平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(684)青春18きっぷで、釜山の旅。(2)

8月27日。
米子駅に到着。
今日、予約したホテルは、駅前にある。
「米子ターミナルホテル松田」さんだ。
朝食付き、シングルで、1泊税込み3700円。
まずは、チェックイン。

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外観は、入口がタバコ屋になっていたり、自販機が並んでいたりと、やや年期を感じる建物である。
フロントには、オッチャンが、タバコ屋とフロントの兼務で座っていた。
門限は、12時だという。
部屋に入ると、ベッドもバストイレも、標準的なビジネスホテルである。
外観で想像したよりも、ベッドやカーペットも綺麗だし、掃除もちゃんとしているようである。

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入ったときに、狭いかなと思ったが、ベッドの部分の天井が高く作られているので、圧迫感などはなく、快適である。
枕が小さいなと思ったら、パイプ枕だった。
柔らかい枕が苦手な人は、意外に多いのじゃないだろうか。
そんな人には、嬉しい。
値段を考えると、なかなかグッドである。
さて、夜も遅いので、食事に出かけよう。
以前に、米子に来たときは、高島屋のあるところあたりに、飲み屋が集まっていると聞いたので、行って、飲んだ。
でも、今回来てみると、駅前にお店が集まっていて、賑やかだ。
ここで食べることにしよう。

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駅前を、行ったり来たりするも、なかなか決められない。
昼間は、夜になったらカレーでも食べて、すぐに寝ようと思っていたのですが、夜になると、ビールが飲みたくなった。
いや、カレーも食べたい。
でも、先にビールだ。
歩き回って、「魚(うお)キングcoba」というお店に入ることにした。
洋風なのか、和風なのか、よく解らないお店だ。

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カウンターに座る。
お店は、広くて、宴会やグループのお客が多かった。
まずは、オススメの、「お刺身階段盛り」というのを注文。
864円。
若いお兄ちゃんが、1人で来た凡に話を合わせてくれる。
お刺身は、名前の通り、階段状になった板の上に乗せられて登場。
しめ鯖は、その場で、バーナーで炙ってくれる。
魚は、スズキ、本マグロ、牡蠣、サーモン、赤水、しめ鯖とのこと。
赤水は、初めてだというと、高級魚だと、若い兄ちゃんが説明した。

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その他、ガーリックシュリンプと、カリーヴルストを注文。
カリーヴルストは、ドイツ旅行のブログを書いておられた「ゆけむり」さんの記事を思い出して、これは注文してみようと思った。

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そして、ビールと、鳥取のワインなど。
会計は、4168円だった。
中々、面白いお店に入った。

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さて、お店を出たら、カレー屋を目指す。
やっぱりカレーが食べたいと思い出したのだ。
気になるお店があったので、ドアを開けたら、もう終わりだという。
閉店時間には、15分ぐらい時間があったんだけれど。
終わりなんだから、仕方がない。
カレーは、あきらめた。
仕方がないから、仕方なく、ホテルに戻る。
そして、明日の予定を考える。
山陰本線の途中で泊まることも考えたが、やっぱり下関あたりまで移動しよう。
でも、せっかくだから、どこかで観光みたいなこともやってみたい。
出雲大社もいいけれども、時間が調整しにくいので、松江市で降りてみることにしよう。
そんな予定を考えながら、寝るのが苦手な夜を、寝たのであります。
さて、次の日の朝。
朝食は、今回はホテル代に含まれている。
近所の喫茶店に入っているような安心感のある会場というかお店に入ると、かなり年配のお姉さんがいて、洋風の朝食を作ってくれた。
テレビもあって、お姉さんとも気楽に喋れるのも落ち着く。
客は、凡1人だ。

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美味しく朝食も頂いて、さて出発することにしよう。
今日は、松江市で観光のようなこともする予定なので、早めにホテルをチェックアウト。
フロントのオッチャンに、快適だったと告げて出る。

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(朝のホテル)

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(朝の米子駅。水木しげるさんの縁の境港へは、0番線から発車するのが、いいですね。)
08時30分、米子駅発。アクアライナー。
09時02分、松江駅着。

