平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

創作劇場は、ここをクリックしてください。⇒⇒⇒

散散歩歩。(904)青春18きっぷ、UFOに出会う北陸旅。(2)

12月19日(水曜日)、青春18きっぷの旅であります。
富山駅に着いたら、路面電車で、ダイワロイネットホテル富山に向かう。
荒川駅で降りると、目の前にホテルがあった。
今日の、電車の中で予約を入れたのだけれど、1泊2日で、税込み5200円。
部屋に入ると、まずは、広いなと思った。
18平米ある。しかも、ベッドは、140センチ幅で、シーツもデュベスタイルで快適だ。
タイムセールで安くなっていたので、これは値打ちだったかもしれない。

画像

ただ、セールなので、階数はフロントの上の3階のエレベーター前、低層階なので、窓はすりガラスになっていて、外の景色は見えない。
とはいうものの、そこはたぶん酔っぱらって寝るだけだから、問題はない。
さて、夜のご飯に行きましょう。
フロントで飲食店の地図を貰ったけれど、店の特徴が書いていないので、ほとんど役に立たない。
ホテルの値引きチケットを持って出かける。
富山の繁華街らしい総曲輪(そうがわ)通りあたりを歩いてみる。
他の場所よりも飲食店は多いけれども、やはり地方都市クラスの規模である。
商店街は、夜は閑散としていた。
あたりをグルグルと歩き回るけれども、なかなか店を見つけられない。
そんな中で、ここは良いかもしれないなと思った店に入って見ると、凡が店内に入っても、誰も気が付かないのか、無視である。
立っていても声も掛けて貰えないので店を出た。
さあ、それからが大変だ。
またもや夕食難民となってしまう。
ネオン街である桜木町辺りも歩いてみるが、スナックなどのお店ばかりで、飲食のお店はどうも少ない。
それから、またもや、少し離れたエリアにも歩いて行ってはみたが、さらに飲食店は少なくなる。
仕方がないので、最初の総曲輪へ戻って、こんどはホテルの値引きチケットを頼りに店に行ってみたら、定休日だった。
1時間ぐらい歩き回っただろうか。
もうピザでも食うかと、やけになっていたら、居酒屋があった。
ガラスになっているところから中を覗くと、混んではいるが、奥の席が空いていそうだ。
値段も、高くはなさそうに見える。
ここで良いかと中に入って、奥から3番目の席に座る。
「丸一」さん。

画像

まずは、生ビール。
料理を尋ねられて、刺身を食べたいけれどと、富山の魚の相談をしたかったのだけれど、迷っている凡を見て、盛り合わせにしますかと、やや冷たく言われる。
歓迎されていないのだろうかと感じた。
まずは、それで飲み始める。

画像

客を見ると、みんな常連客のようだ。
寂しいかな、若い女の子などは、ゼロだ。
富山での、若い女の子との出会いは、諦めるか。
まあ、仕方がない。
カウンターの中を見ると、大きな冷ケースがあって、魚が並べられている。
ひょっとして、海の幸などの食材にこだわりのあるお店なのだろうかと、少し期待も膨らんでくる。
富山の名物は、白エビらしい。
他のお店の看板を見ても、オススメらしいが、値段がかなり高い。
ふと見ると、白エビの唐揚げというのがあって、700円ぐらいだったか、それを注文。
唐揚げにすると、ただの小エビの唐揚げと言う感じで、特段に変わったものではなかった。
添えられているレモンには、スーパーかどこかのシールが貼られたままだ。

