平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩(885)青春のうっかり旅(5)

7月16日(月曜日)。
青春18きっぷの使用期間を間違えたまま旅に出た凡のうっかりの2日目であります。
分杭峠の気場で気を感じようとしていたのですが、みんなが揃ってシャトルバスに向かって帰りだしたので、凡も焦ってシャトルバスの乗り場に向かった。
そして、しばらく待ってやってきたバスに乗り込む。
粟沢駐車場に着いたら、12時30分ごろだった。
ここで、「しもたーっ。」と思った。
帰路の長谷循環バスが、次は14時43分までない。
いや、それは始めっから解っていた。
なので、始めの計画では、バス停の1駅をあるいて上村から12時44分のバスに乗ろうとしてたのじゃないのか。
上村のバス停までは、歩いて30分程度だ。
どう考えたって、間に合わない。
分杭峠の沢でブルーシートに座っていた3人組の若くて可愛い女の子の「あーっ。」を聞いていたので、ついつい時間がオーバーしてしまったのだ。
うっかりだ。
またしても、うっかりだ。
もともと気を感じる力なんてないんだから、現場を確認したら、すぐに立ち去るべきだったのだ。
というか、そういう計画だった。
それが、うっかりなのか、若い女の子の悲鳴を、うっとりと聞いていたために、時間配分を間違えてしまったようだ。
またしても、うっかり、なのか、うっとりなのか。
しかし、そういえば駐車場の近くにお店があった。
氷とかかれた看板も記憶がある。
なので、そこへ行ってみようと思う。
「しもたーっ。」
またしても、凡のうっかりだ。
氷ではなく、水だったのだ。
ゼロ磁場の水を売るお店だったのだ。
しかも、水以外は置いていない。
またしても、うっかりだ。

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(お店の見た目も、氷屋さんか、食堂の様に見えたのだけれど。)
仕方なく、駐車場まで戻ったら、チケットを売っている方が、駐車場の下にある沢も気持ちが良いよというので行ってみる。
確かに、気持ちが良い。
水も綺麗で冷たい。
出来ることなら裸になって、浅い川岸で寝っ転びたい。
ただ、直射日光が直撃で、これまた暑くて仕方がない。
なので、そうそうに引き上げて、駐車場のテントの下でバスを待つことにした。
約2時間。
暑いし、何もすることもないし、オマケに携帯も圏外だ。
こんなことなら、気場でゆっくり座っていれば良かった。
うっかりの凡だって、ずっと気場に座っていたなら、パワーも充電できたに違いないのである。

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(駐車場の下の沢)
直射日光の当たらないテントの下でも、暑い。
暑い、暑い。
時計を見ると、5分しか経っていない。
暑い、暑い。
時計を見ると、10分だ。
そんなことの繰り返しで、暑さでグッタリしながら、2時間を待つ。
その間、車で来た人が、次々に帰ってゆく。
やっぱり、ここは電車とバスで来るところじゃないのかもしれない。
待ちに待って、ようやく来た長谷循環バスに凡1人乗り込んで、高遠駅(バス停)まで戻る。
それから、路線バスで伊那市へ移動。
路線バスには、凡以外に、登山をしてきただろう大きなリュックを持った男性が3人乗り込んで来た。
15時35分高遠駅発。
15時58分伊那市着。

