平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(509)やっぱり東京の旅(3)みゆきさんの影を求めて。

やっぱり来てしまったのね。
東京。
何故に来てしまったかというに、東京が好きだから。
そんでもって、みゆきさんに会えるかもしれないという根拠のまったくない漠然とした空想が、凡の本来の緻密な計算を超えて、凡の中で悲しくも現実味を帯びてくるからである。
川崎市から小田急線で新宿まで戻って来た。
さて、どうしますか。
すると、あることを思い出した。
と言っても、確実な情報ではなく、かなり薄れてしまった記憶の断片だ。
たしか、みゆきさんは小田急百貨店のカードを持っているようなことを、月イチでしゃべっていたような気がする。
詰まりは気がするという程度の記憶なのであります。
でも、恋に狂った凡であれば、その薄い記憶に賭けてみることも、これは大いにしたいのである。
新宿の小田急百貨店に入る。
入ったはいいが、どこに行くという考えもない。
それはそうである。
みゆきさんが、凡のいる今という瞬間に、この小田急百貨店にいるという確率は、、、これは計算の仕方が分らないので書くことはできないけれども、兎に角ゼロに近いであろうことは、恋に狂った凡でも想像するに易い。
とはいうものの、凡は念のために1番下の地下から1番上の階まで、1階ずつ確認しながら歩き回った。
バカだね。
これは凡自身も、そう思った。
とはいうものの、時間的には地下の総菜売り場なんかにいてもおかしくはない。
夕食のおかずを買って帰るということもあるだろう。
或いは、ケーキかもしれない。
その前に、みゆきさんは家で料理を作るのだろうか。
想像するに同居している義理の妹さんが作っているような気もするけれど、それじゃみゆきさんも気を遣うよね。
或いは、交代制か。
そのあたりは、恋に狂った凡が1番知りたいところだ。
みゆきさんが作った料理って、おいしいんだろうなあ。
いや、おいしくなくったって一向に構わない。
凡はみゆきさんの作った手料理を、いつかは食べてみたいのであります。
とはいうものの、凡がみゆきさんに手料理を作ってあげようとは思わない。
何故なら、凡は甘えたさんだし、尽くされるのが好きなんだもの。
意外とみゆきさんは偏食だったりして。
「みゆきさん、野菜も食べなきゃダメだよ。」
なんて、凡がみゆきさんに言うね。
「だって、みゆき嫌いなんだもん。」
なんてさ、みゆきさんも凡と話をする時は、ちょっと甘えたな声で自分の事をみゆきって言ったりするんだ。
「でも、身体にいいから食べようよ。」
「いやだー。」
なんてね。
そんなことを言いながらも、2人見つめ合ってるよ。
「じゃ、半分食べよ。」
「い、や、だ。」なんてさ、「プイッ。」なんて、みゆきさん自分で言って、口をとんがらせたりしてさ。
可愛いなあ。
実に可愛い。
みゆきさんは、凡の空想の中にあっては、いつも少女のように可愛いんだ。
小田急百貨店の地下売場で、みゆきさんはどんな食べ物が好きなのかなあ、なんてまずは無意味なことを考えながら、ウロウロしたのではありますが、みゆきさんに会える道理もなく、諦めて渋谷に向かうことにした。
渋谷は、好きなんだ。
そんでもって、これは確か週刊誌か何かに書かれてあったと思うんだけれど。
これも、何となく書かれてあったという薄い記憶の断片である。
渋谷の東急ハンズで注射器や試験管のコーナーを熱心に見ていたというのだ。
みゆきさんが注射器?
「もう、イヤダーン。凡はそんな趣味はないけれど、みゆきさんがどうしてもって言うなら、経験してみる。でも、優しくね。」なんて、注射器で淫らな妄想をしてしまう凡。
そんな微かな、これまた不確実な情報ではあるけれども、これはやっぱり行ってみるべきではあるだろう。
これまた渋谷の東急ハンズの下から上まで歩き回る。
果たして、1番上の階に注射器や試験管のコーナーがあった。
ここにみゆきさんが来たのだろうか。
凡もいちおう注射器や試験管を見てみる。
1本ぐらい買って、なみふくに送るべきだろうか。
いや、しかし注射器を贈り付けたところで、それをプレゼントと解釈してくれるものであるかどうか。
せめて、注射器に赤いリボンでも結ぶとか。
いや、それではもっと変な趣味に取られてしまうだろう。
一体、注射器は何をするものであるのか。
注射である。
みゆきさんが「凡ちゃん、注射させて。」と来たらどうするのか。
勿論、みゆきさんだから、注射させてあげたいのは、やまやまだ。
でも、何の注射か分らないし、素人のみゆきさんが、そう上手く血管に差せるものなのか。
しかし、嫌われるのはイヤだ。
ここはもう仕方がない、みゆきさんに言おう。
「いいよ。注射しても。」
こうなったらまな板の上の鯉だ。
「きゃー、血管浮き出てる。注射するの、こわーい。」なんてみゆきさんが絶叫したりして。
みゆきさん、もう、オカシイよ、注射なんてしたいって言ったのみゆきさんだよ、訳わかんなくなっちゃうよ。
それって精神の病だよ。
どうしちゃったのよ。
ほんと、みゆきさんには困ったものである。
と、まだ起こってはいない注射器騒動に凡は冷や汗をかいてしまったのである。
そんでもって、凡はここにもみゆきさんはいないことを確認すると店を出た。
兎に角は、会えることは叶わなかったが、努力はしたのでありまして、今日はこのへんで堪忍しておいてもらおう。
それにしても、小田急百貨店といい、東急ハンズといい、ただただ夢遊病者のように歩き回った訳なのでありますが、どうにも無意味ではある。
みゆきさんの影を探して、影を追っかけて、というのであれば、まだこれは正常範囲だ。
何故なら影があるという事は、実体もまたそこにある、またはあったということである。
なのであるけれども、今日の凡は、小田急や東急ハンズに、みゆきさんがいたかどうかということもアヤフヤでありまして、そんなアヤフヤなものの影となると、これはもう目に見えない影ということになってしまう。
ただ、そんな悲しい現実も、渋谷のスクランブル交差点の雑踏に紛れ込んでしまうと、何となく心安らぐ気がした。
地下鉄で青山1丁目まで移動して、そこから徒歩でこんやのホテル「富山県赤坂会館」に到着した。

