平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(927)リトル・トーキョーで、みゆきさんと謎のM。(6)

2月22日(金曜日)。
昨夜で、凡のみゆきさんの夜会「リトル・トーキョー」が終わってしまった。
凡の脳みそに残っているみゆきさんの美しさに高揚感を感じながらも、これだけ人の集まる東京の、そのホテルの1室で寂寞たる思いを抱いていた。
それほど食欲もないが、朝食を食べに行こうと思う。
ホテルのバイキング税込み1000円。
内容としては、至って普通。
ただ、カレーは、野菜が多くて良かった。

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10時頃にチェックアウト。
荷物を預けて、歩き出す。
とはいうものの、いく場所に迷う。
とりあえず、渋谷に行ってみよう。
渋谷には、何となく、若いころのみゆきさんの歌のイメージが感じられる。
渋谷に行くと、これまたどうするのと凡に聞いてみたけれど、答えは無い。
これまた、とりあえず、御嶽神社に行ってみる。
これは、帰ってからミニボンを羨ましがらせようという魂胆なのであります。
ミニボンは、桑田佳祐さんの大ファンで、その桑田さんの歌に「大河の一滴」という曲があって、そのなかの歌詞に、「小さな御嶽神社」というフレーズが出てくる。
きっと、その写真を見せたら、「いいなあ。」って言うだろうな。
昨年だったか、「ラケル」に行って、ランチも食べたんだよね。
その時の写真を見せたら、すごく羨ましがっていた。
ラケルも歌詞に出てくるんだ。
♪♪ラケルの横道に埋めました~♪♪
ということで、小さな御嶽神社に行ってみたけれども、何分、小さいもので、すぐに見終わってしまった。

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さて、どうする。
そうだ、ちょっと東京の女の子っぽいところへ行ってみよう。
いつも、渋谷の交差点に立っている時に目につくお店。
ロクシタンカフェ。
さすがに、入口の化粧品売り場を通る時は、ちょっと恥ずかしい気もしたが、可愛い女の子がいるのではないかという期待を胸に、2階のカフェに入る。
思ったよりも、ラフな感じで、凡は中央辺りの席に座る。
周りを見渡すと、可愛い女の子は、いるにはいるが、どうも出会いはなさそうな。
まあ、そんなものだろう。
折角だから、コーヒーなんてものは頼まないでおこう。
ということで、いちごのパフェを注文。
東京の渋谷のオシャレなカフェで、可愛い女の子に囲まれながら、偶然の出会いを期待しながらも、半分諦めつつ、都会の空気に緊張しながら、イチゴパフェを食べる中年男の悲しさよ。
或いは、凡が、この場で幽体離脱をして、空から今の凡を見たなら、泣いてしまうのかもしれない。

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いちごパフェは、さすがに中年の胃には、堪えるのだろうと思っていたが、それが意外にも軽い。
層になっているジャムのようなものを口に入れると、スッキリとした味わいで、これが表現するのが難しいいような香りだ。
これは、何なのだろうと考えていた。
普通のパフェには、入っていない味のジャムのようなものだ。
それも、若い女の子が、「甘ーい。」とか、そんな嬉しい声を上げそうにない、独特の香なんだ。
不思議に思って、スタッフに聞いたら、「ルバーブ・コンピ」だと言う。
その場で、ネットで調べてみると、ルバーブとは、食用大黄だそうだ。
コンピは、根皮なのだろうか。
漢方薬に大黄というのがあるが、あれと同じ系統の植物のようだ。
便秘にも効くようです。
道理で、どこか知っている香だと思っていた。
いつも、飲み過ぎ食べ過ぎに飲んでいる胃腸薬に大黄が含まれているものね。
やっぱり、その胃腸薬の香りに似ていたんだ。
さて、渋谷から、ブラブラと歩いて、原宿あたりまで移動する。
原宿は、若い子のエネルギーに満ちていて楽しいね。
そのまま通り過ぎて、東郷神社に着いた。

