平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(908)みゆきさんに似ている人のいる街へ(1)

やっと今年の話でゴザイマス。
今年は、昨年と違って、正月のお休みが無いと思っていたのですが、何故かシフトの巡り合わせで、元日も休みになり、また、5日と6日の土日が休みとなった。
昨年からの青春18きっぷが、まだ2日分残っている。
昨年の段階では、期限の10日までに使い切れなかったら、誰かに貰ってもらおうと考えていたのですが、それなら、5日と6日の2日間を使って旅に出ようという訳であります。
とはいうものの、どこへ行こうという目的地が決まっていない。
名古屋方面は、昨年に行ったし、北陸も行った、和歌山方面は、またもって紀伊半島を1周しなければいけないので、昨年と同じルートになってしまいそうだ。
山陰は、雪が心配。
なんてことを考えていたら、当日になってしまった。
1月5日(土曜日)。
朝、早めに起きて、目的地も決まらないままキャリーケースに着替えを詰めていると、ミニボンが、何処へ行くか決まったの?と尋ねる。
とりあえず、広島方面に向けて電車に乗ろうかなと返した。
行き先は、とりあえず、姫路行きの新快速の中で考えよう。
06時50分頃、自宅を出発。
家を出てから、イヤホンを忘れたことに気が付いた。
まあいい。
どうせ、移動中は、音楽は聴かない。
大好きなみゆきさんの歌だって、余程、窓の外が暗くなって、疲れちゃった時しか聴かないのであります。
旅は特別だ。
モーターの音を聞きながら、電車の揺れに身を任せるのが、醍醐味なのである。
そんな時に、みゆきさんの歌を聴いたら、いっぺんに旅への思いが、みゆきさんへの思慕に変わってしまう。
ということは、凡にとって、もうみゆきさんの歌は、日常のものに変わってしまっているのだろうか。
みゆきさんの歌は、ハレでなくケに変わってしまったのか。
ケにしては、あまりにも遠い存在なんだけれどね。
さて、京阪電車の門真市から、京橋まで移動して、JR京橋駅で入鋏。
これから、一気に西へ向いて進もうと思うので、京橋駅の立ち食いそばで、カレー蕎麦を食べる。
今日は、姫路でも、まねきの駅そばは、パスしよう。
大阪駅まで移動。
08時00分発、播州赤穂行きの新快速に乗り込む。
土曜日とあってか、満席であったが、何故か4人掛けのシートに1人分だけが空いていたので座ることが出来た。
ただ、やっぱり狭いので、身体を斜めにしなきゃいけなくて、降りることには、身体が痛くなってきた。
相生駅で乗り換え。
09時32分発、相生駅発、岡山行き。ここは、満席で座れず。
10時38分、岡山駅着。
この辺りまで移動する間に、ネットで広島方面の観光地などを検索していた。
すると、福山から行けるところにパワースポットがあるという。
皇室の方も、よく訪れるそうだ。
ということは、何か理由があるのだろう。
或いは、本当にパワーに満ちている場所なのか。
そこは、福山にある仙酔島という小さな島だ。
その仙酔島に渡る船の発着所付近も、映画の撮影に使われるなど、雰囲気のあるところらしい。
とにかく、行ったことが無い場所なのであります。
ということで、福山で途中下車することにした。
10時49分、岡山駅発。山陽本線、糸崎行き。
岡山駅で、駅弁でも買ってホームで食べるかと思ったが、値段を見て止める。
ホームに立つと、スゴイ人の列で、これはもう、座るのは無理だなと観念して、ゆっくり乗り込んだら、4人掛けシートに空席があったので座った。
凡の前も、横も、礼儀正しい女の子で、横の子も、ダウンの裾を脚の下に巻き込んで座るような気を遣う子で、4人掛けシートであっても快適だ。
何より、女の子であることが、嬉しい。
いや、ここでの嬉しいという感想は、女の子だから、座るスペースがゆったりとして嬉しいという意味で、別段イヤラシイ意味で言っている訳じゃありません。
凡の通路を隔てた斜め前に、大阪からずっと同じ車両に乗り合わせてしまう女の子が座っている。
まだ新しいソフトケースに入ったエレキギターを持っている。
ギターを持って、大阪から、岡山を越えて移動するのは、どこかで発表会でもあるのだろうか。
学生時代のみゆきさんも、こんな風にコンクールを渡り歩いたんだろうかね。
それにしても、この子も可愛いじゃない。
何となく、嬉しい。
とそんなハシタナイ気持ちで、車内を見ていると、目の前の女の子は、20歳ぐらいだろうか、黒いダウンコートを着ていて、アイパッドにピンクのイヤホンで音楽を聴いている。
横に置いたキャリーケースには、KIXのシールが貼られている。
どこか海外旅行でも行ってきたのだろうか。
それにしても、大阪に住んでいると感じないけれども、地方だと、海外旅行から帰って来ても在来線に長い時間揺られて帰らなきゃいけないんだなと、それは疲れるだろうなと思っていたら、あることに気が付いた。
女の子は、肩より少し長めの髪を、真ん中で分けて、マスクを付けていた。
その髪のイメージと、口元は分からないが、目元あたりは、どことなくだけれど、みゆきさんに似ているじゃないか。
勿論、今のみゆきさんのイメージじゃなくて、コンクールで時代を歌って賞を取った時のみゆきさんのイメージだ。
それだけのことで、何故か、気持ちがホンワカと温かくなった。
右手の人差し指には、ダイヤの立て爪の指輪をして、真新しい黒いスニーカーを履いている。
案外、エエシの家の女の子なのかもしれない。
それにしても、今時の若い女の子が立て爪の指輪をしているなんて、珍しいね。
或いは、母親からのプレゼントとかね。
ということは、やっぱりお金持ちのお嬢様なのかもしれないね。
周りにいる青年たちよ。
どうして、こんなに可愛くて、礼儀の正しい女の子に気が付かないんだ。
しかも、お金持ちである可能性だってあるんだぞ。
いや、この際、お金持ちかどうかは、どうだっていい。、
みゆきさんに似た女の子が、ここにいるんだよ。
どうして、気が付かないよの。
どうして、声を掛けないのよ。
それなら、いっそのこと凡が声を掛けちゃいますよ。
と、思ったら、轟沈する凡の姿が、目の前に見えた。
予知能力か。
しかも、かなり信ぴょう性のある予知能力のようではある。
と、そんな妄想をしていたら、倉敷駅に到着。
ここで、乗客がドッと降りた。

