平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(691)青春18きっぷで、釜山の旅。(9)

8月1日。
折角、釜山に来たのだから、朝食は、外で出て食べたい。
そう思ったのですが、今日は大邱(テグ)というところに行く予定なので、ホテルで簡単に済ませることにした。
朝食会場に行ってみると、昨日と、少しメニューが変わっていて、カレーがあった。
少しでも内容が変わるのは、これは良いですね。

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(朝食は、シンプルだけど、美味しいです。)
さて、早速、釜山駅に向かう。
そして、KTXで、東大邱まで移動する。
釜山駅、09時ジャスト発。KTX120、17100ウォン。
列車は、特急仕様なので、快適である。

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09時48分、東大邱駅到着。
まずは、観光案内所で、今日の目的地の、海印寺までの行き方を聞こう。
と、思ったら、駅舎を工事しているので、ネットで見た場所にない。
これを探すのに、少し時間を使ってしまった。
さて、観光案内所で、お姉さんに、「お寺までの行き方を教えてください。」と言った。
ここは、日本語が通じる。
すると、お姉さんが、「どこのお寺?」と聞いた。
「海印寺です。」というと、「海印寺は、大邱じゃありません。」という。
大邱には別のお寺があるというのである。
でも、海印寺の行き方を調べると、東大邱から行くと書かれている。
なので、更に聞くと、大邱ではないけれども、海印寺への行き方を教えてくれた。
それと、バスの時刻表を書いた小さなコピーもくれた。
ついでに、大邱市内の見どころも、聞いておく。
さて、聞いたとおりに地下鉄で、聖堂光駅まで移動。
大邱の地下鉄の駅には、学生なのだろうか、案内をしてくれる男の子が立っているので、これは助かった。
地下鉄を降りて、西部市外バスターミナルに行くと、既にバスが出た後だった。

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(発車するときは、ほぼ満席になった)
なので、次の便を待つ。
バスターミナルから海印寺まで、7100ウォン。
発車の10分前ぐらいにバスに乗り込むと、ほぼ満席となった。
凡の横には、若い女の子が座った。
女の子は、30歳ぐらいだろうか、お友達と2人で来ていて、もう1人は通路を挟んで座った。
見ると、登山とウォーキングを兼ねたような格好で、帽子をかぶり、小ぶりのリュックを背負って、上下スエットのような黒い服装で、登山用のスティックを持っている。
どれも、使い込んだ様子はなく、雑誌か何かを見て、流行に乗って郊外でハイキングをしてみたくなった、にわか山ガールのようである。
バスの行き先は、既に確認済みなのだけれど、このバスは海印寺まで行きますかなどと、鼻の下を伸ばして女の子に聞いてみたりする。
でも、2人は、おしゃべりに夢中で、凡の事は、あまり相手にしてくれなかった。
終点の海印寺の駐車場までは、1時間30分ぐらいだろうか。
もうそろそろ到着かなという頃になったら、急に辺りが暗くなる。
空を見たら、暗い雨雲が、どんよりと下の方まで下がってきている。
釜山は晴れていたので、雨は予想していなかった。
もし雨が降ったら、どうしようかと思ったら、急に大粒の雨が降り始めた。
結構な勢いである。
始め凡の隣に座ってた女の子が、凡の後ろの席が空いたので、ちょっと前に、友達と2人で席を、凡の後ろの席に移動していた。
その女の子の声が、後ろの座席から聞こえてくる。
「うっふーん、うぅふーん。」
何とも悩ましい声である。
この、「うっふーん。」というのは、折角にハイキングに来たのに、「こんな雨が降って、どうしよう、嫌だあーん。アタシ。」という意味の、「うぅふーん。」である。
若い女の子の、こんな「うっふーん。」を聞いたのは、久しぶりである。
「うっふーん。」
いやあ、いいですね。
そして、「はーあ。」とアクビの声が聞こえる。
「うぅふーん。」10回に、「はーあ。」が3回。
悩ましいのか、眠たいのか、一体どっちなんだ。
海印寺の入場料は、途中で
バスにオッチャンが乗り込んできて、その場で払う
そんな雨も、終点の海印寺の駐車場まで来たら、いよいよ本降りになった。
山の中の、しかも知らないところで、ドシャ降り。
バスで、ここまで来た人は、10人ぐらいだっただろうか、全員が駐車場横にある売店の軒下で雨宿りである。
兎に角、雨が激しくて、出ることが出来ない。
このまま降り続いたら、次のバスで引き返そうかと思う。

