平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1037)暴風雪警報で迷走しまくりの津山旅。(2)

1月8日(金曜日)。
鳥取に行く予定が、暴風雪警報で列車が止まったために、急遽、津山に泊まった青春18きっぷの旅の2日目であります。
6時30分から朝食が頂けるとのことで、早い目に食堂に行ってみる。
会場は昨夜の居酒屋で、調理をしているのは、年配のお姉さんで、昨夜の店主とは違う人のようである。
無料なんて言わずに、朝食と普通に言えば良いのにと思うのだけれど、そんな無料朝食。
おかずの置かれたカウンターやテーブルを見てみると、種類は多くないし、温かい料理も少なく、温かいのは、白ご飯、カレー、味噌汁、自分で作る目玉焼きぐらいか。
その他のおかずも、どこかの業者から引いてきたと思われる既製の具材だ。
でも、それで十分。
何しろ無料なのだから。
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そんなおかずの盛られた皿やバットを見ていると、あることに気が付いた。
例えば、白い皿にトマトのスライスが盛られている。
人数的なものもあるのだろう、盛られている数は3個ぐらいだった。
無くなったら小まめに補充するのだろう。
そのトマトなのだけれど、スライスの向きを変えて、皿に乗せられている。
盛り方に変化を持たせているのだ。
おや、と思って見てみると。
横にレモンの小さな楔形に切ったものと、カイワレ大根が5、6本飾られていた。
それに気が付いた瞬間、何とも、こんなことだけで、人を優しい気持ちにさせてくれるんだなあと、それを盛り付けた人の、お客様に、決まり切った食材だけれど、見た目も美味しく食べて頂こうとされている気持ちが伝わってきたのだ。
白い皿に盛られたトマトに、黄色いレモンと、緑のカイワレ。
美しいなと思った。
そんな盛り付けは、フライ物にもされていて、キューリのスライスが3枚ぐらいと、やっぱりレモンのカットしたものが添えられている。
普通のもっと大規模なホテルの「有料の」朝食でも、ステンレスのバットに、ただ山盛りおかずを乗せただけのホテルも多い。
しかし、このホテルの朝食は、おかずは、保温のバットではないので、温かくはないし、既製品も多いが、どうにも嬉しくなる朝食だ。
経費を考えると、既製品が中心になってくるだろうけれど、その制約の中で、綺麗に盛り付けようとされている気持ちは、まさしく、おもてなしのこころだと思った。
おいしかったです、ごちそうさまでした。
このホテルは、人員が少ないのだろう。
なんと、フロントは、朝の9時から夕方の4時まで閉鎖されている。
なかなか、思い切った経営ですね。
それは、それで良いのだけれど、どこにもチェックアウトの時間が書いていない。
困ったなと思いながら、閉鎖される9時ちょっと前にフロントに行ったら、すでに閉まっていた。
鍵をボックスに入れて出かける。
まずは駅に行って、案内所を覗いた。
んでもって、凡が昨夜考えて、行ってみようと思った鉄道館などの行き方や、お昼のお店を聞いた。
案内所を出ると、駅のフェンスにB`zの大きなパネルが貼ってある。
ここ津山は、ビーズの稲葉さんの出身地らしいのだ。
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しかも、それを、街を上げて推しているのか、「稲葉浩志君の想い出ロードマップ」なるものも用意されている。
すごいね、稲葉浩志「君」だよ。
だれが、このチラシを製作したんだろうね。
稲葉さんの先輩かな。
んでもって、チラシの地図に乗っている指定されたお店3軒を回ってスタンプをもらうと、抽選でお買物券がもらえるという。
しかも、その3軒の内の1つに、稲葉さんの生家の「イナバ化粧品店」が入っているのだ。
これは、稲葉さんファンにとっては堪らない企画だろうね。
所謂、聖地と言われるお店に行って、しかも、正々堂々と行って、スタンプを貰ったら、抽選に参加できるなんてね。
もし、みゆきさんが、こんな事したら、どうなるのよ。
札幌とか帯広とか、東京でもいいや。
で、そんなチラシが出来るんだ。
「中島みゆき『君』の想い出ロードマップ」
んでもって、札幌だったら、藤女子大学とか、みゆきさんの行った楽器屋さんとか、喫茶店とかで、記念グッズを販売して、買った人はスタンプが貰える。
すると、抽選で、みゆきさんの名前の入った手ぬぐいがもらえるとか。
でも、みゆきさんは、そんなことを、させてくれなさそうな感じもするね。
そんなマップがあると、楽しいんだけれどなあ。
んでもって、凡の行こうとしている鉄道館は、駅の反対側にあるんだけれど、案内所で道を聞かなかったら、行けなかったかもだ。
ぐるっと遠回りして行かなきゃいけなかった。
「津山まなびの鉄道館」
気に入らないね。
何が気に入らないかというと「まなびの」という言葉だ。
これって、「津山鉄道館」じゃいけないのだろうか。
鉄道館に行って、何かを学ばなきゃいけないのだろうか。
わあ、カッコイイなとか、スゴイなとか、そんなじゃダメなのですか。
そう、名前を付けた人に聞きたい。
何かね、この「まなびの」という言葉に、「学ぶことをしない人間は、悪である。或いは、怠惰な人間である。」という目に見えない圧力を感じるんだなあ。
圧力と言うか、勝手な善意の押し付け。
しかも、その学びというものは、それを要求された人は、学びを期待する人に媚びるような、学びをしなきゃいけないのだ。
たぶん、この施設を利用するのは、子どもが多いだろう。
そうすると、この列車は、何キロぐらいの荷物を運ぶことができるのだろうかとか。
或いは、モーターの回る仕組みとかを学ばなきゃいけない。
間違っても、この列車に轢かれたら、人間の身体は、どんな風にバラバラになるのかとか学んじゃいけない。