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んでもって、11時48分、福山駅着。
福山駅は、最近の複合施設的な流行りの駅舎で、思ったより福山は都会なのかもしれないと思う。
観光案内所で仙酔島へのバスを聞くと、もうすぐに発車するようなので、急いでコインロッカーにキャリーケースを預けて、バスに乗り込む。
福山駅から、仙酔島への舟が出ている鞆港へバスで移動。
この鞆港あたりは、鞆の浦(とものうら)と言って、瀬戸内海に面した風光明媚な場所で、船の風待ちの港として、昔から栄えたとのことで、古くからの街並みが今も残っていて、何とも懐かしい街なのであります。
到着すると、混んでいることもなく、ただ、歩いていると観光の人らしき人に、ちょこちょこ出会うというぐらいで、そんな雰囲気も良い。
さて、これから行こうと思う仙酔島にもレストランなどがあるのかもしれない。
国民宿舎などもあるので、そこで食べることが出来るのかもしれない。
とはいうものの、そこまで調べてはいないし、船の時間まで少しある。
なので、この鞆の浦で何か食べようかと思う。
船の発着所から、ぶらぶら歩いていると、地元の鯛の煮つけの定食屋、そんな類のものを食べさせるお店もあって、ただ、ちょっと値段も張るようなので、とはいうものの、旅に出たら、これぐらいは覚悟をしなければいけないかとも思えるしなどと、悩みつつ歩いていると、ホテルの玄関で女性が、もうお昼は食べたかというようなことを聞いてきた。
バイキングのランチで、良かったらどうですかという。
値段を聞いたら、税込み1350円なので、それならとお願いすることにした。

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鞆シーサイドホテルの2階にあるバイキングレストランよもぎの里さん。
エレベーターを上がるとすぐに、レストランがある。
結構広いスペースの向こう側に低いステージがあって、2人の和装のご婦人が、お琴を弾いている。
何とも正月の雰囲気が嬉しいのだけれど、周りを見渡すまでもなく、お客は凡1人だけだ。
貸し切り状態。

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海に面したところは1面のガラス張りになっていて、これから行こうと思っている仙酔島や、その手前にある弁天島が、ほんのすぐそこに見える。
なんとも贅沢だ。
さて、それじゃ、早速料理を取りに行くことにしよう。
テーブルに並べられた料理を見ると、まだ数人しか料理を取り分けていない感じが見て取れる。
本当に、1人締めじゃないかと嬉しくなって、1つひとつ見て回ると、意外にも手作り感のあるものばかりだ。
グラタンだって、具材がゴロゴロ入っているし、その他の料理も、いかにも手作りしたのが分かるのである。

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ホテルのバイキングに入って、業務用の食材ばかりだと興醒めしてしまうけれども、ここは、正解だ。
味噌汁だって、ただ麩やわかめの半生なのがお椀に入れてあって、そこに具の無い汁を注ぐというのじゃなくて、ちゃんと味噌汁の中に大根などの具材が入っている。

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ふと見ると、牡蠣を蒸しているカゴがある。
普通なら、遠慮して2、3個しか取れないとところなのだけれど、何しろ凡1人なのだから、いくら取っても大丈夫だろう。
ということで、お皿に山盛り取って、また後で、さらに山盛りを取って食べた。
少し小振りではあるけれども、贅沢をした気分である。
最後の1個の牡蠣の殻を開けたら、小さな蟹が親子で入っていた。
何か、またオマケを貰ったような。

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これならビールは、1杯は仕方がないだろう。
そんな時間が楽しかったので、予定していた船を1本遅らせることにする。
もうそろそろ、行こうかと思っていると、中年の女性の4人組が入って来た。
そろそろ、仙酔島へ行きましょうか。
レストランを出る時に、このバイキングは、毎日やっているのかを聞いたら、団体が入っている時以外は、やっているという。
でも、これでやっていけるのだろうかと、少し心配になった。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    今度は広島へ行かれたんですね
    福山は行った事ありません
    と言うか、手前の岡山県の倉敷も無いんです
    いつかは行きたいと思っています
    ところでランチバイキング1350円は嬉しいですね~
    殻付の牡蠣もあって、しかもほぼ独り占めのような感じですね
    でも広い会場に1人ってのは、微妙な気もしなくもないですよね
    あさりご飯かな?それと具だくさんの味噌汁も嬉しいですね!

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    広島は、何度も行ったことがあるのですが、新しい場所が思いつかないまま出発したら、結局、広島になりました。ゆけむりさんの乗られたクルーズも思い出しましたが、寒そうなのでパスしました。実は、奥さんも、私が広島にいると聞いたら、そのクルーズに乗ったらと、押してきましたよ。以前に、乗って、楽しかったと言ってました。
    岡山は、あまり観光するところは少ないかもしれません。倉敷は、若い女の子には人気ですけどね。
    んでもって、バイキングは、高級なものは無かったですが、家庭的な料理も多く、それがかえって気に入りました。でも、あの人数を考えたら、いつまで続くかなとそれが心配です。

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