8月1日。
折角、釜山に来たのだから、朝食は、外で出て食べたい。
そう思ったのですが、今日は大邱(テグ)というところに行く予定なので、ホテルで簡単に済ませることにした。
朝食会場に行ってみると、昨日と、少しメニューが変わっていて、カレーがあった。
少しでも内容が変わるのは、これは良いですね。
(朝食は、シンプルだけど、美味しいです。)
さて、早速、釜山駅に向かう。
そして、KTXで、東大邱まで移動する。
釜山駅、09時ジャスト発。KTX120、17100ウォン。
列車は、特急仕様なので、快適である。
09時48分、東大邱駅到着。
まずは、観光案内所で、今日の目的地の、海印寺までの行き方を聞こう。
と、思ったら、駅舎を工事しているので、ネットで見た場所にない。
これを探すのに、少し時間を使ってしまった。
さて、観光案内所で、お姉さんに、「お寺までの行き方を教えてください。」と言った。
ここは、日本語が通じる。
すると、お姉さんが、「どこのお寺?」と聞いた。
「海印寺です。」というと、「海印寺は、大邱じゃありません。」という。
大邱には別のお寺があるというのである。
でも、海印寺の行き方を調べると、東大邱から行くと書かれている。
なので、更に聞くと、大邱ではないけれども、海印寺への行き方を教えてくれた。
それと、バスの時刻表を書いた小さなコピーもくれた。
ついでに、大邱市内の見どころも、聞いておく。
さて、聞いたとおりに地下鉄で、聖堂光駅まで移動。
大邱の地下鉄の駅には、学生なのだろうか、案内をしてくれる男の子が立っているので、これは助かった。
地下鉄を降りて、西部市外バスターミナルに行くと、既にバスが出た後だった。
(発車するときは、ほぼ満席になった)
なので、次の便を待つ。
バスターミナルから海印寺まで、7100ウォン。
発車の10分前ぐらいにバスに乗り込むと、ほぼ満席となった。
凡の横には、若い女の子が座った。
女の子は、30歳ぐらいだろうか、お友達と2人で来ていて、もう1人は通路を挟んで座った。
見ると、登山とウォーキングを兼ねたような格好で、帽子をかぶり、小ぶりのリュックを背負って、上下スエットのような黒い服装で、登山用のスティックを持っている。
どれも、使い込んだ様子はなく、雑誌か何かを見て、流行に乗って郊外でハイキングをしてみたくなった、にわか山ガールのようである。
バスの行き先は、既に確認済みなのだけれど、このバスは海印寺まで行きますかなどと、鼻の下を伸ばして女の子に聞いてみたりする。
でも、2人は、おしゃべりに夢中で、凡の事は、あまり相手にしてくれなかった。
終点の海印寺の駐車場までは、1時間30分ぐらいだろうか。
もうそろそろ到着かなという頃になったら、急に辺りが暗くなる。
空を見たら、暗い雨雲が、どんよりと下の方まで下がってきている。
釜山は晴れていたので、雨は予想していなかった。
もし雨が降ったら、どうしようかと思ったら、急に大粒の雨が降り始めた。
結構な勢いである。
始め凡の隣に座ってた女の子が、凡の後ろの席が空いたので、ちょっと前に、友達と2人で席を、凡の後ろの席に移動していた。
その女の子の声が、後ろの座席から聞こえてくる。
「うっふーん、うぅふーん。」
何とも悩ましい声である。
この、「うっふーん。」というのは、折角にハイキングに来たのに、「こんな雨が降って、どうしよう、嫌だあーん。アタシ。」という意味の、「うぅふーん。」である。
若い女の子の、こんな「うっふーん。」を聞いたのは、久しぶりである。
「うっふーん。」
いやあ、いいですね。
そして、「はーあ。」とアクビの声が聞こえる。
「うぅふーん。」10回に、「はーあ。」が3回。
悩ましいのか、眠たいのか、一体どっちなんだ。
海印寺の入場料は、途中で
バスにオッチャンが乗り込んできて、その場で払う
そんな雨も、終点の海印寺の駐車場まで来たら、いよいよ本降りになった。
