平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(919)夜会リトル・トーキョー 。恋しくて、恋しくて。(2)

2月5日(火曜日)。
みゆきさんの夜会「リトル・トーキョー」も終わって、出待ち場所に向かう。
皆も興奮も覚めやらない状態で、既に楽屋口から少し離れた場所に集まっている。
凡も、その中に入った。
ツイッターを始めて、こういう場所でも、お知り合いになれた人が、一緒に、みゆきさんが出てくるのを待っている。
今まででは、想像も出来なかったことだ。
そんな人と、話を交わすのは、なんとも嬉しい。
そして、みんな、みゆきさんが好きという同じ方向を向いて、実際、みんな通用口を注視しているのだけれど、そんな状態で、みゆきさんを待つ時間は、ある意味、じんわりとした幸せを感じる時間だ。
そんな時に、思うことがある。
今待っている人の中でも、ツイッターをしている人がいて、たぶんだけれど、フォローしあっている人もいるだろう。
なので、スマホを見ている人に、ツイッターをしている人かどうか確認したい気持ちになるのです。
もし、フォローしあってる人なら、挨拶もしたいし、お話もしたい。
でも、出来ないんだな。
その勇気が出ない。
みんな集まっている中で、そんなことをしたら注目もされるだろうし、違ってたら、恥ずかしいし。
んでもって、ホテルに帰って、自分の消極的な部分に、ため息をつく。
とはいうものの、凡は、みゆきさんが好きだ。
ある意味、恋愛をしている。
一方通行というか、凡のことなど、認識もされていないけれどね。
でも、岡本太郎さんの言葉を借りれば、一体に、恋愛とは、すべからく、片想いなんだ。
両想いであっても、必ず、どちらかに、愛の温度差がある。
凡の場合、凡が100で、みゆきさんの愛がゼロなだけだ。
いささかゼロは悲しいが、それでも恋愛中ということなのである。
なんて屁理屈を、あたかもバイブルのように大切に、こころの中で反芻しているけれども、やっぱり悲しいね。
所詮、恋愛とは、孤独なものなのである。
この時の、出待ちで、みゆきさんの美しい顔や、白い指先を見ることが出来たかどうかは、記憶も曖昧で、メモも取ってないので、今では分からない。
昼間飲んだ、物忘れ改善薬は、効いていなかったのだろうか。
確か、雨が降っていて、傘を買いに行った記憶が残っている。
(訂正:これを書いた時は、傘を買いに行ったと思っていたが、あとで思い起こすと別の日で、この日は、傘を自宅から持って行ってた。)
みゆきさんも帰って行ったので、荷物を置きにホテルに戻る。
赤坂に泊まると、これが楽だ。
赤坂で、食べるところも思いつかなかったので、以前、みゆきさんで赤坂に泊まった時に行った中華料理屋さんに行く。
「かおたん」さん。
ここは、夜遅くまでやっているので、夜会で赤坂に来た時は、ついつい寄ってしまう。
料理も、油をたっぷりと使っていて、味付けも濃いので、凡好みだ。
料理を食べた後の皿に、油が溜まっているのを見ると、満足感が半端ない。
油は、美味いね。
いくつか料理を取って、ビールや紹興酒を飲んで、上機嫌で店を出る。
いくらだったかは、覚えてないが、1人で、飲んだり食ったりすると、それほど安くはない。

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もう遅くなったACTシアターには、誰もいない。
この静けさが、また、シンミリとさせる。
とはいうものの、当のみゆきさんは、そんな感傷もなく、ただの仕事場としか思ってないのだろうな。
さて、ホテルに戻ろう。

