平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(406)アイライブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(115)

もう2014年なのでありますが、何でもトロな凡は昨年の2013年の夜会工場の話でございます。
昨年は11月から東京、福岡、名古屋と、中島みゆきさんを追っかけて夜会工場に出かけました。
東京は、TBSのメルマガの抽選とネットのチケット流通センターでチケットを取りました。
そして、福岡と名古屋は、なみふくとデジナミで取りました。
でも、その他の、シアターBRAVA!や、ぴあ、ローソンなどで申し込んでも、どうしても当たらない公演地がありました。
凡の住む大阪であります。
みゆきさんが、すぐそこまで来ているのに、会えない。
ネットでチケットを探したりしたのですが、大阪のチケットは兎に角、高い。
さすがに3カ所も行ったあとなので、そんなお金を出して買うというと、これはミニボンも怒りだすだろう。
どうしたものかと思っていると、当日になってしまった。
出待ちだけ参加しようか。
そうも思ったが、それは最終手段だ。
残された方法は、当日券と現場で「チケット譲ってください。」のカードを持って立つかだ。
寒いシアターの階段の下。
そしてプラカードを持って立つ凡。
もう1時間も立っているだろうか、足の先から冷えて腰まで痛くなる。
もうダメかなと思っていると。
恥ずかしそうに女の子が近づいてきた。
白いダッフルコートに黒いパンツ。
夜会工場のみゆきさんを意識しているのだろうか。
髪はサラサラロングヘアーを後ろでまとめているのだけれど、後れ毛が眩しい。
20才ぐらいだろうか、それでも幼く見えるのは、ほっぺたが赤く上気しているせいだろう。
「あのう、チケット1枚余ってるんですけれど。」
「あ、それ譲ってもらえるの。」
「はい。」女の子は、ニコッと微笑んで頷いた。
「ありがとう、でもよく今まで持っていたね。ネットで売ったりしなかったの。」
「ええ、お姉さんと行くつもりだったんですけど、急に行けなくなって。それに、私みゆきさんのファンなんだけれど、みゆきさんの好きな友達もいないし。あ、ちなみにお姉さん22才で、ショートカットでえくぼが可愛いんですよ。」
何故、お姉さん情報をくれるのだ。
これをどう解釈するべきなのか。
まあ、それはいい。
「じゃ、良かったらメール交換しない。凡もみゆきさんが好きなんだけれど、2人で申し込んだ方がチケット取れやすいでしょ。これからは2人で協力してチケットを取ろうよ。」
「賛成。じゃあ、これがメールアドレスでしょ、そしてこれがケータイの番号。
それと、これがお姉さんのメールアドレスに、お姉さんのケータイの番号です。」
また、お姉さんの情報だ。
それも携帯電話の番号まで。
これは一体どう考えればいいのよ。
お姉さんに電話をすべきなのか。
いや、始めはメールの方がいいだろう。
知らない人から電話が掛かってきたら警戒するものね。
でも、メールと言ったって、書き出しが肝心だ。
1番始めの言葉を何にするかだね。
いや、これはお姉さんと妹と一緒に付き合うということなのか。
妹が可愛いんだから、お姉さんも可愛いに違いない。
でも、それじゃ三角関係になっちゃうよ。
どうしたらいいのよ。
、、、、なんて、妄想をしている時ではない。
今は、みゆきさんのチケットを取ることをしなきゃいけないのである。
まずは、当日券を取ることに集中しよう。
凡は、コンサートなんかへ今まで自分で行こうとはしなかったので、チケットの取り方には詳しくない。
学生時代に、チケットの申し込みの電話は公衆電話の方が繋がりやすいということを聞いたことがある。
何しろ当日券は取り難いからね。
ミニボンのサザンオールスターズのチケットの当日券をネットで取ろうとしたこともあるのですが、兎に角つながらない。
みゆきさんの当日券も取り難いことは想像ができる。
さて、でも努力だけはしようと、近くにある公衆電話へ行くことにする。
みゆきさんの当日券は電話のみでの受付だ。
そして、念のため電話番号や注意事項を確認していると、公衆電話からの申し込みはできないと書かれていた。
「セーフ。」
冷や汗が出た。
もし、この1文を読まずに公衆電話で電話を掛けていたら、どん底に落ちていただろう。
危なかったね。
では、気を取り直して、電話を掛けるために電話の前で待機する。
時間が来たので掛ける。
やっぱり駄目である。
「ただ今、大変混み合っています、、、、。」というメッセージが流れる。
また、掛ける。
やっぱり、混み合っていますのメッセージが流れる。
みんな一斉に掛けているのでしょうね。
こうなると焦ってくる。
繋がらないかもしれないと思ってはいても、やっぱり焦る。
また、掛ける。
また、混み合っているメッセージ。
もう1台の電話では間に合わない。
左手で家の電話を掛け、右手でアイフォンの電話を掛ける。
どっちもダメ。
また、両方で掛ける。
そうしている間に、繋がらない状態に2種類あることに気が付いた。
混み合っていますのメッセージが流れる場合と、話し中の「ツー、ツー、ツー。」の音の場合の2種類です。
メッセージが流れる場合は、これはまったく繋がらないだろう。
でも、話し中の場合は、取りあえずは申し込みの所まで回線が繋がったということだろう。
ということは、まだ繋がる可能性もある。
諦めずに、掛け続けると。
「繋がった。」
アイフォンの電話が繋がったのだ。
でも、まだ安心しちゃいけない。
最後までいかないと完了したわけではないのだ。
とはいうものの、流れてくるガイダンスのメッセージが、ゆっくりしている。
焦りながら、打ち込む凡。
もしこれが、何を打ち込めばいいか始めに分かっている人がいたら、先を越されちゃうじゃない。
焦る凡。
焦っているせいか、クレジットカードの番号を入力するときに、数字を打ち間違った。
「しもた。」
どうすればいいのだろうか。
アイフォンの画面に「戻る」のボタンがある。
押すべきか押さないべきか。
押して無効になったら、どうしようもない。
とはいうものの、どうしたらいいか分らないので、「えいっ」戻るのボタンを押した。
少し間があって、再度同じメッセージが流れた。
良かった、繋がっている。
冷や汗が出た。
何とか最後まで打ち込んで、やっと当日券を取ることができた。
でも、我ながらよく取れたなと思う。
当日券も取れるんだね。
それにしても当日券って何枚あるのだろうね。
もう席はどこでもいい。
取れないと思っていたチケットも取れたし、みゆきさんに会えるんだもの。
ミニボンに当日券取れたよと言うと。
「執念で取ったね。」と笑った。

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