平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(572)傷心旅行だよ。みゆきさーん。(4)

1月10日。
みゆきさんにフラれた傷心旅行の2日目はスーパーホテルJR富士駅前禁煙館で迎えた。
今日は観光もする予定なので無料朝食の始まる6時30分に1階の朝食会場へ行くと、すでに4、5人の方が凡より早く来ていた。
会場はコンパクトなのですが、みんな早めに食べたら席を立つので、混雑はしないというか、時間も早いですからね。
肝心の内容はというと、和もあり洋もあり、また一応は名物の富士宮焼きそばなんかもあって、しかもバイキングとくれば、十分に満足のいく食事であります。

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もちろん、一流のホテルに比べたら種類も少ないけれども、とにかくスタッフの元気がいいのがいい。
挨拶もまた、おかずの補充も、声を出して元気に仕事をされているので、こっちも元気になる。
それにしても、この無料朝食というのがどうも凡には微苦笑せざるをえない表現ではあるのではありますが。
大阪のおばちゃんなら、「そらあんた、無料っちゅうても宿泊代に、ちゃーんと料金入れてはりますがな。」と誰もが言うところでありまして、無料だから文句言わないでねなんてクレーム防止のための一文なのではと勘繰りたくなるところであります。
なので、このホテルの朝食なら無料なんてことをつけずに、単に「朝食付き」と書いた方がすっきりとするんじゃないかと思う。
ちゃんとした朝食なんだから。
そんな美味しい貯食を頂きまして、部屋で支度を整えて、チェックアウト。
富士駅07時45分発の身延線の電車に乗り込む。
電車が出て、すぐに富士山が見えた。
すぐにアイフォンを出して写真を撮ろうとするのだけれど、なかなかうまくは撮れない。
それにしても、富士山は素晴らしいですね。
大阪にいる凡にしてみれば、富士山を見ただけで感動を覚える。
その大きさも、その大きいという理由だけで、何かの力を感じるのであります。
形も美しく、崇高な響きを発しているようにも思える。
そして、凡が感動するのは、その山の部分だけでなく、そのすそ野に広がる樹海と呼ばれるのかな、広く人のいない空間だ。
凡の立っている下から見てもそのすそ野の全体を把握することは不可能だろう。
ただ、その少し見えているすそ野から想像するだけでもその広さと深さは半端ないものだということは、これは理解できる。
その広さと深さの空間の大きさは、何か無条件に怖いのです。
神聖なものにたいする畏れ。
大きいものに対する威圧。
誰もいないことに対する不安。
そんな感情が富士山のすそ野を想像したときに沸き起こってくる。
だから、そんな畏れと威厳から、みんなも信仰の対象にするのかもしれない。
富士駅を出た電車は、09時02分に富士宮駅に着いた。
ここから富士本宮浅間大社までは歩いていくことができる。
大きな鳥居の前に来たら、息をのんだ。
素晴らしい風景である。

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鳥居から遠くに富士山がスカンと見える。
絵はがきにでもしたいような風景だ。
さっそく本殿に参拝をする。

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ここの祭神は、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)だそうだ。
木花之佐久夜毘売命ば、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に見染められて結婚したそうで、花が咲くように美しい人という意味の名前らしい。
花が咲くように美しいとは何て素敵な表現だろう。
きっと今の世に生きていたとしたら、そしてその名前をつけるに相応しい人といったら、これはもう、みゆきさんしかいないではないか。
みゆきさんもまた、花が咲くように美しい。
しかも、その花も見るときによってその表情が違うんだな。
ある時は、深紅のバラのように情熱的で、ある時は胡蝶蘭のように気品高く、またある時はスミレのように可憐だ。
どの花も凡にとって大切な花である。
そんなみゆきさんは、夜会VOL4金環蝕で天の岩戸開きをモチーフにストーリーを展開されていた。
凡はDVDでしか見たことがないのですが、「泣かないでアマテラス」のみゆきさんは最高に素敵ですよね。
ここでも、木花之佐久夜毘売命とみゆきさんは、神話というキーワードでつながっている。
しかも、凡も詳しくは知らないのですが、大本教の「二度目の岩戸開き」という神諭では、「ここに木花咲耶姫なる雅(みやび)のおん神は仲介(なかだち)と現はれ給ひて、勇ましく岩戸の御前(みまえ)に立ち給ひ、岩戸は無事に開かれて」というくだりがあって、ここでは天の岩戸を開いたのは木花之佐久夜毘売命とあるそうだ。
これまた、みゆきさんとのつながりを感じるではないですか。
この岩戸開きについては、九鬼文書の「天岩戸前典儀」によると、また通説とは違ったストーリーになっていて、何度か岩戸開きがあったらしいのですが、途中ではスサノオノミコトが岩戸に入って子供を産んだという面白い内容になっているそうです。
などと、ここでも月刊ムーの購読者は、そんなムーの記事から、みゆきさんへの想いを膨らませては喜んでいるのではあります。
さて、本殿を参拝した後は、その周りの湧玉池や水屋神社を拝見して駅まで戻ることにした。
富士宮駅から富士駅まで戻る。

