平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(912)夜会リトル・トーキョーとパワーと、どっち?(1)

中島みゆきさんの夜会「リトル・トーキョ-」の日だ。
人は、恋する人を待ち過ぎると、脳みその働きが、どうにかなってしまうのか、中島みゆきさんの夜会の日が来たというのに、ウキウキと、幸せいっぱいという気持ちではなかったのであります。
勿論、みゆきさんに、今すぐでも会いたい気持ちは、好きになった数年前と変わりはない。
恋している。
会いたい。
でも、日々の雑事の流れに、凡自身の気持ちを、みゆきさんを見ることが叶わなくても耐えることのできる閉め切った押し入れのような空間に置き去りにしてしまったようである。
なのだけれど、そこはやっぱり、当日になると、あと数時間でみゆきさんに会えると思うと、どうにも、気持ちが震えだしてくる。
さあ、今すぐに、凡の閉ざされている心のドアを開け放って、みゆきさんに、愛を、いや恋している気持ちを、叫ぼう。
「みゆきさーん。大好きでーす。」
ということで、
1月30日(水曜日)。
今回の夜会は、1月30日、31日、それから、5日6日、そんでもって、20日、21日と、合計6回行く予定だ。
今回もまた、凡のログの為にも書いているので、ほどんど、旅行記の様になっておりますが、凡としては、みゆきさん賛歌なのでございます。
そして、その初日であります。
伊丹空港を、11時00分発、羽田空港に12時15分着の、ANA022便に乗り込む。
A321。
今回は、マイレージを使用しての特典旅行だ。
だいぶん、前に予約を入れていたので、席について驚いた。
CAさんの前の席を押さえていたんだね。
なので、満席だけれども、とりあえずは、目の前のスペースも広くて快適だ。
機材は、まだ新しい感じで、天井のブルーの間接照明が高級感を演出している。
これから、東京へ、みゆきさんに会いに行くんだという高揚感も手伝って、すべてが特別に見えてくるのだ。

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(機内の酸素マスクの付け方の説明が歌舞伎風になっていた。)
安定飛行に入ると、CAさんが、やおら立ち上げって、凡の目の前で、制服のボタンを外した。
制服を脱ぐ時に身体を半分回転させたら、海外の高級な百貨店で売っているような、イヤラシイ気持ちにさせる香水が、かすかに香った気がする。
凡は、その仕草を見ていた。
弁解するつもりはないが、ハシタナイ気持ちで見ていたわけじゃない。
何しろCAさんが服を脱いでいるのは、凡の目の前なのだから、これは致し方ない行為である訳で、この場合、ジロジロ見ても、それは凡の意思ではないという理屈が成り立つのであります。
ここで、紳士なら、そっと目をつぶるとか、そんなことをするのかもしれないけれど、あいにく凡は紳士ではございませんであります。
目の前のCAさんを、ジロジロ見るに、CAさんにしては、やや小柄で、しかも凡の好きな華奢な美人である。
ブルーの細かい柄の入った半袖のブラウスに、エプロンを着ける。
もし彼女が、恋人だったら、どんなに楽しい毎日になるだろうな。
エプロンを急いで着けたら、振り返りながら凡に言うよ。
「ちょっと待っててね。今すぐ、何か作るからね。」なんて、片えくぼで微笑むんだ。
料理は、アクアパッツアなんて名前の、凡もまだ食べたことのないようなやつを作るよ。
オリーブオイルとガーリックの匂いが漂って来たら、凡は安物の白ワインを開ける。
上等なワインは、人間の味覚や嗅覚を独り占めしてしまう。
目の前に、華奢なエプロン姿のCAの恋人がいたなら、あえて味覚や嗅覚は封じて、視角だけで、この時間を感じていたい。
鼻の下をビローンと伸ばしつつ、そんな妄想をしていたら、もう既に、CAさんは、飲み物の準備をしに、どこかへ行ってしまっていた。
しかし、知らないCAさんでも、これほど鼻の下が伸びる訳だから、これがみゆきさんなら、どうなってしまうんだろう。
もう、鼻の下も、鼻の下の態をなさなくなるだろう。
ビローンと伸びたうえに、これまた、さらにビローンと伸びる。
もう、鼻の下が、口元を通り越して、胸のあたりまで、ビローンと伸びちゃうだろうね。
そうなったら、ラーメン食べる時なんて、大変だよ。
胸まで伸びた鼻の下を、チョンマゲみたいに頭の上までペタンと跳ね上げて、ラーメンをズズッやるわけだ。
みゆきさんが見たら、きっと嫌われるね。
悲しいね。
それにしても、みゆきさんのエプロン姿は、想像しただけで、もうウットリしてしまううな。
いや、エプロン姿も可愛いだろうけれど、やっぱり着替えだよ。
もし、みゆきさんが、今回のCAさんのように、目の前で服のボタンを外したら、どうなるのよ。
そして、服を脱ぐ時に、イヤラシイ気持ちにさせる香水を漂わせたら、どうなるのよ。
死ぬね。
きっと。
でも、これから行こうとしている夜会の楽屋では、目の前で着替えをするみゆきさんが、そこにいるに違いない訳で、スタッフは、もう気がおかしくならないのか、と思うよね。
出来ることなら、その時は、みゆきさんも、イヤラシイ気持ちにさせる香水は、付けないでいて欲しい。
他の男性が、その香りをかいで、みゆきさんを好きになったら嫌だもの。
さて、今回乗った飛行機は、wifiが使える。
なので、ツイッターに繋いでみた。
どうにも、遅い。
まあ、それは仕方がない。
んでもって、ツイッターのつぶやきを見ると、ぞくぞくと東京へ向かう人のツイートがアップされている。
いよいよなんだなと、凡の気持ちも、CAさんから、みゆきんさんに、一瞬で変わった。
伊丹、羽田間は、短いフライトなので、あっという間だった。
もう、既に、みゆきさんの住んでいる東京に立っているんだと思うと、さらに、みゆきさんへの思いがあふれ出てくる。
とりあえず、ホテルに荷物を預かってもらいに行こう。
今日のホテルは、浅草にあるホテル京阪浅草だ。
羽田から、京急で、直接、浅草まで移動できる。
とはいうものの、ホテルは、銀座線の浅草からは、少し離れているようで、ホテルを見つけるのに時間が掛かってしまう。
さて、お昼も過ぎていることだから、何かお昼ご飯でも食べよう。
と探し回るのだけれど、めぼしいところは、どこも観光客で長蛇の列が出来ていた。

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 中島みゆきさんの「リトル・トーキョー」を見に行く前に

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