列車が、アグラ・カント駅に着いたら、ガイドさんが凡の名前の紙を持って立っていた。
そして、駐車場に行くと、運転手は、果たして昨日のデリー観光の運転手であった。
今日のツアーは、デリーからアグラまで列車の旅を楽しんで、アグラでは車で観光。
そして、そのまま車で、デリーのホテルまで送ってくれるというプランだ。
運転手に、今日はデリーを何時に出発したのかを聞いたら、3時30分だと言った。
「えーっ。」と驚いたら、運転手もガイドさんも笑っていた。
さて、車が走り出す。
周りは、デリーに比べたら、やっぱり地方っていう感じである。
トラックの荷台や、バスの屋根などに乗っている人がいるたびに、ガイドさんが、「あれを、見てください。」という。
何故か、ガイドさんは、屋根に乗った人と、ヤギを見かけると、凡に「見てください。」という。
これが、アグラの特徴なのだろうか。
(写真、上手く撮れてないですが、こんな風景を見たら、ガイドさんが、「見てください。」という。)
それにしても、ガイドさんは、英語しか喋れないと聞いていたのですが、ほんの少し、日本語を喋れるガイドさんが来てくれた。
たとえ片言でも、日本語が解ると大いに助かるのである。
1時間ぐらい走らせると、最初の観光地である「ファテーブル・スィークリー」に到着。
駐車場から入口までは、オートリキシャに乗る。50ルピー。
そして、ガイドさんが、ここは現地ガイドも同行するという。
入口で靴を預けると、若い男性が付いてきた。
ここはアクバル帝の城跡で、一時、首都を移転させていたこともある。
城が造られている赤い石は、アグラでとれたものだそうです。
また、ヒンドゥー教とイスラーム教の融合を示したデザインも興味深いものがある。
(ガイドさんと)
敷地内には、この城に住んでいた聖者シェーク・サリームの白い廟がある。
ガイドさんが、その廟の横で布を売っているオッチャンのところに連れて行った。
これは、販売じゃなくて、気持ちでするもものだと説明。
どういうことかというと、この布を、廟の中の聖者の棺に掛けると、ラッキーになるのだそうです。
布のお参りセットの値段を聞いたら、1000ルピーというので、やってみることにした。
現地ガイドの男性と、廟の中に入る。
中には、お祈りの手伝いをする中年男性がいて、凡が棺に布を掛けると、その上に散らす花びらを渡してくれたので、それをお供えした。
そして、布と一緒に貰った紐を、壁の穴に結び付ける。
どうしてよいのか、細かいところは解らなかったので、言われるままにしたが、果たして、お願いをするのを忘れてしまった。
ということは、一体何が叶うのだろうか。
でも、ラッキーになるのだろうと、そして、何かをやったことに満足した。
観光が終わったら、ガイドさんが、凡を、小さな敷物をひいた場所に連れて行った。
そこには、大理石か何かで出来たキャンドルスタンドのような置物が置いてあって、ガイドさんが、座れと言うので、しゃがむと、しゃがむんじゃなくて、敷物上にペタンと座れと言う。
すると、現地ガイドの男性が横に座って、その商品を一所懸命に勧めるのである。
敷物にペタンと座っているし、ガイドさんもいるし、現地ガイドの男性も凡の写真を撮ってくれたりガイドしたりと、何かを売るためかもしれないが、凡のために何かをしてくれている。
なので、少しは協力したい気もする。
でも、キャンドルスタンドは、要らない。
でも、要らないと言っても、説明は続く。
現地ガイドのお兄ちゃんは、一所懸命だ。
解る、解るよ、お兄ちゃんの気持ち。
ツライ。
このためか、どうか知らないけれど、写真を撮ったり、説明したり、してくれたんだよね。
コマッタ。
とはいうものの、凡は荷物になるお土産は要らないので、申し訳ないが、断った。
それにしても、ツアーの説明には、マージンを取るためのお土産物屋には連れて行かないと書かれてあった。
確かに、お土産屋には連れては行かれなかったが、どうも面倒くさい部分がある。
この後も、タージマハールで着る衣装や、写真ブックなど、連れては行かれないけれども、勧められるものは、あるようである。
さて、観光が終わって出口まで来て靴を受け取る。
この時、ガイドさんが、靴の預かり代として、20ルピー渡せと言う。
そして、案内してくれた現地ガイドの男性に、チップとして100ルピーを渡したのだけれど、果たして、それで良かったのか。
靴については、凡が靴を脱いで、凡が靴を端に置いて、凡が靴を履いた。