画像
画像

ここらあたりで、お酒に変えたので、牡蠣の松前焼きというのを注文。
昆布の上で牡蠣を焼いている。
ただ、少し小降りだった。
料理は、まあ、悪くはないと思うのだけれど、少し気になるのは、調理をする男性の3人が、みんなお酒を飲んでいることだ。
お酒を飲んで料理を作るということの是非については、どうなんだろう。
酔っぱらって、作る気力が弱くなることは間違いがないだろう。
ただ、地方の居酒屋にとって、お客に勧められたお酒を飲むと言う事も、ある意味、集客の手段であって、そんなコミュニケーションは必要なのだろう。
この店にあっては、みんな地元のお客だろうから、そのお客が嫌だと思っていないのであれば、旅で立ち寄った凡が、それについて注文を付ける資格もない。
周りの繁華街の雰囲気を見たら、多少、同情する気持ちも湧いてくるのである。
まあ、それは良いとして、店主らしき人が、くしゃみをしだした。
10連発ぐらいやっただろうか。
調理人がくしゃみをするときに、調理をする手で口を押えることが、嫌だという人もいるだろう。
凡も嫌だ。
だから、そのまま、口を押えずにやった方が良いとも考えられる。
ただ、その際は、姿勢を低くして、或いは、座ってやって欲しいのだ。
店主がくしゃみをする度に、その前の、まな板や、食器に、唾が掛かってやしないかと、ひやひやして見ていた。
今は、まな板に唾が残っているかもしれないから、まな板で調理をする料理は止めておこうとか、刺身類を注文したら、あの鉢が使われそうだから、刺身は注文しないでおこうとか、そんなことを思って、店主のくしゃみをするときの方向を、必死で観察していた。
疲れる。
くしゃみがやっと終わったかと思ったら、冷ケースの横の椅子に座ってしまった。
酔っぱらって立つのがしんどくなったのか。
年齢も、70歳は越えているのかな。

画像

冷ケースの中を見ると、蟹の甲羅に、蟹の足のむき身を盛った料理が見える。
北陸と言えば、今の時期、蟹だ。
見た目は、美味しそうに見える。
店員に、あの蟹は、何という蟹かと尋ねたら、ズワイガニだという。
ズワイガニにしては、やや小ぶりだ。
実に、美味そうなので、いくらぐらいするのかを聞いたら、4000円だという。
すぐに、「ああ、そうですか。」と諦めた。
これが、高級なお店での4000円なら、酔っぱらっている場合、注文したかもしれない。
実に美味しそうであるからだ。
酔っぱらって理性を失ったら、それぐらいのことはやりかねない。
奥さんも横にいないしね。
でも、今居るお店は、どちらかというと、庶民的なお店である。
庶民的なお店の4000円は、これは、余程の事が無い限り、注文はしないだろう。
しかも、店主がクシャミで、酔っぱらってもいる。
ここでは、理性は、まだまだ健在なのであります。
さあ、これ以上の長居はしなくてもよいかと思っていたら、店主が凡の2つ隣の席に来て、「ここに座っても良いですか。」と聞いた。
話を聞くと、毎日、朝、昼、晩と、1日にしたら、5合から1升ぐらい飲んでいるという。
凡が、びっくりして「肝臓大丈夫ですか。」と聞いたら、大丈夫だという。
とはいうものの、まあ、年齢もあるのだろう、酔っぱらって、フラフラ状態で、晩御飯代わりのおでんと、これまた日本酒1合を目の前に置いている。
昔は、この辺りも賑わっていたという。
富山も、外国人が増えたとかね、でも金髪の人は、お金を使わないとか。
そんな話をしているうちに、やっぱり、お店をやっていくのも大変なんだろうなと気の毒になった。
話して見ると、そんな嫌な人じゃない。
これなら、もう少し話をしながら飲むのも良いかと思ったが、理性が働いて、お勘定をしてもらうことにした。
4500円ぐらいだった。
さて、まだこのままホテルに帰る気はない。
その為に、お酒も控えめに飲んだ。
一応、ホテルの周辺で飲んだので、気持ちは納得したので、今度は、駅前に移動しようと思う。
考えているお店があるのだ。
焼き鳥の「秋吉」さんだ。
秋吉さんといえば、福井が本店だ。
始めの予定では、帰路は富山を早い時間に出発して、福井で途中下車して、秋吉さんに行こうと考えていた。
でも、富山に来て、富山の薬売りのことを思い出した。
凡は、薬が大好きだ。
これは、少し時間を作りたい。
なら、富山の秋吉で、良いじゃないかということになったのである。
それなら、最初から秋吉に行けば良いじゃないかと思われるだろうけれど、1軒目はホテルの近くで、富山の名物を食べてみたかったのであります。
さて、秋吉さんだ。
総曲輪店は、お休みだったので、富山の駅前のお店に、路面電車で移動した。
ビルの1階の奥にある秋吉さんに入ると、奥のカウンターに案内される。
まずは、ビールだ。
メニューをみると、「純けい」とあって、聞きなれない名前だったので聞いたら、1度玉子を生んだことのある鶏だそうだ。噛むほどに旨味が出るという。
なので、それを1つと、若とり、ねぎまなどを注文。
目の前では、炎を上げて串が焼かれている。
期待も膨らむ。

