平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1008)宇奈月温泉のゴーツーキャンペーンの旅。(3)

8月18日(火曜日)。
ホテルで美味しい朝食を頂いて、早めにチェックアウトをした。
IMG_2915.JPG(ホテルの前)
ホテルから、ブラブラ散歩がてら、トロッコ電車の方に向かう。
今日のメインのイベントが待っている。
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黒部峡谷トロッコ電車。
なかなか観光気分を上げてくれる趣のある駅舎だ。
凡は、0921発の電車を予約していた。
でも、早く着いたので、窓口の方が、1本早い電車にしましょうかと言ってくれた。
それは有難い。
ホームに出ると、どこかの遊園地にあるような、小さな電車が停まっていた。
このトロッコ電車には、3種類の車両があって、普通の車両は、まさしく遊園地の乗り物のように、壁が無くて、オープンになっている。
これが基本の形だろう。
1番、トロッコ電車を満喫できる車両だ。
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あと2種類は、箱型の車両で、座席も背もたれがあって、リラックス客車というのと、特別客車というのがある。
なので、凡は、往路は、普通客車、復路は、リラックス車両を予約していた。
さて、往路の普通客車に乗り込む。
横長の椅子があるだけで、背もたれもない。
壁が無いので、ダイレクトに風景が楽しめるし、新鮮な空気も、もう思う存分感じることが出来るようになっている。
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電車が走り出すと、誰もが楽しそうである。
そして、最初のホテルから見えていた赤い鉄橋にさしかかる。
一斉に、歓声が上がった。
でも、凡は、ただ1人、その高さに怯えていた。
怖い。
だって、高所恐怖症なんだもん。
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そこを過ぎると、右側に黒部川の流れる河原だったり、渓谷だったりが、木々の合間に見え隠れする。
凡も、アイフォンを手に、シャッターチャンスを狙うが、シャッターを切った時に、木が通過したり、どうもタイミングが合わない。
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左側は、凡が座っているのだけれど、山があったり、コンクリートの塀があったり。
しかし、このコンクリートの壁や、山が、凡には、安心できるのであります。
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風も気持ちいいし、何より、乗っている客車が可愛いんだよね。
おもちゃみたいな客車に揺られて、山沿いを走る。
のんびりとした、でも、ウキウキするような気持ちになって、これまた贅沢な休日を満喫していた。
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宇奈月温泉駅から、終点の欅平駅までは、1時間18分。
欅平についたら、駅の前に、ボランティアの案内人が、ブースを作って、1人いらっしゃった。
道を教えてもらったりしていたら、一緒に行きましょうかと言ってくれる。
お言葉に甘えて、案内していただいた。
特別名勝の猿飛峡の方は、通行止めになっていたので、祖母谷川沿いの道を、ゆっくり歩いて行く。
途中で、色んな説明をしてくれる。
こういう説明は、自分では、調べる余裕もないし、現地で実際に見ないと、ピンとこない。
やっぱり、案内をお願いして良かったと思った。
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祖母谷温泉までは行かずに、途中の適当なところで引き返す。
そして、案内の人と、駅の下の足湯でお別れをした。
色々教えて頂いて、そして、結構な時間をお付き合いしていただいて、ありがとうございました。
足湯の場所に降りたものの、暑いので、自然と気持ちは、川の方にいく。
河原まで下りて行って、ミニボンと、適当な石に腰かけて、水に足を浸した。
「気持ちいい。」とは言ったものの、冷たくて、10秒も浸けていられなかった。
それでも、リフレッシュして、駅に戻る。
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1228発のリラックス客車だ。
みんな普通客車に乗るので、凡のリラックス車両は、凡とミニボンだけ。
壁があるので、やや閉塞感がある。
やっぱり、トロッコ電車は、普通客車に限るね。
とはいうものの、違った客車を楽しめる点は、リラックス客車にして良かったのではある。
さて、復路のトロッコ電車が走り出した。
川沿いを走るリラックス電車に、風か吹き込む。
とはいうものの、開放感は、やっぱり普通客車か。
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IMG_3019.JPG(窓から買うのは、昔の駅弁のようで楽しい)
誰しも、そう思うのか、凡の乗った客車は、凡とミニボンの貸し切りだ。
これまた贅沢な旅である。
しばらくして、ミニボンが言った。
前の客車のおばあさん、ずっと、こっちを見てる気がすると。
見ると、前の客車もリラックス客車なのだが、その連結部のガラス窓から、身体を後ろに向けて、ずっとこっちを見ているのである。
何だろうと思った。
それも、じーっと見ているのである。
少し怖い気がした。
こんな風景の良いトロッコ電車で、風景を楽しまずに、身体を後ろ向けにして、こっちを、おばあさんが、憑りつかれたように見ているのである。
でも、何のことか分からずに、そのままでいた。
おばあさんは、ずっと、こっちを見たままだ。
怖い。
すると、今度は、おばあさんが、何やらジェスチャーをし始めた。
両手を、開いたり、凡を指さしたり。
顔も真剣で、口を開いたり、目を見開いたり。
それで、ひょっとすると、と思ったことがある。