なので、靴の人は、ただそこに置かれた靴を見てただけで何もしていない。
それで、20ルピー。
一方、現地ガイドの男性は、写真を撮って、説明をして、いろいろ凡に気を遣って、ずっと付いて回って、100ルピーだ。
兎に角、売るためとはいえ、一所懸命だ。
さっきの靴の20ルピーと比べてみて、バランスが悪い気がするのだけれど、どうなんだろう。
現地ガイドの男性には、もっと渡すべきだったのか。
またしても、チップで悩んでしまう。
(ファテーブル・スィークリーの出口にて)
さて、また車に戻って、今度は、このツアーのハイライトである「タージマハール」の観光である。
移動途中に、道路脇のチャイの露天で、運転手さんがチャイを買って来てくれて、車内で、みんなで飲む。
美味しいね。
そして、また走り出したら、ガイドさんが、これからタージマハールに行くけれども、その前に、王様の衣装のレンタルがあるから、どうだという。
日本人は、みんなやっていて、喜ぶと言う。
凡は、お金もないし要らないと言ったのですが、お金が足りないのならATMも案内すると言う。
そこまで言うのは、やっぱりマージン的なものがあるのかと思ったが、そこは暑さにやられて、少しどうでもよくなっている部分もあり、1000ルピーにマケルように話をするというので、やることになった。
これじゃ、お上り観光丸出しだな、なんて思ったら、凡の置かれている状況が可笑しかった。
衣装のレンタル屋で、衣装を選ぶ。
どれも、安い生地で作られている。
そこで、紫のものを選んだ。
着替えをして、車に乗り込み、タージマハールに向かう。
入口で、ガイドさんにカメラマンを紹介された。
写真撮影なんて、要らない。
そう答えたが、一所懸命に勧めてくる。
値段を聞いたら、5枚で1000ルピーとか、そのぐらいだという。
普通なら断るのだけれど、王様の衣装も着てしまっている。
なので、これもついでに頼むことにした。
半分、暑さでやられてしまっているので、どうでもよくなってくるのである。
それにしても、カメラマンもそうだけれど、この暑さで、よくそれほど強く勧めてくることができるものだと思う。
ある意味、尊敬に値する。
ということで、カメラマンさんとガイドさんと、タージマハールに入る。
(タージマハールの入口の門)
まずは、撮影ということで、3か所ぐらいのスポットで撮影をする。
そして、撮影のメインスポットがあって、そこは確か、エリザベスか、ダイアナという名前だった。
なんでも、そのエリザベス女王か、ダイアナ妃がインドを訪れた時に、タージマハールの正面にある大理石のベンチで写真を撮ったということで、その場所が1番の撮影ポイントだそうです。
(ここが、エリザベスだかダイアナだか、言われている場所)
(こんなポーズを何回もさせられる)
凡とカメラマンさんは、その場所へ行ったら、既に何組も撮影を待っている。
それで、カメラマン同士、お客さん同士、早く撮れとか、こっちが先だとか、言い合っている。
終いには、喧嘩のようになっていた。
それでも、凡も目出度く、メインスポットで撮影。
さて、この写真だけれど、写真を印刷したものとデータのCDのセットで、3000ルピーだという。
それじゃ、凡の始めの算段とは違ってくる。
1000ルピーぐらいを考えてたので。
なので、写真だけで、高いからセットは要らないと言うと、2000ルピーでということになった。
カメラマンは、そこで印刷に帰って行った。
そこから、ガイドさんの簡単な説明を聞く。
そして、肝心のタージマハールの中には、凡だけ行って、ガイドさんは外で待っているという。
暑さで、嫌になったのだろうか。
タージマハールは、土足では入れないので、靴にカバーを掛ける。
カバーを着けようと、しゃがんだら、レンタル衣装のズボンのお尻が破れてしまった。
シマッタ。
果たして、追加料金が発生してしまうのだろうか。
タージマハールは、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、お妃のムムターズ・マハルのために造った墓である。
一説によると、皇帝は、タージマハールの川を挟んだ対岸に、黒い石で造った黒いタージマハールを造ろうとしていたそうです。
そして、お妃の白いタージマハールと皇帝の黒いタージマハールが、河を挟んでペアになるように考えていたようです。
でも、皇位を狙う息子に幽閉されてしまったそうで、黒のタージマハールは造られることがなかったとのこと。
