平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(929)青春18きっぷ。松山から広島の旅。(2)

さて、青春18きっぷで旅に出かける当日である。
3月27日(水曜日)。
まだ、行き先が決まっていない。
今度、青春18きっぷで旅をするなら、ここに行ってみたいと思う場所があった。
四国の剣山だ。
何故かと言うと、剣山には、ユダヤの三種の神器が埋められているという説があるからです。
ユダヤの三種の神器とは、アロンの杖、十戒の石板、マナの壺のことです。
ムー民にとっては、是非とも行ってみたい場所なのであります。
とはいうものの、調べてみると、まだ3月末は、バスも、ロープウェイも動いていない。
ということは、行けないということが分かったのであります。
やむを得なければ、即ち、仕方がない。
ということで、行き先の決まらないまま、当日の朝になった。
こういうことは、凡にとっては、いつものことだけれど、悩みながら6時過ぎに家を出た。
まずは、京橋駅で入鋏。
大阪駅まで出るまでに、行き先を決めなきゃいけない。
最終の候補に残ったのは、2案だ。
1つは、電車に乗りに乗って、博多まで行く。
そして、次の日に吉野ケ里遺跡あたりを見に行って、そこから凡も初めてのワープという技を使おうというものだ。
ワープとは、LCCなどを利用して、飛行機で一気に遠くまで移動することだ。
詰まり、帰りはピーチあたりで関空まで帰ってくる。
そして、もう1案は、松山あたりに行ってみるということだ。
のんびり道後温泉に入って、帰ってこようという計画だ。
そこで、悩んだ挙句に、松山に決める。
ネットで見ると、吉野ケ里遺跡は、どっちかというと遺跡というよりも、子供も喜ぶ公園のような場所だと書かれていたから、急に熱が冷めてしまった。
ということで、大阪から06時57分発の快速に乗り込んだ。
車内は、混んでいて座ることはできなかった。
んでもって、三宮駅に着くときに席が空いたので座る。
その時に、車内アナウンスが、ボソボソと流れていたが、内容は聞き取れなかった。
んでもって、三宮を出て、神戸駅に着く前に、また車内アナウンス。
「加古川、姫路、先に着きます。(しばらく間があく)、、、新快速は向かいのホームに、、、。」
しかも、停まる直前に流れる。
凡は、それを聞いて、席に座っていた。
「加古川、姫路、先に着きます」ということは、このまま乗っていていいんだろう。
だから、座っていた。
でも、その後に続く、「新快速は、向かいのホームに」が気になる。
この電車が先に着くなら、新快速の言葉は必要ない。
「はっ。」と思って、閉まりかけのドアから、ホームに滑り出た。
でも、まだ正解かは、分からなかった。
すると、ホームでアナウンスがあった。
次に来る新快速が、「この電車が、先に着きます。」という。
普通は、こうアナウンスするよね。
どちらの電車が、姫路に早く着くかを知りたい訳だから。
あの電車の中で聞いたアナウンスは、乗客に乗り換えを案内しようとする気持ちが全くないのであって、そのことが、少し腹立たしかった。
「加古川、姫路には、この後に来る新快速が、先に着きます。」と言ってくれりゃー、誰だって解るんだけれどね。
んでもって、新快速に乗り換える。
新快速も、混んでいて座れなかった。
ここで、おかしな現象が凡に起こる。
ドアの近くに立っていると、急に気分が悪くなってきた。
始めは気のせいかと思ったけれど、数分ごとに、気分の悪さが増してくるのだ。
頭が痛い。
ムカムカする。
身体全体が、しんどい。
これらを総じて考えるに、二日酔いだ。
そういえば、昨夜は、ビール的な飲料を、すこぶる痛飲して、その後、ミニボンのお母さんに貰ったコニャックなる高級なお酒を、これまた、「これは、スーッと入るね。」などと、ご満悦で、嗜んでいた記憶がある。
あれだ。
あれに違いない。
とはいうものの、朝起きて、さっきのさっきまでは、別に何ともなかったのだ。
しかし、今までの経験で、こういう二日酔いもあるにはあった。
朝おきた時は大丈夫でも、ややあってから、二日酔いになる。
今日の場合も、それだろう。
加古川で席が空いて、座ったけれども、気持ちが悪いのを我慢していると、冷や汗が流れ出てくる。
これは、本格的な二日酔いだ。
姫路駅、08時25分着。
次の乗り換えまでに、40分ちょっと時間があるので、駅の外に出てトイレに行く。
汚い話だが、下痢だった。
やっぱり二日酔いか。
そんでもって、構内のコンビニで、ソルマックとブドウ味のチューハイ、いなりずしを購入。
ソルマックは、すぐに胃に流し込む。
チューハイは、これは最終手段だ。
二日酔いの原因は、アルコールが分解される途中で生成されるアセトアルデヒドだ。
このアセトアルデヒドは、アルコールを摂取することで、再度、アルコールに再変換されるという、どこの本やネットを探しても出てこない、いつか昔に聞いた説を、凡は今でも、堅く信じている。
ただ、この技は、普段、仕事のある日は使えない。
でも、今日は休日だから、試す価値はあるのである。
そんでもって、駅のホームまで戻ったら、まねきの駅そばがあった。
二日酔いの朝に、吐き気がしても、無理にでも何かを胃に流し込むと、二日酔いは治りやすい。
だから、さっきのコンビニで、いなりずしを買ったのであるけれども、駅そばのように、温かいものを食べて胃を温めるのも良いかもしれない。
さっき飲んだソルマックのお陰で、食べれるかもしれないと思ったので、てんぷらそばを食べる。
意外にも完食した。

