平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(791)「春の関西1デイパス」のちっちゃな旅(1)

ミニボンが、仕事場の仲間と野球のナイター観戦に行くという。
これは有り難い。
さて、それなら夕食に何を凡の好きなものを食べようかと思った。
ミニボンと一緒なら食べれないものが食べたい。
漠然と思いを巡らせていると、「カキオコ」が思い浮かんだ。
カキオコとは、姫路と岡山の間にある赤穂線の日生(ひなせ)という場所の名物である。
牡蠣(カキ)のお好み焼き(オコ)で、カキオコである。
夕陽に染まった瀬戸内海を見ながら冷えたビールをキューとやって、まずはカキオコの前に、牡蠣の鉄板焼きの熱々のところを口に放り込む。
スパイスの効いたソースの味と牡蠣の香りに海の街の潮風を感じる。
とはいうものの、実際には、お店に入ってしまうと瀬戸内海の夕日は見ることが出来ないのではあるが。
でも、そこそこの旅情を感じながら、カキオコを食べるというのは魅力的だ。
何となく方向が決まりかけたので、ウェブでお得なJRの切符でもないものかと見てみると、「春の関西1デイパス」という切符があることが解った。
6月4日までの期間限定であるけれども、バッチリ期間内だ。
どういう切符かというと、価格は3600円と少し高めである。
使える区間は、先日大回り乗車をやった区間と、ほぼ同じ区間を自由に乗り降りできる。
この時点では、まだ大回り乗車と同じ区間だと思っているのですが、翌日になって、ある行ったことのない駅へ行くことも出来ることを知って、急遽行き先が変わるのですが、一旦同じ区間だと書いています。
そして、乗り降り自由というのが、大回り乗車と大きく違うところだ。
たとえ短い時間でも駅前を歩くことが出来るのは嬉しい。
ただし、JRに乗れる電車は、新快速を含む普通列車だけで、特急や急行に乗る場合は別料金が発生する。
また新幹線は使用不可だ。
これらは、使用区間から考えると、それほど重要じゃない。
ほぼ、新快速でことが足りるからだ。

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(当日に貰った春の関西1デイパスのチラシ。使える路線がイラストで載っている。)

