平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(881)鎌倉ぶらり。(1)

6月の15日(月曜日)と16日(火曜日)が連休だった。
ミニボンの休みは、火曜日だと聞いていたので、それなら月曜日は、凡の自由な休みだと思っていた。
すると、ミニボンが、急に月曜日も火曜日も休みだと言う。
そんなあ、2日間、ミニボンと一緒なんだ。
と、やや不満げにミニボンに言った。
いやなに、別に一緒の休みが嫌だと言うのではない。
ただ、やっぱり、一人の時間は、必要なのであります。
とはいうものの、休みなんだから、仕方がない。
先日の、9日、10日と、熊本の阿蘇の温泉に旅行に行ってきたばかりだ。
今回の連休は、おとなしく家にいることになるだろう。
或いは、1日ぐらい、何処かへ行ってもいい。
そう思っていた。
それか、ちょっと欲を出して、近場の温泉とか。
手軽に行ける大江戸温泉物語をネットで見てみた。
近くに、箕面スパーガーデンがある。
ここなら、お昼ぐらいに家を出て、のんびり温泉に入ることができる。
しかし、営業再開は7月だった。
それなら、湯快リゾートは、どうかと見てみると、営業はしているが、目当ての食事がバイキングでなくて、お弁当だと言う。
そのお弁当の写真を見たら、これじゃ、どうみたって少ないだろうという内容だった。
勿論、少ないなんて言うと罰当たりなのではありますが、バイキングを期待している凡には、そう感じたのであります。
ということなので、まあ、1泊で出かけるのは諦めた。
まあ、自宅で本を読んだり、或いは、掃除をしたり、そんなことをしようかと思っていた。
そんでもって、前日の、14日(日曜日)の仕事の帰り道、京阪電車からミニボンにメールした。
そしたら、明日どうする?という。
なので、どうしたいの?とメールしたら、「どこかに行けたらいいね。」と、返事があった。
なんだ、行きたいんだと思った。
それなら、凡は凡で、出かけるのは好きな方だし、それに乗っかろうと思う。
家に帰って、行きたいところの候補を聞いた。
飛騨高山とかどうかと言う。
でも、ミニボンがアイフォンで検索していた宿は満室だった。
それなら、徳島はどうかという。
南海電車とフェリーのセットで、確か2000円で行けるチケットがある。
それも良い。
ただ、徳島は何度か行ったけれども、特にミニボンと行きたいところもない。
趣味が全く違うからだ。
後は、鎌倉のホテルで、ちょっと変わってるのを見つけたという。
鎌倉も行ったことはあるが、何しろ、もう前日の夜だ。
どこかに決めないと、ミニボンの御機嫌を損ねては、一大事である。
ということで、鎌倉に決めた。
とりあえず、ホテルは、ミニボンが見ていた「源ホテル」というホテルに決める。
なんでも、フロントが無くて、人がいないホテルだと言う。
ネットで見ると、ゲストハウスとあった。
1泊2日で、2名で、11000円。
さて、それから急いで着替えなどの用意をして寝る。
翌朝、7時頃家を出て、京橋駅のみどりの窓口で、きっぷを購入。
新大阪、0924発ののぞみ98号。
前回の熊本旅行の様に、車内販売がなかったら困るので、まずは駅弁とビールを購入。
それにしても、どうして駅で売っているビールって、あんなに冷えてないのだろう。
ビールの缶を持った瞬間、やめようかと思ったが、冷えたビールを求めて歩き回るのは、ミニボンは付き合ってくれないだろう。
なので、ヌルイビールを買った。
のぞみに乗り込んで、京都を過ぎたら、とりあえず、ビールのプルトップを開けた。
駅弁は、敦賀の塩荘というメーカーの鯛鮨。
東海道線とは関係ないが、何となく食べたくなった。
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駅弁とビールを終えた頃に、車内販売が回ってきたので、ウイスキーとおつまみと、アイスクリームを買った。
新幹線のアイスクリームは、凍り過ぎて硬いので、早めに買っておくに限る。
ウイスキーは、ソーダ割をお願いした。
銘柄は、2種類あって、ジャックダニエルとサントリーの山崎である。
普段に買うなら、ジャックダニエルが好きなので、それを選ぶのだけれど、山崎はノーヴィンテージじゃなくて、12年だったので、1度飲んでみようと注文した。
山崎も市場では出回ってないけれども、車内販売にはあるんだね。
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ウイスキー(1180円)おつまみ(340円)、そしてアイスクリーム(2個で780円)なり。
なかなかのお値段だが、内田百閒さんに言わせるなら、これは普通のウイスキーやアイスクリームじゃなくて、時速300キロで飛んでいるウイスキーとアイスクリームなのである。
これぐらいしたって、安いと思える境地にまでは達してはいないが、致し方ないと思うのであります。
ビール2本と、ウイスキーを頂いたら、すっかり酔っぱらってしまって、気が付いたら、マスクもしないまま、ヨダレを垂らして寝ていた。
少しばかり、みっともない凡でありました。
さて、京橋駅のみどりの窓口のお兄さんは、親切な人で、新幹線の時間だけじゃなくて、新横浜から鎌倉までの乗り換えの時刻まで印刷してくれた。
これは有難かったです。
新幹線は、無事、新横浜に到着。
そこから、横浜駅まで移動して、さらに鎌倉駅まで移動した。
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駅のホームに降りると、ホーム全体に、女子中学生や、女子高生が、同じようにドッと降りて来て、瞬間、ホーム一面が、女子中学生、女子高生のたまり場と化す。