山の中の、しかも知らないところで、ドシャ降り。
バスで、ここまで来た人は、10人ぐらいだっただろうか、全員が駐車場横にある売店の軒下で雨宿りである。
兎に角、雨が激しくて、出ることが出来ない。
このまま降り続いたら、次のバスで引き返そうかと思う。
(写真では、解りづらいのですが、メチャ降っています。)
みんなも、どうしようもなく雨宿りを続ける。
40分ほど待ったら、少し小降りになってきたので、売店で7000ウォンの傘を買って、思い切ってお寺に向かうことにした。
(駐車場。これぐらいなら歩ける。山の中にいると言う感じ。)
この駐車場から、来た道を少し戻って、左に曲がって山の方に向かって歩く。
途中から、渓流のほとりにある遊歩道のようなところを歩くのですが、これが、なかなか気持ちが良い。
雨が降っているので、空気が優しい。
渓流は、雨のせいで濁っているのが、少し残念ではある。
そんな自然の風景を楽しみながら、上っていくと、海印寺の山門に到着した。
世界遺産らしく、整備もされていて、観光客も沢山来ている。
一体、この観光客は、あの土砂降りの間、どうしていたんだろう。
お寺の近くの駐車場に観光バスが停まっていたので、バスで雨宿りかな。
さて、雨も止んだ。。
ゆっくりと上って行こう。
日本では見られない韓国様式の伽藍を1つひとつ見て回る。
奥深い周りの山々に、それらの伽藍が、色も鮮やかに置かれているのは、そこがこの上ない聖地であることを示しているようである。
神聖な空間が、ゆったりと広がっていた。
(瓦屋根の重なりも、美しく見える)
敷地の1番上には、「八万大蔵経」というお経の版木を収めている堂宇がある。
この八万大蔵経の正式名称は高麗大蔵経と言うらしいのですが、経板の枚数が8万1258枚あることから、八万大蔵経と呼ばれるようになったそうです。
(右側のお堂の中に、お経の版木がお責められている。肉眼では、なんとか、あることは分かる。)
(お経の版木は見えないので、近くに写真の説明がある。みんな、記念写真を撮っていた。)
ただ、この中には、入って見ることが出来ません。
外から、何となく版木が沢山あるなあというのを覗くだけです。
境内には、無視されて、ほとんど誰もやっていなかったのですが、「海印図回り」というものがあります。
庭に石で模様が描かれているのです。
この模様は、八万大蔵経の真理を表しているということで、この石の順に合掌しながら歩くと、功徳があるそうです。
凡も、やってみると、目が回りそうだった。
ただ、帰ってから気が付いたのだけれど、回るときに合掌するのを忘れた。
はてさて、それは功徳があるのでしょうか。
(渦巻のように、グルグルと回る。)
(回る方向も決まっていて、スタートのところに矢印があった)
さて、今来た道を引き返して、駐車場まで戻る。
売店で帰りのバスのチケットとアイスクリームを買った。
(バス停)
海印寺の駐車場、14時40分発。
帰りのバスは、乗車率60パーセントぐらいだっただろうか。
駐車場を出たら、海印寺に1番近いバス停に停まる。
往路では停まらなかったような気がするが、もしバスで行かれる方がいたら、終点の駐車場で乗り降りする方が、特に帰路は確実に座れるので、ベターだろう。
帰路のバスも順調に、往路で乗り込んだバスターミナルまで戻って来た。
折角の、大邱なので、案内所で聞いた、薬問屋の集まる通りへ行ってみよう。
地下鉄の半月堂駅まで移動。
地上に出ると、大きなデパートなどがある。
大邱は、「近代横街ツアー」という路地を回るコースを設定して、観光客に提供している。
そのコースは、道を歩くのに、解りやすく、また、ちょっと雰囲気のあるように整備されていて、観光客に楽しんでもらおうという気持ちが伝わってくる。
(街中には、こんな遊歩道があって、雰囲気がある。観光に力を入れているのが伝わってくる)
(薬問屋のある通り)