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09時11分、姫路駅発。播州赤穂行。普通。
ここは始発だから座れた。
09時30分、相生駅着。
09時32分、相生駅発。岡山行き、山陽本線。普通。
凡が、窓際に座っていると、後から9人組の年配のお姉さんが乗り込んできて、1人が横に座った。
グループは、50歳から75歳ぐらいだろうか。
地域の何かの会の仲間という感じか。
隣の女性を見ると、手に「青春18きっぷで行く岡山の旅」というような見出しの手作りのコピーを持っている。
皆でお菓子を配って、実に楽しそうである。
こういう楽しみもまた、良いものだと眺めていた。
10時38分、岡山駅着。
10時53分、岡山駅発。マリンライナー23号。
瀬戸内海を渡る時は、さて、これから旅が始まるんだぞという特別感を感じる。
11時34分、坂出駅着。
11時38分、坂出駅発。予讃線。普通。
ふと、向かいのシートを見ると、女子高生が座っていた。
可愛い。
テレビに出ているタレントのようには可愛くはないのだろうけれど、スッキリとした清潔感のある女の子で、実に可愛いのである。
凡は、その女の子に見とれてしまった。
セーラー服は、シワ1つなく、襟に縫い付けられた白い3本の線と、制服の紺色とのコントラストが、美しい。
下にカラーのような襟のついたTシャツのようなものを来ているのだけれど、その胸元の白と、袖口の白が、実に爽やかだ。
凡なんて、、普段は、白いカッターシャツを着ているが、夕方にもなると、袖口や襟のところなんて、もうドロドロに汚れている。
どうして、こうも違うのか。
持っているカバンも、汚れてはいない。
いくら可愛い女子高生だと言っても、カバンがドロドロで、しかも、電車に乗って、汚れたカバンを、床にドンと放り投げるように置いたりしたら、いくら若くて顔も可愛い女の子だとしても、それだけで興醒めしてしまう。
それに比べて、目の前の女の子は、どうだ。
素敵じゃないか。
見ると、イヤホンの線も白だ。
何とも、こころ惹かれる少女であることか。
そんな少女の白を、美しいなと見ていると、「はっ。」とした。
少女は、正面を見ることなく、やや斜め前を見ている。
6:4ぐらいのセンターに分けたボブヘア―は、凡の位置からは、前に垂れた髪で、左目しか見えない。
その左目に、ハッとしたのだ。
美しい。
美しい白だ。
特に目立つほど大きな目ではないが、少女のその白目が実に美しいのだ。
こんな白目は、みゆきさん以外見たことが無い。

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(みゆきさんの白目は、絶品だ。)

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(こんな白目も、素敵だな。)

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(白目が、美しい。)
普通の白目なら、濁りや、赤味を帯びていたりするものだ。
でも、少女の白目は、ただただ、白いんだ。
しかも、左目の下のまつ毛のところにホクロがあるのも、魅力的にみせる。
しかもである。
見るたびに、斜めを見ているから、詰まりは、凡に白目を見せているのだ。
これには、やられた。
或いは、みゆきさんの白目の技を盗んだのかもしれないと思った。
(みゆきさんの白目の技については、お時間がありましたら、読んでみてね。)⇒⇒⇒
https://47872029.at.webry.info/201210_article_2_html
そんでもって、改めてみると、スッピンだ。
リップクリームさえ塗っていない。
爪は、綺麗に切ってあって、マニキュアなんてしていないから、爪の柔らかい部分から、少女の血潮が淡いピンク色となって透けて見える。
美しい。
凡は、途中から女子高生を、少女と書いてきたけれども、少女としか表現したくないほど、純白が似合う女の子なんだ。
今時の高校生なんて、化粧もすれば、精神的にスレているのが、外見に見えている。
可愛いけれども、美しくない。
それが、目の前の少女は、顔も、そして、指も、足も、外見の総てに、アザ、シミ、キズの1つもないのである。
人間、オギャーと生まれてきて、こんなに無傷で、ここまで生きてこられるものだろうか。
凡は、神のメッセージを聞いた。
「この少女、ゲガスベカラザルモノなり。」
とはいうものの、少女も生きている。
心の中は、色んなことを考えているのだろう。
チラリチラリと少女を見ていると、急に右手で髪をかき上げた。
やられた。
少女にやられた。
色っぽさもあるじゃないか。
その時、少女が、凡の事を見た気がした。
その少女の目が、こう言ったのである。
「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」
いや、凡は、道を説くものではないのだけれどね。
いや、あたふた、あたふた。
或いは、少女のこころの中は、与謝野晶子以上に、情熱的なのかもしれない。
しかし、もし凡が高校生だったら、そして、高校生の凡が、今の少女に会っていたなら、彼女に恋をしていたのだろうか。
していないだろうな。
少女を見ていると、この凡でさえ、ミダラナ感情は、沸き起こってこない。
ただ、存在しているだけでイイ。
そんな感じなのだ。
美しいとは、こういうことなのかもしれない。
観音寺駅に近づいてきたら、少女の足が開いて、ガニ股になった。
穢れの無い美しい少女のガニ股。
、、、、それもまた、可愛いか。
何事も、100パーセント完璧は、面白く無い。
と、少女のお陰で、時間のたつのも忘れて、観音寺駅まで移動することができた。
これが、旅のオマケというのだろうか。
いや、旅の色ボケというものだろうね。
観音寺駅に着いたら、ちょうどお昼でもあるし、一旦降りて駅前を散策してみよう。

 中島みゆきさんの「リトル・トーキョー」を見に行く前に

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