平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(947)ミユキステーションホテルの「みゆき」さんにビールを飲みに行く旅。(1)

8月24日(土曜日)。
青春18きっぷの最後の1枚を使わなきゃいけない。
夏の時期は、他の時期よりも使える日数が多いのだけれど、9月の休みがまだ決まっていないので、8月中に行っておこうかと思う。
とはいうものの、どこへ行くか、まだ決まっていない。
ただ、思いつくのは、名古屋だ。
何故かと言うと、前回に行った名古屋のミユキステーションホテルの「みゆき」さんというお店が、どうにも居心地の良いお店だったので、また行ってみたい気になっていたのだ。
それに、最近は、本物の、中島みゆきさんに関する情報も、なかなか伝わってこないし、コンサートもまだまだ先だし、映画もやってないしと、凡のこころの中の、みゆきさんのスペースが、空っぽになりつつある。
名前だけでも、みゆきさんの雰囲気を味わいたい。
まあ、それが最大の理由だ。
あと、迷ったのは、金沢か、福井だ。
金沢に行って、帰りに福井に寄って、秋吉の本店で焼き鳥を食べるのも楽しいに違いない。
ただ、そういうのも考えたが、みゆきさんへの思いが、全く関係のない、名前つながりの「みゆき」さんというお店に、凡を駆り立てる。
それは、みゆきさんのいない寂しさに起因する病なのかもしれないのではあった。
さあ、今回は、凡のこころの叫びに従って、名古屋に行って、ミユキステーションホテルの「みゆき」さんで、ビールを飲むという旅にしよう。
ただ、名古屋は近いので、途中、降りたい場所があったら、何回でも降りてみるということにした。
8月24日(土曜日)。
08時前に、自宅を出発した。
京橋駅で、入鋏。
そのまま大阪駅まで移動して、新快速に乗り込んだ。
土曜日とあってか、座れないどころか、満員電車並みの混みようだ。
さて、今回は、途中下車もしようということなので、取り敢えず、京都に着いたら、改札を出ることにした。
目的は、京都駅の地下街のイノダで、朝食である。
♪♪ あの娘に逢いに なに 好きなコーヒーを 少しばかり ♪♪
(高田渡さん作詞作曲)
京都駅のイノダには、逢いたい人「あの娘」のみゆきさんは、いないけれども、コーヒーを少しばかりね。
まだ、準備中の地下街を抜けると、イノダは、営業していた。
ホットコーヒー。
それに、白砂糖が山のように掛かったフレンチトーストも久しぶりに食べたかったのですが、迷った末に、野菜サンドにした。
朝だから優しい味が食べたかったんだ。
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食べ終わったら、すぐに席を立った。
ゆっくり出来ないのが、凡のゆとりのないところだ。
京都駅まで戻って、09時56分発の普通電車に乗り込む。
京都駅からは、次に来る新快速に乗るとスムーズなのだが、ふとホームに停まっている堅田行きの普通電車を見ると、ガラ空きの上に、可愛い女の子のグループが座ってるじゃない。
一駅だけれど、山科まで乗ってみよう。
と、乗っては見たものの、何かが起こる訳でもなく、山科駅に着いた。
ここで米原行きの新快速を待って乗り換える。
10時01分、山科発、琵琶湖線 新快速 近江塩津行き。
10時54分、米原駅着。
米原駅に着いたら、買いたいものがあった。
駅弁だ。
ちょっと前に、ツイッターをされてる方に、この米原駅の「湖北のおはなし」という駅弁が美味しいという話をお聞きしてたからだ。
1度食べてみたいじゃない。
ということで、北陸線のホームと、新幹線の乗り換えの場所の、2カ所に行ってみたが、売り切れで無かった。
残念なり。
それなら、米原駅で、ちょっと降りてみるかと思ったが、なにもなさそうだし、今にも出発しそうな列車がホームに停まっている。
小走りで階段を下りて行って、11時00分発の列車に滑り込む。
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列車は、大垣に着いた。
ここで、乗り換えだが、凡はトイレに行きたかった。
しかも、時間を要する方だ。
なので、大垣の改札を出ることにした。
まずは、用を足して、駅を見るに、今まで大垣に対するイメージは、乗り換えの駅ぐらいしか持っていなかった。