(面白そうな薬が沢山あった)
大邱薬令市の通りを通って、薬令市韓医薬博物館に行ってみる。
博物館の前まで来て、何か変だなと思ったら、定休日だった。
残念。
(ここは見たかったが、残念)
ふと見ると、博物館の目の前に、観光案内所がある。
なので、今から行けるオススメを聞く。
大邱には、こんな案内所が、結構あって、ここでも観光に力を入れていることが解る。
さて、聞いた道を行くと、桂山聖堂があった。
さらに、歩くと第一聖堂がある。
どちらも、迫力のある教会だ。
(桂山聖堂)
(第一聖堂。すごく大きいので、全体が写せない)
第一聖堂の周りには、かつての宣教師の家などがあって、これが、なかなか雰囲気が良い。
カメラを持った男性が2、3人いて、レンガ造りの家の写真を撮っていた。
撮りたくなる建物なのである。
そこから、少し歩いて、西門市場に移動する。
観光案内所のお姉さんが、夜になると夜市があると教えてくれた。
近くに行くと、釜山のどこにでもある市場の雰囲気が漂ってくる。
その辺りの歩道に出たお店を眺めながら行くと、西門市場の囲まれたエリアの中に着いた。
中を、これまた歩き回る。
通常の店舗の間に、ワゴンの店舗が続く。
どのお店も地元の人で賑わっていた。
お腹も減っているので、何か食べてみよう。
ぐるぐると回って、美味しそうなものも多い。
麺のお店があって、オバサンが呼び止めるので、何かと聞いたら、麺を見せた。
これだけでは、何の麺なのか解らないけれども、どっちにしたって、言葉が解らないので、聞いても解らないだろう。
長椅子に座って、お願いをした。
湯掻いた麺をを、水道水で冷やして作る。
素麺のような、にゅう麵のような、そんな麺に、あっさっしりとした冷たい出汁が掛かっている。
キュウリのようなものが、爽やかさを増している。
これは、いいですね。
暑い中、しっかりと食べることができるし、韓国料理には似合わない優しい味だ。
獅子唐のようなものがあったので、味噌をつけて食べたら、ことのほか辛かった。
後から来たカップルの女性が、同じ麺を食べていたので、ポピュラーな料理なのだろう。
フルーツジュースの店があって、コーヒーのようなものがあったので、聞いたら果たして、コーヒーだった。
頼んで飲んだら、驚くほど薄かった。
でも、暑い日には、水代わりに美味しい。
麺を食べたので、米も食べてみたい。
ビビンバのお店があった。
普通は、こういうお店の前に立ったら、お姉さんの呼び込みが、必ずある。
でも、目の前にあるビビンバのお店は、凡が興味深そうに見ているのだけれど、声の1つも掛けてくれない。
仕方ないので、凡から声を掛ける。
長椅子に座って、ビビンバを注文。
色んな種類の野菜が乗っかったビビンバは、これは、今まで食べたビビンバの中で、凡にとっては、1番美味しかった。
(目の前に、ビビンバの野菜が並ぶ)
運ばれてきたとき、味噌汁のようなものがあったので、これは飲むのかと聞いたら、違うと言う。
聞かなかったら、絶対に飲んでいた。
この味噌汁のようなものは、味を補うのと、混ぜるときに混ぜやすいように、スプーンで少し掬ってビビンバに掛けるそうです。
味噌も、3種類あったので、どれを入れたら良いか聞いたら、オバサンがコチュジャンを入れてくれた。
日本の焼肉屋で、ビビンバを頼むとき、どうしても、ユッケビビンバとか、チーズ入りとか、石焼きとか、そんなものを頼み勝ちだけれども、こんなシンプルな野菜だけのビビンバは、それ以上に美味しいことを、今回知ることが出来た。
シンプルイズ、ベスト。
そういえば、日本でも野菜のビビンバはあるけれども、どれも湯掻いた野菜に元気がない。でも、ここのビビンバは、キュウリが生だし、他の野菜も、シャキシャキ感が残っている。
なので、美味いんだろうと思う。
(ビビンバのお店。席を立つころには、いっぱいになった)
思いの外に楽しんで、西門市場を後にして、地下鉄の駅に向かう。
