平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(1015)東北迷走の旅(7)

9月9日(水曜日)。
青森で泊まった翌日。
6時45分頃、朝食を頂きに食堂に行く。
ホテルの大きさを考えると、スペースも広くて、雰囲気も良い。
朝からフライ物もあり、内容もビジネスホテルの朝食ということでは、まあまあ良いのではないだろうか。
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美味しく頂いていて、ふと見ると、りんごカレーというのがあった。
青森、イコール、りんご。
あまりにもストレートだけれども、旅行をしている人には、楽しいメニューだ。
こういうの大歓迎です。
さっそく、少し取って来て食べてみる。
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しかしこれは、申し訳ないけれど、ダメだ。
いや、カレーが美味しくないと言っているのではない。
カレーは、それなりに美味しい。
じゃ、何がダメなのかと言うと、折角、りんごを使ってカレーを作ろうと考えて、また、実行したのに、まったくもって、りんごを感じないのである。
これを黙ってだされて、りんごをイメージする人はゼロだろう。
いや、何も、このホテルの、この料理を考えた人だけをダメだといっているのでもないのです。
色んなレストランや、カレー屋で出される何々カレーというもので、成功した事例を見たことが、ほとんどない。
そこを言っているのだ。
特に、フルーツのカレーは、その素材の良さを生かしたものに出会ったことが無い。
どのお店も、フルーツを、煮込んで作るので、そのフルーツの良さが消えてしまうのだ。
バナナでも、マンゴーでも、そんなフルーツを、カレーで煮込んだら、もうそれは、チャツネと同じになってしまう。
カレーという濃厚な食べ物に、ちょっとコクを足すぐらいの役目しかしない。
と、批判的なことを書いたけれど、じゃ、凡なら、どうするのと問われるかもしれないが、凡なら、こんな風にりんごカレーを作ると思う。
りんごの美味しさ、りんごの良さ、とは何か。
まずは、咀嚼した時の、シャクシャクとした歯触りだ。
それと、爽やかさ。
そして、ジューシーな、優しい甘さだろう。
それを最大限に生かそうと思うと、熱を加えちゃだめだ。
折角の良さが台無しになってしまう。
それなら、アップルパイは、どうなんだというと、あれは、昔から定番であるお菓子なので、それはそれで、良いのである。
それに、爽やかさはなくなってはいるけれども、しっかりアップルとして、そこに存在感を発揮しているし、食べて優しい気持ちになれるお菓子だからね。
りんごカレーのように、どこにりんごが行っちゃったのというのではない。
ということで、じゃ、どうするということなのであります。
凡ならね、カレーは、まず普通に作るね。
そんでもって、りんごは、そうだなあ、1センチから5ミリぐらいの大きさのサイコロ状にカットする。
それを、まあ火を止める直前にカレーに入れてもいいけれども、フレッシュさを出来るだけ残したいので、後からトッピングとして乗っけるのである。
りんごの量としては、思い切って大量に乗せるのが楽しいかもしれない。
スプーンですくったら、そこにりんごのサイコロが、3分の1ぐらいの量を占めるぐらいにね。
カレーのドロリとして、濃厚な味が、口の中に広がったと思ったら、それを咀嚼した時に、フレッシュな甘みと爽やかさが、不思議なハーモニーを奏でてくれる。
どうです。
きっと美味しいに違いない。
「きっと」?「違いない」?