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酔っぱらってるけれど、さっぱりしたくて、シャワーブースに入る。
このホテルのシャワーは、普通にハンドルでもお湯を出すことが出来るのですが、お腹辺りの柱からお湯を出すことも、頭の上からお湯を出すことも出来る。
面白そうだからと思って、頭の上からお湯を出そうと思ったら、お湯の出るところが、凡の頭より低い。
なので、頭からシャワーを掛けようと思ったら、背中を丸くして屈まないといけない。
結局は、ハンドルで、シャワーをした。
そんでもって、今日のみゆきさんを思い出しながら、寝る。
んでもって、次の日の朝。
2月6日(水曜日)。
今回の夜会は、みゆきさんを見るということ以外は、ほぼ予定はない。
前回は、みゆきさんに会いに来たのに、不二阿祖太神宮に行ったり、宇宙村で隕石を買ったりと、何しに来てるんだという感じの東京だったので、今回は、ただ、みゆきさんを見れれば良いということにした。
さて、今泊まっているホテル、ザ・ビー赤坂は、オシャレなホテルだ。
なので、朝食もオシャレに違いない。
ということは、朝食がオシャレなら、それを食べにくる人も、オシャレな女の子ということも、推測に易い。
行ってみるべし。
ひょっとしての可能性で、朝食を食べているオシャレな女の子が、昨夜、みゆきさんを見に行っていて、あれ、昨日、お会いしましたよね。
なんてことで、「あのう、あたし、東京初めてなので、もし良かったら、一緒に、観光していただけませんか。」なんて、展開があるかもしれない。
さすがに、女の子が20代だと緊張するよね。
「あのう、あたし、東京が怖いから、歩くときに手を繋いでいただけませんか。」
なんてことも、珍しいケースだが、あるかもしれない。
「いいよ。」なんて、平静を装って答えるよ。
「あのう、あたし、ホントの事言うと、前から、凡ちゃんの事、好き、、、いやーん。でも、言っちゃおう、好きだったんです。」
なんてことは、確率は低いかもしれないが、あるかもしれないだろう。
でも、ここで断るべきか、受けるべきか。
ここは言っておくべきだろう。
「しかし、凡には、ミニボンがいるし、、、。」
「いえ、良いんです。あたし、ずっと日陰の身でも。」
、、、そんな20代の女の子は、やっぱり怖いな。
しかし、可愛い子だったら、、、。
無意味な、想像が続く。
でも、朝食は、食べに行こう。
朝食バイキング、1000円。
ということで、フロントでチケットを買って、1階のカフェのようなお店に入る。
思ったより、狭い。
んでもって、徐に料理の乗ったカウンターを見る。
驚くほど、何もない。
スクランブルエッグ、肉団子、小さな焼き鮭、チキンナゲット、洋食では、これにパンとヨーグルトぐらいか。
本当に、これだけ。
しかも、手作りしたのは、スクランブルエッグのみ。
あとは、冷凍の出来合いをチンしただけのものだ。
それも、チンしてから時間も経っているので冷たい。

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凡も、あまり批判はしたくないけれども、これはイケナイ。
朝食が1000円だというのは、ホテルだから、まあ良い。
でも、それなら、選ぶ料理の無いバイキングよりも、普通に和朝食なり、洋朝食なりにすれば良いのじゃないだろうか。
洋なら、トーストと、目玉焼きにベーコン、それに、サラダとフルーツ。そして、コーヒー。
和なら、ご飯と味噌汁、鮭の焼いたのとか、玉子焼きとか、そういう1品に、お漬物。
それなら、安心して食べられる。
周りを見ると、不満な表情を浮かべる人もなく、ただ、淡々と食事をしていた。
余裕があるね。
それに比べて、凡は、食い意地ばかり張って、余裕もなくて、何か小さいな。
部屋に帰る時にエレベーターの中のバイキングの案内を見たら、如何にもホテルの贅沢バイキングというイメージ写真だ。
ただ、その写真の1品1品を確認すると、料理の種類は少なくて、ある意味、正直な写真なのでありました。
案内の写真には、誇張も間違いもなし。

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ということで、朝食を頂きまして、部屋に戻る。
昨夜のみゆきさんを思い出したり、ゆっくりと過ごす。
とはいうものの、部屋の掃除もあるだろうし、外出をした方が良いのだろうか。
今回は、予定を立ててないので、行くところも考えていない。
でも、どこかへ行こう。
神田、秋葉原あたりを思いながら、10時半ごろホテルを出る。