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(長谷循環バスからの車窓)
まずは、生涯学習センターに行って、キャリーケースを受け取る。
本当に、感謝でした。
伊那市は、ローメンというのが有名らしいが、お店を探して食べている時間はない。
さあ、これから、どうやって帰るのか。
当初の予定だと高速バスで名古屋へ出る予定だったけれど、もうこの瞬間にバスが発車しそうな時間だし、どこに高速バスの乗り場があるのか、まだ調べていない。
なので、今も出発しそうになっているバスには間に合わない。
それに、次の便じゃ、大阪への接続が不安だ。
ということは、塩尻まで出て、名古屋経由で大阪に帰るしかない。
伊那市駅まで早足で戻ると、16時08分の電車が出発しようとしている。
駅員さんが、そのまま早く電車に乗れというので、駈け込んだら発車した。
電車が3分遅れていたのが幸いしたようだ。
14時42分 辰野駅着。
ここで、伊那市からの切符と、塩尻経由で大阪までの切符と、塩尻から名古屋までの特急券と、名古屋から新大阪までの新幹線の特急券を購入。
もう時間的に、特急と新幹線を組み合わせるしかない。
凡のうっかりのせいで、思わず出費がかさむ。
伊那市から大阪市内までの乗車券 6800円。
塩尻から名古屋までの特急券 1080円。
名古屋から新大阪までの新幹線特急券 3210円。
すると、特急は、満席だという。
仕方なく、自由席を選択。
そんでもって、新幹線も、3席の窓際か、3席の中央の席の、それも数席しか残っていないという。
なので、中央の席を確保した。
こういう場合、詰まり、混んでいる場合、どこの席を確保するのが正解か。
勿論、通路側が開いているなら、迷うことなく通路側だ。
トイレに立ちやすいからだ。
もし、通路側がいっぱいなら、次が迷う。
窓際の利点は、車窓の景色を楽しめるということだろうか。
しかし、のぞみは窓も小さいし、今回のように夜なら、そこに魅力は感じない。
ただ、新幹線ということなら、窓際には、コンセントがある。
今回の様に、アイフォンの電源が減っている場合は、大いに役立つ。
あと、窓際は若干車体に沿って窓の壁が湾曲しているので、やや狭く感じることはある。
中央の席は、両側に人がいるので、人でサンドイッチされているようで、どうにも窮屈だし、ひじ掛けの取り合い合戦になる場合もあるかもしれない。
とはいうものの、中央席の最大の利点は、シート自体が、じゃっかん幅が広い。
のぞみの3席ならんでいる、あの3席は、どれも同じシートだと思っている人もいるだろうけれど、実際凡もそう思っていたが、実は、シートの幅が違うのだ。
中央の席が、やや広く設定されている。
なので、今回は、凡は中央の席を確保したのである。
隣に肥満体の人が来ない限り、意外と楽に座っていられる。
しかも、窓際より、降りる時に気を遣わないで済む。
辰野駅 17時01分発。
塩尻駅 17時22分着。
ここで、30分ほど時間があるので、構外へ出る。
朝食を頂いた後、口にしたのは、ゼロ磁場の気ドラだけなので、何か食べたい。
駅のビルの1階にある喫茶店のようなお店に山賊焼だったか、そんな名前の定食があったのだけれど、混んでいて、30分では間に合いそうにないので諦める。
駅そばはないのかと探すが見つけられず、中2階のようなところに、オシャレなおみせがあったので、とりあえず入ることにした。
しかし、ここも山賊焼が人気のようだけれど、今日はもう材料がなくなってしまったとのことで、これまた仕方なく、駅弁を購入。
ここは、駅弁をテーブル席で頂くことが出来るのだ。
それと、ビール。
本当なら、特急の中でビールと駅弁というのが理想だけれど、何しろ自由席だから、座れない可能性が大だ。
釜飯弁当 860円
ビール 550円。
食べ終わって、改札まで帰ってきたら、そこに駅そばがあった。
見落としていて、またもや、うっかりだ。

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18時03分 特急しなの22号。自由席。
列車が到着して乗り込むと、座るところがないどころか、立つにも通勤電車なみに混んでいる。
デッキの部分に立つ。
こんな時に、アイフォンがあれば、ツイッターをみたり、或いは、みゆきさんの音楽を聴いたりできるのだけれど、アイフォンの電池がもう20パーセント台だ。
こうなるだろうと思っていたので、乾電池の無駄遣いになるけれども、最後の最後に、1、2時間でも車内でアイフォンが使えれば良いという思いで、塩尻の駅で乾電池を買っていた。
フル充電は、無理でも、特急電車と新幹線で、ツイッターぐらい出来れば良い。
早速、電池を入れ替えようと売店の白いビニール袋から取り出したら、「しもたーっ。」。
単3電池を買ったつもりが、1本おまけ付きの謳い文句に気を取られて、単4電池を買ってしまっていた。
またしても、うっかりだ。
そうこうしている間に、バッテリーが10パーセント台になったので、省エネモードに切り替えた。