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(松江駅)
駅の観光案内所で、地図を貰ったり、これからの回り方を相談したりする。
まずは、ぐるっと松江レイクラインというレトロなバスで、小泉八雲記念館に向かう。

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小泉八雲記念館は、小泉八雲の歴史とか書物について、解りやすく説明していて、思ったより楽しく、また小泉八雲という人を再認識させてくれた良い機会になった。
パンフレットを見ると、今年7月に、展示内容を一新したばかりだそうです。

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これも知らなかったのですが、小泉八雲は、ギリシャで生まれて、アイルランド、イギリス、シンシナティ、ニューオリンズ、西インド諸島のマルティニーク島、ニューヨークと経てから、日本に来られたそうです。
また、日本でも、横浜、松江、熊本、神戸、東京と、いろいろ取材をして回っている。
その説明に、「地球半周以上を片道切符で旅した八雲」とあったのが、印象的だった。
、、、片道切符か。
その時の心境はどうだったんだろう。
自由な開放感なのか。
新しい土地への覚悟なのか。
その一言が、小泉八雲という人物を表しているのかもしれない。
そして、小泉八雲は、その訪れた土地で、いろんな土着の風俗や語られてきた物語を、積極的に聞き取っていった。
その好奇心は、尊敬に値するものだ。
この記念館では、小泉八雲を、「ユニバーサル」「オープンマインド」という言葉で、表していた。
展示物の中で、可愛いなと思ったのが、小泉八雲の奥さんのセツさんが、英語を小泉八雲から聞き取って、それをカタカナに直した自分用の英単語帳を作っていたことだ。
そして、二人の間では、独特の日本語(ヘルンさん言葉)で、話をしていたそうです。
これは記憶ですが、ワインは「ワエン」とか。

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(「レトル」は「手紙」。「アーフ」は「の」とか、これは面白いなあ。)
小泉八雲に、かなり影響されて、というか改めて、その人物の魅力に触れることが出来て、本当に来てよかったと思った。
記念館内は写真撮影禁止なのですが、記念館で売っている小泉八雲記念館図録「小泉八雲、開かれた精神の航跡。」という本には、展示物の写真などが豊富に載っているので、これはオススメだ。1冊購入。

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そして、ふと図録の横を見ると、「怪談四代記・八雲のいたずら」という本があった。
著者を見ると「小泉凡」とある。
小泉八雲の曾孫さんさそうです。
これは、買わなきゃいけないでしょう。
凡という縁でもってね。

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さて、記念館を出たら、隣にある「小泉八雲旧居」を訪れる。
ここは、小泉八雲とセツさんが、5か月住んだ家だそうです。
静かな佇まいの家は、それほど大きいということはないけれども、庭が兎に角美しい。
この庭は小泉八雲も気に入って、本にも書いているそうです。

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部屋の中に、小泉八雲が使っていた机があった。(たぶんレプリカ)
座ってもいいというので、座ってみると、机の面が、驚くほど高い。
顔の前に机の上面がくるぐらいだ。
小泉八雲は、すごい目が悪かったので、この机で原稿用紙に目を付けるようにして書いたそうです。
この旧居でも、少しゆっくりとして、さらに隣にある「田部美術館」に行ってみる。
田部家に伝わる茶に関する美術品を展示している。
松平不昧公のゆかりのものや、あとは魯山人のものが少しあった。
一巡して美術館を出た。

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さて、時間的にお昼でも食べよう。
すぐ近くに、「神代そば」というお店があったので入った。

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外観からすると中は、意外と狭い。
11時20分ぐらいだったが、もう既に椅子席は満席に近い。
名物の「とろろ割り子そば」1270円を、注文。

