暗証番号を押した。
そんなことがあるだろうか。
或いは、これは、モーゼからのメッセージなのかもしれない。
モーゼは、何を伝えたかったのか。
「おい、凡よ。わしは、モーゼじゃ。いいか、もうすぐ、お前は、みゆきさんに出会うぞ。そして、みゆきさんと、あんなことや、こんなこと、そんな楽しいことが待っておるぞよ。うん?凡よ、お前は、そんなハレンチなそんなことを考えておるのか、解った。わしはモーゼじゃ、そんなハレンチな、そんなことも、わしが許そう。それにしても、お前は、ええなあ。みゆきさんと、あんなことや、こんなこと、そんでもって、ハレンチな、そんなことが出来るんじゃぞ。わしゃ、羨ましいわ。ほんま。それにしても、お前は、ハレンチやな。いや、わしが、顔赤くしてどうするんや。」
と、モーゼが凡に伝えたかったのだろう。
少なくとも、大意はそんな感じだ。
そう凡には伝わったのである。
とはいうものの、何で、♪♪ 負けんもんね ♪♪なのか。
まあいい、そんな些細な事は、考えなくていい。
ただ、モーゼのメッセージだけに耳を傾けるべきだろう。
そんな不思議な体験をして、坂を下ってゆく。
途中、行くときには気が付かなかった、記帳所があったが、ここでも、日本的な千羽鶴が飾られている。
どういう気持ちで飾ったのか知りたいなあ。
知りたいと言えば、たまに、色んな場所で見かけるのだけれど、家の軒先に書かれた聖書を読めというメッセージ。
あれは、どういう団体が、どういう目的で、貼っているのだろうと思う。
何かを広めたいのであれば、もっと別のコピーなり、媒体があるだろうにと思うのである。
今回も、帰路の家の軒先に発見。
さて、また宝達駅まで戻って、折角だから、七尾駅まで行ってみようと思う。
1038時、宝達駅発。
1119時、七尾駅着。
(海産物などの市場)
さて、ここ七尾でランチとしよう。
七尾は、のんびりとした街で、まずは、能登食祭市場というところに行ってみようと思う。
美味しそうな食材も売っているが、ランチは、少し高そうだったのでやめる。
んでもって、七尾は寿司も推しているようで、寿司でも食べようと思ったが、お店に入りそびれて、通り越してしまった。
そこで、串カツの定食屋さんがあったので、入ってみることにした。
入ると、串カツ屋というよりも、スナックかなと言うような造りで、客が1人、日替わり定食を食べていた。
凡は、串カツ定食500円を注文。
それで、サーブされた定食は、ワンコインなら、充分な量と、味である。
この店にして良かったねと思っていると、年配のママが、たぶん、歯と歯の間に、何かが詰まったのだろう。
それを取ろうとして、人差し指を、指の根元まで口の中に入れて、クネクネと指を動かしている。
指の根元までって言っても、もうほとんど手の甲のところまで、口の中に指を押し込んでいるのである。
よく、そこまで指が入るねと思ったが、そんなことより、嫌でしょ。
そんなの、ほん目の前で、見せられたら。
だって、ここは、飲食店なんだよ。
爪楊枝ぐらいあるでしょ。
たとえ、なくてもさ、店の奥でやるとかさ。
凡の目の前で、そんな芸当を披露しなくても良い話である。
んでもって、会計をしたら、その指で、お釣りを凡に渡した。
何か、そのコインが、湿った唾の匂いがしそうで、嫌だった。
店を出て、駅に戻る。
折角だから、七尾線で、もう1か所、駅を降りてみようと思う。
ということで、宇野毛に行くことにした。
1309時、七尾発。
1419時、宇野毛着。
ここから歩いて、西田幾多郎記念哲学館へ向かう。
西田幾多郎さんと言えば、「善の研究」ぐらいしか知らないが、行けば面白いに違いない。
結構歩いて、目の前に来ているのに、建物がどこにあるのか見つけられなかった。
(建物は見晴らしの良いところに建っている)
んでもって、入館。
一応、確認したら、写メはダメという。
