平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(551)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(201)

東京国際フォーラムでのコンサート一会が終わって、楽しかった気持ちの高ぶりと、何となく帰りたくないようなもの寂しさを感じながら、会場の周りを時計と反対回りに歩いていた。
ひょっとして出待ちをしている人がいるかもしれないと思ったからだ。
すると地下駐車場に通じる入り口なのか出口なのかがあった。
ここなのだろうか。
警備員が1人立っている。
とはいうものの、他には誰もいないし、ここが正解なのかも不明なので、もう少し歩るいてみることにした。
すると、20名ぐらいだろうか人が集まっているところがあった。
見ると道を挟んだ向かいには地下駐車場からの出口がある。
ここだったのかと思って、凡も待つことにした。
出口があって、道があって、ガードがあるので、そこに沿ってみんな立っている。
凡は出口に1番近いところに立った。
ここは後ろからの車と合流する場所なので、みゆきさんの車も一旦後方確認のために停まるはずだ。
小雨の降る中、傘を差して待つのだけれど、みんなほとんど無言だ。
いつみゆきさんが出てくるのかと、じっと待っている。
凡は、みゆきさんのコンサートを眺めてきたところだけれど、双眼鏡を忘れたこともあり、みゆきさんの表情などはまったくもって判然としないまま、でもまあ実に楽しかったのではありますが、それでも何かみゆきさんをハッキリと見ることができなかったことが、少しばかり残念な気持ちであった。
でも、この距離でもし見ることができたなら、それは今回も来て良かったということは間違いがないだろう。
そうして、期待をしながらも待っていた。
10時30分ごろだろう。
いつものみゆきさんのタクシーが出口に見えた。
みゆきさんはいつものように右側に座っているので、ちょうど凡の前を通る時に、最大限に接近する。
開けられた窓から見えたみゆきさんは、待っていたファンに白く細い手を振って少し微笑んだ気がした。
もうだめだ。
美しい。
そして、可憐だ。
あのパワフルなステージのみゆきさんからは想像できないぐらいに、うまくは説明できないけれども、はかなげというか、よわよわしいといか、どうにも守ってあげたくなるような、そんな感じなんだ。
もちろん、実際のみゆきさんは凡なんかに守ってもらわなくても、どっちかというと凡よりもはるかに強い。
でも、どうにも人のココロを釘付けにしてしまう魅力がみゆきさんにはあるんだな。
そして、また書いてしまう。
もうだめだ。
素敵で素敵で、どうにも仕方がない。
コンサートでは遠くて遠くて、どうにも寂しかったのでありますが、今ほんとうに近くでみゆきさんを見ることができて、やっぱり東京まで来た甲斐があったと思ったのであります。
そんな接近も1瞬で終わって、みんな帰りかけたときに、ふと見ると、出口を出たみゆきさんのタクシーが信号待ちで、ちょっと先で止まっているではないか。
ここで走るのは、これはしちゃいけない。
ハシタナイし、みゆきさんも走ってくる人がいたら怖いだろう。
なので、顔は平静を装いつつ、足だけはチョコチョコと高速回転で近づいた。
すると信号待ちでいたみゆきさんのタクシーに追いついてしまったのである。
まだ開けられている窓からのみゆきさんは、前を向いている。
車内には女性のスタッフが2名乗っていた。
これからどこかへ夕食でも食べに行くのかな。
同じように追いついたファンが車が出る時に手を振って見送る。
こんな時でもみゆきさんのファンは行儀がいいなと思う。
それにしても、この近い距離が凡には遠いんだな。
すぐそこなんだよ。
すぐそこにみゆきさんがいる。
本当に、何歩かあるけばそこにみゆきさんがいるんだよ。
手を伸ばせばみゆきさんに触れることができるのかもしれない。
もちろん、そんなことは絶対にしないし、してはいけないのではある。
でも、この短い距離の間にあるものは何なんだろうと、いつも思うのであります。
凡とみゆきさんの間にある見えない壁。
縁という物理的科学的な理屈では説明できない壁。
それなら、解決方法はないじゃないか。
絶望的だ。
とはいうものの、凡は月刊ムーを定期購読しているムー民である。
きっと理屈では説明できないパワーでもって、いつかはみゆきさんとの縁も繋がるのではないかと、まあ楽観的に思い込んで東京駅の方に向かって歩き出した。
本当に最後にみゆきさんに会えたのは、今回の東京行きの余禄でありました。
さて、今日のするべきことは終わったので、一旦ホテルに戻る。
トイレ休憩の時間に買ったグッズをホテルに置いて、とりあえずは夕食を食べに行く。
御茶ノ水あたりには、まだやっているお店もあったのですが、閉店までの時間を気にして食べるのも嫌だし、昼間に神田の近くで夜中までやっている気になる中華料理屋があったけれど、小雨の中そこまで行くのはおっくうだ。
ということで、駅の近くで簡単に食べるだけにした。
御茶ノ水の駅の近くの日高屋さん。
唐揚げなどのおつまみでビールをいただいて、定食を食べて今夜の夕食とした。