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さて、このそばについてである。
まず、盆にのっている鉢やそばをみる。
玉子が小さな鉢で添えられているのだけれど、カラザを取っていない。
まあ、それが普通だ。
何かの料理に添えられてくる玉子は、普通は、ただ単に玉子を割ったまま提供される。
今回のそばだって、そうだけれど、例えば、どこのお店のスキヤキの玉子でも、ただ割っただけだ。
しかしだ。
あのカラザというものは、一体、見た目が気持ち悪いし、味だって食感を阻害している。
詰まりは、不要と言うよりも、取り去るべき部位なのである。
玉子焼きを作るときも、一流の料亭では、玉子を溶くときは、カラザを取り去る。
これが一流の存在意義だ。
凡は切に願う。
こういうそば屋で、玉子が小鉢に割られて提供されるときに、カラザをきれいに取り去った玉子が出てくるお店が出てくることを。
割った玉子のカラザを、小さなハサミのようなもので、ちょんぎって取り去る。
そんなお店があったら、凡は、たとえ、そばが不味くても、その店に通うであろう。
さて、肝心のそばは、麺は固めに湯がいてある。
凡は、柔らかい麺が好きなのだけれど、もともと麵を噛んで食べる。
なので、硬い麺も、咀嚼するのに時間が掛かるが、噛んでいる間に、味や風味が感じられるので、これもまた時には、良いかもしれない。
ツユは、かなり濃い味付けだ。
これは、濃い味好きの凡にとっては、なかなか嬉しい。
いろいろ書いたけれど、兎にも角にも、美味しいそばである。
ふと横のテーブルに座っている夫婦と子供の3人家族のお父さんが、メニューに塩があるのを見つけた。
そして、追加の麵と、塩を注文した。
すると、店員さんも、これはどこどこの塩で、塩で食べると素材をそのまま味わえるなんて、説明をしている。
ナンセンス!
塩を付けて食べることが、素材の味を楽しむことだなんて、それは違う。
塩を付けたら、それは塩味になる。
詰まり、素材の味じゃなくて、塩味なんだ。
塩味って、かなり舌にはキツイ味だよ。
かなり細かく砕いて、まんべんなく均一に振りかけなくちゃいけない。
寧ろ、ツユの方が、マイルドだから、素材の味を感じやすいと思う。
その前に、素材の味、素材の味なんてことを、強調する人がいるが、そんなに素材の味が重要なら、牛のお尻に噛り付けと言いたい。
それが、素材の味である。
これは、何も極端な話を言っているのではない。
例えば、そばの本当の素材の味を知りたいなら、塩なんて付けずに、そのまま食べればいい。
優しい甘味と風味が口中に広がるはずだ。
その方が、よっぽどか、美味しくて、素材の味を感じることが出来る。
もともと、炭水化物は、そのまま食べても十分に美味いものだ。
そのいい例が米だ。
炊いたまま、食べるのが美味いよね。
たまに学生食堂などで塩を掛ける人もいるけれどね。
凡は、冷ややっこも、時に日本酒と食べるときは、醤油も何も付けずに、そのまま食べることも多い。
豆腐の香りが、喉の奥に広がって、どうにも美味いのである。
1度、試してみてほしい。
美味しいよ。
それから、そばも試してみてください。
2本ほど取り上げて、そのまま食べるのと、塩を付けて食べるのとを。
何も付けないそばは、優しい風味が口に広がるはずである。
さて、美味しいそばを頂いたら、そろそろ駅に向かって帰ることにしよう。
歩いていくか、バスに乗るか。
折角だから、街を楽しみながら、歩いて駅まで行ってみようかな。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    う~、凡蔵さんのホテルの映し方が、一層哀愁を帯びた感じを醸し出していますね
    駅前の居酒屋は良い感じですね
    お刺身でご飯を食べても良さそうでね
    カリーヴルストは如何でしたか?
    自分はカレー味じゃない方が好みです
    カレーライスは残念ですね
    15分前なんだから食べさせてくれても良いのにね
    こういうお店は嫌いです
    地球半周以上を片道切符で旅ですか?
    これは羨ましいですね
    冒険と言っても良さそうな旅で、なんだか憧れちゃいます
    風の吹くまま気の向くままの世界旅なんて、いつになったらできるのだろうかなぁ・・・
    出た、凡蔵さん理論!
    牛の尻にかぶりつけとは驚きました
    いや、牛もビックリするでしょうね(笑)
    自分もそばに塩を付けるのは反対です
    スイカに塩もイヤ
    でもステーキに塩は好きだけど、刺身や寿司に塩はダメ
    ご飯に塩もちょっとね・・・
    でも塩むすびは好き
    ついでに海苔が乗っているざるそばよりも、海苔なし方が蕎麦の風味を楽しめると思っています
    何だかんだ言いつつも、自分は美味しければ形にとらわれないタイプなので、焼き鳥は塩もタレも好きだし、ステーキも辛子醤油、ステーキソース、塩、どれもOKだが、ワサビで付けて食べるのはイマイチ好きじゃありません
    まぁ美味しければ何でも良いですよね(笑)