しかも、みんなセーラー服を着ていて、しかも、スカートの裾をミニにしていて、しかも、みんな可愛い。
急にテンションが上がる凡。
しかし、これを彼女たちの視線から感想を言うと。
変なオジサンがホームに降りて来て、急にテンションが下がる。
そういうことだろう。
いや、テンションが下がるというのなら、まだ良い。
彼女らにしてみれば、凡の存在など、網膜の神経に投影はされても、脳まで電気信号は到達していないだろう。
脳まで到達しないなら、それは存在しないも同然だ。
悲しい、事実なのである。
しかし、これほどの女子中学生に女子高生。
新型コロナで休校してるんじゃなかったっけ。
或いは、神奈川は解除されたのか。
駅を出て、キャリーをコインロッカーに預けて、観光案内所で観光の仕方を相談する。
まずは、ミニボンが行ってみたいと言う報国寺に行ってみようと思う。
鎌倉駅からバスに乗って移動。
お寺の前まで来ると、観光の人が、そこここを歩いている。
報国寺は、臨済宗のお寺で、孟宗竹の竹林が有名だそうだ。
今日から点茶のサービスも再開したと言う。
しかも、人数制限をしているので、ゆっくりお茶を頂くことが出来ると言う。
ということで、お茶のセットで入場券を購入した。
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お寺の中に入ると、孟宗竹の林の緑が美しい。
境内の庭に、石の仏様が、苔むして静かに並んでいる。
ミニボンは、そんな仏様を見るたびに、お賽銭を入れては、手を合わせている。
何をお願いしているんだろうね。
凡は、そんなミニボンをただ見ていた。
凡には、そんな仏様も、単なるオブジェにしか見えないからだ。
罰当たりなことを言うけれども、悔しかったら、病気で苦しんでいる人を、救ってあげてくれと、その仏様に言いたいのである。
とはいうものの、仏像は悪くない。
仏像は、人間によって造られて、そこに置かれているだけだから。
悪いのは、仏師であり、その仏像を置こうとした僧侶だ。
人が真剣に拝むものを、そう安易に作ったり、お寺などに置くものではない。
それ相当の覚悟を持って置いて欲しいものである。
悩んで手を合わせている人の苦しみを肩代わりするぐらいのね。
ぐるりと庭園を回って、お茶を点ててくれる片側が庭に面して開放されている庵に行く。
庭園に向かって横長のテーブルが4つほど、2列に並んで設置されていて、座ってお茶を頂くと、ちょうど庭に面して座ることになって、緑の苔の庭の涼やかな空気を呼吸しながらお茶を頂くことが出来るように工夫されている。
凡とミニボンが行くと、手の消毒を促される。
そして、待つことになった。
最前列の1つの長いテーブルに1組しか案内しないので、詰まりは、4組しか座れない。
そこでお茶を飲んでいる人が終わるのを待って交代するのである。
しかし、時節柄それは仕方がないことだろう。
予定は無いので、ゆっくり待っても構わない。
そして、凡の番が回ってきた。
長いテーブルに座ると、目の前に苔の庭が広がる。
見ているだけで気持ちが穏やかになるのを感じていた。
あの苔の緑というのは、どうしてあんなに、見ていて心落ち着くものなのだろうか。
土や岩といった、手に触れたなら、洗いたくなるような、綺麗とは言えないような場所に、じくじくと水気を帯びて貼り付いている。
それなのに、見ていて、それを美しいと認識をするのである。
不思議だ。
或いは、あの緑の色に、なにか隠されているのだろうか。
それを美しいと感じるには、あの緑よりも淡くてもいけないし、深くてもいけない。
ちょうどいい緑なんだな。
見ても見えないが、人減の潜在意識のようなもので、あの緑の苔の表面に付いた水滴を通して見ているから、みずみずしく美しいのだろうか。
じくじくした水気を帯びていると書いたが、あの水は、口に含んでみたい気もするのではある。
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テーブルに座って待つと、抹茶と落雁の用意が出来たという。
新型コロナの影響で、サーブされるのではなく、取りに行くようになっている。
落雁を口に含むと、柔らかく溶けて、上品な甘さが広がる。
疲れもとれる瞬間だ。
お抹茶は、これが嬉しいことに、茶盌にたっぷりと点てられている。
こういう場合、茶盌のお茶をグイとばかりに飲み干して、さあ、行こうかと立ち上がるのだけれど、今日の凡は違う。
遠く鎌倉まで来て、今目の前に苔の美しい庭園を見ている。
如何にも、贅沢な空間と、贅沢な時間じゃないか。
ここは、ゆっくりと心身を休めよう。
入口の受付のお姉さんも、人数制限をしているから、ゆっくりできると言ってたしね。
と、背中に声を聞いた。
後を振り返ると、順番待ちが3組ぐらいいらっしゃる。
しかも、そこに待つための椅子などもなく、立って順番を待っているのだ。
これはイケマセン。
いつものように、お茶を飲み干したら、ミニボンを促して、外に出た。
でも、ただお茶を飲む短い時間でも、気持ちはゆっくりとリフレッシュ出来た気がした。
この付近には、他にも「杉本寺」さんという鎌倉最古というお寺があって、歩いて行ける距離だし、折角バスに乗って移動してかので、立ち寄ってみる。
寺のお堂に通じる階段が、苔むして、風情のある趣を呈していたが、苔の保存のために、通行禁止になっていた。
まあ、これは仕方がないですね。
この階段を見ると、誰でも踏み荒らしたくないと思うぐらいに、綺麗に苔むしていたからね。
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拝観を終えて、またバスで鎌倉駅まで戻った。
お昼には、少し遅くなったが、ランチでもしようかと思う。