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さて、まだ少しだけ時間がある。
ホテルの女性スタッフさんに富士市にも冨士六所浅間神社というものがあることを教えてもらっていた。
そこへでも行ってみようかとバスに乗る。
そして吉原中央駅まで行くと、このあたりの商店街も賑やかそうなので、少しばかり歩いてみたくなった。
商店街の端っこに岳南電車の吉原本町があることに気が付いて、とりあえず駅まで行って見ようと思った。
駅に着くと、なかなか風情のある駅である。
そしてこれが素晴らしいと思うのだけれど、岳南電車沿線のマップなどが設置されていて沿線を盛り立てようという雰囲気も感じられる。

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(裏にはオススメコースなどが書かれている)
そこでマップを見ながら、そして前夜の計画も思い出しながら、岳南電車の比奈駅にある竹採公園へ行って見ることにした。
岳南電車は一両編成で、これまた風情のある路線でありまして、何とも乗っているだけ嬉しくなる。

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(硬券のきっぷが懐かしい)
比奈駅からゆるい上り坂を歩いていくと小さな公園にたどり着く。
そこが竹採公園だ。
竹取物語の話の発祥の地の1つだそうです。

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ただ、ここの竹取物語では、娘は月に帰っていくのではなくて、富士山に帰っていくという違いがあるそうです。
とにかく、どっちの竹取物語にしても、やっぱり主人公は美しい娘でありまして、美しい娘と言ったら、あーた、これはもう、みゆきさんしかいないじゃありませんか。
と、これまたみゆきさんに話をつなげたくなるのではありますが、ここは先を急ぎましょう。何しろ今回の旅はみゆきさんにフラれた傷心旅行でありますゆえ。
そして、この竹採公園は、本当に小さな公園で、そしてこれといって何もないのですが、遠い昔の物語に思いをはせて妄想するには面白いところではないだろうかと思う。
それに、何しろ凡が行ったときも他に人は2、3人しかいなかったし、のんびりできます。
帰りは下り坂なので思ったより早く比奈駅に到着。
駅もまた風情のあるたたずまいで、帰りの時間を気にする旅ではあるのですが、ただこの比奈駅での待ち時間だけは、どこか時計を外してしまいたくなるのんびりとした時間が流れていた。
凡のほかに、待っている客は4人。
その内の1人の壮年男性は、ホームから線路側に足を投げ出して座っていた。
あの人もまた、ひとり旅なのだろうか。
そして、傷心旅行なのだろうか。

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(岳南電車オススメの写真スポットから撮った風景)

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(こんな仕掛けがいいですね)
岳南電車で、吉原本町まで戻ってきたら、ちょうどお昼時間である。
ホテルの女の子に聞いたところによると、この商店街は「つけナポリタン」の発祥の地だそうだ。

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(商店街の一押しのようです)
そんな名物は食べなきゃいけない。
何しろ今回の旅は、名物やけ食いの旅なのであります。
商店街を探してみるけれども、つけナポリタンをやっている喫茶店は2店舗しか見つけることができなかった。
その内の1軒は、ひどく時間がかかりますなどとお店の前に注意書きを出していたので、別の1軒に入る。
「Kamileon Cafe58」さん。

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(これはバレンタイン用の演出だそうです)
入口は、リボンで籠などを作るワークショップなのかお店で、奥に喫茶のスペースがある。
ワークショップに似合いそうな可愛い女性の店員が2人いた。
カウンターに座り、つけナポリタンを注文。
出てきた料理は、つけ麺でいうと冷アツということになるのだろうか。
スパゲティが冷たくて、汁が熱い。
味は、想像通りだけれど、思ったより具が多かった。
食べた後は、割りスープを入れて飲む。

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どうも初めての料理で食べていて楽しい。
ただ、凡の好みで言うと、中華のつけ麺もそうだけれど、スパゲティーは、熱い方がおいしいんじゃないのかなと思った。
名物を頂いたら、もう時間がない。
予定している富士駅12時56分発の電車には乗りたいので、タクシーで駅まで帰ったのであります。
タクシー代結構かかったな。

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