画像
画像

このお店の良いところは、まず串が、5本がセットになっているところだ。
焼き鳥は、食べた串を何本も筒に突き刺していくのが楽しい。
それに、1本当たりの単価を考えると、他のお店よりも断然安い。
これが食べ進むうちに、嬉しくなる要素でもある。
安心して、何本も食べることが出来る。
それと、もう1つは、サーブされるまでの時間が早い。
行った時間にもよるのかもしれないが、これは、食べたいなと思ったら、すぐに食べられるので、ペース配分もしやすい。
締めの焼き丼を食べていたら、ちょっと離れたカウンターに、20代の女の子2人が座った。
どこかで飲み食いした後の、最後に立ち寄ったって感じか。
焼き鳥屋で、焼き鳥を注文しないで、ビールも飲まないで、ソフトドリンクのようなもので乾杯をしていた。
あのねえ。
それ、良いかもだよ。
そんなことを、何の躊躇もしないでやれるんだ。
その自由さが、羨ましい。
凡には、出来ない芸当だ。
というか、若くて可愛い女の子だから、そう思えたのかもしれないが。
とはいうものの、その女の事の席は、話すには遠すぎて、やっぱりここでも、女の子との縁は無かったと諦めて、ちょうどラストオーダーを聞きに回って来たので、お店を出ることにした。
ビール1本と、お酒2本、それと焼き鳥いくつかで、4320円。
なかなか、美味しかったし、楽しかったな。
念願の秋吉も行くことが出来たので、そのまま路面電車で、ホテルまで戻る。
ダイワロイネットホテル富山は、なかなか快適で、それにお酒の力も手伝って、寝るのが苦手な凡にしてみれば、意外にも、すぐに眠りにつくことが出来たのであります。

画像

=========================================
平 凡蔵。へのファンレターや
       お褒めの言葉は
sansanpopo@tairabonzou.jp
=========================================

コメント

  1. ゆけむり より:

    富山はなかなか良いお店は見つかりませんよね
    だって閑散としているから、入るのに躊躇しますよね
    桜木町辺りは寂れた飲み屋街ですもんね
    でもまぁまぁ良さげな居酒屋を見つけましたね
    でも作り手が皆酒を飲んでいるってのは微妙ですよね
    秋吉に行かれたんですね
    自分も同じ店に2回行きましたよ
    リーズナブルだし美味しいですよね!
    なんか懐かしいなぁ~
    富山もまた行きたくなってきましたよ・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    富山の夜もまた、旅をする人にとっては、魅力的な街ですね。
    ただ、やっぱり居酒屋の人と話をすると、昔の賑わいは、年々無くなっていくようです。
    居酒屋は、何とも微妙で、良いと言えば良いし、もひとつと言えばもひとつ。
    作り手の飲酒は、お店が潰れてしまうよりは、やった方が良いのかもしれませんんが、これが、大阪とかの話なら、嫌ですよね。
    秋吉は、ゆけむりさんのブログでも書かれていたので、気になっていたんです。本当なら、福井のお店に行きたかったのですが、まあ同じ北陸ということで、富山で行きました。安いし、早いし、ちょうど良い感じが気に入りました。
    富山は、また行きたい街になりましたよ。

タイトルとURLをコピーしました