なので、今のタージマハールの中央の場所には、お妃のお墓が置かれ、皇帝のお墓は、そのお妃の横に置かれています。
それにしても、これだけのお墓をお妃のために造るなんて、尊敬すべき愛の執念。
「皇帝!凡にも、愛の執念を分けてくださーい。」
凡も皇帝の愛の執念をもらって、みゆきさんへの愛を、もう一度叫びたい。
「みゆきさーん。好きでーす。墓造りまーす。」
と、こういうのも挟みまして。
実際に見たタージマハールは、観光客が多くて、厳かな気持ちで見ることは出来なかった。
それよりも、タージマハールの後ろから見る、ヤムナー河の広がる風景が、なんとも穏やかで気に入った。
こんな風景は、テレビや写真では、見ることのできない風景である。
だからこそ、実際に来る意味があるんだと思った。
そして、インドにやって来て、始めは、タージマハールは、見ても見なくても、どっちでもいいなんて、言ってたのではありますが、実際に見ると来てよかったと感じたのであります。
(タージマハールの裏の河)
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平 凡蔵。へのファンレターや
お褒めの言葉は
sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント
まず、車で送迎付きってのは嬉しいですよね
暑くなければ体力も残っていて、あちこち見ながらホテルを目指すのも良いですが、48度とかの中で観光していたら、ホテルにまっすぐ帰りたくなりますよね・・・
ヒンドゥー教とイスラーム教の融合を示したデザインですか?
自分は全然詳しくありませんが、かなり珍しいのではないでしょうか?貴重ですよね!
なるほど、ツアーの説明ではマージンを取るためのお土産物屋には連れて行かないと書いてあるのに、お土産屋には連れては行かれなかったが面倒くさい部分もあるのですね(笑)
やはり何かしらの商売に結び付けたいってのがあるんでしょうね・・
>半分、暑さでやられてしまっているので、どうでもよくなってくるのである
分かります分かります、考えるのも面倒だし、そもそも思考能力が低下し、断る事すら面倒になりますよね(笑)
ところで紫の衣装良く似合っていますよ
ポーズも旅の楽しさが表れてて、とっても良く撮れています
ただ、お値段がインドにしてはお高いのではないでしょうか?
でもせっかくだし、断るのも悪いし、色々交錯しながら買ってあげる凡蔵さんの優しさが伝わってきますね!
ありがとう、ゆけむりさん。
送迎は、本当に助かります。
朝も、ホテルから駅までは、近いのですが、送迎が付いています。
それは、駅には、ややこしい人が多いので、運転手と一緒だと、色んなトラブルを防げるからということのことでした。
帰りも、疲れていても、エアコンの効いた車で、ホテルまで送ってくれますしね。
現地でも、移動するたびに、暑い中、交渉するのは、大変です。
ヒンズー教とイスラーム教の融合は、皇帝が、そんな考えをもっていたようです。宗教が原因で、争い事が起こることを考えたら、素晴らしいですよね。ガイドさんによると、確かデザインの中に、キリストの十字架もあって、ヒンズー教とイスラム教とキリスト教の融合だと説明があったのですが、他の本などの説明には、キリスト教は書いていなかったので、自信がないので、書きませんでしたが、兎に角、良い考え方のように私は、思いました。
お土産物屋は、連れては行かれませんでしたが、王様の衣装や、現地ガイドさんは、何かあるかもしれませんよね。
ガイドさんに、もうお金がないと言ったら、ATMがあると言ったのは、ビックリしましたが、これも親切でいったのか、買わせるつもりで行ったのか、判らないですよね。
私は、要らなかったのですが、タージマハールでの写真集は、帰ってから、奥さんが1番やって良かったんじゃないかと言ってました。
※字数制限のために、次に続く。
※前のコメントの続きです。
今回のインド旅行で、思ったのは、あの暑さで、よくインド人は頑張れるなということでした。
私なんか、もう思考能力10パーセントぐらいになっていました。
勧誘や売り込みも、ウソを言ったり、騙したりというやり方は、腹が立つし、絶対嫌だし、あまり強引なのも苦手で、無視をしたり、断固断ったりするのですが、一所懸命というのは、何かちょっと協力したい気になります。こんな暑い中やっているんだからと思うとね。