平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(638)台北ピーチ2990円の旅。(3)

台北の旅の2日目。
朝、07時にホテルを出る。
そして、ホテルの近くを、ブラブラ歩いて朝食のお店を探す。
いろいろ美味しそうなお店があったが、何気なく立ち止まったお店に入ってしまう。
蒸した糯米を平たくのばしたものに、玉子焼きや、デンブなどを挟んで巻いたものと、豆乳を注文。97元。
奥のテーブルで食べる。
気分はサンドイッチだったんだけれど、まあそれでお腹がいっぱいになってしまった。

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そのお店の近くに、水煎包のお店があったの、1個だけ買ってミニボンと半分にして食べる。
すると、これが美味いと唸りたくなるような美味しさだ。
こんなのが日本でもあったらいいんだけれどね。
「老蔡水煎包」さん。鮮肉包13元。

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そして、台北駅の横にあるバス乗り場まで移動。
台北西站A棟ターミナルから、國光客運1815の金山行きに乗り込む。
この路線も昨夜買った悠遊カードが使用できるので、チケットを買わずにそのまま、カードをタッチして乗ればいいので、楽ちんだ。

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乗り込んだバスは座席もゆったりとして快適だ。
それにしても、台北のバスは解りやすくて初心者でも利用しやすいから良い。
大きなバスでも、小さなバスでも、行き先の番号と名前が、デカデカと電光掲示板で表示されているので、予め何番に乗るのかを調べておけば、バスを間違えることはない。
それに、運転手も、一見怖そうに見えるけれど、至って親切で降りる駅を教えてえてくれたりする。
台北駅、07時40分発。
野柳バス停、09時ごろ着。
バス停からは歩いていくのだけれど、道路の歩道が緑色に塗られていて、その緑のペンキの道を歩いて行けば迷うことはない。
バス停を降りたのは、凡とミニボンの他に、女性が1名と、男性が2名だけだった。
そして、歩いて野柳風景特定区という海岸の公園に到着。
入口には、たぶん大陸から来たであろう団体の観光客でごった返していた。
駐車場に停まっている大型観光バスの台数を数えたら50台ぐらいあった。
すごいね。

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そのバスごとに、ガイドさんが旗を振って大声で説明しながら、ぞろぞろと一緒に歩いて行く。
野柳風景特定区は、自然に出来た奇岩が、海岸の1部分に集まっている地質公園だ。
その奇岩が、たとえば女王の頭の形に似ているとか、サンダルの形に似ているとか、誰かが言い出したものを、「へえ、なるほどね。」と言って見物するのである。
一体において、岩であれ、なんであれ、自然のものが、ある何かの形に似ているなんて言い出したら、これは何でもありになってしまう。
というか、それが果たして、面白いのかということだ。
この野柳で言っても、たとえば女王頭の岩だって、その面白い形を、そのまま面白い形として鑑賞すれば良いものを、わざわざ誰かが名前を付けて、その誰かが考えた女王の頭として鑑賞する。
それって、純粋にその形を鑑賞していないことになるのじゃないかなと思う。
現実目の前の空間に存在する形を無視して、誰かの思い付きの言葉で縛られた脳で勝手に印象付けられた形を、ありがたく拝見する。
それは、芸術じゃない。
とはいうものの、奇岩は自然が作り出したもので、人間が作り出したものじゃないから、それはもともと芸術と言えるのかというと、どうなんだろうということはあるが。
凡も、奇岩や、或いは自然の風景を見て、その形が美しいなと思う時がある。
とはいうものの、それを何かの形に例えることはしない。
せっかくの美しい形が、それを何かの形に例えることによって、その瞬間その岩や風景が陳腐なものに感じてしまうのであります。
なのでありますが、ミニボンはこんな風景と言うか場所が好きなようでありまして、何枚も写真を撮っては喜んでいた。
ミニボンが嬉しいなら、凡も嬉しい。
なので、来て良かったと思った。

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(これが、何とかのサンダルという岩)

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(女王頭の前では、写真の行列ができる)

