平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(949)京阪沿線ぶらり 学食めぐり スタンプラリー2019

京阪電車の改札を入るとラックがあって、いろんなパンフレットが置いてある。
沿線の観光スポットや、お得な情報を置いてあるのだけれど、そこに今年も「京阪沿線ぶらり 学食めぐり スタンプラリー2019」のパンフレットを見つけた。
昨年も実施されたのだけれど、機会がなく行かなかった。
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今年は、休みの日にでも行ってみようかと思う。
思うと書いたのだけれど、これを書いているのは、もう2か月近く後の事だ。
気が抜けた話ではあるけれども、これもまた凡のログのために書いておこうと思うのであります。
学食かあ。
凡も、大学で学食に通った日から、40年近く経つお年頃となった。
それが、今ごろ学食とは、いささか恥ずかしい気持ちもある。
とはいうものの、何しろ、凡は食べることが大好きだ。
それに、大学の食堂なんて、こういう企画が無いと、なかなか行かない場所だ。
何の飾りっ気もない殺風景なテーブルとイスに、メラミンの食器に盛りつけられた油の回ったフライ物や、しょっぱいだけのお味噌汁、そんな雰囲気や料理に、凡は郷愁を感じていた。
学食に限らず、公共施設や、観光地の、こういう大勢が集まる食堂が好きだ。
3リットルか4リットルぐらい入りそうなアルマイトのやかんで、旨味も香りも飛んでしまった、ただの黄色い色の付いたお茶を、メラミンの湯呑みや、水玉の染付の湯呑みで飲むのは、凡にとっては至福の時なのであります。
そんなお茶を飲みながら、たわいもない話をしながら、時を過ごす。
よし、学食へ行こう。
とはいうものの、今回は、凡ひとりなのではありますが。
ということで、8月18日、月曜日。
京阪の学食めぐりのパンフレットを見ながら、行く大学を決める。
どこの大学も一斉に開催しているのではなく、その大学によって実施している日にちが違う。
京阪沿線といえば、例えば京都女子大なんて、どうだろう。
イヤナニ、ソンナ不埒ナ考エハ、イッサイ持ッテハオリマセンデアリマス。
イヤナニ、京阪の駅から近いんじゃないかと思いましてね。
イヤナニ、女子大だから、ヘルシーなランチもあるんじゃないかなと思いましてね。
まあ、たまたま座ったテーブルに、可愛い女の子が、相席で座ることもあるだろう。
しかし、そんなことは、いっさい期待している訳でもなく、ただ、駅から近いしねということなのであります。
んでもって、パンフレットを見ると、果たして、京都女子大は参加していなかった。
京都女子大だけでなく、女子大と名の付く大学は参加していない。
仕方がない。
凡は、女子大が参加していないことについて、これっぽっちもガッカリなんてしていない。
そんなことが目的ではないからだ。
あくまでも、学食が目的なのだ。
イヤナニ、ただ駅から近いから、京都女子大なんて名前を思いだしただけだ。
ということで、パンフレットを見て、決めたのは、龍谷大学だ。
理由は、駅から近いのと、我が母校だからだ。
凡は、文学部だったので、教養課程の2年間しか深草学舎には行っていないけれども、やっぱり思い入れがある。
早速、京阪電車に乗り込んで、深草駅で降りた。
龍谷大学の入口まで来てビックリした。
大学の中に、スターバックスがある。
これが大学なのか。
まるでテレビドラマに出てきそうな雰囲気じゃないか。
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しかも、校舎も、凡がいた頃よりも、遥かにカッコよく増築されている。
ガラス張りの壁面に、学部や図書館の文字が、英語で書かれている。
「何て書いてあるか、読まれへんがな。」
と、憧れと、羨ましさと、場違い感と、おいてけぼり感を抱きながら、力なく呟いた。
辺りを見回しても、今の凡が、こんな学舎にいることができたなら、どんなに楽しかっただろうなと感じていた。
ただ、周りを見渡すと、学生の数が、異様に少ない。
そうだ、今は夏休みだったんだと気が付く。
学生が少ないと言う事は、女の子も少ないということだ。
イヤナニ、ただ、人数に関する事実を言ったまでで、女の子に執着している訳じゃない。
さて、本来の目的の学食だ。
突き当りの校舎の地下に行ってみると、果たして、学食があった。
ただ、夏休みなので、メニューが少ない。
本来なら、サラダバーのようなブースがあるけれども、やってはいない。
注文の仕方に戸惑いながら、どうにか注文をした。
カレーライスの小と、豆腐チゲだ。
カレーは、もっと、おばっちゃんの手作りって感じのものが食べたかったが、業務用のものだった。
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周りを見ると、若い男女が楽しそうにお話をしている。
あの輪の中に入りたかったが、出来なかった。
そんな食堂に、おっちゃんが2人ばかり、黙って食事をしている。
「何してるんだろう。」
と思ったが、凡もそのうちの1人に違いない。
凡の、食べている姿は、あんな感じなのだろうかと思うと、何だか悲しかった。
何を求めて、この学食にやってきたのか。
そう思ったが、せっかくのスタンプラリーだから、もう1個、スタンプを押しに行こう。
龍谷大学を出て、京阪電車の出町柳まで乗って、そこから叡山電車に乗り換える。
そこから、歩いて10分ぐらいの京都造形芸術大学にやってきた。
途中で、ものすごい勢いの雨が降ってきた。
急いで、学舎に滑り込む。
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京都造形芸術大学の校舎は、山の斜面に建てられていて、入口は、そうでもないのだけれど、中に入ると、かなり広い。
まずは、食堂に行こう。
と、エレベーターを降りたら、電気も消えて、薄暗い。
その中に、クローズの札が掛かっていた。
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そんなあ。
わざわざ、叡山電車にまで乗って、ザーザー降りの雨の中をやってきたんだよ。
クローズは、無いんじゃないの。
だって、パンフレットには、8時30分から20時までやっているって書いてあるじゃない。
仕方がない。
やってないものは、やってないのだ。
食堂の隅にスタンプが置いてあったので、とりあえずは、スタンプを押した。
さて、学舎の1階にあたるスペースでは、さすがに芸術の大学だけあって、個展なども開かれている。
これは、面白そうだ。
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で、カフェのようなものもあって、その横の共用スペースでは、男女が楽しそうに、各々何かを作っている。
ただ、凡から見たら、真剣に作っているというよりも、その場にいて、ダラダラと時間を潰しているようにも見える。
若い男女が、楽しそうに、ダラダラと、おしゃべりをしながら、何かを作っているというか、遊んでいる。
悔しい。
何か、嫉妬に近いものを覚えた。
とはいうものの、芸術なんてものは、頭を抱えて、ウンウン唸りながら、作るものとは限らない。
ただ、漠然と、ぼんやりと、楽しく、何も考えずに、作るのだって、方法論として成立するのである。
要は、その人の感性だ。
方法や、精神論は、ほっておいて、それが美しければ良いのである。
とはいうものの、芸術の難しさは、この作るという部分じゃない。
勿論、作らなきゃ、何も無い訳だから、作るということは、最重要事項だ。
でも、美を美として存在せしめるには、それを見るものが必要だ。
作ったものを見る人だ。
いくら美しいものでも、砂漠の真ん中に置いてあれば、誰もそれを知らないから、それは美として存在しえない。
いくら、美の本質を点いた作品であっても、見るものが、これはガラクタだと感じれば、それはガラクタなのである。
ただ、いくらガラクタでも、砂漠にあるよりも、いくらか美に近いかもしれないのではある。
学生諸君。
ぜひ、その創作物をパブリックの場においてください。
誰かの目に留まるところにね。
学舎の中の、男の子や女の子の中に、将来、スゴイ人が現れるのかもしれない。
ガンバッテ!
と、エールを送ると同時に、もうこの時代に戻れないという事実を感じながら、「いいなあ。」と呟く。
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校舎の入口には、岡倉天心の銅像が設置されていた。
何か関係があるのかな。
ただの芸術繋がりなのか。
まだ、雨は止まない。
学舎の下にあるカフェで、休んで帰ることにした。
かき氷とエチオピアコーヒー。
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帰路は、バスで三条まで出て、そこから京阪電車で門真市まで戻った。
それにしても、今回の学食巡りは、若いと言う事に嫉妬を覚える巡礼の旅であった。
年齢の数字を数えるなと、日ごろ思っている凡であるけれども、今日は、大いに数字を数えてしまった。
情けない。
というか、精神まで老化しているのだろうか。
まあ、疲れているのかもね。
そういえば、凡は、札幌や、帯広や、岩内に行っては、みゆきさんの通っていた大学や、高校、小学校を見物にいったりしたが、みゆきさんは、自分の出身の学校に行くことはあるのだろうか。
行ったという話は聞かないので、たぶん、行ってはいないだろう。
その理由を知りたいのだけれど、きっと過去を振り返ることの無意味さを、知っているからなのかもしれないね。
凡も、もう学食めぐりや、過去の凡の縁のある場所には、行かない方がよいのかもしれないなと感じたのであります。
学食巡りのスタンプツアーは、3個スタンプを集めると、プレゼントに応募できる。
でもまあ、3個目は、行かなかったのでありました。

