平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(815)上海で中華料理の夕食を食べない旅(12)。

6月12日(日曜日)。
蘇州に来て、すっかり水郷の街を気に入ってしまった凡は、今日の予定の留園に向かっている。
通り過ぎてしまった留園路を入って歩き出すと、すぐに、薬屋があった。
そうだ、二日酔いの薬を買おう。
今まで、旅行に行ったら、その土地の二日酔いの薬を買うのを楽しみにしていた。
上海でも、ここ蘇州でも、薬屋を見つけたのだけれど、みんな歴史あるお店で漢方薬を中心としたお店だった。
漢方は、なかなかに怖い。
一旦、相談をしたら、買うまで帰れないし、兎に角、会計の時に、ビックリするような金額になっている。
でも、今目の前にある薬局は、庶民的な感じがするから、まあ大丈夫だろう。
なので、入ってみると、素朴な20歳ぐらいの女の子が1人、店番をしていた。
本当に、スレてない感じで、話しかけるこっちが、ちょっとドキドキした。
アイフォンの翻訳アプリで二日酔いの吐き気を表示して女の子に見せる。
それで解ったようで、2種類の薬を出してきてくれた。
ここでもやっぱり英語は通じなくて、アフターとかビフォーとかの言葉さえ通じない。
とはいうものの、何とか漢字をメモに書いたりと、服用方法を凡に伝えようとしてくれる。
その姿が、ちょっと凡の気持ちをキュンとさせた。
クスリの1つは、かみ砕いて服用する制酸剤だ。
かみ砕いてということを説明するのに、ジェスチャーで、口でクスリを噛む仕草をしてくれるのだけれど、それが可愛い。
もう1つは葛根を使った漢方のようで、キャンディーと書かれているので舐めて服用するのだろう。
薦められたこの2つを購入。
金色の漢方のが29元、かみ砕く制酸剤が25元。
これで吉例の二日酔いの薬を買うことが出来た。

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(薬屋さんの外観)

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(ゲットした二日酔いの薬)
さて、留園路を更に進むと、留園の駐車場など紛らわしいところもあったが、それを更に進むと、留園のチケット売り場があった。
入場料45元。金額は、季節によって変わるようだ。
留園の入口は、これが有名な留園の入口なのというぐらい小さい。
中に入ると、すぐに壁があった、その横を通って中に入ると、庭園と中華風の建物が連なる。
そこで感じた第1印象は、暗いなということだ。
ここは清代になって建築された中国4大庭園の1つだ。
北京の頤和園や、さっき行った拙政園と並ぶ庭園らしいが、この庭園を頤和園と同列に並べるのは、いささか規模が小さすぎるのではないかと思った。
暗いと感じたのは、住居としての性格から来ているのだろうか。
ただ、凡が思うに、明るい開放的な庭園も良いけれども、こんな陰の部分の見える庭園は、東洋の美意識の中では、高く評価されるべきものではないかと思う。
昨日行った、豫園のように、これでもかと凝り過ぎたところもなく、ただ暗く存在している留園は、このまま陰の部分を残して、後世まで残って欲しいなと思う。

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(留園入口)

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さて、蘇州の旅も、そろそろ終えて、上海に帰ろう。
留園を出て、前の道でタクシーを捕まえる。
予め調べた簡体字で蘇州駅と書いたメモを見せたが通じず、結局はガイドブックの地図を見せたら分かってくれた。
留園から蘇州駅まで14元。
蘇州の駅でチケットを購入。
18時15分発の新幹線。
蘇州の駅の待合スペースは、綺麗で広いが、上海の様に飲食店が多くはない。
待ち時間があったのでコンビニなどを物色する。

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帰路の新幹線に乗り込むと、凡の席に女の子が座っていた。
どうも、女の子には友達がいて、その友達は凡の予約している席の横で、席が空いているから凡の席に隣同士になって座っていたようだ。
ここは凡の席なんだけれどとチケットを見せたら、3-2の配列の3の真ん中の席と替わってくれと言う。
見ると、3の真ん中の席の両脇は男性が、ドッカと座っている。
そんな真ん中に座るのは嫌だと思って、女の子に言うと席を立って、本来の女の子の席に座った。
替わってあげた方が良かったかなと思ったが、でも肩を狭めて座るのもツライしね。
何か座り心地が悪いなと思ったら、凡の席のお尻のところが壊れていた。
替わってあげなかった罰があたったのかもしれない。
新幹線は、18時41分ごろ上海に到着。
上海駅の地下を偶然通ったら、地下にもお店が沢山並んでいる。
なかなか楽しい空間だ。