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    米子のホテルは、外観も中も、古いですが、掃除もちゃんとされてますし、朝食も含めて、アットホームな感じが良かったです。
    何と言っても、値段も安いですし。私的には、気に入りました。
    写真はね、外観が何ともね、良い雰囲気でしょ。
    でも、地方のホテルに、夜の遅めにチェックインをするのは、何か、いつも、しんみりとした旅情を感じます。
    その感覚は、好きなんですけどね。
    カリーヴルストは、本場の味を知らないので、どうなのか解りませんが、このお店のは、肉質が脂っこかったです。
    というか、噛んだときに、肉の汁がが、ジュッとでるような、脂っこさではなくて、肉自体が脂っこく練り上げられているという感じ。
    なので、私の好みとしては、普通のソーセージを、表面カリッとなるぐらいに焼いたソーセージの方が、好みかなあ。
    それと、カレーライスは、私もそう思うんですね。
    別に、良いんだけれど、それなら閉店を、例えば23時とかにしないで、22時45分とかにすれば、いいのにと思うんですよね。
    オーナーに残業はするなと言われてるのかな。
    でも、個人のお店のようでしたけれど。

  3. 凡蔵。 より:

    それから、それから、塩なんですが、私も、結局は、食べる人が好きなように食べるのが良いと思います。
    個人の好みもありますしね。
    塩に関しては、ゆけむりさんと似ていますね。
    そばも、スイカも、寿司も、ご飯も、塩を付けるのは、ダメです。
    ステーキは、少し違って、塩よりも、何かソースが掛かっているのが良いです。
    それにしても、不思議ですよね。
    ご飯に塩はダメでも、おにぎりには、塩が好き。
    私も、そうなんですが、何故でしょうね。
    ざるそばに関しては、大阪では、海苔が掛かっていて、ウズラの玉子が添えられているのが、普通です。
    ただ、ウズラの玉子に関しては、最近に出来たお店とか、こだわりのお店には、付いていません。
    昔は、どこも付いてたのですが、私なんか、ウズラの玉子が無いと、少し寂しいです。
    またまた、ステーキですが、ワサビで食べるところは、何か高級店のイメージです。
    なので、まだ食べたことがありません。
    ステーキソースは、お店によって、美味しいお店と、そうでなお店があって美味しいお店で食べた時は、すごく満足感があるんですよね。
    でも、市販のステーキソースで、美味しいソースをまだ、見つけることができていません。
    というようなことを言ってますが、美味しければ、それで良いんですよね。

  4. ゆけむり より:

    大阪では海苔がかかっていて、うずらの玉子も添えられているってのは知りませんでした
    そう言えばこちらでも以前うずらの玉子が添えてあるお店が何軒かありましたが、今はほとんど見かけなくなりましたよ・・・

  5. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    大阪では、もともと、ざるそばは、海苔が掛かったものが定番です。
    それ1種類。
    東京のように、ざるそばと、海苔の掛かっていない盛りそばというような、違いはありません。
    というか、そんな認識で良かったのかな。
    ざるそばは、海苔乗っかってて、盛りそばは、海苔乗っかってない。
    それと、東京でも、昔は、うずうの玉子が添えられているお店があったんですね。
    それは知らなかったです。

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