そこから、東大邱まで移動。
KTXで釜山駅に戻る。
KTX161、東大邱駅、19時55分発。
釜山駅、20時44分着。
因みに、帰路の列車の隣の座席は、若い女の子だった。
釜山駅に着いたら、時間も遅いので、駅の近くで食事をしよう。
釜山の駅の近くに、昔はロシア人が多かった地域が、今は中華街に代わっているところがある。
行ってみると、どうも男性の団体が多くて、1人で入れる店は無かった。
(中華街。何か入りにくい雰囲気)
そのまま、歩いていると、ファミレスのような、食堂のような、それでも24時間営業やっているお店があったので、入る。
ビールとラーメンセットを注文。
(カフェのようなファミレスのような外観だけれど、入ると食堂)
遅い時間でも、ぽつぽつとお客が入ってくる。
それに加えて、店頭でキンパを作っているので、そのテイクアウトで、お姉さんも忙しそうだ。
ビールは、缶ビール。
運ばれてきた料理は、インスタントラーメンに、ご飯とトンカツ。
どれも最高に美味しいという訳じゃない、でも、釜山で食べるインスタントラーメンが、どうにも旅情を感じるものであった。
もう少し、飲んだり食べたりしたかったが、お姉さんが忙しそうなので、切り上げる。
ホテルに戻って、明日の朝の予定でも考えよう。
何しろ、明日のお昼のビートルで博多に戻るので、数時間しかないのである。
ホテルの朝食は放棄して、外食をしてみようかな。
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平 凡蔵。へのファンレターや
お褒めの言葉は
sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント
おっ、次の日はカレーが朝ご飯にあったんですね
韓国のカレーなんて滅多に食べる機会が無いから嬉しいですね
味的に日本との違いはどんな感じでしょうか?
大邱と海印寺に行かれたんですね
以前どちらも行きましたが、それぞれの位置関係は忘れちゃったけど、大邱から遠いようですね
大邱は薬好きの凡蔵さんにはうってつけではないでしょうか?
興味深いお店が見つかった事でしょうね
今まで食べた中で一番と言うビビンパ、さぞ美味しいんでしょうね
これは是非とも食べてみたいですね
観光客相手の店ではないってのが実に良いですね
釜山に戻ってラーメンとトンカツですか?
これはある意味貴重なチョイスでしたね
ありきたりのメニューにいかないところが凡蔵さんの凄いところですね!
ありがとう、ゆけむりさん。
次の日の朝のカレーは嬉しいですよね。
カレー好きなものですので。
味は、誰でもが食べられる、どちらかというと甘口でした。
ジャガイモなどの具が沢山入っていました。
海印寺は、大邱からバスで1時間30分ぐらいだったでしょうか。
でも、車窓の景色を眺めているだけでも、楽しいので、時間は気になりませんでした。
ゆけむりさんも行かれたことがあるというのは、何となくコメントかなにかで、覚えていました。
お寺の周りの自然が何とも気持ちの良い場所ですよね。
大邱の薬問屋通りは、漢方の薬屋さんとかが多いのですが、
ちょっと専門的過ぎて、手に負えませんでした。
それと、薬令市韓医薬博物館は定休日で、これは残念でした。
たぶん、面白かったんじゃないかなと想像しています。
それと、ビビンバは、これは美味しかったんですよね。
何ということはないビビンバだと思うんです。
でも、野菜の歯触りとかも良くて。
どちらかというと、贅沢な味じゃなくて、毎日食べれる味という感じです。
釜山に戻ってからの夕食は、時間が遅くて、あまり選択肢がなかったんですね。
でも、普通のお店でしたけれど、割と人が入っていましたよ。
若い女の子も、キンパとラーメンとか、そんなメニューを食べてました。
24時間営業なので、釜山に泊まった時の、他に行く店が無かった時の、押さえに良いかもです。