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それにしても、今日の朝に100パーセントにして、更に電池の充電器も、電池を新しくしたのに、どうしてこんなに減りが早いのか。
というよりも、やっぱり電池式の充電器は、50パーセントぐらいまで充電したらエラーが出る。
もう、こんな役に立たない充電器はいらないと家に帰って捨てた。
こんなことなら、あと1000円か2000円でも支払って、ちゃんとしたバッテリーを買えば良かった。
安物買いの銭失いとは、貧乏人の仕方のない行動ではあるけれども、今回はどうにも悲しい。
特急しなの22号で、立ったまま、何もすることも無く、2時間ぐらいかかったので、少しばかり疲れた。
そしてようやく、20時05分、名古屋に到着。
そのまま、新幹線に乗り換える。
20時13分発 のぞみ123号。
無事、中央の席に座る。
新大阪までは、約50分だ。
なので、車内でビールを飲んだり、駅弁を食べたりするのには、やや忙しすぎる。
とはいうものの、折角の新幹線だから、車内販売が回ってきたときに、アイスを買った。
凡は、車内販売でアイスを食べるのが好きだ。
何か、特別な、非日常な旅をしている気分になるからだ。
昔は、確か、新幹線のアイスは、カネボウだったと思う。
今は、スジャータだ。
どちらにしても、美味しいのには間違いがない。

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そうして、新大阪駅に21時03分に到着。
京都線で大阪へでて、環状線で京橋に移動。
そして、京阪電車で自宅へ帰ってきたのであります。
途中、京橋辺りで何か食べて帰ろうかと思ったけれども、今日に限っては、早く家に帰りたい気持ちが勝っていた。
帰りの京阪電車で財布を開いてみる。
「使ってしまったな。」と呟いた。
凡は、今まで、自由気ままな旅が好きだから、これは旅の上級者に違いないと思っていたのだけれど、今回の旅で、それは間違いだったことに気づかされた。
自由に旅をするのが楽しいのは、青春18きっぷの旅だったからなんだ。
きっぷ1回分で、どこまでも移動できる。
詰まりは、1回分以上のお金の心配がいらないということなんだ。
その条件の下でのみ、凡は自由な旅を楽しむことができたんだ。
今回の様に、その都度、乗車券代や、特急券代が必要になってくると、旅が続けば続くほど、距離が延びれば延びるほど、心細くなってくる。
楽しいと同時に、財布の中身を意識しているのである。
悲しいし、情けない。
とはいうものの、それでも旅は魅力的なものでありまして、それに今回、使用はしなかったけれども、往路の京橋駅で、青春18きっぷを購入したので、この夏は、日帰り旅になるだろうけれど、5日は旅を楽しむことができる。
やっぱり、楽しみだし、嬉しいのであります。
と、まだ行かない旅に、うっかりと、嬉しがってしまったのでありました。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    う~ん、今度はバスの時間を勘違いされましたか
    地方で予定のバスに乗れないと、かなり予定が狂いますよね
    更には特急も指定席が無く自由席、新幹線は3列の真ん中席ですか
    やはり暑さのせいで旅行勘がちょっとズレていたのではないでしょうか?
    それでも行きたい所に行けたのですから、これはこれで良い思い出になったのではないでしょうか?
    未使用の青春18きっぷもある事だし、次回の楽しみもありますしね!
    さて、お次はどこへ行かれるんでしょうか?

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    今回は、思った以上の、それよりもまた、多く出費してしまいました。
    予定もガタガタだしね。
    それでも、行ったことのない場所へ行くことが出来たし、ホテルに泊まって、旅気分を味わえたし、美味しいものも頂けたので、結果、やっぱり、出発点で、家に帰らずに、そのまま旅を続けて良かったなと思っています。
    まだ、きっぷも未使用なので、5回分あります。
    でも、たぶん休みの関係で、日帰りになるだろうな。

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