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(これは参考までに、前回に行った大回り乗車の路線図)
そして、更に、この切符は京阪神の私鉄とコラボしていて、京阪電車と京都市内の指定された観光バスか、または南海電車と高野山のケーブルと現地のバスか、または近鉄電車と室生寺・長谷寺参拝のいずれか1つを選択して利用することが出来る。
その他にも、大阪の水上バスが乗れたり、JRのレンタサイクルが使えたりという細かい特典もあるようだ。
なかなか、面白そうな切符である。
「よし。この切符でどこかへ行こう。」と思った。
ただ、漠然と考えていた日生のカキオコは、この切符だけでは行けない。
とはいうものの、この切符の西の先端の相生駅まで行って、そこから別に切符を買って日生まで行っても金額は知れている。
ただ、日生まで行ってしまうと、折角だからと、その周辺をブラブラしてみたくもなるし、岡山まで行ってみたくもなるというものだ。
まあ、一旦、日生は置いておいて、この切符で出かけるということだけを決めておこうと思う。
明日の朝までに考えればいい。
さて、翌日、この切符を利用して1日旅気分を味わわせていただいたのですが、この段階で切符の評価を少ししておきたい。
まず、私鉄とのコラボは不要だ。
これは、JRのお偉いさんや、この切符の開発スタッフに言いたい。
余計なことは、せんでよろしい。
こんなものは付加しないで、その分500円でも金額を下げて欲しい。
JRの区間の1デイパスで3100円なら、もっと利用価値が出てくるだろう。
まず、この切符は、誰が、どんな風に使うかということを考えたら、まず付加しないと結論付けるのが、良識ある人間だ。
何故、こんなにまで私鉄とのコラボをケナスかというと、この私鉄とのコラボが、この切符の自由さを無くしているからだ。
どういうことかと言うと、使える日にちは1日間だ。
そして、私鉄の提供している観光地は、見て回ろうと思ったら、ほぼ1日を使う。
一旦、私鉄とコラボしている観光地を決めたら、そこ1か所しか実質的には行けないということだ。
どこか私鉄のコラボしている観光地へ行ってから、その後に、JRを利用してどこか他の観光地へは、よほど近くの観光地でなきゃ行けないということなんだ。
さらに、ネックとなるのは、私鉄の乗車駅と降車駅が決められているということだ。
詰まり、私鉄に乗ると、途中下車が出来ない。
だから、移動の自由がきかない。
この状況を、1番最悪な場合で説明すると、長谷寺が解りやすい。
長谷寺に行く場合、近鉄電車を利用するようになっているのだけれど、鶴橋駅で乗車して、長谷寺駅で降りることになる。
さっきも書いたように、この近鉄電車の利用区間の途中の駅で乗車することも下車することも出来ない。
そんでもって、この区間の近鉄電車の運賃は690円だ。
往復でも、1380円。
勿論、室生寺まで行くと、運賃は、これよりは増えるけれども、片道300円で往復600円だ。
長谷寺、室生寺の両方を楽しんでの運賃の合計は、1980円。
そして、今回使おうと思っているお得な切符の「春の関西1デイパス」の値段は3600円。
大阪の人は使う意味がない。
ナンセンスじゃないか。
もし、神戸の住人なら、神戸から鶴橋駅まで、JRで片道710円、往復1420円だから、近鉄の運賃にプラスすると、3400円。
これでもまだ、普通に切符を買って出かけた方が安いから、意味がない。
もっと詳しく見ると、1デイパスには、長谷寺・室生寺周辺のバスの運賃も切符には含まれているのですが、それでも、意味がないことには変わりがない。
お得感がないのだ。
なので、このお得な切符「春の関西1デイパス」の3600円を出して、長谷寺と室生寺を観光して、それで得したなと感じるのは、姫路あたりの住人ぐらいだということになる。
そんな限定された少人数の人のために、私鉄とコラボするなんて、ナンセンス極まりない。
他の、南海線を使って高野山に行くパターンで考えてみると、南海線の新今宮から高野山までの往復は、ケーブルカーも入れて、2520円だから、これまた大阪の住人は無意味だけれど、神戸の住人には、気持ちだけお得かなというぐらいのお得感でしかない。
お得だけれど、非常に寂しいお得な切符ということになる。
また、もう1つの京阪電車とのコラボに関しては、京都観光バスがどんなプランなのか調べていないので、得なのか損なのかは、分からない。
ただ、前の2例をみても、そんなお得感はないと想像できる。
ということで、この「春の関西1デイパス」に関しては、私鉄とのコラボは、全く以って意味がないということになります。
ということで少し長くなりましたが、「春の関西1デイパス」を使って旅気分を味わうには、JRのみを使って、移動を楽しむということだろうということになるのであります。
さて、兎にも角にも、明日は、この春の1デイパスを使って何処かへ行こうということだけは決めた。
そしたら、どこへ行こうかという最初の振り出しに戻るのですが、取り敢えずは、西の姫路か相生まで移動しよう。
日生のカキオコが、まだ頭に残っているからね。
そこまで行って、カキオコを食べに行っても良いし、或いは、姫路、相生あたりでお昼を食べて、午後は切り返して、琵琶湖を1周するとか、或いは、大回り乗車では行くことの出来ない京都の亀岡、園部あたりへ行って見るのも楽しいかもしれない。
ここで何故、姫路まで行って切り返すのかというと、大阪の環状線の京橋から姫路の往復だけだと、3320円なので、どうしても切り返さなきゃいけないという訳なのであります。
蛇足かもしれませんが、念のため書いておきました。
ということで、そんな漠然とした予定を立てて、寝ることにした。

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コメント

  1. ゆけむり より:

    日生のカキオコは噂に聞いています
    見よう見まねで自分でもチャレンジした事があり、かなり美味しくできたと思っています
    本場のカキオコで冷たいビールなんて最高ですね
    今後の記事が楽しみです

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    ゆけむりさんも、カキオコにチャレンジされたそうで、きっと、料理のセンスの良いゆけむりさんなら、美味しく出来たのは、間違いないですよ。きっと正解の味です。
    実は、カキオコと言っても、お好み焼きの具を牡蠣にするだけなんで、家庭でもオススメなんですが、我が家では、奥さんが牡蠣とかは食べないので、食べるときは外食になります。
    牡蠣とソースも意外と合いますよね。

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