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(写真では、解りづらいのですが、メチャ降っています。)
みんなも、どうしようもなく雨宿りを続ける。
40分ほど待ったら、少し小降りになってきたので、売店で7000ウォンの傘を買って、思い切ってお寺に向かうことにした。

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(駐車場。これぐらいなら歩ける。山の中にいると言う感じ。)
この駐車場から、来た道を少し戻って、左に曲がって山の方に向かって歩く。
途中から、渓流のほとりにある遊歩道のようなところを歩くのですが、これが、なかなか気持ちが良い。
雨が降っているので、空気が優しい。
渓流は、雨のせいで濁っているのが、少し残念ではある。

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そんな自然の風景を楽しみながら、上っていくと、海印寺の山門に到着した。
世界遺産らしく、整備もされていて、観光客も沢山来ている。
一体、この観光客は、あの土砂降りの間、どうしていたんだろう。
お寺の近くの駐車場に観光バスが停まっていたので、バスで雨宿りかな。

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さて、雨も止んだ。。
ゆっくりと上って行こう。

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日本では見られない韓国様式の伽藍を1つひとつ見て回る。
奥深い周りの山々に、それらの伽藍が、色も鮮やかに置かれているのは、そこがこの上ない聖地であることを示しているようである。
神聖な空間が、ゆったりと広がっていた。

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(瓦屋根の重なりも、美しく見える)
敷地の1番上には、「八万大蔵経」というお経の版木を収めている堂宇がある。
この八万大蔵経の正式名称は高麗大蔵経と言うらしいのですが、経板の枚数が8万1258枚あることから、八万大蔵経と呼ばれるようになったそうです。

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(右側のお堂の中に、お経の版木がお責められている。肉眼では、なんとか、あることは分かる。)

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(お経の版木は見えないので、近くに写真の説明がある。みんな、記念写真を撮っていた。)
ただ、この中には、入って見ることが出来ません。
外から、何となく版木が沢山あるなあというのを覗くだけです。
境内には、無視されて、ほとんど誰もやっていなかったのですが、「海印図回り」というものがあります。
庭に石で模様が描かれているのです。
この模様は、八万大蔵経の真理を表しているということで、この石の順に合掌しながら歩くと、功徳があるそうです。
凡も、やってみると、目が回りそうだった。
ただ、帰ってから気が付いたのだけれど、回るときに合掌するのを忘れた。
はてさて、それは功徳があるのでしょうか。

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(渦巻のように、グルグルと回る。)

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(回る方向も決まっていて、スタートのところに矢印があった)
さて、今来た道を引き返して、駐車場まで戻る。
売店で帰りのバスのチケットとアイスクリームを買った。

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(バス停)
海印寺の駐車場、14時40分発。
帰りのバスは、乗車率60パーセントぐらいだっただろうか。
駐車場を出たら、海印寺に1番近いバス停に停まる。
往路では停まらなかったような気がするが、もしバスで行かれる方がいたら、終点の駐車場で乗り降りする方が、特に帰路は確実に座れるので、ベターだろう。
帰路のバスも順調に、往路で乗り込んだバスターミナルまで戻って来た。
折角の、大邱なので、案内所で聞いた、薬問屋の集まる通りへ行ってみよう。
地下鉄の半月堂駅まで移動。
地上に出ると、大きなデパートなどがある。
大邱は、「近代横街ツアー」という路地を回るコースを設定して、観光客に提供している。
そのコースは、道を歩くのに、解りやすく、また、ちょっと雰囲気のあるように整備されていて、観光客に楽しんでもらおうという気持ちが伝わってくる。

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(街中には、こんな遊歩道があって、雰囲気がある。観光に力を入れているのが伝わってくる)