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さて、野柳も無事に観光し終わったので、これからはテレサ・テンさんのお墓に行こう。
それにしても、今回はミニボンが野柳に行きたいと言ってくれて良かった。
でなきゃ、テレサ・テンさんのお墓だけじゃ、凡も3時間も4時間もかけて行きたいとは、これは言い出せないものね。
野柳のインフォメーションセンターで、テレサ・テンさんのお墓の行き方を尋ねる。
ガイドブックで調べたら、金山からタクシーが良いと書かれていたが、インフォメーションセンターのお姉さんはバスがあると言う。
なので、バスで行くことにした。
その前に、暑いので駐車場の横の出店でジュースを飲む。
ミニボンはマンゴー味、凡はレモンと梅干味。
ほっとするね。

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お墓行きのバスは、野柳風景特定区の駐車場から出ている。
少し待って来たバスは、台湾好行の皇冠北海岸線の淡水行きの小さなバスだった。

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11時05分に出発。
結構に飛ばして11時37分に、テレサ・テンさんのお墓のある「筠園」に到着した。
たぶんだけれど、この「筠園」という場所の名前は、テレサ・テンさんの本名の「鄧麗筠」の最後の字を取って、テレサ・テンさんの公園という意味じゃないかと思う。
この筠園は、金山の山の上にある。
なので、帰りはタクシーを拾うのが困難だ。
テレサ・テンさんのお墓を見た後は、今バスで通り過ぎて来た金山まで戻って、金山老街でも散歩しようかなと思っていたのです。
そしてこの路線のバスは、1時間に1本だ。(ただし、凡の行ったお昼の時間帯は、12時03分の便を過ぎたら、次は14時台と、この時間帯は注意が必要。)
インフォメーションセンターでバスを教えて貰った時に、帰りのバスの時間を見たらテレサ・テンさんのお墓をお参りする時間は26分しかない。
それを逃すと、運悪く次のバスは2時間ぐらい待たなきゃいけない。
果たして、バス停を降りて、お墓に行って、またバス停まで26分で戻ってこられるのだろうかと不安に思っていたら、筠園のバス停に着いたら、お墓は目の前にあった。
これなら、26分でも大丈夫である。
お墓に着くと、テレサ・テンさんのお墓は小さな公園のようになっていて、真ん中あたりに大きなピアノの鍵盤のオブジェがあり、その奥に金色のテレサ・テンさんの銅像が、優しく訪問者を歓迎してくれるように立っている。

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そして、その奥にテレサ・テンさんのお墓があった。
お墓の前には、年配のオジサンと若い20歳代の女の子がいた。
お墓まで行くと、年配のオジサンが、凡とミニボンに線香を渡してくれた。
それを、供えてお参りをする。
凡が行ったのは、5月9日。
その前日が、5月8日で、ちょうどテレサ・テンさんの命日だったのである。
出来るなら昨日来たかったのではあります。
お墓の前には、沢山のファンが綺麗なお花を供えてあって、テレサ・テンさんが亡くなって今年で21年になるというのに、いまだにファンに愛されているというのは、やっぱりスゴイ人なんだなあと実感した。
因みに、お墓の上部に彫刻された女の人は、テレサ・テンさんではなく、お母様の希望によるマリア様だそうです。

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お墓を守っているおじさんに話をお聞きすると、昨日は沢山の人がお参りに訪れたそうです。
そして、おじさんは、NHKから問い合わせが、いつも自分に来ると言うことを何度も話してくれた。

