平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(784)JR大回り乗車120円の旅(2)

大阪近郊区間のJRの特例を利用した大回り乗車の続きであります。
草津駅のホームでセブンイレブンの弁当を食べたら、すぐに列車が到着。
草津駅、11時57分発。草津線。
柘植駅、12時40分着。

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この柘植駅は、三重県だ。
そう思うと、これも立派な旅なんだなと思う。
柘植駅の構内は、忍者押しだ。
甲賀が近いからだろう。
至るところに忍者のイラストやマネキンがあった。
乗りかけ時間が2分なので、みんな小走りに移動する。
柘植駅、12時42分発。関西本線。
加茂駅、13時35分着。
柘植駅からは、1両編成の列車で、可愛い。
横揺れが激しく、その揺れに身を任せて楽しむ。

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加茂駅、13時45分発。大和路快速。
奈良駅、14時00分着。

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奈良駅に着いたら、駅そばでも食べようか。
確か記憶では改札の近くに立ち食いそばがあったような気がする。
奈良は、観光地としても人気だから、改札内にも、そば屋か駅弁の売店でもあるだろう。
折角だから、名物の1つでも食べたいものだ。
なんて期待は、持つ方が時代遅れなのか、奈良駅は綺麗に改装されていて、探してみたが、改札の中には、売店すらなく、ただ「せんとくん」だけが陽気にポツリと立っていた。
ということなら、仕方がない。
次に来た、桜井線(万葉まほろば線)に乗り込んだ。
奈良駅、14時08分発。
桜井駅、14時42分着。

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(列車内から)
途中、天理駅を通過。
そういえば、昨年は、天理教とはどういうものか知りたくて、天理教の本部まで見学に行ったことを思い出した。
もしまだ、みゆきさんが天理教の信者なら、凡はいつでも天理教に入信する用意はありますよなどと、列車の中で呟いてみても、まあそれは、みゆきさんまで届くはずもなく、意味のないことではあったか。
桜井駅についても、これまた改札内には売店も駅そばもなく、ホームで缶コーヒーを買って、草津駅で買ったパンを食べた。

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桜井駅、15時07分発。桜井線、和歌山線。
和歌山駅、17時32分着。
今日の旅程では、1番長い2時間25分の乗車である。
高田、五条と経由して和歌山に至る。
吉野線や高野線が接続しているので、近くに見える山々も気のせいか高いように感じる。

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和歌山駅に着いたら、流石に駅そばか駅弁でもあるだろうと思って、ホームを探すが、どちらも無い。
ただ、改札口の横に売店があって、その売店の棚をじっくりと見たら、柿の葉寿司が、他の商品の陰に隠れて、ひっそりと置いてあった。
奈良の五条の名物だけれど、和歌山で買っても、これは良しとしよう。
1箱購入。

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和歌山駅、17時57分発。阪和線。紀州路快速。
天王寺駅、19時08分着。
列車に乗り込むと、座席は、ほぼ満席で、凡は向かい合わせの4人掛けのシートに座った。
さて、さっき買った柿の葉寿司でも食べよう。
箱を開けて、1つを取り出し、柿の葉をめくって、食べようかと口に入れたら、前の座席に可愛い女の子が座った。
モグモグモグ、どうにも食べにくい。
周りはみんな通勤というか、仕事帰りの乗客だ。
しかもである、目の前の女の子は、凡好みじゃないか。
勿論、凡がいくら意識したって、どうにかなるという訳でもない。
なのだけれど、気になる。
襟の部分に、やや膨らみを持たせた黒いダウンのコートを着ているのだけれど、ダウンを着て、これだけ細いのだから、コートを抜いたら、相当にスレンダーだろう。
髪は、セミロングに伸ばしていて、これもまた良いじゃないか。
顔の表情は、美人と言ってもパッと明るい感じではなく、学生時代は放課後に図書室で詩集を読んでいそうな、そんな静かな美人である。
詩集と言っても、やや横道にそれた感じかもしれない。
或いは、山之口貘あたりか。
それなら、凡も大好きである。
たとえ、そうでなくても、外見が好みなのであるから、これは、柿の葉寿司をパクリと、やりずらいじゃないか。
目の前の、女の子の視線に知らない振りを決め込んで、また1つ柿の葉寿司を取り出して、柿の葉をむいて、口に放り込む。
モグモグモグ。
どうにも、食べている気がしない。
ふと、柿の葉寿司を包んでいる紙を見たら、オーブントースターで軽く焼いても美味しいと書いてある。
そんな風に食べたことは無いなと思って、あとは自宅で焼いて食べてみることにして、柿の葉寿司の蓋を閉めた。
それに、このまま食べ続けるのも、美人を前にしては、どうも落ち着かない。
さてと思って、前の美人を見たら、イヤホンで音楽を聴きながら、下を向いて目をつぶった。
その下を向いた顔のラインも、なかなかの美人である。
美人が目をつぶったら、まあ気楽にはなったが、少しばかり詰まらなくなった。
さて、この路線に乗ったら、あとは家に帰るだけだという気持ちになる。
長い1日の、120円切符の旅だった。
堺辺りまで来ると、もうすっかり窓の外は日が落ちて暗い。
バッグの中から、イヤホンを出してアイフォンでみゆきさんを聴く。
凡は、旅に出るときは、音楽を聴くためのイヤホンと文庫本を必ずバッグに入れて出る。
それらがないと、なんだか不安だからだ。
とはいうものの、ほとんどの場合、音楽を聴いたり、本を読んだりすることはないのであります。
たとえ凡の大好きなみゆきさんであっても、聴くことは稀だ。
というのは、折角の旅なので、旅の音を聞いていたいのです。
折角の旅なので、窓の外の景色を見ていたいのです。
そんなに気合を入れて、聞いたり見たりするわけじゃない。
ただ、ぼんやりと、聞いて、見て、そんな時間が大好きなのであります。
なのだけれど、もう堺まで戻ってきたら、それに、外が真っ暗なら、試しに聴いてみようかと思ったのである。
旅とみゆきさんの歌。
何となく、合わない気がした。
天王寺に着いたら、昨夜の計画では、環状線に乗り換えて、京橋の1つ手前の大阪城公園駅で降りようと思っていた。
これで、1駅移動120円の旅となる。
だけれども、何となく勿体ない気がする。
距離は、比べたら、どうなんだか知らないけれど、もう少しだけ迂回しようと思ったのであります。

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天王寺駅、19時12分発。関西本線。大和路快速。
久宝寺駅、19時18分着。

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久宝寺駅、19時23分発、おおさか東線。
放出(はなてん)駅、19時38分着。

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放出駅、19時39分発。学研都市線。
鴫野駅、19時41分着。
鴫野駅は、京橋の1つ横の駅だ。
ということで、この鴫野駅で、今日のJR大回り乗車120円の旅は終点に到着をしたのであります。

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ここ鴫野は、両親が住んでいたところだ。
入院していた病院や、住んでいたマンションを見ながら、今日の始点の京橋駅まで歩く。
思い出すと、まだ寂しい気持ちがこみあげてくる。
さて、今日の締めくくりに、京橋でビールでも飲んで帰ることにしよう。
適当な居酒屋に入ったら、イマイチだったので、ラーメン屋に河岸を替えて最後を締めたのであります。

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(今日1日のコースです。京橋駅から鴫野駅まで。)

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