導入部分は、哲学とは何かを、説明しようとしているのですが、何か、説明になっていないような、「それで?」と、製作者に意図を聞きたい気分になった。
全館を通して、それほど資料の数とかは、多くは無い。
写メがダメなので、今となっては、内容を覚えていない。
覚えていないということは、特筆するべきことは無かったということだろう。
ただ、書に関しては、面白い字を書くなあと感心した。
巧いというよりも、飄々とした雰囲気を持つ字だと思う。
そこは、興味深かったです。
(かなり立派な建物である)
それにしても、1番気になったのが、ものすごく、大きな建物で、立派な造りなのですが、一体どこに、この建築費用と維持費用が出ているのだろうということだ。
かなりの巨額が動いているね。
おそらくは、税金だと思うけれども、そんな財政があるとは思えないんだなあ。
そこが、哲学よりも、1番気になったのではあります。
因みに、この建物を設計したのは、安藤忠雄さんだ。
廊下の部分なんかは、記憶だけれど、松山の坂の上の雲ミユージアムとそっくりだ。
カッコイイと見ることもできるが、岡本太郎さんのように「何だこれは。」がない。
その点が、哲学というものの容れ物としてどうなのかと思う。
と言って、機能的でもないのである。
と、批判ではないが、褒めたくはない建物ではある。
(トイレの入口なのだけれど、パット見、カッコイイが、この大きさの建物に対して、そして、このトイレの前の空間の贅沢さに対して、中のトイレの使用できる人数が、驚くほど少ない。一体、何人来館することを想定してるのだろう。1日、4、5人?)
さて、宇野毛駅まで戻って、1603時発の電車に乗り込み、1638時に金沢に着。
ここから富山へ移動しようと思うのだけれど、第三セクターは使いたくないので、新幹線に乗った。
1735時 金沢発、つるぎ720号。
1758時 富山着。
さすがに、新幹線は、快適である。
さて、今日のホテルは、富山駅から歩いて行くことのできる距離にある。
「ホテルパークイン富山」さん。
1泊2食、朝食付き。税込み4300円。
ホテルの部屋は、充分な広さと設備で、これはゆっくりと休めそうだ。
ただ、ハードは言っても仕方がないが、トイレの便座が小さい。
改装をした後なのか、全体的に綺麗で、入口で靴を脱いでスリッパに履き替える方式なので、ジュータンも汚れていないし、気持ちよく過ごせる部屋だ。
(備え付けのシャンプーなどの容れ物の名残。なんか楽しい。)
(懐かしいドライヤー。これも嬉しいな。)
改装前の、シャンプーの壁付けの容器や、トイレットペーパーのところのステンレスの灰皿、壁に備え付けられたホース式のドライヤー(これは現役で使える)などが、昔のホテルの名残だが、これもまた、郷愁をそそるもので、凡的には、懐かしくて楽しい。
ということで、部屋は、まずもって、なかなか良い感じだ。
さて、フロントで、オススメの店を聞いたら、4店舗ほどを教えて頂く。
ホテルを出て、一通り、ぐるりと駅周辺を歩き回る。
フロントで教えて貰った店も、チェックした。
それで、どうしようかなと思ったら、近くに「とんぺい」さんというお店があることに気が付いた。
このとんぺいさんというのは、兎に角、安くて美味しいと、これはネットの情報だ。
なので、入ってみると、ちょうど空いている席があった。
カウンターに座る。
ネットでは、写真は見ずに、安いというコメントだけを見ていたので、たぶん、汚いアル中のおっちゃんが、飲んだくれているお店だろうと想像していた
ただ、入ってみると、これが、なかなか良い店だった。
清潔感もあり、白い割烹着というのだろうか、制服を着て、忙しそうに厨房の中を動き回っている。
もう、それを見ただけで、旨いものを食べさせる店であることが解るのである。
なので、期待を込めてメニューを見る。