凡は、リラックス車両に乗り込んで、マスクを外していた。
だって、この車両には、凡とミニボンだけだし、窓は解放されて空気が常に入れ替わっている。
これなら、マスクを外しても、問題はないだろうと思ったからだ。
それに、スタッフが、アイスコーヒーを窓の外で販売していたので、それを買って飲んでいたのだ。
これのことかもしれないと、凡は、マスクを着けた。
すると、おばあさんは、納得がいったみたいで、前を向いて座り直した。
ああ、助かった。
あんなに憑りつかれたように見られちゃ、たまったものではない。
しかし、ここに、今の社会の恐ろしさを見た気がした。
新型コロナ対策も、今やっていること、その目的を再確認するべきだろう。
それを、マスコミなどでも、検証して放送すべきだ。
マスクは、飛沫感染を予防するためのものだ。
目的は、感染予防にある。
マスクを着けることじゃない。
こんな状況で、マスクを着けるのは、ナンセンスだろう。
それを、おばあさんは、考えていないのである。
考えていないのだけなら、それで良いのだけれど、それを他人に押し付ける。
こんな無意味なルールの強要が、いま社会に広がりつつあるのである。
とはいうものの、そんな凡も、ナンセンスだと思ってはいるけれども、毎日の通勤電車では、マスクを着けている。
それは、着けないと、他人の視線が怖くて乗っていられないからだ。
まあ、その車内の雰囲気が良くなるのであれば、マスクを着けるぐらいは、社会的な協調でもあるだろう。
マスクは、飛沫感染で、他人にウイルスを移さないためにするものだ。
それなら、口を覆うだけで良い。
それに、毎日、通勤電車に乗っているが、そこで、くしゃみをした人を見たことが無い。
最近は、大声で話す人も少なくなった。
その状況で、マスクは必要だろうかということだ。
誰かがくしゃみをしたときの為に、マスクを着けるというのは、これは、まあ理論としては成り立つ。
でも、そのマスクを着用することに必死になる前に、空気感染などの検証を進めるべきだ。
他の感染経路や、その対策を考えなきゃ。
海外の大勢の専門家が、空気感染の可能性を指摘している。
でも、政府は、それを無視し続けているのだ。
なぜかというと、空気感染するなら、マスクや、手洗いや、消毒では、間に合わないからだ。
それに対する、対策を打ち出すことが出来ないのである。
都合の悪いことは、存在しないことにする。
それが、国家だ。
と、そんな愚痴にも思えることを、おばあさんに凝視されたお陰で、素晴らしい景色を見ながら考えていた。
おばあさんは、前を向き直ったが、定期的に、後を振り返り、凡がマスクをしているかどうか確認をして、それでまた、納得すると、前を向くということを、何度も繰り返していた。
しかし、今回は、おばあさんだったから怖かったけれど、これが若いお姉さんだったら、どうだっただろう。
前の客車の窓から、サラサラロングヘア―のお姉さんが、こっちを見ている。
髪を細い指でかき上げて、真っ赤なルージュの唇を、イヤラシソウな舌で、右から左へと舌なめずりをする。
いや、ミニボンがいるんだ。
美人のお姉さんがいても、凡は、両手でハートマークを作ったりは出来ないじゃない。
やっぱり、出来ない妄想は、置いておこう。
んでもって、楽しいトロッコ電車の旅は終わった。
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街の方に向かって歩いていると、電鉄富山の駅に、見慣れた電車が停まっている。
クリーム色の車両に、テレビカーの文字が見える。
懐かしいなあ。
凡の住んでいる街の、京阪電車の特急車両だ。
こんなところで再会するとはね。
「まだまだ、現役で頑張ってるんですね。ありがとう。」
ちょこっと敬礼。
さて、これから帰路につく前に、ランチを片付けておこう。
雰囲気の良さそうな喫茶店もあったが、普通の街の食堂という感じのお店に入る。
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かつどんを注文。
手早く、それを頂いて、ホテルに戻った。
ホテルから、新幹線の宇奈月温泉駅への、無料送迎バスに乗り込む。
こんな送迎バスがあるなら、往路も、新幹線で良かったかもだ。
それで、宇奈月温泉駅から、新幹線で富山駅まで移動。
途中で、アイスを食べる。
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富山駅で、一旦、駅を出て、駅弁などを購入。
ただし、これが駅弁だという感じのものは買うことが出来ず、どこかのお店の弁当を買った。
帰路の新幹線は、1711発、つるぎ725号だ。
乗り込んで、さっそくテーブルに、ビールとおつまみをセッティング。
発車を待つ。
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1734、金沢駅に着。
んでもって、1754発、サンダーバード42号で、金沢駅を立つ。
今度は、テーブルに駅弁をセッティング。
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しかし、この駅弁風の弁当は、駅弁としてはイケナカッタ。
斜めに持っていた凡も悪いのだけれど、中の汁が滲み出て、布製のエコバッグをびしょびしょにして、さらに、その外側にあったミニボンの新品のバッグに大きなシミを作った。
どんだけ、汁、出すねん。
とはいうものの、仕方がない。
今回の旅の満足感を感じながら、電車に揺られて、遅れることなく、2038に大阪に着いた。
そのまま、京橋に移動して、京阪電車に乗り換えて、自宅に帰る。
今回の、旅行は、富山で薬を買い、豪華なホテルで、温泉とバイキングを楽しみ、トロッコ電車に乗ってと、充実した内容で、それに、ゴーツーキャンペーンで、かなり安くなって、これまた、大満足の旅になりました。
それと、気の抜けたころに書いているレポートをお読みくださった方、本当にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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