これは、まあちょっと不謹慎だったか。
でも、この列車のトイレには、何人分のオシッコが溜められるかとか学んじゃいけない。
と、これは凡が気になる問題なのではありまして、それを本当に学びたいのではありますが、そんなことを考えるのは、凡の頭の中は、子どもなのだろうか。
そして、答えることのできる職員はいるのだろうか。
どんなにスゴイ理論や、事実があっても、それが見えなければ、学ぶ事も出来ないし、どんなアホなことでも、そこに素晴らしい思い付きを発見する人もいるものだ。
わざわざ「まなびの」なんて付けなくてもね。
そんなことより、鉄道館に行って、学びなんて、窮屈じゃないか。
もっと、気楽に電車を見ればいい。
そんな屁理屈を書いていたら、その罰があたったりしてね。
今度のみゆきさんのコンサート。
「中島みゆき(さん)の学びのコンサート」なんて開催されたら、どうなるよ。
コンサートに来た人は、みんな入口でレポート用紙を渡されるんだ。
んでもって、終わったら、学んだことをレポートに書いて提出しなければ会場から出られない。
こんなことになったら、困るよ。
凡なんて、みゆきさんから学ぶことなんて、何も無いよ。
本当に、みゆきさんのスゴイところは、それはもう、スゴイ才能だから、才能の無い凡がいくら頑張っても、そのスゴイところを発見するなんて不可能だ。
詰まり、学べない。
ミミズに太平洋から何を学んだかなんて聞いても答えられないのと同じだ。
じゃ、何をレポートに書くか。
みゆきさんの唇の裏っ側のしっとりとした色っぽさとか、スパッツから見える脚のラインの色っぽさとか、腕を上に上げた時の腕の内側の白い肌の感じとか、そんなことしか書けないよ。
そんなレポートを書いたら、次のコンサートは、出禁になっちゃうね。
でも、そんなレポートに、みゆきさんが、赤ペンで採点をして返してくれたら、それは最高だろうな。
勿論、凡の場合は、「0点」と書かれているだろう。
でも、たとえ0点でも、みゆきさんの字なら、これは宝物だよね。
赤点を取ったら、お仕置きとして、廊下に立たされるかもね。
まあ、学校じゃないから、自主的に家の中で立つことになるか。
家の玄関で、水を入れたバケツを持って立つことになる。
もし子供がいたら、「ねえ、お父さん、何で立ってるの?」なんて聞くだろう。
そしたら、奥さんが、「お父さんはね、赤点を取ったらから、みゆき先生に立たされているのよ。」なんて、ちょっと笑いながら説明したりして。
「ふーん。みゆき先生って、怖いね。」なんて子供が真剣に言うかもだ。
凡には、子どもがいないから、ただ黙って立ってるね。
そんな時、ミニボンは、、、、まあ、無関心で、寝てるだろうね。
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そんな「まなびの」鉄道館に入ると、ディーゼル機関車や、最近まで活躍していた気動車などが、昔の扇形機関車庫を利用して展示されている。
これだけでテンションが上がるね。
機関車庫の跡だから、当然、その先には、津山駅があって、何台も列車が停まっている。
そんな雰囲気も良い。
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敷地の奥に、「しくみルーム」というコーナーがあって、まさしく、色んなことを学ぶことが出来る。
見ると、「きっぷを買おう」という説明ボードがあって、昔は、「駅員さんが、一枚一枚、手で売ってました」と説明が書いてあった。
そこ?そこなん?
きっぷを手で売ってたってことを学ばなきゃいけないんだね。
やっぱり、学ばなきゃいけないのかもね。
、、、、いや、やっぱり、その必要はないだろう。
将来は、国民全員の体内にチップが埋め込まれて、そのまま通過するだけで運賃の精算が出来るようになるに違いない。
んでもって、「昔は、カードを改札口にピッとタッチしていました。」
なんて説明を学ぶことになるのかもしれない。
もし学ぶ必要があるとするなら、過去の事じゃなくて、これからのシステムを、どう使うかを学べばいい。
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そんな説明書きのコーナーを見ていると、ダイヤグラムが展示してあった。
凡が熱心に、その線を見ていると、昔、そのダイヤグラムを書いていたという男性スタッフが声を掛けてくれて、その説明をしてくれた。
ダイヤグラムって、そんなのを見て旅が出来たら、カッコイイだろうね。
そんなこんなで、津山まなびの鉄道館を楽しんだのであります。
一旦、駅に戻って、昔の街道を歩いてみたが、何も無いので、引き返す途中に、中華料理の店があったので、ランチにした。
東姫楼さん。
焼きそばと、玉子スープを注文。
焼きそばは、細麺で優しい味付けだ。
スープは、温まって良かった。
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さて、今日は、早めに帰路につこう。
1228時、津山を出発。
津山→岡山→相生→姫路→尼崎→京橋
ここから、京阪電車で帰宅したのであります。
今回の旅は、まったくもって計画通りには進まない旅ではありましたが、津山の再発見もあり、まずは楽しい旅となりました。
1月7日
京橋→姫路 92.1キロ 1690円
姫路→城崎温泉 104.7キロ 1980円
城崎温泉→姫路 104.7キロ 1980円
姫路→津山 147.3キロ 2640円
1月8日
津山→尼崎→京橋 244.2キロ 4510円
合計 693.0キロ 12800円。
まあ、距離的には、稼いだかな。

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