そうなのであります。まだ、凡は、これを作って食べたことが無い。
すべて、凡の脳内のイメージの調理法なのである。
でも、これは断言できる。
間違いなく、美味しい、、、、はずだ。
、、、、、凡って、なんと、イイカゲンナヤツ。
ということで、りんごカレーも、それなりに、普通のカレーとして、美味しく頂きまして、部屋に戻る。
さて、ホテルをチェックアウトして、駅の案内所で、地図を貰う。
今日の予定は、とりあえずは、青森県立郷土館に行くことだ。
ブラブラ駅から歩き出す。
しばらく歩いて、善知鳥神社(うとうじんじゃ)があったのでお参りをする。
宗像三女神をお祀りした由緒ある神社で、棟方志功さんも、子どものころ、この神社で遊んだそうだ。
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そこから、また歩いて、青森県立郷土館に到着。
まずは、常設展を見る。
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2階に上がると、考古の展示がある。
東北や、北海道は、縄文時代の遺跡が多いから、その内容も充実している。
ゆっくり見て回った。
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IMG_3590.JPG(子供の手形の土器があった。縄文時代の親もまた、子どもが可愛くて、こんな手形や足形を作ったんだろうね)
次のコーナーは、青森の自然をテーマにしていて、古代からの青森の動植物について説明している。
その次が、青森の歴史のコーナーだ。
これもまた、内容的には、興味深いものがあった。
そんでもって、3階に移動。
民族展示室で、衣食住や、マタギやアイヌの紹介や、民俗芸能、民間信仰などを取り上げていて、そこで展示されているのは、極一部だけれども、さらにもっと知りたくなるような内容で、この凡も、もっともっと知りたいなと思いながら、展示を見て回る。
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その民間信仰のコーナーで、オシラサマやサンスケなどの紹介とともに、二十三夜の展示と簡単な説明もあった。
普通の人なら、スルーしてしまいそうな、小さな展示だ。
IMG_3620.JPG(二十三夜の掛け軸)
二十三夜といえば、月待の行事のひとつで、旧暦の23日の日に、みんなが集まって、月の出るのを待つという、一種の悪霊を追い払うための行事です。
待つときに、念仏を唱えたり、或いは、宴会の様に飲んだり食べたりしたりもします。
というか、それがメインなのかな。
その二十三夜。
「23」とか「223」などという数字は、みゆきさんが好きな人は、少なからず知っているだろうし、ただの数字なんだけれども、愛おしいと感じる数字なんだな。
何故かと言うと、みゆきさんの誕生日が、2月23日だからだ。
旧暦と新暦の違いはあるけれども、その23という数字に関しては、旧暦も新暦もシンクロしているに違いない。
23という数字は、月を待つ数字。
或いは、月に縁のある数字なんだろう。
そういえば、みゆきさんは、いかにも月が似合いそうだ。
黒い夜の世界が、暗くなればなるほど、明るく輝く星。
今の暗い時代には、みゆきさんは、月のように凡たちを明るく照らしてくれる。
それは、ギラギラと差すような光じゃなくて、優しく包み込んでくれる光だ。
ああ、みゆきさんに会いたいなあ。
みゆきさんロスも、そりゃ耐えるのは耐えるけれど、もうシンドイヨ。
ひょっとしたら、今は、もうこの日本にはいないのかな。
故郷の月に帰ってるのかもしれないな。
実は、みゆきさんは、月の女神、かぐや姫でさ、月の御殿で、静かに地球を見てるのかも。
いや、みゆきさんは、そんな静かに見ている感じじゃないな。
うさぎさんを相手に、餅をついてるね、きっと。
「ペタン、ペタン、ペタン。あ、こりゃ、こりゃ。」
んでもって、搗いた餅を、「こりゃまた、たまらんね。」なんて、美味しそうに食べてるな、きっと。
そんなイメージだよ。
そんな二十三夜の説明などもあり、本当に触りだけだけれど、面白い展示だった。
常設展に関しては、思ったより力の入った内容だったので、来てよかったと満足感が湧きいでていた。
ただ、興味のある人は、もう少し、詳しく説明して欲しいなと思うかもしれない。
この辺のさじ加減は難しいだろうね。
それにしても、持ち帰れるコピーの資料なども豊富に用意されている。
沢山の種類を持って帰りたい人は、穴開けパンチも貸してくれると言う。
それだけ、沢山の資料を持ち帰ることができるということだ。
なかなか、良いですね。
常設展を出たら、これも常設なのだろう亀ヶ岡遺跡の資料を集めた風韻堂コレクションがあり、今回も、亀ヶ岡遺跡に行こうと思ったけれど、行かなかったので、ここで少しミニ亀ヶ岡遺跡を体験。
IMG_3625.JPG(鏡越しに、凡の手も撮影に参加)
そんでもって、今回に行った時は、特別展として、「青森の風土と人・鎌田清衛写真展」というのをやっていた。
鎌田清衛さんという方は、国鉄に勤めながら、津軽を中心として活躍した写真家だそうです。
なかなか、味わいのある写真で、また、昔の津軽の風景を、実際の写真でみることが出来て、これは思ったより、また良かったです。
