平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(494)上野の花見のマナー違反とニュース報道のあり方。

何気なくふとテレビを見ると、朝のテレビ番組が流れていた。
モーニングショーというのだろうか、色んな今の話題になっているニュースなどを取り上げる番組だ。
その時に見たのは、上野公園で花見をする人たちを取材している特集だった。
液晶パネルのレポーターは、上野公園に花見というものを見物に来ている外国人に話しかけている。
「桜の枝を引っ張るのは、日本ではマナー違反ですよ。」というような内容の事を、花見という日本のお祭りというか楽しみを、台湾から観光で見に来た20歳台の男性に注意をしている。
男性は、桜の枝に小さなマスコットをぶら下げてスマートホンで写真を撮ろうとしていたのだ。
男性は片言の日本語で「ごめんなさい。」というようなことを返している。
なるほどな、と思った。
この取材は、上野公園で花見をしている人を取材すると同時に、それを見に来ている外国人のマナーの悪さを見ている人に伝えたいという意図を持って行われているようなのである。
凡は、それを見て気分が悪くなった。
というより、その番組の制作者に腹が立った。
凡は出来ることなら、色んな角度からソースを仕入れて、それを分析して出された結果を、報道してほしいと切に願う。
始めから結論ありきの報道は、凡には不要だ。
そして、視聴者には見る目を曇らせる害となる。
あの上野公園の花見の状況を、総合的に見るならば、その台湾の男性のしたことなんて、可愛いものである。
綺麗な桜を目の前にして、それに自分の好きなマスコットをぶら下げて写真を撮ってみたいと思うのは、自然なこころの動きだと凡は思う。
それを、わざわざカメラとマイクを向けて、マナー違反だと一方的に責めて、相手を謝らせる。
非常に暴力的な強制だ。
特集の中には、桜の花を折って髪に差している女性もいたが、枝を折るのは、これはちょっとマナー違反であるかもしれない。
ただ、大多数の外国人はマナーを守っている。
凡は大阪の心斎橋というところで働いているのですが、外国人の大阪のツアーのメインの場所であるせいで、中国、台湾、韓国、その他の国の人に毎日接している。
テレビで放送されているように、中国の大陸から来られた中高年の人の中には、マナー違反というか、場所をわきまえない人がいることは、凡もそう思う。
ただ、若い人を見ると、片言の日本語でお礼を言ったり、マナーも良い。
そんな若い人が大多数だ。
特に、台湾の人は、東日本大震災の時に、どれほど日本人に対して心配して寄付をしてくれたかを思い出して欲しい。
凡はその震災から少したって台湾を旅行したことがあったのですが、各地で援助の募金などを熱心にしていただいていたのを、実際に見ている。
本当は、日本人などより、ずっと心の美しい人たちなのだと思う。
さっきの台湾の若者にだって、「日本の桜を思う存分楽しんでね。」なんて、声を掛けて上げたらいいじゃない。
ちょっと話はズレかけているのですが、そんな外国人を十把一絡げにして、始めからこうだろうという先入観で作り上げた結果を報道するために取材をするのは、どうにもその感性を疑わざるを得ないのである。
上野公園にいる、各国の人たちのサンプルを一定量集めて、それは日本人を含めてさ、その行動がマナー違反かどうか複数の人の意見をまとめてね、それでもって、何パーセントのどこの国の人がマナー違反をしていると、そういう報道をすべきだと凡は思うのであります。
それが報道だと思うのです。
1度それをやったら面白い結果が出るんじゃないかな。
凡の予想では、1番のマナー違反は日本人だと思うね。
あの日本人の花見の状況は、見ていて醜悪である。
誰のものでもない公園の土地を、我先にと取り合って、そこで桜の花にはどうみても合わないブルーのシートを敷き詰めて、そこで酔っ払って、大声を出して、自分たちだけで喜んでいる。
これをマナー違反と言わずして何というのだろうか。
他の上野の桜を見に来ている人のことなんて、これっぽっちも考えていない。
そりゃ、やっている人たちは楽しいのかもしれない。
でも、他人がどうでも、自分だけが楽しければいいというのは、こころが美しとは言えない。
上野公園で、あのブルーシートの人たちがいない風景を想像してみて欲しい。
国立博物館に続く道の両脇に華やかに咲きそろう桜の花ばな。
暖かな風が桜の枝を通り抜けて、ご褒美の桜の花びらを落としていく。
素晴らしい景色だと思わないかい。
少しよそいきの服を着て、のんびりと桜を見ながら歩いて行く。
帰りに蕎麦屋で熱燗を1、2本ころがして、花巻ぐらいで仕上げる。
そんな花見の方が素敵じゃない。
どうだろうか。
と書いてきたのですが、凡は外国人の観光客のマナーの悪さを報道する番組があってもいいとは思う。
さっきと違う事を書いていると思われるかもしれないけれど、そういう放送局を排除する必要は無いという意味だ。
勿論、さっき書いたことは、その番組を批判する内容は、これは凡は確かにそう感じたことである。
あの放送は、ひどいと思う。
でも、それはそれで1つの報道だ。
日本には表現の自由がある。
凡が言いたいのは、朝の時間に、或いは夜に、ニュースの番組を見ると、どの放送局も同じ事件を報道している。
それもまた、いいのですが、どの放送局も同じことを言っているんだ。
どのチャンネルを見ても、同じ内容。
同じ事件。
同じ視点。
同じ切り口。
同じコメント。
同じ結論。
詰まらないよね。
その放送局独自の取材でもって、独自の内容を報道する放送局が増えることを、凡は期待したい。
ある放送局は右。
ある放送局は左。
それでこそ、報道の自由を叫ぶことができるというものである。

コメント

  1. 北のトド より:

    私も同じニュース番組見て不快に感じました。マナーの悪いのは、日本人にも沢山いるだろう。ことさら外国人のマナーの枝葉末節をあげつらうような意図に。桜はその程度のことにビクともしないで鷹揚に受け止めるような気がするのですが。  
    それと、田中克彦先生の本、私も数冊読みました。学者にしては庶民感覚あふれる大胆な物言い、しかしながら厳しい誠実さを感じる方と。

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう。北のトドさん。
    同じ番組を見てたとしたら、あの取り上げ方はないですよね。
    しかも外国人に注意している、その言い方というか、接し方が、いかにも自分は正論を言ってるのだよというような、無防備な人に不意打ちをくわせるような、そんなその場の空気感が、イヤラシイ感じだった。
    日本人の排他的な意識は捨てて、みんなウエルカムで、お互いに楽しくやりたいものですね。
    北のトドさんの、読書の巾はひろいですね。
    本棚にどんな本が並んでいるのか、見てみたいです。

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