平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
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散散歩歩。(887)青春18きっぷ・2枚目3枚目・新宮の旅(1)

青春18きっぷの旅の魅力は、やっぱり旅先で宿泊することで、さらにアップする。
偶然にも、連休が取れたので、これは行かなきゃということなのであります。
8月10日(土曜日)。
祝日と、日曜日の連休なので、今まで、あまり経験がないけれど、電車やホテルなども混んでいるのだろうか。
さて、今回は、出発する前に、予め何処へ行こうか決めていた。
目的地は、新宮市だ。
新宮市に行こうと思ったのは、今まで敬遠していた紀勢本線に乗ってみようと思ったからだ。
青春18きっぷを使って旅に出る場合、途中下車は勿論だけれど、「あっ、やっぱり、こっちに行ってみよう。」と急に行き先を変更しても良いところが、このきっぷの醍醐味だ。
そして、案外、変更した場所で楽しいことが待っていることも多い。
なので、どうしても、東海道線や、山陽本線に乗ってしまうことになる。
山陽本線で言うと、線路の分岐点が、尼崎、姫路、岡山、倉敷と、いくつもあって、乗っている間に、いろいろ目的地に思いを巡らせることが出来る。
しかも、大きな駅が多いので、途中下車しても、ランチのお店も多いし、散策するにも楽しい。
それに比べて、紀勢本線は、和歌山県の海沿いを、ずっと分岐することなく走っているので、1度乗ってしまったら、途中で引き返すか、ずっと乗り続けて、和歌山の海っぺりを、1周して関西本線に接するまで乗っていなきゃいけないのである。
なので、今まで、どちらかというと敬遠してきたのだ。
でも、これもいつかは乗らなきゃいけないので、今回の初挑戦となったのであります。
んでもって、8月10日の土曜日であり、祝日。
自宅を6時に出発。
京橋駅で、青春18きっぷにスタンプを押してもらう。
環状線で天王寺駅まで移動。
07時14分、天王寺駅発。紀州路快速 和歌山行き。
関空で働く人たちなのか、始めは結構混んでいたが、関空行きと和歌山行きで分かれるところで、半分以上の人が降りて行く。
08時17分、和歌山駅着。
さて、ここで23分の時間がある。
朝食にハンバーガーでも食べようかと思っていたが、トイレに行ったりしてモタモタしている間に、時間を使ってしまって、結局、駅の売店で駅弁を購入。
ただ、子供の頃に食べた記憶のある「小鯛の雀寿司」だったので、家族で行った旅行で父親が言った「和歌山へ来たら、この弁当がオススメだ。」という、何故か覚えている1フレーズを思い出しながら、車内で食べる。
父親は、今どうしているのかなあ。
あの世というものがあるのなら、そこで楽しくやっているのだろうか。
それなら、良いのだけれど。
もう、実体がなくなってしまって、ゼロになってしまっているのだったら、それもまた、苦しんではいないということで、良いのかもしれないが、少しばかり寂しくもある。
人生って、短いね。

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08時40分、和歌山駅発。
09時29分、湯浅駅着。
ここで70分の時間があるので、ちょっと散策。
駅周辺は、田舎の駅という感じで、駅前食堂や駅前そばもない。

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近くにあった湯浅町観光協会に入って、1時間ぐらいで行ける観光場所を尋ねたら、古い街並みが残るエリアがあって、醤油の蔵元もあると教えてもらう。
凡が行ったのは、土曜日で祝日なのだけれど、観光客らしき人は、2、3人だろうか。
古い街並みといっても、江戸時代の城下町などというようなガッチリしたものじゃなくて、どこか懐かしい昭和チックな街という感じなので、のんびりと歩くには良い。

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(古い街並み周辺)
それで、観光案内所でお聞きした「角長」さんという醤油の蔵に行ってみる。
醸造の建物が主で、お店に当たる部分は、6畳ぐらいしかない。
観光客相手に、いろいろ売りつけようと言う品揃えでもないし、その点、ある意味好感が持てる。
とはいうものの、凡がお店に入った時は、雑誌か何かの取材で、店主が、取材相手の綺麗なお姉さんの対応に夢中で、凡が入っても、何の反応もなかった。
それに、撮影をしている横で、ゆっくり商品を見ている感じでもなかったので、すぐにお店を出る。
すると、横道から来たお年寄りの男性が運転する軽自動車が、ハンドルを切り損ねて角長さんの壁に、ドンとぶつかった。
ぶつかった車のお年寄りを見ると、車内からぶつかったところを見ている。
んでもって、別に慌てる様子もなく、のんびりと、またハンドルを切り直して去って行った。
当てられた角長さんは、たぶんドンという音が聞こえているはずなんだけれど、誰も出てはこない。
或いは、取材の綺麗なお姉さんの対応に夢中なのかもしれない。
或いは、日常茶飯事の事のなのだろうか。
軽自動車が去って行った後を見ると、壁の手前の、ちょうど当たりそうなところに太い鉄のパイプで、柵が拵えてあった。
いつも、誰かに当てられるんだろうね。
ひょっとしたら、いつもあのおじいさんがぶつけているのかもしれないな。