ということで、なにか郷土館が、想像以上に楽しかったので、その良さを書こうと思ったのですが、どうにも取り留めもない紹介になってしまいました。
さて、郷土館を出たら、まだ時間がある。
そういえば、髪の毛が少し伸びてきている。
青森で散髪をするのも面白そうだ。
歩いている中で、2軒ほど散髪屋を見つけたけれども、コロナの影響で、予約制になっていたり、雰囲気が違ったりで、青森で散髪は断念。
そのまま、駅まで歩いて行って、「青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸」に行ってみる。
実際の船を、そのまま埠頭に停泊させて、見学できるようにしてあるので、実に楽しい。
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途中、昭和30年代の青森駅と青函船待合室の様子をジオラマで再現したコーナーがある。
船の中に唐突にあるので、びっくりしたが、この人形が面白い。
人物設定が、細かく解説してあるのだ。
一番手前にあった人形は、行商の人という題で、説明を見ると、19才の朝市のアイドルだそうだ。
思わず、「じゅ、じゅ、19才、、、。」と、もっと年を取って見えたのだが、よくよく見ると、成る程、ちょっと唇のあたりが、艶めかしい。
このあたりが、19才なのか。
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そんな設定が面白くて、笑いながら見て回った。
この八甲田丸の1番の見どころは、やっぱり何と言っても、1階の車両甲板だろう。
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IMG_3656.JPG(この扉が開いて、目的地の線路に電車が乗っけられる。)
この船が活躍していたころ、当然、青函トンネルがないから、本州の青森と、北海道の函館を、列車が行き来することが出来なかった。
それを、この船が、青森で列車を船に乗せて、そのまま海を渡り、そして、函館で、その積んでいた列車を、また函館の線路に乗っけて走らせていたのだ。
素晴らしじゃないか。
これそこ、鉄道に従事するものの心意気というものだろう。
乗せる列車は、貨物が中心だったそうだが、貨物が出来るなら、客車も出来るだろう。
どうして、今のJRの人間は、こんな素晴らしい船があるのに(あったのに、今も改良して作って)、もっと面白いことをしようとしないのだろう。
青森で、客車を船に乗せてさ、そのままロシアまで運ぶんだよ。
そこで、ロシアの線路に乗っける。
そのまま、日本初の列車が、シベリア大陸を走るんだ。
そんなことになったら、素晴らしいよね。
南は、鹿児島だ。
鹿児島で、列車を船に乗せて、台湾まで運びたいよ。
そんでもって、台湾の線路に、列車を乗っける。
そのまま、台湾を日本の列車が走る。
勿論、その逆で、台湾の列車も、日本に運んで、日本の線路を走るんだ。
台北発、東京行きの列車とかさ、そんなの実現したら、面白いだろうな。
勿論、普通列車なら、日本で買った青春18きっぷが、そのまま台湾でも、切符として通じるんだ。
台湾版の青春18きっぷも、そのまま日本で通用する。
そんな世界にならないかなあ。
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八甲田丸は、またもって、想像以上に楽しかったです。
さて、青森に何度か来たのだけれど、毎回、入ろうかと気になっていたお店があった。
街中の交差点の角にある「亜希」さん。
見た目、町の美味しい食堂って言う感じだ。
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今回は、時間もちょうど良いし、入ってみよう。
とんかつが人気のお店のようだが、種類が多いので迷いつつ、ロースカツを頼む。
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たぶん、店名は女性の名前からとったのだろうけれど、その亜希さんらしき人は、厨房の奥にいるのか、カウンターには居なかった。
トンカツは、少し肉が厚めにカットされているので、揚げるのに結構時間がかかる。
運ばれてきたトンカツは、定番の美味しさ。
特製のソースをつけて食べるのだけれど、このソースは、どうも、トンカツソースとマヨネーズを合わせたような味付けに思えた。
兎に角、ボリュームもあり、青森で、名物とか関係なしに、普通の食堂に入れたので、まずは良かったであります。
さて、少し中途半端な時間が出来た。
そこいらを歩きまわっていたけれども、どうも暑いし、休憩もしたい。
ということで、喫茶店を見つけて入る。
「茶房 河童」さん。
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クリームソーダを注文。
サーブされたのを見ると、昭和チックで、可愛いじゃありませんか。
カウンターを見ると、オシャレな服装の65オーバーぐらいの女性が、お友達と座っている。
オシャレな服装といっても、派手な感じじゃない。
クロワッサンで紹介されそうな、ナチュラルな感じの服装のテイストだ。