しかし、今、駅を見て見るに、お店も入っていて、また、駅前も、なかなか楽しそうじゃないか。
ちょっと、ぶらぶら歩いてみるかなと思う。
時間を見ると、ちょうどお昼ごろなので、とりあえず昼食をとることにした。
本当なら、街を歩いて、フリで入りたいところだけれど、暑い中、昼食難民になっても、疲れるし、駅ビルに、世界の山ちゃんがあって、ランチメニューもあるみたいなので、ここで頂くことにした。
山ちゃんセット。
それに、お昼だけれど、生ビール。
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山ちゃんセットは、手羽先に、味噌の串カツ、天むすなどが付いている。
名古屋名物満載のセットだが、サーブされたとき、やや迫力がないなと感じた。
そういえば、生ビールのジョッキも小さい。
とはいうものの、さすがの手羽先は、美味かった。
ということで、腹ごしらえをしたら、まず観光案内所に行く。
凡より先に、1人の40歳ぐらいの男性が、案内所で何かを話している。
何処かへの詳しい行き方などを質問しているのだろうか。
ただ、これが長い。
待っている間にも、凡の後ろに人が並ぶ。
なのだけれど、男性は、お構いなしに、というか、気が付かないのか、マイペースで、のんびりと話をしてる。
案内所のスタッフの女性は、凡に向かって、スイマセンみたいな、困った会釈をした。
で、ようやく凡の番になったので、さっきネットで見た、「奥の細道むすびの地記念館」への行き方のアドバイスなどをお聞きした。
地図を見ながら、駅を出発。
大垣は、水が豊富な街らしく、これから行こうとする記念館までの道にも、小さな水門川が流れていて、その横が遊歩道になっている。
また、街中にいくつも綺麗な水が湧き出る井戸が点在している。
歩き出して、すぐに思った。
この大垣で、少しゆっくりして、そして、名古屋の「みゆき」さんに行こう。
川の横を歩くのが、適度に観光地で、適度に街で、適度に田舎な感じが、楽しく感じたからだ。
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大垣駅を出発して、新大橋のところで、川沿いに歩いて行く。
突き当りまで歩いたら、八幡神社があった。
鳥居をくぐると、すぐ右手に井戸がある。
大垣駅の周辺には、掘抜井戸という井戸が点在している。
江戸時代に、こんにゃく屋文七と言う人が、穴を掘って竹を差したら、きれいな水が噴出したそうだ。
八幡神社の井戸も、そんな井戸の1つだ。
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その井戸を見て、驚いた。
井戸と言うと、地面に穴が掘られていて、その穴の底にある水を、つるべを使って、汲み上げるイメージがある。
でも、大垣の井戸は、地面から、どんどん水が噴き出しているのだ。
こんこんと、湧き出ている。
こういう水が湧き出るところを見るのは、何故かこころが踊る。
今立っている地面の下に、これだけの水が、流れているのを想像すると、そこいらじゅうを掘り返してみたくなった。
取り敢えず、柄杓に3杯ほど頂いた。
しかし、神様というものが存在するなら、不公平なことをするもんだなあと思う。
ある国では、不衛生な、濁った水しか飲めないところもある。
そして、目の前には、澄んだ、そのまま飲んで美味しい水が、溢れだしている。
どうにか、そっちへ、少しでも回してあげれないものかと思う。
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さて、さらに川に沿って、歩いて行くと、果たして、「奥の細道むすびの地記念館」があった。
大垣に、松尾芭蕉の記念館があると聞いて、何故と、その理由が解らなかった。
しかし、青春18きっぷも途中下車をしてみるべきですね。
こんなオマケを頂きました。
その理由とは、江戸を出発した松尾芭蕉が、東北を巡って、北陸を通り、大垣で、奥の細道の旅を終えたそうです。
成る程と、急に大垣が、面白い街に思えて来た。
と、その前に、記念館の前にも、井戸「むすびの泉」があったので、2杯ほど頂いた。
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記念館の中に入るとまず、3Dのシアターがある。
奥の細道をたどりながら、その地の風景や俳句を紹介するという流れだ。