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(メニューでは「かたやきそば」とあるのですが、大阪ではこれは「皿うどん」といいます。大阪の「かたやきそば」は、もっと太いフライめんだ。でも、大阪のうどんという言い方も、おかしいけどね。)
さて、ホテルに戻ってグッズを確認してみる。
今回は、ポスター以外のグッズを全部購入。
パンフレットを開いてみる。
ダメだ。
これはダメだ。
パンフレットを開くと、みゆきさんの美しい写真があった。
これはいい。
最高に、いい。
でも、そのあとがイケナイ。
色んな人のインタビューが掲載されているのである。
つまりは、ちゃんとしたパンフレットに作られているのである。
至って普通だ。
ミニボンは、桑田佳祐さんが大好きで、サザンオールスターズの応援団に入っている。
そしてたまに会報誌が送られてくるんだけれど、桑田さんのインタビューがあったり、いろんな企画が充実している。
ページ数も多い。
これはこれで、しっかりとしているし、サザンファンらしいのかもしれない。
それに比べて、みゆきさんのなみふくで送られてくる会報誌はペラペラだ。
そして内容は、始めのみゆきさんのメッセージ以外には、ほとんど何もない。
ミニボンはそれを指摘するのだけれども、みゆきさんの会報誌はこれでいいのである。
凡は、初めてのコンサート「縁会」に行った時に買ったみゆきさんのパンフレットに唖然とした。
それは、カバンにも入らない大きなパンフレットで、中身はみゆきさんの写真ぐらいで特に内容はない。
しかも、何故か「クリスマス」だとか「お正月」などの説明が意味も不明に書かれていたりする。

凡はこのパンフレットの中身を見た時に腰を抜かしそうになったね。
でも、その時にみゆきさんって、これなんだと思ったのである。
みゆきさんのパンフレットなんて、中身はなんでもいい。
それを買うことでみゆきさんが好きであることを自分自身が確認するためのツールであるからだ。
それ以外にパンフレットの存在意味はない。
だから、みゆきさんのパンフレットは、ただその写真をみて、「ああ、素敵だな。」と思うだけのものというのが正解なのである。
自分はみゆきさんが大好きであるという自己の証明。
なので、なみふくの会報誌も、もっと内容の無いものであってもいいのである。
みゆきさんの写真は無いと寂しいので、まずは写真がカラーで載っている。
そんでもって、内容はもうなくてもいい。
ザラバンシでガリペンで書いたものを輪転機で回しただけのものでいいんだ。
昔の学校のテストみたいなやつ。
いや、更に発展させるなら、もうそれも無い方がいいかもしれない。
もう、いっそのこと会報誌もなくていい。
なみふくに入るのはみゆきさんが大好きだということを、自分自身が今一度確認するためのものであるからだ。
となると、なみふくに入った特典なんか何もなくてもいいのかもしれない。
会員番号もないんだ。
ただ、なみふくの会員は、年に1度会費を納める。
ただ、それだけだ。
なので、誰もなみふくであることを知らないんだけれども、自分自身だけはみゆきさんが大好きであることを自分自身に確認する。
そういう意味では、会費も1万円とか、或いは5万円ぐらいにするんだね。
どうにも、ちょっと苦しいというか、日々の生活に影響する金額なんだ。
でも、それを払っても何かの特典がる訳じゃないし、会員であることを証明する番号なんてものも付与されない。
ただ、自分だけが会費を納めたことで、みゆきさんを大好きであることを知るのである。
なんとも自虐的なツライ会員なのではあります。
などと、そんな極論を誇らしげに語っている凡自身が、会員の先行予約でチケットが取れなくて落ち込んでいるのではあるわけで、何とも情けない凡なのではある。
言ってることと実際の乖離が甚だしいこと甚だしいこと。
矛盾が多すぎますね。
これもみゆきさんへの悲しい恋心がなせる悲しい凡の思考の行き止まりなのであります。
さて、グッズを確認したら、今回は朝食付きのプランなので、お腹いっぱい食べなきゃいけないので、みゆきさんのコンサートで感じたことをメモしたら寝ることにしたのであります。
、、、みゆきさん、おやすみなさい。
あ、そうだ。
今回もコンサートに行かせてくれて、ありがとう。
おやすみなさい、、、ミニボン。

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