平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(582)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(224)

2月8日の中島みゆきさんのコンサート一会。
会場に入ると、カメラが設置されていた。
中央部に2台と左右に1台ずつ、そして一番前に移動式のカメラが1台。
そのほかにもあるのかもしれない。
夜会の時はもっと多かったように思う。
ということは、このコンサートのDVDなどが出来るときは、凡が見たこの日のコンサートだということであって、これは嬉しいじゃない。
今日見るみゆきさんと同じみゆきさんをDVDで見ることになるもの。
或るいは、今日と明日の2日間をビデオに撮って編集するのかもしれない。
過去の場合はそうだ。
どちらにしても、今日も明日も凡はこの一会を見に来るので、これは確実にDVDでも同じ瞬間をもう1度、凡は見ることが出来るのである。
今日の席は、1階の29列の中央ゾーンだ。
しかも、通路の横なので気が楽だ。
取り敢えずは1階である。
さて、肝心のコンサート一会であります。
内容は、今まで見てきた5回と同じだ。
でも、違うんだね。
いつも同じだけれど、いつも少し違う。
そうだ、今日は特に表情が良かったような気もするのである。
やはりビデオカメラのせいだろうか。
みゆきさんも、いつもより素敵なとびっきりの笑顔。
ただ、みゆきさんがコンサートのトークの中で、マヨネーズを食べたらジンマシンが出ちゃってヒドイことになってるから、もうどうにでもなれみたいな、言葉は違うかもしれな けれど、そんな風なことを言っていた。
凡にはジンマシンは判らなかったけれど、みゆきさんが気にしてると思うと、何かせっかくのビデオカメラなのに可哀想に感じてしまう。
恋する凡。
それにしても、みゆきさんの表情は素敵なんだ。
単なる笑顔にしたって、ただの笑顔じゃない。
それに、他の表情だって、歌に込めたメッセージを感じさせるような、心がこめられているように見える表情なんだ。
ここで「心がこめられているように見える」と書いたのですが、「見える」のであって実際に「こめられている」かどうかは、凡は知らない。
そして、心がこめられているかどうかなんて、凡にはどうだっていい。
そもそも、凡は世間で「心がこもっている」とか「心がこもっていない」とかいう言葉をつかう人をみるけれども、ナンセンスだと思う。
心なんてものは、他者から見て、こもっているか、こもっていないかを判断するものじゃない。
本人しか分からないことなのですから。
ある人が、本当に悲しい過去があって、そして悲しい歌を、悲しい気持ちで歌ったとしても、或いは、見ている人は、心がこもっていないと判断するかもしれない。
そう思うと、歌手に対して、そして歌手の歌っている姿に対して、心がこもっているという評価は、それ自体が無意味である。
なので、テレビなどで、心がこもっているという表現をつかう評論家がいるけれども、そのたびに、凡は首を振りたくなる。
そうじゃなくて、心がこめられているように「見える」と言ってほしいのである。
或いは、心を表現して歌っていると。
そんな凡のヒネクレタ考えでいうなら、みゆきさんは、心を表現するように歌う超一流の歌手である。
それに、みゆきさんに限っては、凡はむしろ歌に心を込めてほしくない。
何故なら、みゆきさんの歌は失恋の歌も多い。
失恋というと、それはその前に、歌い手が誰かに恋しているということが前提となる。
或いは、付き合っているということが前提となる。
凡はみゆきさんが誰かと恋仲であったということを、その歌を聴きながら感じたくない。
そんなことを、心をこめて歌ってほしくないのである。
もちろん、歌は創作物であって、事実ではない。
ただ、想像でもそれは嫌なのが、これが凡の恋心のなせるわざなのであります。
そんな、みゆきさんのコンサートでの表情は最高に美しく、そしてみゆきさんは最高の心の表現者である。
さっきも言ったか。
さて、2月8日の一会である。
「旅人のうた」と「ライカM4」この2曲は、何度も書いているけれども、特筆ものである。
何といっても、その歌も素敵なんだけれども、その踊りというかダンスというか振り付けというか、これが最高だ。
みゆきさんが、ステップを踏むたびに、そのスカートの裾が揺れる。
そのスカートの揺れを見ているだけでも、凡はウットリとしてしまうのである。
この2曲の場合は、そのスカートの揺れも力強く生きいきと、みゆきさんのパワフルさと、内面の少女のようなキュートさを軽やかに表現している。
こんなスカートの揺れはなかなか普通の人には出せるものではない。
スカートというのは、その人の生身の脚を、より美しく見せることができるか、或いは台無しにしてしまうかという非常に重要なアイテムなのである。
ただ、スカートは着けただけでは、あまりそのアイテムとしてのパワーは発揮しない。
そこに動き、つまり揺れが生じることによって、そのスカートというアイテムが最大限にその能力を発揮するのである。
それは、良くも悪しくもね。
一流のダンサーは、ただ体の動きを練習しただけでは観客を感動させることはできない。
体にまつわる衣服の動きを計算に入れて表現してこそ、ため息の出るような演技になるのである。
凡は学生のころ、ミュージカル映画が好きでよく見に行ったんだけれど、今でも印象に残っているというか、最高だと思うのが、映画「踊るニューヨーク」のフレッド・アステアとエレノア・パウエルのビギン・ザ・ビギンのタップダンスだ。
この時のエレノア・パウエルのスカートの揺れほど美しいものはないと思う。
その軽やかさと優雅さは天下一品に素敵だ。
その美しい脚もさることながら、そのスカートの揺れにウットリ見とれてしまったのである。
若い男の子が、女性の脚よりもスカートの揺れに目が釘付けになってしまうなんてことは、普通ではありえない。
脚を見るだろう、健全な男子ならね。
でも、このダンスシーンはそんな男子のヨカラヌ妄想を遥かに超えてしまうぐらい素敵だった。
そして、みゆきさんのスカートである。
そのエレノア・パウエルと甲乙つけがたいスカートの揺れの美しさなのであります。
ただ、凡はみゆきさん大好きなので、もしこの2者に勝敗をつけるとすると、みゆきさんラブをプラスで、みゆきさんのスカートの揺れが1番となるのではあります。
そして、みゆきさんのスカートの揺れは、ただ旅人の歌やライカM4だけじゃなくて、麦の歌のゴールドのワンピースのときなんかも、これは絶品だった。
ワンピースのラインが柔らかく揺れる様は、この世のものとも思えない清らかさであり、女性の優しさに包まれたような温かさを感じるものだった。
こんな揺れもまた、みゆきさんの生身が美しくなきゃ、出ないラインなんだ。
つまりは、みゆきさんの場合は、みゆきさんの生身の体も美しくて、更に、その生身に身に着けた衣装を最大限に美しく見せるのであって、これはつまりは無敵なわけなのであります。

