平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(948)ミユキステーションホテルの「みゆき」さんにビールを飲みに行く旅。(2)

8月24日(土曜日)。
青春18きっぷの最後の1つのスタンプを使う日帰りの旅であります。
大垣で途中下車したら、奥の細道むすびの地記念館という思ってもいなかった楽しい場所にも行くことが出来た。
さて、これからは、唯一の目的である名古屋のミユキステーションホテルの「みゆき」さんへ行こうかと思うが、まだ時間が多少残っている。
なので、熱田神宮でも行ってみようと思う。
15時11分、大垣発、豊橋行きに乗り込む。
15時53分、金山発の岡崎行きに乗り換え。
熱田駅に到着。
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駅前から、ブラブラと歩き出して、熱田神宮に参拝。
正面のご神体、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)に、こころを集中してみたけれども、何も感じなかった。
霊感、全く無しの凡。
とはいうものの、実際に、ここに祀られているのかどうか、いろいろ説もあるし、ムー民としては気になるところだ。
どうも熱田神宮には、横から入ったようで、本宮から正門まで歩いてみよう。
ということで、正門横にある別八剣宮まで歩いて、そこから別の道でJR熱田駅まで戻った。
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さて、そろそろ名古屋まで戻ろう。
熱田から名古屋まで移動して、ここは迷わず、今日の目的地であるミユキステーションホテルの「みゆき」さんに行った。
中に入ると、誰もいない。
お姉さんが、今日は土曜日だから、どこの席でも良いと言ってくれたが、カウンターに座る。
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今回もまた、みゆき定食を頼もうかと、しばし迷うが、やっぱり刺身と、前回に隣のオッチャンが美味しそうに食べていたアジのフライを注文。
暑い中、歩いてきたので、生ビールを一気に流し込んだら、生き返った。
すぐに、追加を頼んだら、スゴイねと感心しながら、厨房に戻って行った。
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料理の刺身も、アジのフライも、美味しいし、何より、この「みゆき」さんというお店で飲んでいることが、楽しい。
前回も、そうなんだけれど、お店の名前は、「みゆき」さんだけれど、本家本元のみゆきさんとは、全く以って、1ミリも繋がりはない。
とはいうものの、その「みゆき」さんという、名前が発するバイブレーションが、凡のこころを震わせる。
この今いる世界には、もう無数と言っていいぐらいの数の名前が存在している。
それなのに、みゆきさんの両親は、みゆきさんに、「美雪」さんという名前を付けた。
そして、今凡が飲んでいるこのお店だって、誰かが、どういう意味を持ってかは知らないけれど、「みゆき」さんという名前を付けたんだ。
これは偶然であって、或いは、必然でもあったのかもしれない。
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最近書店で見つけて、買ったまま、まだ詠まずにある本が、手許にある。
秋山眞人さんの「シンクロニシティ」(河出書房新社)だ。
まだ、読んでいないので、どんな内容かは、分らないが、名前が一緒なら、そこに何かのシンクロニシティがあるのかもしれないという訳だ。
まあ、まだ読んでいないから、本の内容とは違うかもしれないけれどね。
なので、この「みゆき」さんというお店で飲んでいることが、今、遠く離れた東京にいる本家本元のみゆきさんに、何らかの影響を及ぼしている可能性もある。
ひょっとしたら、今、同じ時間に、みゆきさんも、生ビールで、刺身とアジのフライをやっているのかもしれない。
