平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(917)夜会リトル・トーキョーと不思議パワーと、どっち?(6)

2月1日(金曜日)。
中島みゆきさんの夜会「リトル・トーキョー」を見るために、1月30日、31日と東京で過ごして、今日は大阪に帰る日であります。
もう、舞台のみゆきさんは、それはそれは、可愛くて、あんな、みゆきさんは、なかなか見れるものじゃない。
本当に来て良かったと思う。
普通なら、大阪へ帰る日ということで、もう寂しくて、帰りたくないと、ホテルのベッドの上で、足をバタバタさせているところなのでありますが、実は、大阪に帰って3日ほど現実の世界に戻ったら、また、夢の世界の東京へ来る予定なので、寂しいなという思いと、すぐに、また、みゆきさんに会えるという喜びとが、同時に、行ったり来たりと、ややこし精神状態の凡なのではあります。
さて、今日はお昼に行こうと思っているお店がある。
なので、朝食は抜いて、ホテルで少しゆっくりしていた。
そして、ホテルをチェックアウトして、荷物を預かってもらう。
お目当てのお店は、浅草にある。
ぶらぶら朝の浅草を散歩するのは楽しい。
なにせ、お店が多いからね。
浅草寺の参道は、人でごった返していた。

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んでもって、お目当てのお店の前に到着。
「駒形 どぜう」さん。
開店が11時なので、ちょっと前に行くと、中年の御夫婦と、サラリーマンの3人組、それから中国あたりから来た4人家族が待っていた。
11時になると、順番にお店に入っていく。
凡の前にいたご夫婦は、階下のテーブル席に下りて行った。
凡は、やっぱり昔ながらの雰囲気を味わいたかったので、1階の広い座敷に上がる。
奥の壁際に座った。
広い座敷に何本か平行に板が敷かれている。
この板に、どぜう鍋を置く仕掛けだ。
店の奥に大きな神棚があって、如何にも縁起を担ぐ江戸っ子が贔屓にしている雰囲気である。

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さて、メニューを開いてメニューを検討する。
どぜう鍋は、これは始めっから注文するつもりで来た。
それにと、お昼だけれど、お酒を頂こう。
熱燗も雰囲気なんだけれども、折角だから、ここでしか飲めないカストリを注文。
カストリというと、戦後に飲まれていた安物の焼酎だ。
とはいうものの、ここでは、密造酒的なものは出さないだろうから、普通の焼酎なのだろうと思う。
お湯割りでお願いした。

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運ばれたカストリは、思ったより、たっぷりとあって、自分で割って飲むようだ。
1口含むと、普通の何の変哲もない焼酎である。
とはいうものの、戦後間もないころから飲まれてきたのかと思うと、そして、カストリという名前を思うと、美味い気がする。
胃に流し込むと、一気に身体が温かくなった。
少し離れた柱に木札が掛けられている。
見ると、「放歌ご遠慮ください」とある。
大いに飲んで、大いに酔っぱらって、上機嫌になった昔の人たちが、この空間に見えた気がした。
さて、カストリで胃が温まったところで、どぜう鍋が運ばれてきた。
1人用の薄い鍋にドジョウがビッシリと敷き詰められている。
鍋の下のいこった炭の赤い色が、さあ食うぞ!という気にさせてくれる。
この鍋に、ネギを乗せて食べるそうだ。