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話をしていると、お墓ではテレサの歌がずっと流れている。
ふと耳を澄ますと、凡の知っている「甜蜜蜜」という歌が流れているんだけれど、歌詞が違う。
そこで、凡が出発する前に日本でアイフォンに入れた「甜蜜蜜」の動画をおじさんに見せて、言葉が違うということを聞いたら、広東語だという。
なんでも、歌は、中国語、広東語、日本語、英語の4か国の言葉で流れているそうです。
そして、いろいろ話していると、どうもこのおじさんはお墓の管理をしている人ではなく、というか、管理をしている人なのかもしれないけれど、テレサ・テンさんのファンだと言う。
そして毎日欠かさず、お墓にやってきては、来訪者の案内をしているそうです。
そう聞いたときに、凡はおじさんの胸中の秘密を知ったような気がした。
たぶん、おじさんは、テレサ・テンさんのことが、好きで好きで堪らなかったんだと思う。
好きで、好きで、でも会うことも、話をすることも、もちろんデートすることも叶わなかった。
でも、テレサ・テンさんが死んで、このお墓に埋められた時から、おじさんはテレサ・テンさんの傍に来ることが出来たのである。
詰まりは、死んでやっと、テレサ・テンさんを独り占めすることが出来たのである。
いつだって、傍にいることができる。
おじさんは、テレサ・テンさんが若くして亡くなって可哀想だと言っていたが、或いは死んで、傍にいることが出来て、変な言い方だが、今の状況に満足しているのではないだろうかと思った。
でも、そういう風に考える気持ちは、というか凡が勝手にそう想像しているだけなんだけれど、その気持ちは解るような気がするのである。
凡も、みゆきさんが好きで好きで、堪らない。
なのだけれども、会うことも、話すことも、もちろんデートすることも叶わない。
でも、これが何十年も先に、もしみゆきさんが亡くなるとうような時がきたら、凡は、毎日みゆきさんの墓の前に来て、立っているかもしれない。
そう思ったら、おじさんが好きになった。
とはいうものの、みゆきさんが死んでお墓に入るときに、凡が生きているという自信はないのではある。
多分、凡の方が先じゃないかと思う。
お墓には、凡がいてた間にも、3組ぐらいだろうかやってきては、帰っていった。
テレサ・テンさんのお墓のある一帯は、お金持ちの立派なお墓が、山全体に広がっていて、その様子は壮大である。
このお墓が広がる風景を見るだけでも、一見の価値があると思った。
因みに、テレサ・テンさんのお母さんや家族も、この一帯のどこかにお墓があるそうです。

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(写真では、なかなか伝わらないかもしれないが、山一面にお墓が広がっている。金色の大きな建物は、集合の墓なのかな。)

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(どのお墓も立派です。)
さて、帰りのバスの時間だ。
時刻表では、12時03分の発車となっているが、待っても待っても来ない。
12時20分ごろだったかな、遅れていたバスが来て、乗り込む。
金山(老街)のバス停で降りて、このあたりを散策してみることにした。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    やっぱり凡蔵さん凄いですよ!
    いくら簡単とは言え、外国でバスはけっこうハードルが高いですよ
    正しいバスに乗れたとしても、降りる時がかなり難しいでしょうからね
    野柳風景特定区ですか
    自然に出来た奇岩が海岸にたくさんあるようですね
    かなり多くのバスが来ているので、人気のスポットのようですね
    チャンスがあったら自分も一度見てみたいです!
    次はテレサ・テンさんのお墓参りですね
    小さなバスで行かれたとは、これまた凄いですね
    かなりお花が供えてあるので、多くと人がお墓参りに来ているんですね
    墓守しているファンらしきおじさんの気持ち、なんとなく自分にも分かる気がします・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    私も、外国でバスは、ちょっと無理ですよ。
    というか、大阪でも、ほとんど複雑なんで乗らないです。
    でも、台北なら誰でも大丈夫。
    というのが、バスの車内にも、運転手の横の上の方に、電光掲示板があって、次の駅や、目的の駅が表示されるんです。
    だいたいの時間が解っていれば、その時間ぐらいから、電光掲示板を見てれば、日本人でも降りることができます。
    それに、今回使ったカードだと、運賃がいくらかということを考えないで、タッチすれば良いだけ何で、それもまた乗りやすくくふうされていますよ。
    それと何といっても、漢字だし。
    野柳なんですが、私もこんなに人気があるとは思いませんでした。
    ただ、日本人は少なかったです。
    少し離れたところも、行けば良いところが沢山あるんでしょうね。
    テレサ・テンさんのお墓は、前日が命日だったせいで、少し高そうなお花が供えられていましたが、普段はどうなのかな。
    でも、毎日、お参りする人は来るようです。
    葬式も国葬クラスで、台湾では、特別な存在だったようです。

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