平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(888)青春18きっぷ・2枚目3枚目・新宮の旅(2)

8月10日(土曜日・祝日)
紀伊田辺駅で降りて、お得感たっぷりな昼食を頂いたら、まだ少しだけ時間がある
商店街を抜けて、ぶらぶら歩いて闘鶏神社に行く。

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闘鶏神社なんて、珍しい名前だなと思うのだけれど、これは平家物語の壇ノ浦の戦いで、源氏と平家の両方から援軍を頼まれた熊野水軍が、弁慶の父親に、どちらに見方したらよいかを、ニワトリを戦わせて占ったということによるものらしいです。
それよりも、凡が惹かれたのは、ここには熊野三山の神様も勧請されていて、ここにお参りすることで、熊野三山にお参りしたことに替えることができる神社だと言う事です。
地元では、権現さんと呼ばれているそうです。
これは、お得じゃないですか。
ここにお参りすることで、3カ所にお参りすることに替えることになるのですから。
闘鶏神社は、街の中にある地元に溶け込んだ神社という感じで、観光客らしい人は、というか、凡が行った時は、人はいなかった。
拝殿から、お参りしたが、玉垣の中も見たかったなあ。
さて、駅に向かって引き返す。
途中で、「鈴屋」さんという和菓子屋さんがあったので、名物のデラックスケーキを購入。
デラックスケーキは、大阪のデパートで買ったことがあって、それがこの紀伊田辺のお店だったとは、店の前を通って思い出した。
1口サイズにカットされたカステラにジャムが挟んであって、まわりをホワイトチョコでコーティングしてある。
ケーキが美味しいというのもあるけれど、1個ずつ包装してある銀色の紙と、そこに書かれたデラックスケーキの文字が雰囲気抜群なんだなあ。
1個だけ分けて貰って電車の中で食べる。

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13時17分、紀伊田辺駅発。新宮行き。
座席は、ほぼ埋まっている感じで、立っている人も多い。
ふと見ると、凡のシートの延長線上のドアの近くには、ホットパンツのお姉さんや、今まで泳いでましたよってな感じの、ただコットンのワンピースを引っかけただけのお姉さんがいる。
今日の大阪から紀伊田辺までの路線には、乗っていなかった人種である。
この辺りは、白浜が近いので、海水浴や観光に来た女の子なのだろう。
しかも若くて可愛いものだから、ついつい見てしまうのは仕方がない。
ただ、凡のシートの並びのドアの前にいるので、凡の首は90度に曲げなきゃいけない。
電車に乗ったら、首を90度横にひねっている中年男性がいたなら、これは気持ち悪いだろう。
なので、なにげなく反対側を見たりして、また90度曲げる。
またもって、反対方向を見て、また90度曲げる。
そんでもって、この90度首を曲げた時が肝心だ。
女の子を見てますよってな感じでは、いくらカモフラージュで反対方向を見たとしても、これは気づかれてしまう。
なので、90度曲げる時は、お姉さんを通り越して、詰まりは90度以上首をひねって、電車の窓から風景を見てますよってな、演技がいる訳なのです。
かなりの首への負担は覚悟しなきゃいけない。
「ええい、首なんか、折れたって良い!」と覚悟をしたら、白浜駅で女の子は降りていった。
凡は、置き去りにされた覚悟を、こそこそとカバンにしまって前を向いた。
車窓を流れる和歌山の風景が、なんとも穏やかだった。
と思っていると、凡の左隣に座っている女子高生が、コクリコクリと舟をこぎだしたではないか。
しかも、凡の方に向かってコクリとくる。
その揺れがだんだん大きくなって、やがて凡の肩にコツリコツリと当たりだしたではないか。
女子高生の頭蓋骨が凡の肩の骨に、意外にも痛さを感じるぐらいに当たるのだけれど、女子高生は起きない。
とはいうものの、凡も悪い気はしないのだ。
むしろ、女子高生の頭蓋骨の骨の硬さに若さを感じた。
すると、こんどは、凡の右隣の女子高生が、これまたコクリコクリときたではないか。
しかも、凡の方に向かってコクリとくる。
ただ、右隣の女子高生と凡の間には、1人分のスペースがあったので、凡の肩には当たらない。
なのだけれど、今日の1日が、何とも嬉しい日となったのであります。
んでもって、凡のスケベ心を再認識した次第でございます。
いや、スケベ心と書いては見たものの、凡は何もしてはいないのでありまして、ただ、妄想の内にのみ、これから起こるであろうドラマのシーンを思い描いただけなのであります。
ただ、そんな女子高生も、やがて途中の駅で降りて行って、凡はまたしても車窓の風景にこころを遊ばせることにしたのでございます。
だって、鉄道の旅だもんね。
と思っていると、目の前に三世代6人組の家族が乗り込んで来て、その中のおじいさんが凡の斜め前に座った。
クーラーの風を受けて、気持ちよさそうに目を閉じる。
すると、少し眠りに入ったのか、口がぽかりと開いた。
総入れ歯の下の歯がガバリと見える。
本人は、こんな瞬間が、1番気持ちが良いんだよね。
見ていると、だんだん身体が横に傾いてくる。
それに合わせて、重力によって顎がダラーンと更に下がる。
そして、ズルズルと身体がシートからズレていって、滑り落ちそうだ。
それを孫らしき10代の女の子が写メを嬉しそうに撮っている。
仲の良い素敵な家族だなと思う。
凡は、そんな光景を見るともなしに見ていたが、しばらくして、ふとおじいさんを見ると、孫から貰ったであろうポッキーを、シートにちょこんと座って、食べていた。
紀勢本線は、和歌山の海岸沿いを走っていくのだけれど、串本あたりになると、時に海岸スレスレのところを走ったりするので、これがまた楽しい。

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(車窓から)

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(ほんとに、これが正解なのかなと思う。)
気が付くと、新宮駅に着いていた。
15時56分。
新宮駅は、良いですね。
まだ、水飲み場、兼洗面場が、ホームに残っている。
しかも、到着したホームと、改札のあるホームにもあって、凡は、そこで顔を洗って、今日の旅の疲れを癒した。
この水飲み場を、どうか残してほしいものである。

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(降りたホームにあった水飲み場)

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(出入口のホームに会った水飲み場)

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(改札の横にあるお見送りやお迎えをするための場所。こんなのあるんだ。)

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コメント

  1. ゆけむり より:

    凡蔵さん、ホットパンツのお姉さんや、今まで泳いでましたよってな感じの、ただコットンのワンピースを引っかけただけのお姉さんが居ましたか?
    想像するだけでなんとなく嬉しくなりますね
    更に両隣の女子高生
    こんな時もちょっとドキッとしますよね
    更にコックリコックリと肩に当たってきましたか?
    ちょこっと嬉しいですが、こんな女子高生は目を覚ますと何事も無かったように無言で降りちゃうんですよね・・・
    あっ、ゴメンナサイとか言えば可愛いけど、知らんぷりして降りるからちょっと微妙ですよね
    和歌山の海岸線を走り、車窓を楽しめるこの路線はなかなか素敵ですね
    自分は和歌山は一度も行った事無いのでいつか行ってみたいです・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    紀勢本線も、楽しいですよ。ただ、1度乗ったら、最後まで乗らないと、1本の線なので、帰ることができなくなります。
    でも、特急を使えば、問題ないですけれどね。
    んでもって、こんな若い子が乗っているのは、白浜近くの、しかも夏だけですよ。
    白浜を過ぎたら、急に普通の電車になってしまいます。

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