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(薬問屋のある通り)

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(面白そうな薬が沢山あった)
大邱薬令市の通りを通って、薬令市韓医薬博物館に行ってみる。
博物館の前まで来て、何か変だなと思ったら、定休日だった。
残念。

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(ここは見たかったが、残念)
ふと見ると、博物館の目の前に、観光案内所がある。
なので、今から行けるオススメを聞く。
大邱には、こんな案内所が、結構あって、ここでも観光に力を入れていることが解る。
さて、聞いた道を行くと、桂山聖堂があった。
さらに、歩くと第一聖堂がある。
どちらも、迫力のある教会だ。

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(桂山聖堂)

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(第一聖堂。すごく大きいので、全体が写せない)
第一聖堂の周りには、かつての宣教師の家などがあって、これが、なかなか雰囲気が良い。
カメラを持った男性が2、3人いて、レンガ造りの家の写真を撮っていた。
撮りたくなる建物なのである。

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そこから、少し歩いて、西門市場に移動する。
観光案内所のお姉さんが、夜になると夜市があると教えてくれた。
近くに行くと、釜山のどこにでもある市場の雰囲気が漂ってくる。
その辺りの歩道に出たお店を眺めながら行くと、西門市場の囲まれたエリアの中に着いた。
中を、これまた歩き回る。
通常の店舗の間に、ワゴンの店舗が続く。
どのお店も地元の人で賑わっていた。
お腹も減っているので、何か食べてみよう。
ぐるぐると回って、美味しそうなものも多い。
麺のお店があって、オバサンが呼び止めるので、何かと聞いたら、麺を見せた。
これだけでは、何の麺なのか解らないけれども、どっちにしたって、言葉が解らないので、聞いても解らないだろう。
長椅子に座って、お願いをした。

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湯掻いた麺をを、水道水で冷やして作る。
素麺のような、にゅう麵のような、そんな麺に、あっさっしりとした冷たい出汁が掛かっている。
キュウリのようなものが、爽やかさを増している。
これは、いいですね。
暑い中、しっかりと食べることができるし、韓国料理には似合わない優しい味だ。
獅子唐のようなものがあったので、味噌をつけて食べたら、ことのほか辛かった。
後から来たカップルの女性が、同じ麺を食べていたので、ポピュラーな料理なのだろう。
フルーツジュースの店があって、コーヒーのようなものがあったので、聞いたら果たして、コーヒーだった。
頼んで飲んだら、驚くほど薄かった。
でも、暑い日には、水代わりに美味しい。

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麺を食べたので、米も食べてみたい。
ビビンバのお店があった。
普通は、こういうお店の前に立ったら、お姉さんの呼び込みが、必ずある。
でも、目の前にあるビビンバのお店は、凡が興味深そうに見ているのだけれど、声の1つも掛けてくれない。
仕方ないので、凡から声を掛ける。
長椅子に座って、ビビンバを注文。
色んな種類の野菜が乗っかったビビンバは、これは、今まで食べたビビンバの中で、凡にとっては、1番美味しかった。

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(目の前に、ビビンバの野菜が並ぶ)

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運ばれてきたとき、味噌汁のようなものがあったので、これは飲むのかと聞いたら、違うと言う。
聞かなかったら、絶対に飲んでいた。
この味噌汁のようなものは、味を補うのと、混ぜるときに混ぜやすいように、スプーンで少し掬ってビビンバに掛けるそうです。
味噌も、3種類あったので、どれを入れたら良いか聞いたら、オバサンがコチュジャンを入れてくれた。
日本の焼肉屋で、ビビンバを頼むとき、どうしても、ユッケビビンバとか、チーズ入りとか、石焼きとか、そんなものを頼み勝ちだけれども、こんなシンプルな野菜だけのビビンバは、それ以上に美味しいことを、今回知ることが出来た。
シンプルイズ、ベスト。
そういえば、日本でも野菜のビビンバはあるけれども、どれも湯掻いた野菜に元気がない。でも、ここのビビンバは、キュウリが生だし、他の野菜も、シャキシャキ感が残っている。
なので、美味いんだろうと思う。

