平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(913)夜会リトル・トーキョーと不思議パワーと、どっち?(2)

1月30日(水曜日)。
ホテル京阪浅草に荷物を預けたら、お昼を食べに行こう。
浅草周辺は、美味しいものを食べさせるお店も多い。
なのだけれど、どこも行列が出来ている。
探し歩いたあげく、神谷バーに行くことにした。
以前も、入ろうかと思ったけれど、結局、まだ入ったことが無い。
それに、電気ブランというお酒も、買って飲んだことはあるが、お店で飲んだことは無い。
1階が、所謂、神谷バーだけれど、いっぱいだったので、2階のレストランと書かれているところへ行く。
ほぼ、1階も2階も同じようなメニューのようである。
2階も、ほぼ満席。
料理は、エビフライとハンバーグのセット900円を注文。
それに、電気ブラン270円と、ライス230円。
合計税込み1400円。

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まずは、電気ブランが運ばれる。
冷たく冷やされた琥珀色の液体は、やや香に癖はあるが、これが昭和初期の味なのかと、それも、本場で飲むと、さらに気分がアップする。
そして、少し待って運ばれた料理は、エビフライも、衣ばかりということもなく身もしっかりとあり、ハンバーグも、肉の旨味を感じる味わいで、なかなか美味しい。
それに、何より、また来たいなと思わせるのが、料金設定だ。
どのメニューも、昭和の洋食という特別感があるのに、ひょっとしたら喫茶店のランチぐらいの気安さだ。
これなら、定食にしないで、好みの1品で、ビールを飲むなんてことも楽しいだろう。
凡の左隣には、観光で来たのか地図を広げながら、ビールや電気ブランをやっている。
凡が帰る頃にも1品注文していたので、今日は、ここでのんびりということなのだろう。
そんな東京見物もまた、楽しいものだろうね。
右隣りは、70歳ぐらいに見えるのだけれど、年配の男性と、30代ぐらいの女の人だ。
どういう関係なのか。
聞くとはなしに、話を聞いていると、しきりにお酒を勧める男性に、「今日は初日なので、お手柔らかにね。」などと言っている。
この文言から推測するに、何やらイケナイ関係のようでもある。
この世の中を楽しくやっていくには、お金は、必要なんだね。
お金だね。
お金だよ。
お金なんだ。
、、、欲しいね。
1つ、こぼしたため息は、電気ブランのアルコールの匂いがした。
遠くを見ると、着物を着た女の子2人組がいる。
可愛い。
一眼レフをドンとテーブルの上に置いて、ペチャククチャおしゃべりに花を咲かせている。
話声は聞こえないけれど、中国か韓国の女の子だろう。
そういえば、雷門あたりは、外国の人や、修学旅行生で、ごった返していた。
日本人でも、ぶらぶら歩いてまわるのが楽しい地域だから、外国の人だったら、余計に楽しいだろうね。
さて、遅めのランチを頂いたら、夜会の前に、行ってみようと思うところがある。
宇宙村だ。
実は、東京へ来る前に、ツイッターをやっている人が、宇宙村の隕石をネットで買ったというツイートをアップされていた。
そういえば、ちょっと前、テレビの番組で、この宇宙村の村長さんと言われる人と、他にUFOを呼べるという年配の男性ら2人と、番組の中でUFOを呼ぶ姿の映像を見た記憶があった。
面白そうだ。
大阪から、わざわざ行くまではしないだろうけれど、ちょうど今、東京にいる訳だし、夜会までの時間がある。
ということで、神谷バーをでたら、すぐに携帯で電話をいれてみる。
「今日は、そちらは、営業されてますか。」
「うん、してるよ。」と、すごく優しい声が返って来た。
そして、今から、そちらへ伺うことを言ったら、「待っているよ。」と、これまた、まったく力の入っていない感じの、優しい声で言われた。
なかなか、あんな優しいトーンでは、声を出すのは難しいよ。
ということで、すぐに四谷3丁目まで移動して、宇宙村へ行ってみた。
店の前に立つと、想像したお店とは違う。
想像では、宇宙村というぐらいだから、それらしいグッズなどが並んでいるのではと思っていた。
しかし、今目の前にあるお店は、外からガラス越しにみるかぎり、骨董屋か、或いは、質流れ品を扱うお店。
そういえば、宇宙村の入口には、「隕石 古美術 仏像、骨董」と書かれている。

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まずは、中に入ってみる。
もう、これでもかというぐらいに、ごちゃごちゃだ。
所狭しと、何かわからない物が、陳列されているというより、ただ置かれている。
入ると、中に、1人のかなり年配の男性が座って、何やらご飯を食べている。
確か、あとで話を聞くと、83歳とか、そんなことを言っていたが、正確には忘れてしまった。
見ると、何を食べているのかは、もう終わりかけなので判明しないが、兎に角、ものすごく生活感のある食べ物に感じた。
さば缶とか、そんなものだ。
凡は、さっき電話をしたもので、ちょっと見せて欲しいと言った。
すると、村長さんは、何処から来たのかとか、何をしているのかとか、聞いてくる。
村長さんは、景山八郎さんといって、昔から天体に興味があって、天体望遠鏡を作ったり、新聞などでも何度も取り上げられている有名人のようだ。
宇宙村には、ユリゲラーも来たことがあるそうで、店内には色の変わってしまったユリゲラーの写真も貼ってある。
凡が、小さな隕石を見ていると、「何か、悩みとか、願いとかあるの。」と聞いた。
凡は、「お金がないことが悩みかな。」と答える。
すると、隕石にお願いをすると良いという。
そんな話をしていると、「ぷぴ、ぷぴ、ぷー。」と音がした。
おならだ。
村長がおならをした。
まあ、宇宙村の村長だから、おならも、また自由の表れなのだろう。
地球での出来事なんて、小さい、小さい。
宇宙村なんだから。
おならをするぐらい、正しく屁でもないのだろう。
そう解釈したら、またもや「ぷりゅりゅーっ。」とおならをした。
しかも、まったくもって力の入っていないおならなのである。
もう、お尻がゆるんでしまって、もれ放題という感じだ。
まあ、お年もお年だから、仕方のないことなんだろう。
そう思ったら、またもや「ぷぴー。」
何度も、何度も、おならをされて、もう隕石に、村長さんがおならをしないようにとお願いをしようかと思ったね。