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まず、2匹ほどを口に入れると、下ごしらえを予めしてあるので、臭みもなく、骨も柔らかい。
甘辛い味付けは、どうにもカストリの進む味付けだ。
楽しい。
いやあ、実に楽しい。
まだ客の少ない広間で、カストリを飲みながら、どぜう鍋をつつく。
これ以上の、贅沢な東京があるだろうか。
今まで、どぜう鍋に気を取られていたが、このお店の店員の制服は、絣の着物に、エプロンを着け、タスキを掛けている。
これがまた、お店の雰囲気に合っているんだ。
着物も、どこか特別なところに行くときに着るような上等なものも良いけれども、こういう普段の雑用をするときに着る着物は、少しばかり男心をくすぐるものがある。
凡は、鼻の下を伸ばしながら、どじょうをつつく。
んでもって、考える。
とはいうものの、昔はみんな着物だったんだ。
普段は、みんなこんな格好をしていた。
それを男性達は見ていたわけで、その時は、男性達は、着物の女性を見ても、特別にこころをくすぐられることもなかったんだろうな。
そんな中に、例えば、昔のこのお店に、白いワンピースの店員さんがいたら、そっちの方に、こころをくすぐられていただろう。
結局は、普段見られない姿に、ドキドキするということなのだろう。
ということは、このお店に、みゆきさんのような店員がいたら、どうなるのよ。
そんでもって、みゆきさんが、絣の着物に、エプロンを着けて、タスキを掛けてたら、どうなる。
そんな恰好、普段のみゆきさんは、想像でもしないものね。
たぶん、こころをくすぐられる前に、気絶するね。
広間に、気絶して横たわる凡。
「大丈夫?」なんて、みゆきさんは、倒れた凡を抱き起すよ。
みゆきさんは、優しいもんね。
んで、目が覚めた凡は、みゆきさんに抱かれている。
それに気が付いて、また気絶しちゃう。
「あーっ、どうしちゃったの。」なんて、みゆきさんは、驚くかもしれない。
息をしてるか心配になって、みゆきさんは、凡の口元で息の音に耳を澄ます。
んで、目が覚めた凡は、目の前にみゆきさんが、覆いかぶさっている状態だ。
それに気が付いて、また気絶しちゃう。
んでもって、それが永遠に続く訳だ。
而して、この状態は、果たして、凡にとって幸せなのか、否か。
難しい問題だ。
なんて、起こりえないことで妄想が止まらない。
どぜう鍋は、1枚で丁度良いぐらいの量だ。
でも、凡はすぐに食べきってしまった。
最後に、ご飯とどぜう汁を注文しているが、まだカストリが残っている。
なので、何か1品取って食べよう。
メニューを見て、東京らしいものをと探す。
すると、玉子焼きだったか、出汁巻きだったか、名前は忘れたが、玉子の焼いたのがあった。
東京の玉子焼きは、甘くて、関西では売っていない味付けだ。
なので、これで残りのカストリを飲もう。
そう思って、ふと鍋を見ると、空になった鍋が、炭に熱せられて、残った汁が、今にも焦げて煙が出そうである。
注文する前に、この鍋を下げて貰おう。
そう思って、凡は、少し離れたところにいる女の子に、鍋を指さした。
すると、女の子は、頷いたと思うと、さっと新しい鍋を持って、凡のところに来て、新しい鍋に乗ったドジョウだけを、凡の今食べ終わった鍋に、スライドさせて乗っけた。
「あっ、追加という意味ではないよ。鍋を下げて欲しいんだよ。」なんて、いう暇はない。
もう、目の前の鍋に、新しいどじょうが乗っかっている。
もう、これで玉子焼きの選択はなくなった。
それにしても、この鍋を指さす行為を、普通は、どう解釈するだろうか。
鍋を見て、もう焦げそうだから、下げてくださいとは、とれないジェスチャーなのだろうか。
そういえば、凡は、居酒屋では、生ビールを追加するときは、遠くにいる店員に、空のビールジョッキを見せて、指さす。
そういうことなのか。
或いは、丸く両手で輪を作って食べている仕草をして(鍋)、お尻からしっぽが生えている仕草をする(尾⇒を)、手を上から下に下す仕草(下げる)をして、合掌(お願いします)なんてやれば良かったか。
と、昔テレビでやっていたジェスチャーゲームを思い出しておかしくなった。
若い人には、ジェスチャーゲームは、解らないだろうな。
とはいうものの、すぐに店員が持って来たということは、追加するのが普通なのかもしれない。ということは、凡は今、地元の人のする通の食べ方をしているのかもしれない。
と、納得させた。

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最後に、ご飯と、どぜう汁である。
空になった鍋にネギを大量に乗せて、追加で出汁を掛けて、それでご飯を食べる。
これがまた、美味い。
ネギは、たっぶり席に用意されているのだ。
食べてから、周りを観察すると、ささがきごぼうや、生玉子というトッピングもあって、それらを最後に入れても良かったか。
どぜう鍋 1800円×2枚
どぜう汁 325円
ご飯 350円
カストリ 650円
お湯 200円
上機嫌で店を出て、ホテルに戻る。
途中、昨年も行って無いことは知っていたが、プロマイド屋に寄って、「みゆきさんのプロマイドはありますか。」と問うた。
答えは分かっている。
でも、それだけじゃ冷やかしになるので、「じゃ、南沙織さんは、ありますか。」と尋ねたら、あるという。
凡は、南沙織さんの声が好きだ。
あの声に含まれるバネのような響きが好きなんだ。
もちろん、若いころのミニスカートも絶品だけれどね。
なので、持って来てくれた写真の中から、2枚を買った。
マルベル堂さん プロマイド 324円×2枚

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さて、ホテルに戻って、キャリーケースを受け取ったら、そろそろ帰る時間なのだけれど、微妙に時間が余っている。
なので、みゆきさんで東京へ来たら、ほぼ立ち寄るムーショップに行くことにした。
銀座にあるムーショップに行くと、店長さんがいた。
少し話をすると、このムーショップは、今年の4月1日で、契約が切れるので、ムーショップでは無くなるとのことだった。
それで、これからは、「アルケミスト」という店名で、引き続き営業されるそうだ。
アルケミストなら金運もアップしそうですね。
ムーという名前が無くなることは、ちょっと寂しいけれども、新しい店も、どんな品揃えで展開するのか楽しみでもある。
次回に、東京へ来た時は、また覗いてみようと思う。
記念にと、ペンジュラムを1つ購入した。
デザインがカッコイイので、ペンダントトップにでもしたい感じだ。
税込み 5000円。

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さて、もう時間がないので、羽田空港へ急ぐ。
帰路もANAのマイルを使った特典旅行だ。
ANA33便。
16時00分、羽田空港発。
17時10分、伊丹空港着。
そんでもって、モノレールで門真市に帰って来たのでありました。
それにしても、みゆきさんは、可愛かったね。
それだけが印象に残った夜会なのでありました。

 中島みゆきさんの「リトル・トーキョー」を見に行く前に

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