コメント

  1. うかれぶた より:

    御機嫌よう、凡さん♪
    みゆきさん、ハンズも好きなんですね~(^o^)/
    そして、理系女!?も 内包されている?
    私も、同じ渋谷のハンズや、東急本店、公園通りや、NHKの見学コースは、ふらふらと 家から散歩コースのように、歩くのが好きでした。
    それらは、みゆきさんも リアルタイムに歩いていたし、みゆきさんと私は、好きな物が シンクロなんでしょう(^o^)/と、思い込み。
    いいなぁ、凡さんは、今、近い時代の みゆきさんと、半径 近い空間に行けたのですもの。
    私も、みゆきさんと100mできっと 案山子になると思います。
    お笑い芸人さんだったら、追いかけても、話をする私なのに、、、
    そうだ!みゆきさんも、お笑いもやれば、私は案山子にならずに、いざ声をかけられるかも(^-^)b

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    こっちこそ、うかれぶたさんが羨ましいですよ。
    横浜って言えば、お洒落な街だし。
    中華街はあるし、中華食べまくれるし、って私って中華料理好きなんですよね。
    それに横浜って東京に近いでしょ。
    私には、みゆきさんとのデートも妄想圏内です。
    もし私が横浜に住んでたら、毎週東京に出かけちゃいますよ。
    でも、そんな日に限って、みゆきさんが横浜に来てたりするのが私の運命なのですけれど。
    すれ違いの運命。
    もし、みゆきさんがお笑い芸人でも、やっぱり案山子になっちゃう。
    だって、好きな人だったら、何やってる人でも案山子になっちゃいますよ。
    そう思うと、つくづく弱虫だなあって思ってしまいます。
    でも、弱虫は弱虫でも、弱虫だから出来ることもあるんじゃないかなと、日々考えているんですけれどね。
    なんせ案山子予備軍なので、知恵が働きませんです。

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