平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(566)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(213)そして、凡傷心旅行。

1月8日、正午の少し前。
今日も、みゆきさんのコンサートのフェスティバルホールの当日券の受付があある。
昨日の失敗を経験して2つの対策を立てた。
1つは、開始時刻の丁度に電話するのではなくて、1分前ぐらいから電話をするということだ。まれに少し前から受付していることもネットの情報ではあるらしいのです。
もう1つは凡が考えた作戦で、NTTの制御がかからない回線を使うというもので、家の固定電話から国際電話を経由してかけるというものだ。
さて、12時丁度の1分前。
凡はアイフォンを手に電話をかけ始める。
1分前なのに、もうNTTの制御が掛かっている。
みんな電話をしてるんだね。
すごいね、みゆきさん。
ここでも、みゆきさんがみんなに愛されていることを実感した。
とはいうものの、実感して感心している場合ではない。
必死に電話をしまくらなきゃね。
そんでもって、1分前の作戦は失敗をしたので、国際電話の作戦を実行。
すると、この回線は使えないというメッセージ。
これは仕方がないか。
ということで、もともとの正攻法で、電話を続けるが、昨日よりもつながりにくい。
昨日は、それでも途中から話し中の音が聞こえて、つながりかけている気配はあったのですが、今日は全くつながらないのです。
15分経過。
それでも、つながらない。
昨日だと、もうそろそろ繋がって予定枚数終了のアナウンスがあったころだ。
そして、20分経過したときに、奇跡的にも電話が繋がったのである。
凡は飛び上がりそうになるのを抑えながら、流れるメッセージに耳を傾ける。
ここで間違っては元も子もない。
ミニボンも繋がったような凡の素振りに、「頑張れー。」と小さな声で言った。
やっとみゆきさんに会えるのだ。
それを思うとこころが震えるのが凡自身で分かる。
そして流れるメッセージ。
手元にクレジットカードを用意してくれとか、いろいろな説明がゆっくりと流れる。
そして、それでは受付を開始しますとか何とか言ったと思ったら、「
該当のチケットはありません。」というようなメッセージが流れて電話が切れた。
何が起こったのか、今起こったことを理解できないのである。
とはいうものの、実際には電話は切れている訳で、そんな理解できないままで茫然としている訳にもいかないのである。
まだ、諦めきれずに電話を掛け続ける。
それでも、まだNTTの回線はつながらない。
つながらないから、電話を続ける。
そして、40分ぐらいだろうか、ようやく繋がったら、予定枚数終了のメッセージだった。
そしてようやく凡は肩を落とし、ため息をつく。
考えるに、電話が繋がった瞬間はまだチケットがあったのだろう。
そして、ゆっくりとした説明のメッセージを聞いている間に、チケットが売り切れたということになるのだろう。
ということは、ほんの1分か1分半の時間の差ということになる。
どうにも悲しい。
でも、今日もまた仕方がない。
、、、と、今日はそんな風にも思えないのでありまして、何故なら大阪のフェスティバルホールの公演は、昨日と今日の2日間だけだったのでありますから。
大阪である。
すぐそこにみゆきさんがいる。
でも、会えない。
この大阪ということが、凡には耐えることができないのである。
かなりのダメージを抱えて、何気なく電車に乗ったら、あれま、フェスティバルホールの前にいた。
何しろ無職なものだから時間はあるし、フェスティバルホールも近い。
なのであるけれども、赤いカーペットの階段を見上げてはみたものの、寂しさが増すばかりだ。

画像

失恋。
実際にフラれた訳ではないけれど、会うことが叶わないのなら、これはもう失恋と同じじゃない。
みゆきさんに会えないのなら、そんな大阪にはいても仕方がない。
そんな大阪には意味がないのである。
人は失恋をしたときにどうするか。
旅行である。
傷心旅行。
よくテレビのサスペンスドラマでも、冬の能登半島とかに行ったりする。
凡もこころに傷を負ったまま、どこか遠くに、誰も知らないところに、大阪を捨てて旅行に行こう。
さようなら、大阪。
さようなら、フェスティバルホール 。
さようなら、みゆ、、、これは言わない。
今日は、1月の8日。
JRの青春18きっぷというものがあって、1月の10日まで使用できる。
あと2日間だ。
どこかの金券ショップで安く売っているかもしれない。
と思って梅田の金券ショップを見て回る。
でも、人気なのか残日数2日間になっても、売りが出ていない。
売っていても6000円以上と強気のものが多い。
仕方なく、5900円のものを購入した。
そして、小さい時刻表を買って家に帰る。
さて、どここに行こうか。
傷ついた失恋者が行くのは北のイメージだ。
或いは、みゆきさんが東の東京に帰るなら、ひねくれものの凡は西の方に向かって行こうか。
いろいろ考えながら時刻表を見る。
北の方なら金沢か。
でも、金沢は前回に行ったときに、警察官に職務質問をされて、ケッタクソが悪い。
なら、富山はどうだ。
と思って見てみると、金沢以東には青春18きっぷは使えないのである。
何故かというと金沢からはJRではなくて、第3セクターに運営を任せていて、そこはJRじゃないから使えないのである。
またしても、国鉄の民営化という国政のしわ寄せがここにある。
全国に引き伸ばした鉄の棒を、わざわざプツプツと寸断してどうしようというのだろうか。
特に地方の路線になると、こんなことをする。
これじゃ、却って地方の景気低迷につながるよ。
鉄道の役割をまったくもって理解していないのである。
そんなことを考えていると、知らず識らずのうちにユーチューブで、昔に大阪、青森間で走っていた急行「きたぐに」の車内アナウンスをウットリと聞いてしまっていた。
それにしてもいい。
大阪から青森までの停車時刻のアナウンスなんだけれど、大阪から青森まで延々と車掌さんが読み上げるんだね。
これが鉄道の素晴らしいところなんだけれどなあ。
と、そんなこをしながらも行き先を考えるが思いつかないのである。
とりあえずは、みゆきさんが帰るのと反対方向だ。
そう思って寝ようと思ったときに、やっぱり東だと思った。
いつもは西に向かってばかりいる。
東は名古屋止まりか、だいぶん前に東京まで乗ったぐらいだ。
なので、今回は、名古屋と東京の中間にしよう。
そういえば、ムーでも浅間神社と宮下文書の話とかやっていた。
なんとなくオモシロそうではある。
はてさて、浅間神社は凡の傷心を癒してくれるのでありましょうか。

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