また、凡が、この「みゆき」さんで飲んでいいることが、やがてシンクロして、そのうちに、本家本元のみゆきさんと飲むであろうことを暗示しているのかもしれない。
冷静に考えると、みゆきさんと飲むなんてことは、まずもって、考えるだけで、到底無理なことであって、こころが、塩を掛けられたナメクジのようになってしまうけれども、こういうことは、信じることがキーポイントになる訳で、兎に角、出会えることを、そして、一緒にカウンターで飲めることを、もう、無暗矢鱈に信じようではないか。
凡は、涙を流しながら、残りのビールを飲み干した。
「お姉さん、もう1杯。」
空のジョッキを、厨房のお姉さんに、高々と持ち上げて見せた。
名前とは、不思議なもので、赤ちゃんが生まれた時は、まだ名前がない。
それを、両親だか、誰かが、名前を考えて付けることになる。
みゆきさんだって、生まれた時は、まだ、みゆきさんじゃなくて、ただの赤ちゃんだったんだよね。
それを、「美雪」と名前を付けられた。
その瞬間、赤ちゃんは、美雪さんという存在になる。
そして、美雪さんとして、この一生をスタートするととになるんだ。
不思議だ。
だから、みゆきさんだって、名前を付けられる前は、みゆきさんじゃない。
ただの、赤ちゃんだ。
もし、もしもの空想の話だけれど、その時に、みゆきさんが、名前を付けられずに、そのまま名前がない女性として、今まで来たなら、その名前のないみゆきさんを、凡は愛していただろうか。
勿論、可愛いし、可愛い声だし、可愛い性格だし、可愛いスタイルだし、才能あふれる人だ。
愛していただろうとは思う。
でも、「みゆきさーん。大好きーっ。」なんてことは言えない訳だ。
名前がないものね。
まあ、名前が無くて今まで生活してくるのは、実際には、不可能だけれども、名前が美雪さんではなく、たとえば小百合さんであった可能性は、これは大いにあるだろう。
静香さんだったかもしれない。
茉莉子さんだったかもしれない。
エカテリーナだったかもしれない。
もし、そうなら、凡は、こんなに、みゆきさんを愛していなかったのかもしれない。
それらの名前は、確かに素敵な名前だけれど、「みゆき」さんには、到底及ばないというか、こころを震わせるバイブレーションを持ってはいない。
わざわざ、青春18きっぷを使って、名古屋のホテルまでビールを飲みにに来たりはしなかっただろう。
やっぱり、みゆきさんは、みゆきさんという名前でなくっちゃ、いけないのである。
凡は、みゆきさんという女性を、この世に送り出してくれたみゆきさんママに感謝をしてきたのではあるけれども、そう考えると、みゆきさんに「美雪」さんという名前を付けた、みゆきさんパパなのかママなのか、誰なのか知らないけれども、名前を付けた人に大大大感謝をせずにはいられないのであります。
ここで話は変わるが、追加で味噌味の唐揚げを追加した。
唐揚げを、味噌のタレで食べさせるというもので、名古屋的ではある。
しかし、この唐揚げという言葉も、なかなか良いですね。
「うまいぞ」っていう感じがして素晴らしいじゃないか。
唐揚げと名前を付けた人にも、今ここで生ビールを頂きながら、感謝をしようではないか。
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それにしても、みゆきさんという名前は、実に美しい。
名は体を表すという。
美雪さんもそうだ。
岡本太郎さんが、美しいという言葉と、綺麗という言葉は、全く以って違うと言うようなことを書いてらっしゃった。
それを聞いて、成る程と感心した。
みゆきさんは、実に美しい。
それは、綺麗という言葉の様に、薄っぺらでなく、相対的でなく、美しいという言葉には、正々堂々とした潔さと、絶対的な個性が大胆に表されている。
みゆきさんもそうだ。
みゆきさんの名前の「美」という文字は、絶対的に美しいみゆきさんを表している。
そして、みゆきさんの名前の「雪」は、正しく、雪のように白いみゆきさんの白い肌と、掌に受けると、すぐに融けて消えてしまう繊細さを表しているかのようだ。
素晴らしいじゃないか。
しかし、凡は、本名は「富夫(とみお)」というのだけれど、全く以って、「富」つまりマネーとは、縁がない。
名は体を表すになってないじゃないか。