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(ちょうど当たりそうなところにピンポイントで鉄の柵が作られている)
それにしても、この湯浅で車を運転するところを見ていると、全く以って、急いで運転している様子がない。
のんびり、のんびり車を動かしている。
高齢者が多いのかもしれないが、車が鉢合わせになっても、じっとお互いに待っていたりする。
ここならペーパードライバーの凡でも運転できそうだ。
さて、それほど時間もないので、駅にブラブラ戻ろう。
街を歩いていると、醤油の香が漂って来る。
駅周辺に戻って、フルーツを売るお店があったので、ジェラートを頂く。
人気NO1と書かれていた黒潮マンゴー200円。フルーツ100%だそうだ。
さっぱりと、美味しかったです。

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(ジェラートのフルーツ屋さん)

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10時40分、湯浅駅発。
10時58分、御坊駅着。

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11時03分、御坊駅発。
11時51分、紀伊田辺駅着。

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(駅前の商店街あたり)
ここで1時間ちょっとあるので、お昼ごはんにしようと思う。
紀伊田辺の駅周辺は、お店も多く、賑わっている。
電車の中で調べた、ランチもやっているという「とっくり」さんというお店を探して、昼間はひっそりとした紀伊田辺の繁華街あたりを歩く。
お店の前まで来たら、閉まっていた。
仕方がないので、その周辺を歩いていると、何となくボリュームのあるランチを食べさせそうなお店があったので、入ることにした。
既に、地元の人らしき男性2人が日替わり定食のようなものを食べていた。
中々美味しそうである。

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スタッフは、店主と思しき男性と厨房は2人ぐらいが担当していたかな。
配膳の若い女性のスタッフは2人いて、白いシャツに黒のパンツ、前はエンジの短いエプロンの制服を着ている。
可愛い。
まあ、それは良い。
この制服の感じから推測しても、夜はちょっと手の込んだ料理を食べさせるのだろう。
こういう場合、可愛くて若い女の子が、テーブルに来た時に、和歌山弁を使っていたりしたら、もう凡は、もうメロメロだ。
「この小鉢は、厚揚げに豚肉を巻いて、焼いちゃーんのよう。」
なんてね、言われたら、もうやられてしまう。
キャリーケースを持った凡を見たら、女の子は訊くだろうね。
「おまん、どこから、来ちゃーるの?」
初対面の人に、そして若い女性が、おまんという言葉を使うかどうかは分からないが、言われて悪い気はしない。
女の子は、看護学校に通う20歳過ぎで、学費を稼ぐために、ここでアルバイトをしているんだ。
はにかみながら、凡を見つめる。
凡がすぐに返事をしないものだから、お盆を指先でコツコツなんて叩いて、無意味な行動をしてしまうね。
それを見て、可笑しくなって凡は答える。
「大阪からだよ。これから新宮に行くんだ。」
そう聞いたら、女の子は急に表情が明るくなって、何かを言いたげだ。
幼いころに亡くなった父親が新宮出身で、でも、物心ついてからは訪れたことがなくって、もう1度行ってみたいなと思っていたところだ。
ということは、詰まりは、ファザコン気味なところのある女の子でもあるかもしれない。
古い父親の写真を見ると、何となく凡に似ているという訳だ。
ファザコン気味だから、別に凡の年齢も気にならないだろう。
「新宮に、美味しいお店でもあったら、ゆっくり地酒でも飲みたいな。」と凡が付け加える。
そう言い付け加えながら、テーブルを指先でコツコツと叩いてみせた。
これは、心理学でいうミラーリングという手法で、相手と同じような行動を真似ることで、無意識の中で、相手とシンクロをして、こころを開かせるというものだ。
いや、なに、凡が女の子を口説こうとしている訳では決してない。
そんでもって、イヤラシイ思いで女の子を見ている訳じゃ、決してない。
勿論、仲良くなることは、拒みはしない。
そんでもって、さらに仲良くなることも、これは、拒みはしないだろう。
でも、イヤラシイ気持ちは、、、、そんなには、抱いていないのである。
すると、女の子は、思いもよらなかったことを凡に言うね。
「いやん、素敵―っ。うちも明日お休みやから、ほな、新宮に連れもて行こらよ。」
これは驚いた。
年は違うと言っても凡は男性だ。
男性と、若い女の子が新宮に行ったら、それはどうなる。
イケナイことになりはしないだろうか。
いや、なにも、そんなことを望んではいる訳じゃない。
しかし、これも縁というものかもしれない。
♪♪縁ある人 万里の道を越えて 引き合うもの~♪♪(中島みゆきさん 「縁」より)
ならば、その縁に身を任せよう。
「いいよ。じゃ、一緒に行こうか。」
でへへへへーっ。
鼻の下ビローーーーン。
紀伊田辺の料理屋のテーブルで、可愛くて若い女の子を遠くから眺めながら、満面の笑みで妄想する凡。
なかなかに、気持ち悪いに違いない。
そんな妄想に酔っていたら、主人らしき男性が、注文した料理を運んできた。
現実は、こんなものか。
しかし、良く店内を見ていると、テーブルに料理を運んでいるのは、この男性だ。
んでもって、厨房は、他の人が料理を作っている。
じゃ、この可愛い女の子2人は、何をしているのだろう。
ただ、立って料理のカウンターの前にいる。
わざわざバイト代を払っているのに、何もしないで立っている。
でも、それについて考えるのはよそう。
可愛い女の子は、ただ、そこにいるというだけで存在価値があるものだ。
ただ、いるだけで良い。
実際、凡は、女の子がいるというだけで、鼻の下ビローーーーンだものね。