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(上海駅の地下は、もう少し散策してみたかったな)
さて、ホテルのある静安寺に帰るのだけれど、上海駅からは、地下鉄の1号線3号線4号線と3つの路線が通っている。
どの路線を使っても帰れそうなのだけれど、4号線なら早い気がする。
なので、地下鉄の乗り場を探すのだけれど、なかなか入口を見つけられない。
やっとのことで見つけたのだけれど、ホームのどっち側に乗ればよいのかも分からない。
これかと思って乗り込んだら、どうも反対方向に向かっている気もする。
なので、乗客のビジネスウーマン的な女性に聞いたら、果たして正解でホッとする。
ここの駅の地下鉄は、ややこしいね。
ということで、やっと静安寺駅まで戻って来た。
さて、ここで、上海に来てから探していた物がある。
ミニボンへのお土産だ。
出かける前に、お土産は要らないと言っていたけれども、凡1人、上海を楽しんで何もお土産がないというのも、申し訳ない。
とはいうものの、これといったお土産も見つけられなかった。
豫園商城あたりで見かけたお菓子は、凡はルックスが中国的なので買ってみようかと思ったが、たぶんミニボンは食べないだろう。
というか、凡も興味はあるが、美味しそうには見えない。
明日は帰国するので、買うなら今しかないのである。

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(豫園商場でこんなお土産も見つけたが、買わなかった)
静安寺の駅には久光百貨店がある。
地下の食料品店を見て回ろう。
ただ、この久光百貨店は、日本のお店や商品が、やたら多い。
そこで見つけたのが、奇華餅屋さんだ。
奇華餅屋は、香港のお菓子屋さんだけれど、これはミニボンも食べるのを知っているし、クッキーなども美味しい。
なので、バラの袋のお菓子数点を購入。
レジの前に玄米茶のクッキーもあったので、それも追加する。
少しばかりホッとした。

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(上海で買った、香港名物のお土産)
静安寺あたりも賑やかな場所だ。
これから夕食の店を探すのも良いかもしれない。
きっと、美味しい店もあるだろう。
とはいうものの、今日は蘇州を1日歩き回って、結構疲れてしまった。
とりあえず、ホテルに戻ろう。
ホテルの部屋に戻ったら、これからお店を探すのも、いささか面倒くさくなってきた。
そういえば、ホテルの1階にカフェレストランがあったな。
そこで夕食を食べよう。
そういえば、ここのカフェレストランは、バイキングもやっているという。
それなら、その料理の中に中華料理的なものも、きっとあるに違いない。
だって、観光客も泊まっているからね。
カフェレストランに行くと、4組ぐらいのお客が、楽しそうに食事をしていた。
凡は、その客とは別のエリアに通される。
メニューを持ってきたくれたスタッフに、向こうはバイキングかと尋ねると、そうだという。
それならバイキングがいい。
好きなだけ食べれるし、さっきも言った中華的な料理もあるだろう。
なので、バイキングにしたいと言うと、確か20時30分ぐらいにカフェに入ったのかな、後1時間でバイキングはクローズするという。
まあ、1時間あれば、そこそこ食べれるだろう。
とはいうものの、終わりの時間を気にして食べるのも、せわしない。
それに、今いる4組のお客は、もう既に料理を食べ終わって、そろそろ帰る雰囲気に見える。
ということは、彼らが帰ってしまったら、凡1人、バイキング会場でポツリと食事をする羽目になってしまう。
そんな状況では、落ち着いて食べてなんぞいられやしない。。
なので、スタッフの女性に、バイキングは諦めて、普通のメニューで良いと伝えた。
さて、メニューを見ると、中華的な料理は少ない。
取り敢えずは、オシャレなカフェレストランなので、ホテルのオリジナルサラダを注文。
そして、ホテルのオリジナルピザも付け加えた。
そして、メニューをめくっていると、福建省の焼きそばというものがあったので、これだと思って、それも追加。
やっと中華の夕食が頂ける。
すると、スタッフの女性が、「ツー・マッチ」と言って手のひらを横に振った。
どういうことかと聞いたら、量が多すぎるという。
それなら、焼きそばも食べたいけれど、先にサラダとピザを食べてから、それでも食べたかったら、焼きそばも注文すると、小学生の英語で伝えた。
でも、この時点では、中華料理的なものは、今宵こそ食べなきゃと思っていた。
だって、最後の夜だも。
それに食べられる自信だってある。
何なら焼きそばを食べて、その後にまだ他の中華的なものだって食べられそうだ。
兎に角、それよりもビールだ。
ここでは純生と書かれた青島ビールだった。
やっぱりホテルのビールは美味しいね。
少しばかり薄いけれどね。