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(ビビンバのお店。席を立つころには、いっぱいになった)
思いの外に楽しんで、西門市場を後にして、地下鉄の駅に向かう。
そこから、東大邱まで移動。
KTXで釜山駅に戻る。
KTX161、東大邱駅、19時55分発。
釜山駅、20時44分着。
因みに、帰路の列車の隣の座席は、若い女の子だった。
釜山駅に着いたら、時間も遅いので、駅の近くで食事をしよう。
釜山の駅の近くに、昔はロシア人が多かった地域が、今は中華街に代わっているところがある。
行ってみると、どうも男性の団体が多くて、1人で入れる店は無かった。

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(中華街。何か入りにくい雰囲気)
そのまま、歩いていると、ファミレスのような、食堂のような、それでも24時間営業やっているお店があったので、入る。
ビールとラーメンセットを注文。

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(カフェのようなファミレスのような外観だけれど、入ると食堂)

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遅い時間でも、ぽつぽつとお客が入ってくる。
それに加えて、店頭でキンパを作っているので、そのテイクアウトで、お姉さんも忙しそうだ。
ビールは、缶ビール。
運ばれてきた料理は、インスタントラーメンに、ご飯とトンカツ。
どれも最高に美味しいという訳じゃない、でも、釜山で食べるインスタントラーメンが、どうにも旅情を感じるものであった。
もう少し、飲んだり食べたりしたかったが、お姉さんが忙しそうなので、切り上げる。
ホテルに戻って、明日の朝の予定でも考えよう。
何しろ、明日のお昼のビートルで博多に戻るので、数時間しかないのである。
ホテルの朝食は放棄して、外食をしてみようかな。

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平 凡蔵。へのファンレターや
       お褒めの言葉は
sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    おっ、次の日はカレーが朝ご飯にあったんですね
    韓国のカレーなんて滅多に食べる機会が無いから嬉しいですね
    味的に日本との違いはどんな感じでしょうか?
    大邱と海印寺に行かれたんですね
    以前どちらも行きましたが、それぞれの位置関係は忘れちゃったけど、大邱から遠いようですね
    大邱は薬好きの凡蔵さんにはうってつけではないでしょうか?
    興味深いお店が見つかった事でしょうね
    今まで食べた中で一番と言うビビンパ、さぞ美味しいんでしょうね
    これは是非とも食べてみたいですね
    観光客相手の店ではないってのが実に良いですね
    釜山に戻ってラーメンとトンカツですか?
    これはある意味貴重なチョイスでしたね
    ありきたりのメニューにいかないところが凡蔵さんの凄いところですね!

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    次の日の朝のカレーは嬉しいですよね。
    カレー好きなものですので。
    味は、誰でもが食べられる、どちらかというと甘口でした。
    ジャガイモなどの具が沢山入っていました。
    海印寺は、大邱からバスで1時間30分ぐらいだったでしょうか。
    でも、車窓の景色を眺めているだけでも、楽しいので、時間は気になりませんでした。
    ゆけむりさんも行かれたことがあるというのは、何となくコメントかなにかで、覚えていました。
    お寺の周りの自然が何とも気持ちの良い場所ですよね。
    大邱の薬問屋通りは、漢方の薬屋さんとかが多いのですが、
    ちょっと専門的過ぎて、手に負えませんでした。
    それと、薬令市韓医薬博物館は定休日で、これは残念でした。
    たぶん、面白かったんじゃないかなと想像しています。
    それと、ビビンバは、これは美味しかったんですよね。
    何ということはないビビンバだと思うんです。
    でも、野菜の歯触りとかも良くて。
    どちらかというと、贅沢な味じゃなくて、毎日食べれる味という感じです。
    釜山に戻ってからの夕食は、時間が遅くて、あまり選択肢がなかったんですね。
    でも、普通のお店でしたけれど、割と人が入っていましたよ。
    若い女の子も、キンパとラーメンとか、そんなメニューを食べてました。
    24時間営業なので、釜山に泊まった時の、他に行く店が無かった時の、押さえに良いかもです。

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