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さて、運ばれてきた料理は、「まるた御膳」というお店の名前にちなんだメニューだ。
限定10食と書かれてはいるが、地元の人は、普通の定食を食べているようである。
左右に開く重箱のようなものに、小鉢が納められていて、こんな仕掛けが楽しい。
それに、刺身や、グラタン、鶏のから揚げなどが付いて、食後にはデザートとコーヒーが付く。
これで、1100円は、安いのではないか。
刺身や、その他の1品も、それ自体は少量だ。
刺身も切り身が小さい。
とはいうものの、あれは何というのだろうか、にんじんを薄く切ってカールさせた飾りを施していたり、食べる人を楽しませようという気持ちにあふれている。
これは、夜に来ても、きっと正解のお店だろうなと思った。
何とも、フリで入ったお店で、大満足をして店を出る。
まだ、少しだけ時間があるので、駅周辺を歩いて見ようか。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    なるほど、紀勢本線は和歌山の海っぺりを1周して、関西本線に接っしているんですね
    良いじゃないですか
    海を見ながらのんびり車窓を楽しむなんて
    良いなぁ~、こんな列車の乗って旅してみたいですよ
    小鯛の雀寿司が和歌山名物なんですね、これまた美味しそうですね、いつか絶対食べたいですよ
    人が亡くなるってのは何とも言えませんよね
    まさにこの世から存在が消えちゃうんだから
    自分の父も33年前に亡くなったので、結局一度もお酒を飲んだ事はありませんでした
    旅行はアチコチ連れてってもらったけど、酒を一緒に飲めなかったのが心残りですね
    醤油の蔵で取材と重なりましたか?
    最悪ですよね
    自分も何度か遭遇しましたが、店主は客なんてそっちのけですもんね
    営業時間外に取材すべきですよ
    非常に気分が悪いですよね
    他人の建物にぶつけて知らん顔をして去る老人、これは困りますね
    見た感じ軽なら曲がりきれない狭さではないですよね、こんな事しょっちゅうなんでしょうね
    もし壁じゃなくて人だったらどうするんでしょうかね?もう免許は返上する時期になっている感じですね・・・
    まるた御膳、これは美味しそうですね
    しかもリーズナブルときたら最高ですね!
    これで件のお姉さんが運んできて話し相手になってくれ、そんでもって話がとんとん拍子に進んだらこれまた最高なのにね
    う~ん、なかなか思うようにはいきませんね・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    紀勢本線は、のんびりと乗っているには、楽しい路線です。
    でも、分岐点がないので、乗ったら、もう逃げることが出来ないんですよね。
    でも、時に海とギリギリのところを走ったり、旅をしている雰囲気が良いです。
    ゆけむりさんのお父さんは、ゆけむりさんが成人する前に亡くなられたんですね。
    お酒を一緒に飲めなかったのが心残りということですが、私も、よくドラマでみるように、2人で居酒屋なんてことはしたことがありません。実家では、みんなで飲みましたけれどね。
    でも、ゆけむりさんのお父様も、お酒が一緒に飲めなくても、きっと、日常でのちょっとしたことで、ゆけむりさんとの時間を噛みしめていたのではと、これは想像します。
    んでもって、自動車の老人は、湯浅だから運転で来ているんでしょうね。大阪じゃ、この運転は、無理。
    でも、他の人も、同じような運転なんだろうなと思います。壁の鉄の柵に何度も当たった後がありあましたから。
    それでも、喧嘩にならないところが、田舎のよいところなのかもしれません。
    まるた御膳は、安いですよね。
    ここの名物はこれだ!っていう感じじゃないけれど、楽しませようという気持ちは伝わってきました。

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