コメント

  1. yukemuri より:

    まず、思い立ったらすぐに出かける行動力があっぱれですね
    しかも鎌倉ですから、自分がふらりと大阪や神戸に行くようなもんですからね
    素晴らしいです!
    おっと、冷えて無いビールですか?
    それはいけませんね
    やはりビールは冷たいから美味しいのであって、温いビールは勘弁ですよね(T_T)
    それにしても往復新幹線だとちょっとお高くついたのではないでしょうか?
    下世話な事を言ってしまうと、ご夫婦で新幹線の旅となるとお買い得な海外よりも高くなりそうですよね
    でもそれをものともせずに出かける凡蔵さんが羨ましいです

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    今回は、奥さんが行きたそうにしていたので、すんなり行ってきましたよ。
    ただ、鎌倉になるとは、思ってませんでしたけれどね。
    そうそう、もっと早く決めて置けば、LCCや格安のプランなどで安く行けたかも
    しれませんが、前日に決めたものですので、まるまる正規の料金で、結構使いましたね。
    でも、最近は、ある程度年を取って来たので、動けるうちに旅行をするのも良いのではと奥さんも考えるようになったんですよ。
    あと、何年生きられるのかってね。
    2人で、10万円まではいかないにしても、ソウルぐらいなら行けるぐらいは、使ったかもですよ。
    でも、今は、海外も行けないしね。
    冷えてないビールに関しては、新大阪の駅の売店のスタッフは何を考えているのでしょうね。
    どこかのお店が、「メッチャ、冷えてるビール」ってコンセプトで売りだ出したら、きっと売れると思うんだけれどなあ。
    とはいうものの、そこまで新幹線の利用回数もないので、そこは運に任せましょう。

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