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とりあえず、秋葉原へ行ってみる。
んでもって、趣味の本が多いという「書泉ブックタワー」へ入る。
とりあえず、1番上の階まで上ったら、全面ガラス張りの部屋があった。
その高さで、気を失いそうになる。
もう、それを見たら、他の場所に移動しても、ああ、この本棚の後ろは壁があって、その裏側は、何もないスカスカのビルの外の空間なんだなと思うと、ずっと足の裏がスース―としていた。
とはいうものの、この本屋は、なかなか品ぞろえも面白くて、ついつい長居をしてしまう。
エンケンさんの本や、諸星大二郎さんの漫画などを買ってしまう。
さて、昨夜からの雨が降る中、ブラブラと歩いて、「肉の万世」さんに行く。
前から、看板を見て、入ってみたいと思っていたお店だ。
万世さんは、大きなビルになっている。
その中の4階のレストランに入ってみようか。
カットステーキ70gとハンバーグ120gのランチセットを注文。
肉は赤身で美味しかった。
断面は、まだ赤い色をしているけれども、しっかりと熱も通っている。
どうやって焼けば、こう焼けるのかと思う。
たまに、レアで肉を出す店で、中の赤い部分が、まだ冷たかったりするお店もある。
あれは、いけない。
ステーキは、熱くなくっちゃね。
サーブされている鉄板も、ジュージューとシズルを立てていて、実に良い。
ということで、肉を食べて元気をチャージした次第であります。
税込み 2280円。
少し贅沢ではありましたか。

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食後は、秋葉原あたりをブラブラと、ただ歩いた。
メイド喫茶の女の子に声を掛けられる。
秋葉原のメイド喫茶なんて、これは正しく東京だ。
面白そうだ。
それで、店内で一緒に写真を写しても良いか聞いたらダメだというので、入るのは止める。
残念。
しかし、あのメイド服というのは、中々良いでありますね。
考えてみると、みゆきさんも、きっと似合うに違いない。
例えば、夜会のシャングリラでは、正しく、メイドさんの服を着て演技をしているよね。
あれは、可愛い。
みゆきさんがメイドさんなら、どうしたらよいの。
「ご主人様。」なんてさ、みゆきさんが凡に言う訳だよ。
もう、とろけちゃうね。
用事なんてことは、みゆきさんのメイドさんには、させちゃダメだ。
手が荒れちゃったりしちゃ、可哀想だものね。
或いは、メイド服も、シャングリラみたいなやつじゃなくて、秋葉原のようにミニのメイド服なら、これはもうダメだ。
色んなポーズをしてもらいたくなっちゃうよ。
、、、、凡が、変態になってしまいそうなので、やっぱり、みゆきさんにミニのメイド服はやめておくべきか。

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JRの秋葉原駅で、警察官が、怖い目つきで、更に上目遣いで、歩く人を睨みつけている。
凡は、金沢で職務質問をされて以来、警官が嫌いだ。
見ていると、急に改札口を走って入って、先に入った4人組の学生に追いついた。
どうみたって普通の学生のグループだ。
その中でも、如何にも優しそうな男の子に、職務質問を始める。
学生は、学生証のようなものを見せていた。
疑いは晴れたのか、すぐに開放されたけれども、
あれは一体何の容疑を掛けられていたのだろうか。
それにしても、あの職務質問は、どうも警官が声を掛けやすい人にしかやっていないのが腹が立つのである。
どうみたって、アウトローな人たちだと思える人には、声を掛けない。
1度、こっちに悪い人がいますよって、手を引いて連れて行ってあげようかと思う。
一旦、ホテルに戻って、入り待ちへ向かう。
みゆきさんは、車を降りて、1回。
そして、また1回、ゆっくり手を振ってくれる。
ほっこりとした。
みゆきさんが、入ると、当日券に並ぶ人もいて、みんな解散して帰っていった。
凡も、帰ろうかと思ったが、みんないなくなったら、渡辺真知子さんの時に、誰もいなくなる。
なので、残ることにした。
凡と、女の子1人。
石田匠さんは、わざわざ、マスクを外して、挨拶をしてくれる。
残っていて良かったね。
んでもって、真知子さんが入って行った。
真知子さんは、ステージ以外でも、真知子さんなんだなあ。
んでもって、ホテルに戻ると、凡の部屋を掃除している。
結構、遅めの掃除だなと思ったけれど、たぶん、インドかどこかから来ただろう若い女の子が、一所懸命、洗面のところを洗っていたので、なんとも鼻の下を伸ばしながら、下で待ってるよとジェスチャーをして、1階のロビーみたいなところで座って待つことにした。
暫く待って、部屋に戻って、双眼鏡を用意して、ACTシアターへ向かう。
今日もまた、開演前に、何かを食べておこう。
ということで、日高屋で、バジルライスというのを頂く。
少しメニューの写真と違うが、日高屋さんが大阪にはないお店なので、まずは、東京的な事をした気分になった。
さて、ACTシアターに行って、列に並ぶ。

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 中島みゆきさんの「リトル・トーキョー」を見に行く前に

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