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(映画のシーンから無断拝借)
さて、そんなみゆきさんの2月8日のコンサート一会も終わってしまった。
明日はどんなみゆきさんの美しさを発見するんだろうか。
凡はコンサートの終わった寂しさを胸に、また出待ちの位置まで移動した。
10時15分にみゆきさんが、いつものタクシーで出口を出て帰っていった。
ため息をひとつ。
何か寂しいな。
取り敢えず、ホテルのある渋谷まで戻ろうかと東京駅まで歩く。
駅前のビルには、まだ灯りが付いている。
大阪の本町を夜に歩くときも思うのだけれど、誰かが、何処かで、何かをしているだなあ。
それは仕事をしているのかもしれない。
或いは、何もしていないか、遊んでいるのか。
或いは、笑っているのか、悩んでいるのか、苦しんでいるのか。
でも、そこに人がいて、何かをしているのである。
今この夜に、である。
何かそれを思うときに、凡は言うことのできない、今この瞬間に凡だって生きているということに、誰か知らない人も生きているということに、そしてそんな人間世界に、寂しさを感じるのであります。
みんな何かを抱えながら生きていることの時間の共有、じゃないか、共有しているような、孤立しているような、そんなハッキリとはしない不安というか寂しさというか、そんなものを考えてしまう。
って、何を言いたいんだろうね、凡は、自分で書いていながら、チンプンカンプンで思うところを書けないよ。
そんな言葉にできない感情を持ちながら、渋谷まで帰ってきた。
そして、食事をするお店を探すも、なかなか見つけられない。
もちろん、お店はたくさんある。
でも、入りたい店はないので、うろうろ歩き回ることになる。
気が付くと、焦って早足で歩いている凡がいた。
思わず何をしているんだろうねと思う。
せっかくのコンサートの終わった夜なんだから、ゆっくりコンサートのことをこころの中で温め直せばいい。
なのに晩御飯を食べなきゃと、そんな些細なことに焦って早足になっていたのだ。
よしと、リセットをしてゆっくりと歩きだした。
ホテルまで歩いてしまったので、いったん荷物を部屋に入れて、また街に出たけれども、夜も遅いので、ホテル近くのバーミヤンで食べることにした。
でも、意外や意外にこれは正解だったようであります。
始めは何となくファミリーレストランのチェーン店というイメージしかなかったので、乗り気ではなかったのですが、結構メニューも豊富だし、何より紹興酒のデキャンタが400ミリで389円というのは、これは素晴らしい。

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いろいろ注文をして、食べて食べて、1時30分にバーミヤンを出た。
そして、ホテルの大浴場へ行って、夜中の2時15分ごろ部屋に戻って寝ることにした。
少しばかり、紹興酒が回っている。
みゆきさんの夢でも見ながら寝ることにします。

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