(お通し2品)
カウンターは、ひとり分のスペースもちゃんとあり、安いけれれども、ゆっくりと飲める感じも良い。
すると、お通しを、若い男の子が持って来た。
2品あって、どちらも美味しい。
しかも、メニューには、250円とある。
安いね。
まずは、生ビールと、名物の牛ほほ肉の煮込みを注文。
それと、鯖のにんにく醤油焼き。
この鯖のにんにく醤油は、美味しかったです。
焼く前に、ちょっと醤油に漬けこんでいるそうで、しっかりとした味が、どうにもビールが進むのであります。
年配のスタッフに、思わず、美味しいと伝えた。
(メニューは、こんな感じ)
それと、ヒラメのフライ。
これもまた、美味しかったなあ。
ここの「とんぺい」さんの料理は、安いからと言って、手を抜いていない。
それに、年配の男性は、お役さんへの気配りも出来ていて、兎に角、気軽に、そして、楽しく、そして、美味しく飲むことのできる店だと思う。
しかも、オリジナリティのある料理もあって、この店にして良かったと思った。
カウンターは、L字になっていて、向こうのカウンターに可愛い女の子が座っている。
年齢は、20才代で、えんじ色のVネックのセーターを素肌に着て、黒いベレー帽をかぶっている。
耳には、金色の小さなイヤリング。
可愛い。
こんなお店に、若い女の子が、ひとりで?
しかも、飲んでいる姿が、その動作が颯爽としていて、テレビドラマに出てきそうな雰囲気を持っている。
そういえば、どことなく女優の綾瀬はるかさんに似ている気がするな。
たぶん、仕事を始めて5年ぐらい経ったのかな。
今日も、ちょっとハードだったけれど、何とか、こなせたかな。
「あたしも、なかなか、ちゃんとやってるじゃん。」なんて思うと、今日も充実した1日に思えてくる。
疲れた体に、流し込む冷たいビール。
「あーっ。」思わずうなっちゃう。
言ったあとに、手のひらで口を押えて、ちょっと、自分自身を笑ってみせる。
こんな可愛くて、それで、ちょっとカッコイイ女の子が、凡の隣に座ってくれたらなあ。
「いい飲みっぷりだね。」なんて声を掛けてしまうかもしれない。
「あは、今の、あたしの『あーっ。』聞こえた?恥ずかしいな。」なんてね。
凡も冷たいビールを流し込んで、「あーっ。」って言ってみせる。
そして言うね。
「君の、マネ。」
「あははは、あたし、そんな大きな声だしてた?」
「うん、店の外にいる野良猫が、びっくりして、ニャーって鳴いたよ。」
「うそ、そんなの鳴いてないよ。」
「じゃ、ニャー。凡が鳴いちゃう。」
「全然、可愛くないの。じゃ、今度は、一緒にビール飲もうよ。」なんてね、2人でビールを飲み干すよ。
んでもって、ふたりで「にゃー。」なんてね。
きっと、隣に座ったら、楽しい時間になるだろうなあ。
なんて思って見ていると、トイレから帰ってきた男性が、その女の子の隣に座った。
「なあんだ。カップルか。」
急に、凡のテンションが下がる。
見てみると、男性も、カッコイイ人である。
これまた、テレビドラマに出てきそうな、仕事が終わって、いつものバーのカウンターで1杯なんて感じのシーンに似合いそうな男性だ。
ただ、この2人、夫婦じゃない。
だって、女の子は、人差し指に指輪をしているのである。
この人差し指というところも、気になるが、凡が気になったのは、2人の会話だ。
というか、会話は聞こえないが、その仕草だ。
ただただ、カッコイイんだ。
カッコ良くお酒を飲んで、カッコ良く料理を食べて。
仕事の話をしている風でもなさそうであるが、冗談を言っている感じでもない。
ただただ、カッコ良く、飲んで食べている。
或いは、カッコイイ会話でもしているのだろうか。
それにしてもさ、この男性。
トイレから帰って来て、1度も笑わないんだ。
あのねえ、あなたの隣に座っているのは、かなりの可愛い子ちゃんなんだよ。