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そんでもって、村長さんは、目の前のケースに入った隕石を、目の前にある計量器で、重さを量ってみろという。
なので、ピンセットで、小さな隕石を1つ摘まみ上げて計量器に乗せてみる。
7グラムぐらいだったか。
すると、村長は、1グラム1000円だという。
ということは、この小さな欠片が、7000円。
実は、来る前にネットで見ると、500円ぐらいの隕石があった。
なので、凡としては、そんなのを2、3個買っても記念になるなというぐらいに考えていたのであります。
なのだけれど、今、村長に言われて乗せた小さな隕石は、7000円。
急に、計画が狂って、どうしようかと、迷いだす。
隕石のパワーは、欲しい。
でも、小さな小さな欠片が、何千円もする。
ちょっと良いなと思えるものは、もう何十万もするのであります。
しかし、それはちょっと無理。
何度も、いろんな隕石を計量器に乗せては、こころのため息をつく。
ふと見ると、小さな四角にカットされた隕石があって、穴が開けられている。
これなら、ストラップにも出来るだろう。
これにしようかなと計量器に乗せると、6グラムだった。
なので、6000円。
すると、村長さんは、穴の開いているのは、加工賃が5000円だと言った。
「高いね。」
思わず本音を村長さんに言ってしまう。
だけど、負けてくれそうにない雰囲気なのだ。
そんなことで、いろいろ悩みながら、とりあえず隕石は買おうと決める。
6グラムの穴の開いた小さな欠片。6000円と加工賃5000円。
それに、2.6グラムの欠片。
それから、宇宙パワーのシール、1000円。
オッケー願掛けの紙、100円。

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(テーブルの隕石のケース。ここから好きなのを量りで計る)

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(パワーグッズの陳列ケース)
さあ、小さいけれども、これで隕石を持つことが出来た。
あとは、隕石のパワーを貰うだけだ。
この隕石は、ギベオンといって、パワーもスゴイらしい。
ふと、奥の方を見ると、祭壇のようなところがある。
ただ、あまりにもゴチャゴチャなので、祭壇には見えないのだけれど、まったくもって、祭壇なのではあります。
近くに寄って見ると、村長が、自由にお参りして良いという。
そこに置いてある鈴でも何でも振ってお願いをしろという。
なので、祭壇の前の椅子に座ってお願いをしようとしたら、後ろから村長が、「お賽銭を入れてね。」と優しい声で催促をした。
そこんとこは、忘れずに声を掛けるのね。
んでもって、お金が入りますようにとお願いをする。
さて、そろそろホテルに戻らないと夜会に間に合わなくなる。

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(お願いが叶う祭壇)
記念に、写真を撮りたい。
なので、村長さんに「写真を撮ってもよいですか。」と聞いたら、「ダメだ。」と返って来た。
そうか、ダメなのかと思っていると、「写真を撮るというのは、ダメだ。写真は写すといいなさい。」というのだ。
なので、凡は改めて村長さんに「写真を写しても良いですか。」と聞いたら。オッケーだという。
村長さんにカメラを向けようとしたら、村長さんの股のところの前にしゃがめという。
さっき、おならをした股のところだ。
なので、しゃがんで、村長さんと自撮りをした。
そんでもって、村長さん1人のも写した。
いろいろ村長さんとお話をさせて頂いて、楽しい時間を過ごさせていただいた。
それにしても、村長さんの、あの優し声の出し方は、ちょっとマスターしたい気がする。
あの声で、女の子に話しかけたら、絶対に嫌われることが無いような、そんな声だった。

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(村長さんのオッケーポーズ)
さて、夜会に急ごう。
お店を出て地下鉄の駅に向かう。
そして、思った。
何をしているのかね。
凡は、みゆきさんが好きで、そんでもって、今日は、そのみゆきさんに、年に1回会える、すんごく、大切な日なのに、宇宙村の村長のおならを聞いて何をしているのか。
とはいうものの、隕石を買ったので、これでパワーは、凡の物である。
隕石パワーで、みゆきさんのハートをゲットだ。
そんでもって、お金もゲットだぜー。
すべて、オッケーだ。
きっと、そのはずだー。
参考までに、宇宙村のグッズには、宇宙パワー三種の神器というのがあって、その1つに、「宇宙パワーイレブン、隕石入りお尻グッド器」というのがある。
円錐状の形のポリエステル樹脂で、これを肛門に当てて座って、肛門を鍛える器具だそうです。
しかも、値段が3万円。
すごいのを作ったね。
村長も、これで肛門を鍛えているのだろうか。
それにしては、あのおならは、どういうことなんだろうと、今でもパンフレットをみると考えてしまうのであります。

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因みに、宇宙村で買った穴の開いた隕石をストラップにして携帯に付けたら、中々、カッコイイ。

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 中島みゆきさんの「リトル・トーキョー」を見に行く前に

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