とはいうものの、冷静になって考えると、「富」が、名前に含まれてはいるけども、「富」がどうなのかを名前に含めていない。
凡自身を顧みるに、「富を欲しているが、富を得ることは無い。」ということなのかもしれない。
まさに、今の凡は、それだ。
どうして、親は、「得富夫(えふお)」とか、或いは、もっと具体的に「得金夫(えきんお)」とか、或いはもっと欲しいものを付けて、「得金得愛得全部夫(えきんえあいえぜんぶお)」とかにしてくれなかったんだと恨んじゃうよ。
そしたら、今は、もうウハウハの人生だったんじゃないだろうか。
いや、欲しいものは、そんなものじゃない。
凡が欲しいのは、ただ1つじゃないか。
だったら、「被愛美雪夫(ひあいみゆきお)」詰まり、みゆきさんに愛されるという名前を付けて貰うべきだったんだ。
しかし、今となっては、手遅れではある。
美雪さんという名前は、ある意味、誰でもが付けても良いという名前ではない。
すべての人に愛されることを神様に約束された可愛い女性のみが、許される名前に違いない。
凡には、子供はいないけれども、もし今生、子供が生まれたなら、きっと「美雪」と付けているだろうな。
男の子だったら、「美雪太郎」としただろう。
生ビールの追加を、喉に流しながら、「今ごろ、みゆきさんは、どうしてるのかなあ。」なんて、そんな寂しさを感じていた。
さて、後は、シンクロニシティが起こって、みゆきさんと出会えることを、何の根拠もなく信じて待つだけだ。
ただ、今すぐには起こりそうにないから、店を出よう。
さて、「みゆき」さんでは、締めのご飯を食べなかった。
折角だから、駅の地下で何か、お腹にどっしりとくるものを食べて帰ろう。
と思ったが、どこも混んでいる。
カレーうどんの、若鯱さんが空いていたので、名物のカレーうどんを頂く。
ひょっとしたら、名古屋で若鯱さんに入ったのは、初めてかもしれない。
ビールで冷えた胃腸を、カレーうどんで温めて、店を出る。
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ここからは、ひたすら自宅に戻るために、列車に乗るだけである。
帰路については、メモを取ってなかったので、詳細は割愛。
24時前ぐらいに、自宅にたどり着いた。
それにしても、今回の旅は、みゆきさんとは全く関係ないけれども、同じ名前の名古屋のミユキステーションホテルの「みゆき」さんに、ビールを飲みに行くというものだったが、偶然にも大垣市で、奥の細道にも触れることが出来たし、意外と充実した旅となった気がする。
これで、青春18きっぷの5つ目のスタンプも押してもらい、後はまた、冬の時期を待たなきゃいけない。
今から、待ち遠しい凡でありました。
IMG_0079.JPG(奥の細道むすびの地記念館で買ったお茶の粉を固めたタブレットのお菓子を食べながら、列車に揺られていた。)

コメント

  1. yukumuri より:

    お食事処のみゆきさん、美味しそうですね
    刺身はもちろんアジフライも美味そう~
    なんだかライスが欲しくなりそうです(笑)
    から揚げにカレーうどんと書こうと思ったら、このカレーうどん屋さんは自分も食べたかったお店です
    あ~良いなあ~
    やはり人気店だけに美味しいカレーうどんだったんでしょうね!
    名古屋もまた絶対行かなくっちゃって、あらためて思いましたよ

  2. 平 凡蔵。 より:

    ミユキステーションホテルの「みゆき」さんは、それほど手の込んだものはないのですが、落ち着ける雰囲気が気に入りました。
    というか、やっぱり名前が気に入ったのかな。
    んでもって、若鯱家さんは、カレーは、そんなに辛くなく、でも、それがかえって美味しかったですよ。シンプルで、飽きの来ない味という感じ。ただ、横浜から、これを目当てに来るほどではないかもです。(お店の方ゴメンナサイ。美味しくないという意味ではありません。美味しいです。)、或いは、シメにというのなら、オススメです。

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