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折角だから、境内に入って、参拝をする。
お守り売り場を見ると、凡のため息が出る。
本当に、効果があると思って、このお守りを売っているのだろうか。
神社の責任者の言葉を聞きたいね。
んでもって、ふと見ると、可愛いお守りがある。
キティちゃんお守りだ。
まあ、これはいい。
可愛いんだし、水兵さんのキティちゃんもまた、オリジナリティがある。
んで、その横辺りを見ると、もう腰が砕けそうになる。
「ぐでたまお守り」
ここまで来たら、もうため息も、笑いに変わる。
このお守りを持っていたら、「ぐでー。」っと、緩やかに生活が出来るのだろうか。

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(画像は、神社のHPより拝借)
ただ、その時の凡は、みゆきさんのオールナイトニッポン月イチの放送を思い出していた。
たしか、みゆきさんが、「ぐでたま」という言葉を発したんだよね。
ツイッターでも、その時、みゆきさんは、ぐでたまを知っているんだって、話題になっていたな。
それを思い出して、何となく、嬉しくなった。
ひょっとして、みゆきさんが、ぐでたまお守りを持っていたりしてね。
そんなみゆきさんを想像したら、顔がほころんだ。
可愛だろうね。
この東郷神社には、ぐでたまよりも、もっとインパクトのあるデザインがある。
入口の鳥居から、ずっと幟が立っているんだけれど、それがZ旗なんだ。

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(画像は、神社のHPより拝借。)

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(Z旗)
東郷平八郎が、日露戦争の時に、日本海海戦で、「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」という意味で、旗艦「三笠」に掲げられたものだ。
もともとの意味は、別にあるのだけれど、この場合の意味は、Zは、アルファベットの最後の文字なので、後は無いという意味で、有名な旗だ。
そのZ旗を見て、思うものがある。
凡も、若い気持ちでいるが、今年で60歳になる。
もう、後がない。
凡が、これから凡として、活き活きとやっていけるか、今年に掛かっているのかもしれない。
「凡ノ興廃此ノ一年ニ在リ、凡ヨ、一層奮励努力セヨ」
ということなのだろうか。
身を引き締めて、改めてZ旗を見上げると、ドキリとした。
Z旗は、四角い旗の形の四隅から、その対角の隅に向かって線を引っ張って、所謂、クロスのデザインになっている。
詰まり、旗の上と下の線と、右上から、左下に引いた線で、Zになる。
凡が、Z旗を見上げた瞬間、そのクロスになっているZが、Zに見えなくなった。
旗の左右の縦の線と、その両方の上から中心点に引かれた線が見えたのだ。
詰まりは、Zでなくて、「M」だ。
この旗の表は、Z旗なんだけれど、裏の意味は、M旗なんだ。
今年、中島みゆきさんの夜会「リトル・トーキョー」を、6回見に来て、その最後に大阪に帰るというその日に、みゆきさんのM旗を見る。
不思議な現象じゃないか。
そして、不思議なM旗であることか。
詰まりは、「凡の興廃、みゆきさんニ在リ、凡ヨ、一層、みゆきさんを愛セヨ」
なんて、ことか。
いや、もう既に、みゆきさんを愛しているじゃないか。
或いは、このM旗は、既に、発展が約束されているという吉兆なのかもしれないね。
と勝手な妄想をしていたら、足は住友不動産ビル辺りまで来ていた。
ひょっとして何かの力に引き寄せられたのだろうか。
とはいうものの、この辺りを歩く、ビジネスマンや、ビジネスウーマンのカッコ良さは、今の凡にはツライ。
そうそうに、駅に向かって方向転換。
ホテルのある大井町まで移動して、ホテルで荷物を受け取る。
んでもって、品川駅で新幹線のチケットを買った。

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品川駅 15時20分発、のぞみ185号。
崎陽軒のシウマイと、駅弁の貝づくしを買って乗り込む。
品川駅で、数年前に仕事でお世話になった人とすれ違う。
何かの縁が繋がり始めているのかもしれないと思いながらも、もっと積極的に話しかければ良かったかと、後悔した。
んでもって、再度、頭に思い描く。
Z旗。
そして、M旗。
17時46分、新大阪駅着。
最後に、これは言っておかなきゃいけないことがある。
凡の我儘で、6回も、みゆきさんを見に行かせてくれて。
「ありがとう、ミニボン。」

 中島みゆきさんの「リトル・トーキョー」を見に行く前に

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