映像の中の案内人が、芭蕉の句を読み上げる。
おや、かなりの棒読みじゃないかと、最初に思ったのだが、聞いている間に、ウットリとしてくる。
大人の色気を感じる綺麗なお姉さんだったからだ。
なんでも、この記念館の名誉館長の黛まどかさんという方とのことだ。
うん、これは良い。
実に、ウットリするではないか。
凡は、暗いシアターの中で、或いは、ニコニコ顔で、映像を見ていたのかもしれない。
そんなことは、置いといて、映像の内容は、これもなかなか解りやすく、良かったです。
全編見たかったのですが、全部見ると1時間30分以上かかるので、2部だけ見てシアターを出た。
そして、いよいよ展示を見に行く。
これもまた、奥の細道の行程を辿りながら、奥の細道の文章の内容と、その時々の風景や、エピソードがまとめられていて、また、原文を吹き出しで補足説明するなどの見せ方に工夫があって、非常に良かったです。
展示物は、すべてレプリカですが、それが却って作品に注目することが出来たように思う。
展示会場を出て、名誉館長の黛まどかさんのグッズなどがあるかと探したが、無かったので、併設されているお土産屋さんの横で、味噌アイスを食べる。
しっかりと、味噌の味が感じられるアイスだった。
アイスの冷たさで、黛まどかさんへの微熱を冷ます。
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さて、駅に戻ろう。
来た道と違った道を選んで駅まで歩く。
記念館にもあったし、帰る途中の和菓子屋さんみたいなお店にもあったのだが、水まんじゅうというのが、この土地の名物らしい。
食べてみたいなと思っていたら、駅前に、「金蝶製菓總本家」というお店があって、店頭で水まんじゅうの実演をしている。
ぐい飲みのような器に水まんじゅうを作って、流水で器と水まんじゅうを剥がす作業をしている女の子の手が、いかにも若さを感じる。
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店内で食べれるというので、注文。
漉し餡と抹茶の2個セットと、それに季節の水まんじゅうが付いた3個セットがあったので3個セットにした。
しばらくして、若い女の子が、季節の水まんじゅうが売り切れてしまったから、季節のを、漉し餡か抹茶にして欲しいという。
それなら、2個セットで良かったなと思ったら、どうしようかと思っている凡を、困った顔で返事を待っている。
可愛い女の子の困った顔ほど、キュンとするものはない。
優しい笑顔を作ってみせて、じゃ、漉し餡でと答えた。
すると、女の子は、凡の優しい笑顔には興味を示さず、足早に奥に入ってしまった。
まあ、そんなものだ。
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冷たいお茶と、水まんじゅうは、熱い時には、ぴったりの和菓子だ。
大垣で、大垣の名物を頂いて、少しばかり嬉しくなった凡は、駅に向かった。
これから、目的の名古屋まで行っても良いけれども、お店の開店時間には、少し時間も余裕があるし、名古屋を通り越して、熱田神宮にでも行ってみようかと思う。

コメント

  1. yukumuri より:

    へ~、大垣はノーマークでしたが、かなり情緒があって良い所ですね
    行ってみたいなぁ~
    川沿いに江戸の風情が残っているんでしょうか?
    こんな所をブラブラしたら楽しいでしょうね
    奥の細道むすびの地記念館は是非とも見学したいです
    芭蕉の句は何とも言えない味があるので大好きなんです
    しかも色っぽいお姉さんが読みあげてくれるなんて、まるで夢のようじゃないですか
    大人の色気のお姉さんを思い出しつつ食べる水まんじゅうは、暑さを吹っ飛ばしてくれるのではないでしょうか?

  2. 平 凡蔵。 より:

    私も、大垣は初めてで、意外と、楽しく散策できました。
    奥の細道の館長さんの黛まどかさんは、なかなか色っぽかったですよ。帰って来てから、ツイッターのフォローまでしてしまいました。
    水まんじゅうは、有名なようで、店内で注文をすると、器の水まんじゅうに氷の欠片を添えて出してくれるので、なかなか涼しげでした。

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