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すると、何故かパンが運ばれてくる。
サラだとピザなのにパンなのかと思ったが、お腹も空いているのでバターを塗って食べる。
これがまた、ビールに合うので、1個2個と食べてしまう。
ホテルのパンって、どうしてこう美味いのかね。
凡は、ホテルのレストランに入って食事をしたら、追加でパンとバターを貰って、それでビールやワインを飲むのが大好きだ。
バターの塩気と油気が、ビールにあうのだろうか。
そしてサラダが運ばれる。
見た目も綺麗で、これが意外と量も多い。
サラダでビールも、なかなかだ。
若い時は、サラダなんて馬鹿にしていたけれど、年を取ってくると、何故か身体が欲してくる。
とはいうものの、ドレッシングの味が美味しいから食べているのかもしれないけれど。

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それから、しばらくあって、ピザが運ばれる。
ホテルオリジナルというから、どんなピザかと思ったら、ボリュームはあったが普通のピザだった。
しかも、生地は、手作りじゃなくて、市販で売っているビスケットのような小さな穴の開いた出来合いの生地だった。
なので、縁のところなんか、ポリポリと音がするぐらい乾燥していた。
とはいうものの、ホテルのピザだからね、値打ちもあるのじゃないだろうか。
雰囲気代プラスのピザということろだ。
ピザの頃には、ギネスに変えて、さらに飲む。
サラだとピザを食べたら、かなりお腹がいっぱいになって、福建省の焼きそばは諦めた。
凡は、もともと大食のはずだったのだけれど、最近は食べられると思うのだけれど、途中でお腹いっぱいになってしまうこともある。
こんなことなら、ピザを止めて、焼きそばにしたらよかったな。
結局、上海にいた3夜とも、中華料理的な食事は出来なかった。
どうにも、ちょっと寂しい気持ちもするが、上海に来れただけでも幸せというものである。

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最後に、折角のホテルの夕食なので、アイスクリームを頼む。
銀のカップにバニラアイスクリームが乗っかっているのを想像したら、ちょっと凝った感じのアイスが出て来た。
これもまた、美味しく頂いて、会計を部屋に付けてレストランを出た。
465元だった。
高いなと思うが、ホテルなので、こんなものなのだろうか。
部屋に帰ったら、シャワーをして、最後の上海の夜を楽しむべく、言葉の解らないテレビを見たりして、ベッドに寝っ転がって、眠るのを我慢していた。
さあて、明日はいよいよ帰国であります。
意外にも楽しかったので、これならもう1日長く滞在したら良かったなと、そんなことを思いながら寝た。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    あわやバイキング会場で一人で食べる事になりそうでしたね
    やめて正解ですよね
    大きな会場でポツンと食べるなんて、想像しただけで寂しいですよね(T_T)
    そんでもって、やっぱりピザじゃなく焼きそばを先にチョイスしてほしかったですね
    サラダとかドレッシングかな?とかパンは良い感じですが、全然上海っぽくないですもんね(笑)
    まぁそれも良い思い出ですけどね
    そうそう、恒例の怪しい?薬も買えましたね
    店番の女の子は、スレてない素朴な子でしたか
    それなら特別元気が出る薬も、ゼスチャーを交えて買ってほしかったです
    普通のお店でやったらセクハラですが、ここは薬局
    そんな薬と言うか栄養剤を求める客も多いと思いますからね
    頬をポッと赤らめたりしてね(^_^;)
    上海で香港名物のお土産を買うなんてさすがですね
    実際上海の土産って「これだ」って言うようなものはなさそうですもんね
    明日は帰国ですか
    帰る前の晩はちょっぴり寂しいですよね・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    バイキング会場で1人というのは、しかも、残り時間を気にしながらというのは、止めて正解だったですよね。
    でも、メニューのチョイスは、失敗でした。
    もっと、気持ちの余裕をもってメニューをみれば良かったです。
    焼きそば以外にも、汁系の麺類もあったみたいです。
    ピザも、生地が既製のものだったし。
    んでもって、薬屋は楽しかったですよ。
    女の子とお話も出来たし。
    でも、特別元気が出る薬は、これは勇気がないですよ。
    ジェスチャーなんて、、、、どんなジェスチャーか想像すると、、、これはやっぱりやらなくて正解ですよ。
    上海に行って思ったのは、お店が少ないということでした。
    観光地で集中しているところもあるのですが、いいなと思うものはなかったかな。
    明日は帰国ですが、これならもう1日多めに滞在したら良かったなと、これは帰国する前の日に思いました。
    再就職のこともあって、余裕をみてのプランだったので。

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