そんな可愛い子を置いておいて、ニコリともせずに、よく飲んでられるね。
よっぽど、自分に自信があるのかな。
それとも、何の感情も彼女に抱いていないのかな。
どっちにしたって、あんたが羨ましいぞ。
そう言いたかった。
女の子の方も、そうだよ。
ほとんど、笑わない。
大丈夫なのかと、知らない女の子の心配をしてしまった。
そんな風景を見ていたら、その向かって左隣に、またカップルが座っているのに気が付いた。
女の子は、ごく普通の女の子だ。
とびっきり可愛いという訳でもない。
男の子の方も、普通の男の子。
とびっきり、カッコイイという訳じゃない。
ただ、見ていると、楽しそうである。
お互いにスマホを見せ合って、顔を崩して笑っている。
その光景を見て、ちょっと微笑ましい気持ちになった。
どっちかというと、さっきのカップより、こっちのカップルの応援をしたいな。
まだ、付き合って間もない感じ、たぶん、2回目か3回目のデートだろう。
楽しさの中に、ちょっとした緊張も見て取れる。
どことなく、2人とも、少しだけアカンタレなところも、見ていて優しい気持ちになっちゃったな。
うん、2人、これからもうまくいくといいね。
それにしても、どっちが凡の好みかな。
そんなことを考えながら飲んでいた。
美人の可愛い子は、これは付き合ったら、緊張するな。
たぶんだけれど、結婚しても、自分の夢を追及するタイプに違いない。
将来設計も考えていそうだ。
家に帰って、こんな可愛い子がいたら、ダメな自分を見せられないかもだ。
それに比べて、アカンタレの女の子は、一緒にいて楽かもしれない。
女の子と付き合うのに楽という基準を持ち出すのは、これは男性として失格かもしれない。
ただ、その楽がやすらぎに繋がることもあるかもしれないと思う。
自分の気持ちに素直になれるからだ。
すると、また凡の妄想が始まって、この2組のカップルを入れ替えてみたらどうなるのかなと思ってしまった。
カッコイイ笑わない男性に、アカンタレの女の子。
これは、案外と成立するかもしれない。
でも、問題は、可愛い女の子に、アカンタレの男の子だろう。
果たして、シッカリした可愛い子が、アカンタレに恋心を抱くだろうか。
何をやっても、自分の知っている他の男性より、アカンタレは何も出来ない。
ただ、取り柄は、自分を愛してくれているという事だけ。
いや、他の男性より出来ないというよりも、可愛い女の子より、何も出来ないのである。
可愛い子は、アカンタレの男の子に、「ああ、ダメな人だなあ。」と思うだろう。
この場合は、もう女の子の度量というか性格によるだろうね。
頼られたら、ダメな人だから、放っておけない。
母性のようなものを持った女の子じゃないとダメだろう。
そうでなきゃ、「別れましょう。」の一言で、サヨナラだよね。
凡は、アカンタレの男の子を見ながら、「可哀想に。」と呟いてしまった。
と、勝手に人のカップルで遊んではイケマセン。
最後に、カレーのルーだけを注文して、熱燗を頂いた。
肉、玉ねぎ、しめじ、などの具を細かく切ってあるけれども、しっかり原型を残しているので、食感も楽しいカレーだ。
最後の締めには、ちょうど良かった。
料理と、生ビール×1、瓶ビール×1、熱燗×2で、3300円ぐらいだったかな。
さて、気持ちとしては、寿司が食べたい。
駅の周辺を歩き回るも、時短のせいか、どこも、もうラストオーダーが終わっている。
仕方なく、駅前の「秋吉」さんに入る。
やきとりと、生ビール、瓶ビール大などを注文。
右隣りに、女の子が2人座っている。
その2人のガラの悪いこと。
そうそうに、焼き鳥も切り上げて、水を買って、ホテルに戻った。
シャワーをして、明日の予定を考える。
珍しく今日は、シッカリとしていた。
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