コメント

  1. yukemuri より:

    なるほど、学食スタンプラリーですか
    面白い企画ですね
    時々テレビで大学の学食の特集をしていて、一般人も食べに来て大丈夫と言っていますが、いざとなると敷居が高いですもんね
    でもこういう企画があると入りやすいですよね
    それに安くてボリュームもあって美味しそうですもんね
    それにサラサラヘアーの女子大生もいっぱいいそうだしね(*^_^*)
    それにしても2軒目は残念でしたね
    パンフレットにキチンと午後の休みを記載しとくべきですよね
    ワザワザ行ってクローズでは、ちょっと腹が立ちますよね

  2. 平 凡蔵。 より:

    昨年もあって、行ってみたかったんです。
    京都でも、同志社大学とかは、テレビで紹介されたりするぐらい、オシャレで、一般の人も行ける学食があるみたいですが、このパンフレットの学食は、もっと身近な庶民的な感じです。
    でも、昔の学食のイメージとは、かなり違って、オシャレになってます。
    ただ、夏休みなので、学生は少なかったので、ちょっと寂しかったです。
    2軒目は、結構歩いたので、残念でした。
    パンフレットと時間が違うのは、企画としてダメですよね。
    せめて、HPか、駅のパンフレット置き場に、ちょっと張り出しておいて欲しいですよね。
    んでもって、サラサラヘアーの女子大生は、まったくいませんでしたよ。
    それが、1番の残念です。

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