平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(839)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(290)

12月5日(火曜日)。
中島みゆきさんの夜会工場vol.2の福岡サンパレスでの講演のブログであります。
なを、引き続き、ネタバレの内容を含んでいますので、まだこれから夜会工場vol.2を見に行かれる方は、ご注意くださいませね。
みゆきさんのピンクのパジャマ姿にウットリとした後に、2曲あって、その後に、またもやみゆきさんの登場であります。
舞台中央奥から進み来たのは、古代の衣装を身にまとったみゆきさんだ。
夜会「金環蝕」の「EAST ASIA」。
白と朱の衣のコントラストの緩やかな衣装を身にまとって、祭祀の枝を振りながら、柔らかに踊るみゆきさんは、古代神話の中から出てきたように神秘的で美しい。
DVDで見たウズメが、今舞台の上に降臨したのである。
ある瞬間は、足を軽やかに上げ、ある瞬間は、腕をしなやかに振る。
まさに、現代のウズメだ。
凡は、昨年に八戸の是川遺跡に行ってから、また秋田県の環状列石などを見てから、縄文時代に惹かれている。
或いは、みゆきさんの表現しているのは、縄文時代ではないのかもしれないが、凡は踊っているみゆきさんが、縄文時代の集落にいる巫女に見えて仕方がなかった。

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(去年行った秋田県の大湯環状列石の遺跡)
秋田県鹿角市にある縄文の集落。
広い広場には、何を表すのか環の形に石が並べられている。
男たちは、黒又山から吹き下ろす冷たい風に耐えながら、輪になって巫女の登場を待つ。
自分たちの生活の安全と、豊かな自然の恵みを祈るために集まっているのだ。
静寂に包まれる時間が流れる。
時おり、周りの草ぐさを、強い風が波紋のように音の波をたてながら過ぎ去っていく。
男たちの1人が奇声を発した。
高まる緊張に耐えきれなくなったのだ。
他の男たちも同じ気持ちだった。
そんな空間に、得も言われぬ香水の香りが漂う。
「ああ、ええ匂いや~。何か、ごっつええ匂いや~。」
凡は呟いた。
縄文時代の凡は、縄文時代でもアホなのかもしれない。
男たちが一斉に、その方向を見ると、巫女のみゆきさんが、白と朱の衣をまとって現れた。
「あんな薄着で寒くないのかな。風邪ひいちゃうよ。」
もし、凡がそこにいたなら、そんな愚問を抱いただろう。
やっぱり、古代でも凡はバカである。
そして、男たちの輪の中で、みゆきさんが天に祈るように踊る。
その姿は、神懸っていていて、しかも美しい。
そして、色っぽい。
みゆきさんの美しい脚が、朱色の衣からチラリ。
と、古代に凡がいたなら、色っぽい脚だけを、みゆきさんに見ていたかもしれない。
やっぱり、古代の凡も、これは正しくバカだ。
男たちは、みゆきさんの踊りにウットリと見入ってしまうだろう。
そして、1曲を踊り終わったら、男たちは気が付くのである。
もう、生活の安全も、豊かな自然の恵みも、既に得てしまって、持っていたことを。
そんな感じに、舞台のみゆきさんを重ねて見ていた。
でも、そんな想像は、凡だけの時代考証の間違ったものかもしれない。
しかし、間違っていても、みゆきさんの美しさだけは、これは間違いがない。
そして、みゆきさんが、神秘的で美しいのも、これもまた間違いがない。
そして、そして、みゆきさんが、色っぽいのも、間違いがないのではあると思うのであります。
みゆきさんの歌が終わると、「船を出すのなら九月」「南三条」そして、羊の言葉のインストがあって、またお待ちかねのみゆきさんの登場だ。
「愛から遠く離れて」
病院のベッドに横たわるみゆきさん。
ずっと客席に背を向けている。
そして、起き上がったと思ったら、病院の寝間着の浴衣姿だ。
もう、ダメだ。
もし、みゆきさんが、何かの病気になって入院でもしてさ、浴衣姿でいたなら、どうだ。
抱きしめずにはいられないじゃないか。
元気いっぱい、溌溂とした女性は素敵だ。
でも、病弱なか細い女性には、何か惹かれるものがある。
儚く消えてしまいそうな弱さには、無条件で抱きしめて、助けてあげたいと思うこころの動きが生じる。
か弱さからくる美しさ。
消えてしまいそうなものに感じる美しさ。
或いは、不幸を受け止めて耐えることのけな気さに対する守りたいという気持ちなのか。
そういう、はかなげなものに対する気持ちというのは、案外、他の男性にもあるのではないだろうか。
関西なら、芦屋の山の手のサナトリウム。
白い洋館の病室に、やせ細ったみゆきさんが、浴衣姿でベッドに横たわる。
そんなみゆきさんの病気は、そうだな、結核が似合うだろう
似合うという言い回しは不適切だけれど、そんな病気にかかっている。
外を見ると、もうすっかり季節も変わって、木々の葉が落ちてしまった。
「ねえ、凡ちゃん。ちょっと起こして。」
みゆきさんは、凡の腕につかまりながら起き上がる。
すっかり細くなってしまった腕が痛々しい。
凡は、丹前をみゆきさんの背中にかける。
「ごめんね、凡ちゃん。あたし、もう治らないかもしれないね。」
何度も謝るみゆきさんを、凡は抱きしめる。
筋肉が落ちてしまって、力ない身体を抱きしめると、腕や肋骨などの骨が凡の腕の中で、弱くきしむ。
凡は、みゆきさんの骨の感触を、一瞬でもこの手で心地良いと感じたことを恥じた。
美しい女性は、骨も美しい。
その感触を1度でも味わってしまったら、その魅力から逃げることは出来ない。
凡は、みゆきさんの唇に、凡の唇を重ねようとした。
「もう、病気が移るよ。ダメ。」
なんてさ、力ない声で抵抗するね。
「移ったって、構わないさ。」
凡は、みゆきさんに口づけをした。
「チュー。」ってね。
勿論、1回じゃ気が済まない。
なので、続けて、「チュー、チュー、チュー。」ってね。
そんでもって、またまた、口づけだ。
「チュパ、チュパ、チュパ、チュパ、チュパ、チュパ、チュパ、、、、、」
誰か!凡のハシタナイ妄想を止めてくださりませ!
ということで、妄想はこのへんにして、実際の舞台の上のみゆきさんは、勿論のこと健康体。
健康体の病人もまた、これはこれで、どうにも可愛くて素敵な訳でありまして、ウットリとみておったのでございます。
それにしても、後ろ向いている時間が長いよ。
もっと、みゆきさんは、前を向いて、顔を見せてほしいな。
歌が終わると、みゆきさんのトークがあった。
言葉ということについて、話をしてたね。
みゆきさんは、会話の中で、しばしば言葉に対する興味というか、関心について触れる。
それだけ、言葉や、自分の作る歌の歌詞について、重要視しているようだ。
そんな話を聞くと、なんだか、少しジーンと来ちゃった。
そして、その流れで、「ウインターガーデン」のみゆきさんの詩の朗読があった。
その後も、1篇の詩が朗読されて、またもや、みゆきさんの登場。
赤い服を着たみゆきさんは、正しく赤い花のようにスカートの裾を垂らして座って、「朱色の花を抱きしめて」を歌った。
みゆきさんの赤い服だ。
凡は、じっと双眼鏡「みゆきさん拝見号」で、みゆきさんを見る。
どうにも、幸せな時間が流れていた。

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