ストローのハットを、横の椅子に乗せて、楽しそうに会話をしている。
なかなかの美人だ。
ふと、その会話に気が付いたら、思いっきりの津軽弁だった。
コケそうになった。
もし、みゆきさんが、津軽の女だったら、そして、ズーズー弁を喋ったら、コケそうになるのだろうか。
みゆきさんと、喫茶店で、見つめ合ってサイダーを飲む。
「わ、たげ前がら好きなんだばって、わの事どう思っちゃ?」
(私すごく前から好きなんだけど、私の事どう思ってる?と、言ってるそうです。)
なんて、みゆきさんに言われたら、たとえ、ズーズー弁であっても、鼻血ものだよね。
思わず、凡も津軽弁で行っちゃうよ。
「好きだじゃー。」
(、、、ホントは、もっと話を膨らませたかったんですが、何しろ津軽弁は、解りませーん。難しいわ。)
さて、ホテルで荷物を受け取って、そろそろ空港へ向かおう。
駅からバスで、空港へ移動。
15時過ぎに着いた。
飛行機は、17時発なので、まだまだ時間がある。
出発前に、ちょっとビールを頂いて、土産物コーナーをウロウロ。
でも、お店もあまりなく、すぐに見飽きてしまう。
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なので、検査場を通過した。
すると、そこにも売店があるのだけれど、販売のお姉さんもいない。
電気も消えてるし。
しばらくしたら、帰ってきたので、またまた、ビールを頂く。
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帰路の飛行機は、プロペラ機に機種が変更されていた。
青森1700発。ANA1856便。
伊丹1855着。
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今回の4日間の旅は、どうにも、焦っていた旅だった。
焦るあまりに、どこへ行くとも思いつかず、ただ、ウロウロしただけ。
本当なら、気に入った場所で、連泊しても良いのだけれど、まだ決まっていない目的地に向かって焦っていたのである。
凡の未熟さを思い知らされた気がしたよ。
とはいうものの、山形では、みゆきさんの山形市立第6中学にも行けたし、秋田から青森への移動に、五能線をリゾート列車で走ったし。
まあ、初めての事もやったので、それにもまして、旅に出かけることができたんだもん。
それだけで、大満足というところに違いないのであります。
そんでもって、今回も、4日間も家を抜け出して、遊び回ることをオッケーしてくれたミニボンに感謝であります。
それと、最後まで付き合ってくださって、ありがとうございました。

コメント

  1. yukemuri より:

    まず、最後にある4日間の旅で焦るあまりにどこに行こうか思いつかないとありますが、その気持ち良く分かります
    せっかく休みがあるんだからどこかに行かなくちゃと思うんだけど、なかなか良い旅先が思いつかなかったりどこに行こうか考えがまとまらない事良くありますよ
    でも行き当たりばったりで行く度だからこその発見があったり、また美味しい名物との出会いがあったりでするのではないでしょうか?
    冒頭の朝食ビュッフェですが、なかなか盛りだくさんだしリンゴカレーなんてのもあるんですね
    お昼はとんかつにクリームソーダ、帰りの空港でビール
    目一杯楽しまれていますね
    それから帰路はプロペラ機ですか?
    これまた貴重な体験されましたね
    凡蔵さんの旅を全体的に見ると自分とのスタイルの違いが新しい発見と言うか、上手く言えないんですがこんな旅も楽しそうだなぁ~って真似したくなりますよ
    最近の自分はネットを駆使して下調べをし、せっかく行ったのだから失敗しないように、外れの食事をしないように、効率良く周らなくちゃなどと考えてしまい、なんか旅の醍醐味的なものが薄れてきているんですよね
    ふらっと気の向くままに行く旅、憧れますよ・・・

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    今回は、ふらりと出かけたのは良いのですが、時間があると思ってたのに、というか、時間があると思い込んでいたので、その時間に見合う旅をしようとして焦ってしまいました。
    これが1泊なら、どうせ1泊なんだから、失敗しても良いかと思って出かけるので、そこまで焦らないんですけれどね。
    なまじ4日あると、普段できない旅をしようと欲張ってしまうのがイケなかったのかな。
    んでもって、私も、下調べという訳じゃないのですが、ホテルをネットで予約するときは、口コミをよく見ますよ。
    古いとか、壊れているというのは、私は気にならないのですが、掃除が出来ていないとか、スタッフの対応が悪いとかは、気になります。
    なので、時間があれば、口コミをチェックするので、なかなか決まらなかったりします。
    でも、迷った時は、安い方というのが多いかな。
    以前、高い方を選んで、ダメだったときがあるんです。
    安い方を選んでたら、まあ、安いからねとあきらめがつくしね。

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